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腹上死もありかもしれません
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「訪問するなら適切な時間と行い方があるのではないか?」
私を抱き締めたまま、ゲルブ様は呆れたようなお声を出されました。
溢れる殺気とよく知った魔力の気配に、私はどうすれば良いのか分からずゲルブ様の腕の中で固まっております。
私の視界はゲルブ様のクリーム色のナイトガウンが映っているだけですが、震動と爆音と共に現れた方がどなたなのかは魔力の気配で見なくても分かってしまいます。敵襲かと思ったのは恐ろしい殺気のせいです。
「……私の妻から離れろ」
冷え冷えとしたお声はナハト様のお声です。
お声を聞いた瞬間に、恐怖に縮こまっていた心臓が強く拍動し、切なさに引き絞られました。
何故突然この場所にナハト様が現れたのかは分かりませんが、私をまだ妻と呼んで下さる事に喜ぶ自分がおり、切なさが倍増致しました。
「そうだね、今はまだ、セラフィナイトは君の妻だ」
ゲルブ様は私の背中に回した腕に更に力を込めて私を引き寄せます。体が密着して、私の晒されたお胸が形を変えます。自身の乱れた様子に気付いた私は、頭が真っ白になって岩のようです。前世で読んだ本にございました、貝になりたい男性の気持ちが分かってしまいます。ええ、本当に、このままただの無機物となって自身の愚かさを忘れてしまいたいです。
「しかし…流石ナハトだね。この場所の結界が破られるとは思わなかった」
「ゲルブ、私の妻から離れろ」
ナハト様はゲルブ様のお言葉に反応する事もなく、再び同じお言葉を繰り返しながら私達がいる寝台に近付かれております。
絹の寝間着の胸元がはだけられた私の状態を見られれば、何があったのかは容易に察する事が出来ます。ナハト様が不貞行為をなさったからと言って、私も行って良いわけではございません。私は、ナハト様以外の男性に肌を許すつもりはございませんでしたが、今の状態でそのような事を説明したところで無意味です。
「ナハト、不粋だよ。我々が何をしていたのか分かっているのだろ?セラフィナイトは今はまだ君の妻だが、近々私の寵妃となる事になったのだよ」
な、な、何を仰っているのですか、ゲルブ様。確かにオファーはされましたが、承諾はしておりませんわ。まだ離縁のお話もしておりませんのに、そのような事をナハト様に仰っては角が立ってしまいます。
「寵妃?…何の冗談だ?」
ナハト様が寝台に近付いてくるのが足音と気配でわかります。大きな魔力のうねりが見なくても感じ取れます。無詠唱で魔法を発動しようとされているのが分かり、私は戦慄いたしました。
ナハト様から放たれる殺気は本物で、このまま魔法が発動されればゲルブ様の生命が危うい事が分かりました。どのような理由があれ、国王を傷付ければ国同士の問題に発展し、最悪の場合には戦争が勃発してしまいます。
「ナハト様…っ!」
ゲルブ様の腕の中でナハト様のお名前を口にするのは勇気がいりましたが、危機を脱するためにはある限りの気力を振り絞りました。
「シルフィード公爵家のため今後どのようにすれば良いのか冷静に考えるために、ゲルブ様は私に居場所を与えて下さっただけなのです。漸く、ナハト様とルイーゼ、子供達にとってどのようにすれば最善となるのか答えが見つかりました。近々ナハト様と話し合いをさせて頂きたいので、私にお時間を頂けますか…?」
「……何を言っているんだ」
魔法の発動が消滅し、ナハト様の困惑を含んだ問いが静かな部屋にポツンと落ちました。
「意外に察しが悪いな、ナハトは。セラフィナイトは君との離縁を考えているって事だよ」
ゲルブ様、お願いですからダイレクトにお言葉にしないで下さい。ナハト様の殺気がまた滲み出始めているではないですか。わざとですか?わざとですね。困りました。穏便に、冷静に話し合いをして、平和的な離縁を考えておりますのに。
「部外者は口を挟むな」
「生憎、部外者ではないな。そもそも君が横やりを入れなければ、セラフィナイトが私の婚約者となっていたはずだった。君に奪われたモノを奪い返して何が悪い?君の脇が甘いから、流さなくても良い涙をセラフィナイトが流したんだ」
