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第3章
アベル視点
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幼い頃自分の勝手な思いで
大好きな女の子を傷つけてしまった。
『リリアなんて嫌いだ!』
幼い頃アベルはリリアとの再会を楽しみにいていた。
それなのにリリアは人が変わったみたいに
周りと同じように一歩引いて接してくる事に
ひどく傷ついたアベルは、それを隠すように
リリアにひどい暴言を吐いてしまった。
リリアが記憶喪失になっていたことにこの時自分は知らなかったから。
アベルがリリアと知り合ったのはまだ幼い頃。
たまたま公爵についてきたリリアと偶然居合わせて
父である国王と公爵からリリアを紹介された。
おそらくは自分の婚約者候補として父上達が画策して
リリアを連れてきたのだろう。
はじめてリリアを見た時は
まっすぐな鳶色の髪の毛は艶やかで
天使の輪っかがついているかと思うほど綺麗だった。
ぼぅっと見惚れていたら
ストロベリー色の瞳と目があった。
彼女は目が合うとニッコリと微笑み
「リリア・ハルベルトです」
鈴がなるような声音でスラスラと自分の名前を言った。
「あ、ア、アベユ・サライラでしゅ」
なぜか照れ臭くなり国王の足にしがみ付きながら
ボソリと名前を名乗った。
こんなにスラスラと自分の名前を名乗れるのだから
彼女はきっと僕より年上なのだろうと思っていたら
「アベル。リリア嬢はお前と同い年だ。仲良くしなさい。」
父上の言葉に衝撃を隠せなかった。
王宮での教育は幼いうちから始まっていて
同じ歳の子息達より遥かに発達していると
王宮の誰もが言っていたのに
目の前にいる彼女は自分よりも優れていることに
アベルはショックを隠せなかった。
「リリア。お父様達は少し話があるからアベル様の相手をしなさい。
アベル様、申し訳ないですがしばらくリリアと一緒にいてくださりますか?」
ハルベルト公爵はそう言ってリリアの背中を押す。
自分より優れていることに嫉妬をおぼえたアベルは
内心嫌だと思いつつも笑顔で受け入れた。
(どうして僕がこんな女と一緒にいないといけないんだ。)
「大丈夫でしゅ」
大丈夫です。と答えたつもりだったが
アベルはまだ“す”をうまく話せなかった。
リリアはそんなアベルに対してクスクスと笑うので
殊更アベルの心内は荒れていくばかりだった。
「さぁアベル様!一緒にあちらで遊びましょう!」
そう言ってずいと近寄ったリリアは事もなげに
アベルの小さい手をとって歩き出した。
「お、おい!女がむやみやたらに男にしゃわるな!」
そういうアベルの顔は真っ赤だ。
リリアはさらに笑みを深めて
早く行きましょうと言って
グイグイとアベルの手を引っ張った。
無礼な奴め!と思いつつも
繋がれた手が何故か嬉しく感じて
自然と口元が綻んだ。
前を少し歩くリリアは時々こっちを振り向いては
アベルと目が合うとにこりと微笑んでくる。
そのたびに幼いながらにしてドキドキするのを止められなかった。
リリアの話す内容は自分にはとても難しくて
饒舌に話すから尚更ついていくのに必死で
ほとんどが理解できていなかったと思う。
“マンインデンシャ”とか“コンビニ“とか
自分の知らない単語ばかりツラツラと話すので
頭の中がパンクしそうだった。
だけど話しているときのリリアはとても生き生きとしていて
理解できないながらにも
自分まで楽しくなってきた。
そうして知らない間に時間は過ぎて
リリアと別れることになったけど
父上は自分がリリアのことを好ましく思えたことに
気づいたのか公爵に言って度々リリアを王宮につれてくるようになった。
最初は同い年で位が下のくせに
自分よりも優れているリリアのことが妬ましく思っていたのに
妬みが羨望に変わるのは早かった。
そこから数年かけてリリアとはほぼ毎日一緒に遊ぶようになった。
帝王学を学ぶ日はリリアも一緒に教育を受けることになった。
その時ですら一歩前をいくリリアに心の底から
早く追いつきたい。その思いより一層勉学に励んだ。
「私ね、夢があるの。」
いつだか和かにリリアはそう言った。
「だからね王宮には住めないの。」
頻繁に王宮に呼び出されてくるリリアに
