33 / 102
第二章 諦めない70日間
33:学園に入学しました
しおりを挟む
晴れやかな空の下、そよ風に揺れる葉の生い茂った木々をぼんやりと見上げる。
ここが広々とした前庭なら……せめて中庭ぐらいだったら爽やかなんだろうけれど、残念な事に人気のない裏庭。その中でも校舎の影になる場所だから何となくジメジメしていて、入学初日に来るような所じゃないなと、つくづく思う。
先ほど魔力テストを含む全ての入学手続きを終えて。私はついに、王立魔法学園サンドリヨンの学生になった。
今の私は、アルフィール様のご好意で作って頂いた上質な制服を着ている。この制服がまた、すごく可愛いかった。
学園では雨露の月から夏服になるという事で、後ろ襟が大きく垂れ下がる不思議な形の白シャツは、ふんわり広がる七分袖。プリーツの入ったキュロットスカートは膝丈で、濃灰色の生地が薄くて軽く動きやすい。
どちらも真夏でも涼しく、快適に過ごせるよう、魔法を編み込んだ特殊な生地で作ってあるとマダムが言ってた。
キュロットスカートの下には黒タイツも履いてるけれど、まださほど暑くない今の季節だと日陰はちょっと肌寒いかな。襟の下に通している滑らかな赤いスカーフを外して首に直接巻いたら、少しは暖かくなるかな……なんて思っちゃう。やらないけど。
人気のない裏庭とはいえ、王立学園の名を汚さないよう手入れはされているらしく。敷石なんかはないけれど雑草類はきちんと抜かれているから、下ろしたての革靴も汚れる心配はない。でもどことなく陰気な雰囲気で寂しい場所だし、冷えて来たし、あまり長居したくない場所だ。
それでも私がここにいるのは、当然、第一王子との出会いイベントを起こすためだった。
(精一杯落ち込んで、悲壮な雰囲気で……)
心優しいらしい第一王子に声をかけてもらうべく、出来る限り悲しい事を思い浮かべて表情を作る。
いざという時には目に差すようにと、ポケットには目薬の入った小瓶もあるから、きっと大丈夫。これは今朝、出掛けにリジーから持たされたものだ。
(リジー。きっと私、やってみせるからね!)
昨日は夜遅くまで、リジーと今後の動きについて話し合った。おかげで寝不足になったから、目元には薄らと隈がある。
リジーにお化粧もされたけれど、隈は消すのではなく活かして、あえて今日は控えめだ。顔色もちょっとだけ悪く見えるように、ほんの僅かにくすんだ肌色にしてもらったから、完璧だと思う。
(兄さんも心配してくれたし、絶対大丈夫)
登校するために、一緒に馬車に乗ってきた兄さんの顔を思い出す。
寝不足で怠いだけなんだけれど、優しい兄さんは緊張して具合が悪くなってると思ってくれたようで。何度も私の体調を気遣ってくれて、魔力テストの行われる教室まで送ってくれた。
その後もずっと付き添おうとするから、私は必死で断った。兄さんがいたら、出会いイベントが出来なくなってしまうから。
第一王子の同情を引くためとはいえ、兄さんには悪い事をしたと思う。
これから毎朝、登校時は兄さんと二人で馬車に乗る事になった。私と兄さんは学年が違うから、帰りの時間が一緒とは限らない。だから下校時は別々。
歩いて帰ってもいいと思ったけれど、貴族だから馬車で移動しなきゃダメなんだって。平民の学生や寮住まいの貴族学生は徒歩通学らしいのに、面倒くさいよね。
ちなみに寮に住んでいる貴族は、地方に領地を持っているものの王都内には屋敷がない貴族の子たちだそうだ。
貴族にも色々と内情があって、領地持ちだからといってみんながみんなお金持ちでもないらしい。金遣いが荒くて借金ばかり作ってたり、騙されて資産を奪われたりして貧しくなると、王都内の屋敷を手放しちゃうんだって。
他にも自領で災害が起きたりすれば、私財を投げ打ってでも領民を助けたりする場合もあるそうで、王都に屋敷を持たない貴族もいるんだとか。
一部からは〝貧乏貴族〟とも揶揄される彼らは、王宮に用事がある時は王都の宿に泊まるらしいけれど。学園に子どもを通わせるのに、宿からってわけにはいかない。
だから元は平民用に建てられた寮に部屋を借りて、そこから通学するんだそうだ。もちろん部屋は平民と一緒で、相部屋なんだそう。私も平民のまま魔力持ちだって分かったら、その寮に住んでたのかな……なんて、考えてしまう。
まあ、もしそうだったとしても、魔力テストを受けた時点で父さんが飛んできたんだろうけどね。
父さんが言ってた通り、魔力テストで血筋はハッキリと分かったし、聖魔法に適正があるというのもしっかり言われたから。
(それにしても、あんな風に魔力が分かるなんて思わなかったな)
魔力テストのやり方を思い出すと、何というか一気に疲労感が襲ってくる。
イールトさんからは『質問に答えて握手するだけだから、簡単だよ』って言われてたし、実際その通りだったけれど。なんていうかこう、想像と違ったんだよね。
魔力テストが行われる部屋は薄暗く、床一面に仄かに発光する大きな魔法陣が描かれていて。部屋の中央に大きめの胸像がひとつだけ置かれてた。
大きなシルクハットを被った、立派な長いおひげのおじいちゃんな胸像は、王立学園の初代学長先生なんだって。それで、質問はその胸像からされた。