んん?何のお話しですか?ゲルブ様の婚約者?初耳ですが、一体どういう事でしょうか。
「善人ぶって、手をこまねいていたお前に言われたくないな。そもそも、お前はセラフィナイト自身を見ていない。そんな奴が選ばれるわけがないだろう」
「選ばれて、セラフィナイトの優しさに胡座をかいていたから離縁を考えさせるような隙を作ったのだろう。自業自得だ。フランメの女とこの際婚姻を結べば、問題解決も容易になるのではないか?」
「何故私があんな女と婚姻を結ばなければならない。ふざけるな。そもそも何故気安くお前がセラフィナイトに触れている。離れろ、触るな、死にたいのか」
お二人の会話の気安さに驚くと共に、内容にも驚くばかりです。呆然としている私に、ナハト様は終始平坦なお声でお言葉をかけて下さいました。
「セラフィナイト、貴女が例え私を疎んじるようになっても、私は貴女を手放す事は出来ない。貴女が何を見て、今此処にいるのかはミネルバから聞いて理解しているつもりだ。その事も含めて話をしたい。子供達も貴女を恋しがって泣くばかりだ。どうか、私と共に帰ってくれ」
いつもの抑揚の無い平坦なお声のナハト様の美声に、涙が自然と溢れてきます。
突然現れたナハト様は、私を迎えに来て下さった事は分かります。勿論、今後の事を話し合うためには一度帰る必要がある事も分かっております。けれど、いざナハト様を側に感じると途端に話し合う事が怖くなります。
離縁の覚悟をしたはずでしたのに、実は全く覚悟が出来ていなかった事を痛感致します。お姿を敢えて目に入れないようにしておりますのに、お声と気配だけでもうナハト様が恋しくて恋しくて堪りません。ああ、でも、やはり駄目よ。だって、ナハト様はもう私を女性として愛する事は出来ないのですもの。いつかやって来る第二夫人や妾の存在に怯えて生きて行く事に堪えられるか、今の時点では答えは出ておりません。このような状態でも、私の全身はナハト様を求めて止みません。
「簡単に返すと思っているのか?」
「確かに、お前は邪魔をするのだけは巧いからな。おかげで回り道をさせられた。だが、私に敵うと思っているなら、随分とめでたい頭になったものだ」
「めでたいのは君の方だ。嫉妬深い君に耐えられるかな?セラフィナイトは既に私のモノだ。私は既に彼女を知っているのだから。彼女の唇も、胸も、肌の全てが柔らかく滑らかで、彼女の中は」
な、な、何を仰っているのですか!確かにお胸には触られましたが、そのような仰り方ではまるで本当に最後まで体を合わせたようではないですか。殺気が怖いです。ナハト様からまた魔力のうねりが感じられます。
「違っ、あ、ナハト様、私は…っ」
「……っ」
突然ゲルブ様が言葉の途中で息を詰めました。私の体を抱き締めていた腕から力が抜け、いきなり寝台の上に引っくり返ってしまわれました。
「ゲルブ様!」
仰向けに倒れ込んだゲルブ様の無事を確認しようと手を伸ばしましたが、その手はナハト様に取られ、背後から抱き締められる体勢になりました。ふわりとナハト様の恋しい馨りが私を包みます。掴まれた手が、回された腕が、触れ合った背中と胸が熱を持ち、心臓が痛みます。
「眠らせただけだ。窒息させても良かったんだが。それではまた面倒事が増えるからな」
平坦なナハト様のお声を聞いて安堵の溜め息が出ました。ああ、良かった。やはりナハト様は冷静です。
「貴女には、聞かなければならない事が沢山あるな」
「あ…っ」
掴まれた手を放され、その手が私の晒されたお胸を掴みました。
「ゲルブに触られて感じたのか?先をこんなにし凝らせて」
グニグニと形が変わるほどに胸を揉まれ、赤味を増した先端を強く引っ張られて痛みと快感に涙が溢れ出ます。こんなに乱暴なナハト様は初めてです。冷静だと思ったのは間違いでした。
「や、違っ、あ、あ、駄目っ」
いつの間にかナハト様の両手は私の両のお胸を掴み、縦横無尽に愛撫を繰り広げ、私は首を横に降り続けながら息を乱しました。
数年振りに触れられるのが、このような状況である事が哀しくて堪りません。
「…っ、くそっ!こんな痕を付けられて…っ」
乱暴に舌打ちをしながら私の首筋にナハト様は歯を立てられました。
「痛っ…あ、あ…っ…」