アベルが将来リリアは王宮に住むのだから
もう今から住んじゃえばいい。
いつも帰り際に寂しくなるものだから
ずっと一緒にいたくて照れ隠しでそう言ったことがった。
そしたらリリアは少し黙ってから申し訳なさそうに
ごめんなさい。と謝ってから
コホンと咳払いしてからそう言ったのだ。
その時アベルは鈍器で頭を打たれたように
驚いたのだ。
自分はすでにリリアと婚約した気持ちになっていたけれど
なっていただけで実際はただの遊び相手として一緒にいることに気づいた。
「夢ってなに?」
内心焦ったけれど
顔には出さないように聞いた。
「自分のお店を持つこと!」
アベルの問いを聞いた瞬間
リリアの顔が一気にパァッと明るくなった。
花が一気に開花するような
可憐なリリアの笑顔にアベルはこの時
はじめてリリアに恋をしたことを悟る。
(この笑顔を独り占めしたい。僕はリリアが好きだ!)
「それって王宮からじゃダメなの?」
この国の貴族女性が職に就くことはあまり褒められたことではないことは
幼いアベル自身も聞いていた。
だけどどうしてもリリアと離れたくない一心で
そんなことを口にしていた。
「ダメに決まってるわ。だって私は一応公爵令嬢だから
王宮に入ったとしても侍女になれないし。侍女になったとしても
お店を持つ時間なんてないじゃない?だから無理。」
王子妃になることは考えてないことに
アベルはかなりショックを受ける。
「侍女以外にも王宮に住むことはあるよ。」
こんな授業の合間でリリアに求婚するのは
子供ながらに嫌だと思ったアベルは遠まわしにそう言ったけれど
リリアはキョトンとして全然わかっていなさそうだった。
「・・・・。わかった。リリアの夢僕が一番に応援する!」
アベルは握り拳を作って意気込んだ。
「嬉しい!ありがとう!!アベル大好き!」
不意に言われた言葉に目を大きく見開いてしまう。
途端に頬に熱が集まるのを感じながら
「ぼ、僕もリリアが大好き。」
照れながら言い返した。
きっとリリアの好きとアベルの好きは違う。
だけどいつか僕と同じ気持ちになるように
頑張ろう。
そして僕が国王になった暁には
リリアが王宮で…僕のお嫁さんになりながら
リリアの夢が叶えられるよう
この国を変えてみせる!
この時からアベルはリリアの夢への手伝いと
リリアのためにこの国の秩序を変えるために
殊更に頑張る努力を始めた。
すべてはリリアの隣にずっといれるために。
授業の休憩時間中ですら
難しい本を読むリリアに少しでも
労わりたくて…構って欲しくて
リリア特製紅茶を作ったり。
一緒に図書館で一日中調べ物を手伝ったり。
穏やかな時間はアベルにとって
かけがえのない大切な時間だった。
そんな時事件は起きた。
その事件のせいでまさか今の今まで
リリアのそばに入れなくなるなんて
思いもしなかった。
…いや一緒に入れる努力をするのを怠ったのが悪かった。
怖気付いてリリアから離れたのは自分だ。
今更リリアに何のようだと言われても言い返す言葉もない。
だけどリリアを誰にも渡したくない。
リリアは俺だけのものだ。
リリアのそばにいていいのは俺だけなんだ。
『僕を他の男のように排除しますか?』
そう言って一つも逸らすことなく
まっすぐにこちらを睨み返す強い瞳を思い出す。
「誰が渡すものか。こっちは何年思い続けてきたか。」
不本意だけどエリックのおかげでこのままではいけないことに気づいた。
エリックだけは今までと同じことをしても意味がない。
もうリリアから逃げていてはダメなんだ。
リリア自身を待っていては横から掻っ攫われてしまう。
待っているだけでは意味がないのだ。
自分から掴みにいく。
リリアは俺のものだ。
大好きな女の子を傷つけてしまった。
『リリアなんて嫌いだ!』
幼い頃アベルはリリアとの再会を楽しみにいていた。
それなのにリリアは人が変わったみたいに
周りと同じように一歩引いて接してくる事に
ひどく傷ついたアベルは、それを隠すように
リリアにひどい暴言を吐いてしまった。
リリアが記憶喪失になっていたことにこの時自分は知らなかったから。
アベルがリリアと知り合ったのはまだ幼い頃。
たまたま公爵についてきたリリアと偶然居合わせて
父である国王と公爵からリリアを紹介された。
おそらくは自分の婚約者候補として父上達が画策して