そう。なぜか胸像からだったんだよ。担当の先生がそばにいるのに。
何かの魔法で揶揄われているのかと思って、先生の方を向いて返事をしたら、胸像のおじいちゃんに怒られた。『喋ってるのは、ワシじゃぞい』って。
それで驚いてたら、担当の先生からネタバラシが。本当に喋ってるのは、胸像が被ってるシルクハットなんだって。
シルクハットさんは、初代学長先生が作った魔力を測定出来る魔道具だそうで。おじいちゃん先生が生きてた時は、その魔道具を被っておじいちゃん先生自ら生徒の魔力を測ってたんだとか。
それでご本人が亡くなられた後は、後任の学長先生が引き継いだらしいんだけど……魔道具のシルクハットさんはお喋り好きで喧しかったそうだ。
本来、魔道具は自意識なんて持たないらしいけど。製作者の初代学長が天才だったのか、なぜかシルクハットさんには心があった。生前のおじいちゃん先生は、シルクハットさんと頭の中で会話しながら生徒の魔力測定をしてたんだって。
でも後任の学長先生は、シルクハットさんと性格が合わなかったらしい。一々頭に被って測定するのが嫌になったため、初代学長の胸像に魔法をかけて喋れるようにして、シルクハットを被せたんだとか。
だから魔力テストに使われるシルクハットおじいちゃん像は、魔道具が二つ組み合わさった代物なのだと、先生に説明された。
実際やってみて「喧しい」と嫌がられた理由がよく分かった。めちゃくちゃ喋るんだよ、シルクハットおじいちゃん像。担当の先生が、暴走しがちなシルクハットおじいちゃん像の質問を軌道修正してくれなかったら、まだ続いていたかもしれない。
そうして最後に胸像と握手をすると、床に描かれた魔法陣から光が伸びて、暗かった壁に色んな模様が浮かび上がった。魔力の性質や保有量なんかが専門用語や図式で記されてるそうで、キラキラ光ってすごく綺麗だった。
それらを担当の先生が記録用紙に書き留めてる間、シルクハットおじいちゃん像が内容を説明してくれた。これまでシルクハットおじいちゃん像が出会った、モルセン子爵家代々の皆様の、色んなお話と共に……。
すごく長くなりそうで、出会いイベントに遅れるんじゃないかってヒヤヒヤしたけれど。記録を書き終えた担当の先生がスッパリキッパリ話を切ってくれた。助かった。
でも……。
(もう結構な時間経ってるけど、全然来ないなぁ。終わってからすぐ来たけど、そんな必要なかった? それとも……まさか場所、間違っていないよね?)
あれこれ考えながら待ち続けてるけど、第一王子は一向に現れない。さっきから遠くに生徒の声が聞こえてるから、下校はすでに始まってるはずなのに。
改めて自分の立ち位置を確認してみるけれど、間違えてはいないと思う。合ってるはず。
(もしかして私が来た時にはもう、第一王子が来た後だったとか? 実はすでに、イベントに遅刻していたとか? もしここで会えなかったら、どうしよう……)
悪い想像ばかりが頭を巡って。嫌な汗がぶわりと滲んだ。
ただでさえ冷えていた身体が、プルプルと震え出す。不安ごと奥歯を噛み締めて、自分の肩をギュウと抱きしめて蹲った、その時。
「そこで何をしている?」
複数の足音と共に、警戒心を露わにしたような低い男性の声が背中に響いた。
ここが広々とした前庭なら……せめて中庭ぐらいだったら爽やかなんだろうけれど、残念な事に人気のない裏庭。その中でも校舎の影になる場所だから何となくジメジメしていて、入学初日に来るような所じゃないなと、つくづく思う。
先ほど魔力テストを含む全ての入学手続きを終えて。私はついに、王立魔法学園サンドリヨンの学生になった。
今の私は、アルフィール様のご好意で作って頂いた上質な制服を着ている。この制服がまた、すごく可愛いかった。
学園では雨露の月から夏服になるという事で、後ろ襟が大きく垂れ下がる不思議な形の白シャツは、ふんわり広がる七分袖。プリーツの入ったキュロットスカートは膝丈で、濃灰色の生地が薄くて軽く動きやすい。
どちらも真夏でも涼しく、快適に過ごせるよう、魔法を編み込んだ特殊な生地で作ってあるとマダムが言ってた。
キュロットスカートの下には黒タイツも履いてるけれど、まださほど暑くない今の季節だと日陰はちょっと肌寒いかな。襟の下に通している滑らかな赤いスカーフを外して首に直接巻いたら、少しは暖かくなるかな……なんて思っちゃう。やらないけど。
人気のない裏庭とはいえ、王立学園の名を汚さないよう手入れはされているらしく。敷石なんかはないけれど雑草類はきちんと抜かれているから、下ろしたての革靴も汚れる心配はない。でもどことなく陰気な雰囲気で寂しい場所だし、冷えて来たし、あまり長居したくない場所だ。
それでも私がここにいるのは、当然、第一王子との出会いイベントを起こすためだった。
(精一杯落ち込んで、悲壮な雰囲気で……)
心優しいらしい第一王子に声をかけてもらうべく、出来る限り悲しい事を思い浮かべて表情を作る。
いざという時には目に差すようにと、ポケットには目薬の入った小瓶もあるから、きっと大丈夫。これは今朝、出掛けにリジーから持たされたものだ。
(リジー。きっと私、やってみせるからね!)