ナハト様の歯が皮膚に深く食い込むのが分かります。痛みが拡がりますが、自分の体の奥が信じられないくらいに疼き、花園から恥ずかしい蜜の飛沫を感じて脳髄が痺れました。
腰が勝手にガクガクと震え、視界が真っ白になった瞬間、グニャリと空間が曲がる感覚がしました。その時微かにナハト様の呟きが聞こえました。
「……あいつ、こんな処にも…っ…どんな思いで、私が……っ」
真っ白な視界が霧が晴れるように少しずつ明瞭になり、ナハト様のお姿が目に飛び込んできます。
一ヶ月ほどしか離れていなかったのですが、感覚的には一年以上も離れていたようです。
ナハト様は相変わらず美しいです。キラキラと輝く金色の髪は艶やかです。怜悧な淡青色の双眸は今は殺気に溢れて剣呑ですが、魔石のように人を惹き付ける磁力を持っているかのようで目が吸い寄せられます。
多忙のせいか少し頬が痩けたように見えるのも、淫靡な影が増してドキドキが止まりません。シンプルな白いシャツの襟元から見える筋と喉仏の男性的な色気が、私の推し心を魅了して止みません。
私に触れる硬い皮膚、感じる重み、体温、馨り。ああ、どうしましょう。やっぱり大好きです。愛してます。離れたくありません。誰にも渡したくありません。
ナハト様は私の体を検分するように、乱暴な手付きのまま着ていた服を剥ぎ取り、容赦なく私を全裸にしました。
反射的に体を隠そうとした私の腕を一つに纏め、剥ぎ取ったガウンの紐で器用に私の両手首を一つに縛ったナハト様は、ゲームの中の病んだナハト様のようです。
本来ならば恐ろしく感じなければならないはずですのに、私が感じたのは期待と悦びです。ナハト様に触れられる歓喜に、頭がおかしくなってしまったようです。
三年間閨をお断りされ続けて折れた心に、じわじわと浸食して行く仄暗い愉悦が毒のように私の全身を痺れさせます。
知らない間にゲルブ様に付けられた口付けの痕を消すように、ナハト様は私の肌に口付けと噛み痕を残して行きます。吸われる度に熱が生まれ、痛みがそれを愉悦に変えます。
「痛っっ、あぅっ…あ、はぁ、ああん、ん、んふっ…はぁ、あ、あ…っ…」
意味のある言葉など口に出来ません。感覚だけが私を支配します。
もうずっと、抱かれたくて、愛されたくて、堪らなかったのです。砂漠の砂が水を吸い込むようにナハト様から与えられる感覚を貪ります。
「はぁ、はぁ、く…っ…はぁ…」
視線、唇、歯、舌、手、爪、脚、髪、そして吐息と汗。ナハト様はご自分の全てを使い、俯瞰で見れば凌辱しているかのように、ナハト様も私の体を貪ります。
私のお胸にはナハト様に掴まれた指や歯や口付けの痕が赤く刻まれ、腰や太股にも同じように痕が残されております。背中やお尻は見えませんから分かりませんが、痛みや快楽の痺れがあちこちに散っては燻っておりますから、沢山刻まれているのだと思います。
「貴女は、私以外の男にも此処をこれ程濡らしたのか」
腕は一つに縛られておりますから隠す事も抵抗する事も出来ませんので、ナハト様の手で易々と淑女の秘めたる花園を空気に晒され、はしたなくも脚は蛙のように開かれております。
ナハト様は平坦なお声のまま、けれど獣のような視線で私の花園の奥を凝視しております。視線を感じるだけで花園から蜜が溢れ、花弁達が開閉します。触れられてもいないのに、クパクパと音がする事に気付き、私は羞恥に更に最奥を収縮させました。
「淫らな体だ…こんなに蕩けて、男を待ってる」
ナハト様は触れられてもいないのに腫れた私の花芽を親指で一度強く押し潰しました。
「ひぅっ…っ!ああ!」
鋭い快感が刺すように脳天まで突き抜けたような感覚の後、私の花園は透明な飛沫を撒き散らし、全身はガクガクと震えました。
「あいつにも見せたのか?貴女の、この痴態を」
ナハト様は平坦なお声のまま、けれど私に触れる肌は火傷しそうなほどに熱く、雄弁でした。
突然突き入れられた灼熱は、まるで焼きごてのようです。痛みに一瞬呼吸が止まりましたが、体は愛しいナハト様の形を覚えておりました。メリメリと久しぶりに拓かれる隘路が悲鳴をあげますが、直ぐに悦びの涙を流して中が潤います。
「ひ、あ、あ、あぅ、あ、はぁ…あ、はぁ…」
深々とナハト様の剛直を咥え込んだ私の花園がどのような有り様なのかは幸い私の目には入ってまいりません。手首を縛られ、脚を開かれてナハト様の腰の突き上げに揺さぶられ、体は人形のように押し上げられて寝台に頭が突き当たります。