リリアを連れてきたのだろう。
はじめてリリアを見た時は
まっすぐな鳶色の髪の毛は艶やかで
天使の輪っかがついているかと思うほど綺麗だった。
ぼぅっと見惚れていたら
ストロベリー色の瞳と目があった。
彼女は目が合うとニッコリと微笑み
「リリア・ハルベルトです」
鈴がなるような声音でスラスラと自分の名前を言った。
「あ、ア、アベユ・サライラでしゅ」
なぜか照れ臭くなり国王の足にしがみ付きながら
ボソリと名前を名乗った。
こんなにスラスラと自分の名前を名乗れるのだから
彼女はきっと僕より年上なのだろうと思っていたら
「アベル。リリア嬢はお前と同い年だ。仲良くしなさい。」
父上の言葉に衝撃を隠せなかった。
王宮での教育は幼いうちから始まっていて
同じ歳の子息達より遥かに発達していると
王宮の誰もが言っていたのに
目の前にいる彼女は自分よりも優れていることに
アベルはショックを隠せなかった。
「リリア。お父様達は少し話があるからアベル様の相手をしなさい。
アベル様、申し訳ないですがしばらくリリアと一緒にいてくださりますか?」
ハルベルト公爵はそう言ってリリアの背中を押す。
自分より優れていることに嫉妬をおぼえたアベルは
内心嫌だと思いつつも笑顔で受け入れた。
(どうして僕がこんな女と一緒にいないといけないんだ。)
「大丈夫でしゅ」
大丈夫です。と答えたつもりだったが
アベルはまだ“す”をうまく話せなかった。
リリアはそんなアベルに対してクスクスと笑うので
殊更アベルの心内は荒れていくばかりだった。
「さぁアベル様!一緒にあちらで遊びましょう!」
そう言ってずいと近寄ったリリアは事もなげに
アベルの小さい手をとって歩き出した。
「お、おい!女がむやみやたらに男にしゃわるな!」
そういうアベルの顔は真っ赤だ。
リリアはさらに笑みを深めて
早く行きましょうと言って
グイグイとアベルの手を引っ張った。
無礼な奴め!と思いつつも
繋がれた手が何故か嬉しく感じて
自然と口元が綻んだ。
前を少し歩くリリアは時々こっちを振り向いては
アベルと目が合うとにこりと微笑んでくる。
そのたびに幼いながらにしてドキドキするのを止められなかった。
リリアの話す内容は自分にはとても難しくて
饒舌に話すから尚更ついていくのに必死で
ほとんどが理解できていなかったと思う。
“マンインデンシャ”とか“コンビニ“とか
自分の知らない単語ばかりツラツラと話すので
頭の中がパンクしそうだった。
だけど話しているときのリリアはとても生き生きとしていて
理解できないながらにも
自分まで楽しくなってきた。
そうして知らない間に時間は過ぎて
リリアと別れることになったけど
父上は自分がリリアのことを好ましく思えたことに
気づいたのか公爵に言って度々リリアを王宮につれてくるようになった。
最初は同い年で位が下のくせに
自分よりも優れているリリアのことが妬ましく思っていたのに
妬みが羨望に変わるのは早かった。
そこから数年かけてリリアとはほぼ毎日一緒に遊ぶようになった。
帝王学を学ぶ日はリリアも一緒に教育を受けることになった。
その時ですら一歩前をいくリリアに心の底から
早く追いつきたい。その思いより一層勉学に励んだ。
「私ね、夢があるの。」
いつだか和かにリリアはそう言った。
「だからね王宮には住めないの。」
頻繁に王宮に呼び出されてくるリリアに
アベルが将来リリアは王宮に住むのだから
もう今から住んじゃえばいい。
いつも帰り際に寂しくなるものだから
ずっと一緒にいたくて照れ隠しでそう言ったことがった。
そしたらリリアは少し黙ってから申し訳なさそうに
ごめんなさい。と謝ってから
コホンと咳払いしてからそう言ったのだ。
その時アベルは鈍器で頭を打たれたように
驚いたのだ。
自分はすでにリリアと婚約した気持ちになっていたけれど
なっていただけで実際はただの遊び相手として一緒にいることに気づいた。
「夢ってなに?」
内心焦ったけれど
顔には出さないように聞いた。
「自分のお店を持つこと!」
アベルの問いを聞いた瞬間
リリアの顔が一気にパァッと明るくなった。
花が一気に開花するような
可憐なリリアの笑顔にアベルはこの時
はじめてリリアに恋をしたことを悟る。
(この笑顔を独り占めしたい。僕はリリアが好きだ!)