「くっ、あ、こんな…っ」
平坦なナハト様のお声が苦しそうに掠れました。
見覚えのある寝台がこれ程大きな音を立てて軋むのを初めて耳にしました。この寝台はあの監禁部屋のものですね。あの時、空間が曲がったような感覚は移動魔法のせいだったようです。
寝台の軋む音は最初から六分の八拍子を刻み、もう今は拍子を判別出来ないほどに早く短い軋みを刻んでおります。最奥の更に奥まで突かれる感覚は久しぶり過ぎて恐ろしく、そしてそれ以上の法悦を私に与えました。
分けが分からなくなる感覚は、このような感覚でしたでしょうか。
愛の言葉は無くとも、ナハト様の全身が私に愛を叫んでいるように感じるのは、また私の独りよがりでしょうか。
「あ、あぅっ、あ、はぁ、ああー…っっ」
強い快感に耐えきれずに目を閉じ、目蓋の裏に星が散りました。最奥が強く収縮し、ナハト様の剛直を強く締め付けているのが自分でも分かります。
「ぐっっ……っ…」
ナハト様の体が強張り、最奥に熱い飛沫が叩き付けられる感覚にまた、私の体は敏感に反応して脳が痺れました。
ゼィゼィと荒い息が部屋に満ちます。私の息なのか、ナハト様の息なのかさえ分かりません。
「う……ん…っ…」
「…っ…」
私の花園からナハト様自身が抜け出る感覚の後、バサバサと衣擦れの音がします。
ナハト様が抜け出ても自力で閉じる事が出来ない私の両脚を、再び掴んだナハト様はまた直ぐにナハト様自身を私の花園に突き入れました。
「あぅっ…」
「セラフィナイト…」
射精したばかりのはずですのに、ナハト様の男性はまだ硬く漲っております。ナハト様は私の花園の奥に深く漲ったご自身を埋めた後は、だらしなく開いた私の唇に唇を重ね、私の縮こまる舌を吸い上げながら腰をゆっくりと回し始めました。
名前を呼ばれながら口付けられ、奥を掻き回されると、まだ愛されていた昔を思い出して涙が出ます。
このように抱かれると、また勘違いをしてしまいます。先ほどのように、凌辱するかのように激しく抱かれた方が良いのです。
ナハト様の唯一になれないのであれば、私はもう努力を続ける事が出来ません。このまま激しく抱かれて儚くなる誘惑に駆られます。腹上死です。なんとも淫靡な響きでしょうか。
「んふっ、ん、ふ、んん…」
口腔内も舌で掻き回され、グチュグチュとはしたない水音が鼓膜を犯します。
素肌と素肌が擦れ合い、汗が互いの肌を濡らして行きます。
蛙のように拓かれていた脚は各々がナハト様の肩に掛けられ、ゆらゆらと揺れております。
深く折り曲げられた体が苦しくて息が出来ませんが、お胸がナハト様の逞しいお胸に擦れて心地好くて堪りません。
「セラフィナイト…っ…セラ、私のセラ…っ!誰にも渡さない、貴女は私だけの妻だ…っ」
口付けの合間に絞り出されるナハト様のお言葉に、涙が止まりません。
ええ、勿論です。私は貴方だけの妻です。
閨をお断りされ、他の女性をお側に置いている貴方にとって、妻がどのような意味を持つのかは分かりませんが、妻なのです。
ああ、駄目です。またあの女との不貞の現場を思い出してしまいました。
何も考えたくありません。このままどうか、仮初めでも幸せな悦びの中で私を永遠の眠りに誘って下さいませ。
「あ、あ、あ、っっ…!」
「くっ……っ…」
花園の奥を強く抉られ、総毛立ちました。迸る感覚に最奥が無意識に収斂し、一滴も残さず搾り取ろうとナハト様自身に絡み付きます。
立て続けに絶頂を感じ続けてそろそろ体力が切れてきました。意識がまた朦朧としてきましたが、またゆらゆらとナハト様に奥を掻き回され始めました。
そうでした、ナハト様は淡白な印象に反して持久力に優れた絶倫属性でした。
このままだと本当に腹上死が出来るような気が致します。
ところで、お腹の上にいなくても、腹上死と云うのでしょうか。ああ、困りました。こんな時に、こんなにどうでも良い事が気になって仕方ありません。
ああ、ナハト様、繋がったまま体勢を変えないで下さい。縛られた腕が痛いです。うつ伏せでお尻だけ上げる体勢は口付けて貰えないので哀しいですが、奥の奥まで掻き回される快感は桃源郷へと誘って下さいます。
あら?ちょっと待って下さいませ。
今の状況は、設定上のセラフィナイトが儚くなる前の状態に酷似しておりませんか?
監禁部屋で、嫉妬で病んだナハト様に孕むまで犯され続けたセラフィナイトと今の私の状況は、多少の差異はあれども監禁部屋で抱かれ続けている事は変わりません。
え?どうしましょう。設定から卒業したと思っていたのは間違いだったのですか?ああ、分かりません。ナハト様、駄目です、そんなに巧みに腰を動かしたら何も考えられなくなってしまいます。
私を抱き締めたまま、ゲルブ様は呆れたようなお声を出されました。
溢れる殺気とよく知った魔力の気配に、私はどうすれば良いのか分からずゲルブ様の腕の中で固まっております。
私の視界はゲルブ様のクリーム色のナイトガウンが映っているだけですが、震動と爆音と共に現れた方がどなたなのかは魔力の気配で見なくても分かってしまいます。敵襲かと思ったのは恐ろしい殺気のせいです。
「……私の妻から離れろ」
冷え冷えとしたお声はナハト様のお声です。
お声を聞いた瞬間に、恐怖に縮こまっていた心臓が強く拍動し、切なさに引き絞られました。
何故突然この場所にナハト様が現れたのかは分かりませんが、私をまだ妻と呼んで下さる事に喜ぶ自分がおり、切なさが倍増致しました。
「そうだね、今はまだ、セラフィナイトは君の妻だ」
ゲルブ様は私の背中に回した腕に更に力を込めて私を引き寄せます。体が密着して、私の晒されたお胸が形を変えます。自身の乱れた様子に気付いた私は、頭が真っ白になって岩のようです。前世で読んだ本にございました、貝になりたい男性の気持ちが分かってしまいます。ええ、本当に、このままただの無機物となって自身の愚かさを忘れてしまいたいです。
「しかし…流石ナハトだね。この場所の結界が破られるとは思わなかった」
「ゲルブ、私の妻から離れろ」
ナハト様はゲルブ様のお言葉に反応する事もなく、再び同じお言葉を繰り返しながら私達がいる寝台に近付かれております。
絹の寝間着の胸元がはだけられた私の状態を見られれば、何があったのかは容易に察する事が出来ます。ナハト様が不貞行為をなさったからと言って、私も行って良いわけではございません。私は、ナハト様以外の男性に肌を許すつもりはございませんでしたが、今の状態でそのような事を説明したところで無意味です。
「ナハト、不粋だよ。我々が何をしていたのか分かっているのだろ?セラフィナイトは今はまだ君の妻だが、近々私の寵妃となる事になったのだよ」
な、な、何を仰っているのですか、ゲルブ様。確かにオファーはされましたが、承諾はしておりませんわ。まだ離縁のお話もしておりませんのに、そのような事をナハト様に仰っては角が立ってしまいます。
「寵妃?…何の冗談だ?」
ナハト様が寝台に近付いてくるのが足音と気配でわかります。大きな魔力のうねりが見なくても感じ取れます。無詠唱で魔法を発動しようとされているのが分かり、私は戦慄いたしました。
ナハト様から放たれる殺気は本物で、このまま魔法が発動されればゲルブ様の生命が危うい事が分かりました。どのような理由があれ、国王を傷付ければ国同士の問題に発展し、最悪の場合には戦争が勃発してしまいます。
「ナハト様…っ!」
ゲルブ様の腕の中でナハト様のお名前を口にするのは勇気がいりましたが、危機を脱するためにはある限りの気力を振り絞りました。
「シルフィード公爵家のため今後どのようにすれば良いのか冷静に考えるために、ゲルブ様は私に居場所を与えて下さっただけなのです。漸く、ナハト様とルイーゼ、子供達にとってどのようにすれば最善となるのか答えが見つかりました。近々ナハト様と話し合いをさせて頂きたいので、私にお時間を頂けますか…?」
「……何を言っているんだ」
魔法の発動が消滅し、ナハト様の困惑を含んだ問いが静かな部屋にポツンと落ちました。
「意外に察しが悪いな、ナハトは。セラフィナイトは君との離縁を考えているって事だよ」
ゲルブ様、お願いですからダイレクトにお言葉にしないで下さい。ナハト様の殺気がまた滲み出始めているではないですか。わざとですか?わざとですね。困りました。穏便に、冷静に話し合いをして、平和的な離縁を考えておりますのに。
「部外者は口を挟むな」
「生憎、部外者ではないな。そもそも君が横やりを入れなければ、セラフィナイトが私の婚約者となっていたはずだった。君に奪われたモノを奪い返して何が悪い?君の脇が甘いから、流さなくても良い涙をセラフィナイトが流したんだ」
んん?何のお話しですか?ゲルブ様の婚約者?初耳ですが、一体どういう事でしょうか。