「それって王宮からじゃダメなの?」
この国の貴族女性が職に就くことはあまり褒められたことではないことは
幼いアベル自身も聞いていた。
だけどどうしてもリリアと離れたくない一心で
そんなことを口にしていた。
「ダメに決まってるわ。だって私は一応公爵令嬢だから
王宮に入ったとしても侍女になれないし。侍女になったとしても
お店を持つ時間なんてないじゃない?だから無理。」
王子妃になることは考えてないことに
アベルはかなりショックを受ける。
「侍女以外にも王宮に住むことはあるよ。」
こんな授業の合間でリリアに求婚するのは
子供ながらに嫌だと思ったアベルは遠まわしにそう言ったけれど
リリアはキョトンとして全然わかっていなさそうだった。
「・・・・。わかった。リリアの夢僕が一番に応援する!」
アベルは握り拳を作って意気込んだ。
「嬉しい!ありがとう!!アベル大好き!」
不意に言われた言葉に目を大きく見開いてしまう。
途端に頬に熱が集まるのを感じながら
「ぼ、僕もリリアが大好き。」
照れながら言い返した。
きっとリリアの好きとアベルの好きは違う。
だけどいつか僕と同じ気持ちになるように
頑張ろう。
そして僕が国王になった暁には
リリアが王宮で…僕のお嫁さんになりながら
リリアの夢が叶えられるよう
この国を変えてみせる!
この時からアベルはリリアの夢への手伝いと
リリアのためにこの国の秩序を変えるために
殊更に頑張る努力を始めた。
すべてはリリアの隣にずっといれるために。
授業の休憩時間中ですら
難しい本を読むリリアに少しでも
労わりたくて…構って欲しくて
リリア特製紅茶を作ったり。
一緒に図書館で一日中調べ物を手伝ったり。
穏やかな時間はアベルにとって
かけがえのない大切な時間だった。
そんな時事件は起きた。
その事件のせいでまさか今の今まで
リリアのそばに入れなくなるなんて
思いもしなかった。
…いや一緒に入れる努力をするのを怠ったのが悪かった。
怖気付いてリリアから離れたのは自分だ。
今更リリアに何のようだと言われても言い返す言葉もない。
だけどリリアを誰にも渡したくない。
リリアは俺だけのものだ。
リリアのそばにいていいのは俺だけなんだ。
『僕を他の男のように排除しますか?』
そう言って一つも逸らすことなく
まっすぐにこちらを睨み返す強い瞳を思い出す。
「誰が渡すものか。こっちは何年思い続けてきたか。」
不本意だけどエリックのおかげでこのままではいけないことに気づいた。
エリックだけは今までと同じことをしても意味がない。
もうリリアから逃げていてはダメなんだ。
リリア自身を待っていては横から掻っ攫われてしまう。
待っているだけでは意味がないのだ。
自分から掴みにいく。
リリアは俺のものだ。
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