「善人ぶって、手をこまねいていたお前に言われたくないな。そもそも、お前はセラフィナイト自身を見ていない。そんな奴が選ばれるわけがないだろう」
「選ばれて、セラフィナイトの優しさに胡座をかいていたから離縁を考えさせるような隙を作ったのだろう。自業自得だ。フランメの女とこの際婚姻を結べば、問題解決も容易になるのではないか?」
「何故私があんな女と婚姻を結ばなければならない。ふざけるな。そもそも何故気安くお前がセラフィナイトに触れている。離れろ、触るな、死にたいのか」
お二人の会話の気安さに驚くと共に、内容にも驚くばかりです。呆然としている私に、ナハト様は終始平坦なお声でお言葉をかけて下さいました。
「セラフィナイト、貴女が例え私を疎んじるようになっても、私は貴女を手放す事は出来ない。貴女が何を見て、今此処にいるのかはミネルバから聞いて理解しているつもりだ。その事も含めて話をしたい。子供達も貴女を恋しがって泣くばかりだ。どうか、私と共に帰ってくれ」
いつもの抑揚の無い平坦なお声のナハト様の美声に、涙が自然と溢れてきます。
突然現れたナハト様は、私を迎えに来て下さった事は分かります。勿論、今後の事を話し合うためには一度帰る必要がある事も分かっております。けれど、いざナハト様を側に感じると途端に話し合う事が怖くなります。
離縁の覚悟をしたはずでしたのに、実は全く覚悟が出来ていなかった事を痛感致します。お姿を敢えて目に入れないようにしておりますのに、お声と気配だけでもうナハト様が恋しくて恋しくて堪りません。ああ、でも、やはり駄目よ。だって、ナハト様はもう私を女性として愛する事は出来ないのですもの。いつかやって来る第二夫人や妾の存在に怯えて生きて行く事に堪えられるか、今の時点では答えは出ておりません。このような状態でも、私の全身はナハト様を求めて止みません。
「簡単に返すと思っているのか?」
「確かに、お前は邪魔をするのだけは巧いからな。おかげで回り道をさせられた。だが、私に敵うと思っているなら、随分とめでたい頭になったものだ」
「めでたいのは君の方だ。嫉妬深い君に耐えられるかな?セラフィナイトは既に私のモノだ。私は既に彼女を知っているのだから。彼女の唇も、胸も、肌の全てが柔らかく滑らかで、彼女の中は」
な、な、何を仰っているのですか!確かにお胸には触られましたが、そのような仰り方ではまるで本当に最後まで体を合わせたようではないですか。殺気が怖いです。ナハト様からまた魔力のうねりが感じられます。
「違っ、あ、ナハト様、私は…っ」
「……っ」
突然ゲルブ様が言葉の途中で息を詰めました。私の体を抱き締めていた腕から力が抜け、いきなり寝台の上に引っくり返ってしまわれました。
「ゲルブ様!」
仰向けに倒れ込んだゲルブ様の無事を確認しようと手を伸ばしましたが、その手はナハト様に取られ、背後から抱き締められる体勢になりました。ふわりとナハト様の恋しい馨りが私を包みます。掴まれた手が、回された腕が、触れ合った背中と胸が熱を持ち、心臓が痛みます。
「眠らせただけだ。窒息させても良かったんだが。それではまた面倒事が増えるからな」
平坦なナハト様のお声を聞いて安堵の溜め息が出ました。ああ、良かった。やはりナハト様は冷静です。
「貴女には、聞かなければならない事が沢山あるな」
「あ…っ」
掴まれた手を放され、その手が私の晒されたお胸を掴みました。
「ゲルブに触られて感じたのか?先をこんなにし凝らせて」
グニグニと形が変わるほどに胸を揉まれ、赤味を増した先端を強く引っ張られて痛みと快感に涙が溢れ出ます。こんなに乱暴なナハト様は初めてです。冷静だと思ったのは間違いでした。
「や、違っ、あ、あ、駄目っ」
いつの間にかナハト様の両手は私の両のお胸を掴み、縦横無尽に愛撫を繰り広げ、私は首を横に降り続けながら息を乱しました。
数年振りに触れられるのが、このような状況である事が哀しくて堪りません。
「…っ、くそっ!こんな痕を付けられて…っ」
乱暴に舌打ちをしながら私の首筋にナハト様は歯を立てられました。
「痛っ…あ、あ…っ…」
ナハト様の歯が皮膚に深く食い込むのが分かります。痛みが拡がりますが、自分の体の奥が信じられないくらいに疼き、花園から恥ずかしい蜜の飛沫を感じて脳髄が痺れました。
腰が勝手にガクガクと震え、視界が真っ白になった瞬間、グニャリと空間が曲がる感覚がしました。その時微かにナハト様の呟きが聞こえました。
「……あいつ、こんな処にも…っ…どんな思いで、私が……っ」
真っ白な視界が霧が晴れるように少しずつ明瞭になり、ナハト様のお姿が目に飛び込んできます。
一ヶ月ほどしか離れていなかったのですが、感覚的には一年以上も離れていたようです。
ナハト様は相変わらず美しいです。キラキラと輝く金色の髪は艶やかです。怜悧な淡青色の双眸は今は殺気に溢れて剣呑ですが、魔石のように人を惹き付ける磁力を持っているかのようで目が吸い寄せられます。
多忙のせいか少し頬が痩けたように見えるのも、淫靡な影が増してドキドキが止まりません。シンプルな白いシャツの襟元から見える筋と喉仏の男性的な色気が、私の推し心を魅了して止みません。
私に触れる硬い皮膚、感じる重み、体温、馨り。ああ、どうしましょう。やっぱり大好きです。愛してます。離れたくありません。誰にも渡したくありません。
ナハト様は私の体を検分するように、乱暴な手付きのまま着ていた服を剥ぎ取り、容赦なく私を全裸にしました。
反射的に体を隠そうとした私の腕を一つに纏め、剥ぎ取ったガウンの紐で器用に私の両手首を一つに縛ったナハト様は、ゲームの中の病んだナハト様のようです。
本来ならば恐ろしく感じなければならないはずですのに、私が感じたのは期待と悦びです。ナハト様に触れられる歓喜に、頭がおかしくなってしまったようです。
三年間閨をお断りされ続けて折れた心に、じわじわと浸食して行く仄暗い愉悦が毒のように私の全身を痺れさせます。
知らない間にゲルブ様に付けられた口付けの痕を消すように、ナハト様は私の肌に口付けと噛み痕を残して行きます。吸われる度に熱が生まれ、痛みがそれを愉悦に変えます。
「痛っっ、あぅっ…あ、はぁ、ああん、ん、んふっ…はぁ、あ、あ…っ…」
意味のある言葉など口に出来ません。感覚だけが私を支配します。
もうずっと、抱かれたくて、愛されたくて、堪らなかったのです。砂漠の砂が水を吸い込むようにナハト様から与えられる感覚を貪ります。
「はぁ、はぁ、く…っ…はぁ…」
視線、唇、歯、舌、手、爪、脚、髪、そして吐息と汗。ナハト様はご自分の全てを使い、俯瞰で見れば凌辱しているかのように、ナハト様も私の体を貪ります。
私のお胸にはナハト様に掴まれた指や歯や口付けの痕が赤く刻まれ、腰や太股にも同じように痕が残されております。背中やお尻は見えませんから分かりませんが、痛みや快楽の痺れがあちこちに散っては燻っておりますから、沢山刻まれているのだと思います。
「貴女は、私以外の男にも此処をこれ程濡らしたのか」
腕は一つに縛られておりますから隠す事も抵抗する事も出来ませんので、ナハト様の手で易々と淑女の秘めたる花園を空気に晒され、はしたなくも脚は蛙のように開かれております。
ナハト様は平坦なお声のまま、けれど獣のような視線で私の花園の奥を凝視しております。視線を感じるだけで花園から蜜が溢れ、花弁達が開閉します。触れられてもいないのに、クパクパと音がする事に気付き、私は羞恥に更に最奥を収縮させました。
「淫らな体だ…こんなに蕩けて、男を待ってる」
ナハト様は触れられてもいないのに腫れた私の花芽を親指で一度強く押し潰しました。
「ひぅっ…っ!ああ!」
鋭い快感が刺すように脳天まで突き抜けたような感覚の後、私の花園は透明な飛沫を撒き散らし、全身はガクガクと震えました。
「あいつにも見せたのか?貴女の、この痴態を」
ナハト様は平坦なお声のまま、けれど私に触れる肌は火傷しそうなほどに熱く、雄弁でした。
突然突き入れられた灼熱は、まるで焼きごてのようです。痛みに一瞬呼吸が止まりましたが、体は愛しいナハト様の形を覚えておりました。メリメリと久しぶりに拓かれる隘路が悲鳴をあげますが、直ぐに悦びの涙を流して中が潤います。
「ひ、あ、あ、あぅ、あ、はぁ…あ、はぁ…」
深々とナハト様の剛直を咥え込んだ私の花園がどのような有り様なのかは幸い私の目には入ってまいりません。手首を縛られ、脚を開かれてナハト様の腰の突き上げに揺さぶられ、体は人形のように押し上げられて寝台に頭が突き当たります。
「くっ、あ、こんな…っ」
平坦なナハト様のお声が苦しそうに掠れました。
見覚えのある寝台がこれ程大きな音を立てて軋むのを初めて耳にしました。この寝台はあの監禁部屋のものですね。あの時、空間が曲がったような感覚は移動魔法のせいだったようです。
寝台の軋む音は最初から六分の八拍子を刻み、もう今は拍子を判別出来ないほどに早く短い軋みを刻んでおります。最奥の更に奥まで突かれる感覚は久しぶり過ぎて恐ろしく、そしてそれ以上の法悦を私に与えました。
分けが分からなくなる感覚は、このような感覚でしたでしょうか。
愛の言葉は無くとも、ナハト様の全身が私に愛を叫んでいるように感じるのは、また私の独りよがりでしょうか。
「あ、あぅっ、あ、はぁ、ああー…っっ」
強い快感に耐えきれずに目を閉じ、目蓋の裏に星が散りました。最奥が強く収縮し、ナハト様の剛直を強く締め付けているのが自分でも分かります。
「ぐっっ……っ…」
ナハト様の体が強張り、最奥に熱い飛沫が叩き付けられる感覚にまた、私の体は敏感に反応して脳が痺れました。
ゼィゼィと荒い息が部屋に満ちます。私の息なのか、ナハト様の息なのかさえ分かりません。
「う……ん…っ…」
「…っ…」
私の花園からナハト様自身が抜け出る感覚の後、バサバサと衣擦れの音がします。
ナハト様が抜け出ても自力で閉じる事が出来ない私の両脚を、再び掴んだナハト様はまた直ぐにナハト様自身を私の花園に突き入れました。
「あぅっ…」
「セラフィナイト…」
射精したばかりのはずですのに、ナハト様の男性はまだ硬く漲っております。ナハト様は私の花園の奥に深く漲ったご自身を埋めた後は、だらしなく開いた私の唇に唇を重ね、私の縮こまる舌を吸い上げながら腰をゆっくりと回し始めました。
名前を呼ばれながら口付けられ、奥を掻き回されると、まだ愛されていた昔を思い出して涙が出ます。
このように抱かれると、また勘違いをしてしまいます。先ほどのように、凌辱するかのように激しく抱かれた方が良いのです。
ナハト様の唯一になれないのであれば、私はもう努力を続ける事が出来ません。このまま激しく抱かれて儚くなる誘惑に駆られます。腹上死です。なんとも淫靡な響きでしょうか。
「んふっ、ん、ふ、んん…」
口腔内も舌で掻き回され、グチュグチュとはしたない水音が鼓膜を犯します。
素肌と素肌が擦れ合い、汗が互いの肌を濡らして行きます。
蛙のように拓かれていた脚は各々がナハト様の肩に掛けられ、ゆらゆらと揺れております。
深く折り曲げられた体が苦しくて息が出来ませんが、お胸がナハト様の逞しいお胸に擦れて心地好くて堪りません。
「セラフィナイト…っ…セラ、私のセラ…っ!誰にも渡さない、貴女は私だけの妻だ…っ」
口付けの合間に絞り出されるナハト様のお言葉に、涙が止まりません。
ええ、勿論です。私は貴方だけの妻です。
閨をお断りされ、他の女性をお側に置いている貴方にとって、妻がどのような意味を持つのかは分かりませんが、妻なのです。
ああ、駄目です。またあの女との不貞の現場を思い出してしまいました。
何も考えたくありません。このままどうか、仮初めでも幸せな悦びの中で私を永遠の眠りに誘って下さいませ。
「あ、あ、あ、っっ…!」
「くっ……っ…」
花園の奥を強く抉られ、総毛立ちました。迸る感覚に最奥が無意識に収斂し、一滴も残さず搾り取ろうとナハト様自身に絡み付きます。
立て続けに絶頂を感じ続けてそろそろ体力が切れてきました。意識がまた朦朧としてきましたが、またゆらゆらとナハト様に奥を掻き回され始めました。
そうでした、ナハト様は淡白な印象に反して持久力に優れた絶倫属性でした。
このままだと本当に腹上死が出来るような気が致します。
ところで、お腹の上にいなくても、腹上死と云うのでしょうか。ああ、困りました。こんな時に、こんなにどうでも良い事が気になって仕方ありません。
ああ、ナハト様、繋がったまま体勢を変えないで下さい。縛られた腕が痛いです。うつ伏せでお尻だけ上げる体勢は口付けて貰えないので哀しいですが、奥の奥まで掻き回される快感は桃源郷へと誘って下さいます。
あら?ちょっと待って下さいませ。
今の状況は、設定上のセラフィナイトが儚くなる前の状態に酷似しておりませんか?
監禁部屋で、嫉妬で病んだナハト様に孕むまで犯され続けたセラフィナイトと今の私の状況は、多少の差異はあれども監禁部屋で抱かれ続けている事は変わりません。
え?どうしましょう。設定から卒業したと思っていたのは間違いだったのですか?ああ、分かりません。ナハト様、駄目です、そんなに巧みに腰を動かしたら何も考えられなくなってしまいます。
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