昨日は夜遅くまで、リジーと今後の動きについて話し合った。おかげで寝不足になったから、目元には薄らと隈がある。
リジーにお化粧もされたけれど、隈は消すのではなく活かして、あえて今日は控えめだ。顔色もちょっとだけ悪く見えるように、ほんの僅かにくすんだ肌色にしてもらったから、完璧だと思う。
(兄さんも心配してくれたし、絶対大丈夫)
登校するために、一緒に馬車に乗ってきた兄さんの顔を思い出す。
寝不足で怠いだけなんだけれど、優しい兄さんは緊張して具合が悪くなってると思ってくれたようで。何度も私の体調を気遣ってくれて、魔力テストの行われる教室まで送ってくれた。
その後もずっと付き添おうとするから、私は必死で断った。兄さんがいたら、出会いイベントが出来なくなってしまうから。
第一王子の同情を引くためとはいえ、兄さんには悪い事をしたと思う。
これから毎朝、登校時は兄さんと二人で馬車に乗る事になった。私と兄さんは学年が違うから、帰りの時間が一緒とは限らない。だから下校時は別々。
歩いて帰ってもいいと思ったけれど、貴族だから馬車で移動しなきゃダメなんだって。平民の学生や寮住まいの貴族学生は徒歩通学らしいのに、面倒くさいよね。
ちなみに寮に住んでいる貴族は、地方に領地を持っているものの王都内には屋敷がない貴族の子たちだそうだ。
貴族にも色々と内情があって、領地持ちだからといってみんながみんなお金持ちでもないらしい。金遣いが荒くて借金ばかり作ってたり、騙されて資産を奪われたりして貧しくなると、王都内の屋敷を手放しちゃうんだって。
他にも自領で災害が起きたりすれば、私財を投げ打ってでも領民を助けたりする場合もあるそうで、王都に屋敷を持たない貴族もいるんだとか。
一部からは〝貧乏貴族〟とも揶揄される彼らは、王宮に用事がある時は王都の宿に泊まるらしいけれど。学園に子どもを通わせるのに、宿からってわけにはいかない。
だから元は平民用に建てられた寮に部屋を借りて、そこから通学するんだそうだ。もちろん部屋は平民と一緒で、相部屋なんだそう。私も平民のまま魔力持ちだって分かったら、その寮に住んでたのかな……なんて、考えてしまう。
まあ、もしそうだったとしても、魔力テストを受けた時点で父さんが飛んできたんだろうけどね。
父さんが言ってた通り、魔力テストで血筋はハッキリと分かったし、聖魔法に適正があるというのもしっかり言われたから。
(それにしても、あんな風に魔力が分かるなんて思わなかったな)
魔力テストのやり方を思い出すと、何というか一気に疲労感が襲ってくる。
イールトさんからは『質問に答えて握手するだけだから、簡単だよ』って言われてたし、実際その通りだったけれど。なんていうかこう、想像と違ったんだよね。
魔力テストが行われる部屋は薄暗く、床一面に仄かに発光する大きな魔法陣が描かれていて。部屋の中央に大きめの胸像がひとつだけ置かれてた。
大きなシルクハットを被った、立派な長いおひげのおじいちゃんな胸像は、王立学園の初代学長先生なんだって。それで、質問はその胸像からされた。
そう。なぜか胸像からだったんだよ。担当の先生がそばにいるのに。
何かの魔法で揶揄われているのかと思って、先生の方を向いて返事をしたら、胸像のおじいちゃんに怒られた。『喋ってるのは、ワシじゃぞい』って。
それで驚いてたら、担当の先生からネタバラシが。本当に喋ってるのは、胸像が被ってるシルクハットなんだって。
シルクハットさんは、初代学長先生が作った魔力を測定出来る魔道具だそうで。おじいちゃん先生が生きてた時は、その魔道具を被っておじいちゃん先生自ら生徒の魔力を測ってたんだとか。
それでご本人が亡くなられた後は、後任の学長先生が引き継いだらしいんだけど……魔道具のシルクハットさんはお喋り好きで喧しかったそうだ。
本来、魔道具は自意識なんて持たないらしいけど。製作者の初代学長が天才だったのか、なぜかシルクハットさんには心があった。生前のおじいちゃん先生は、シルクハットさんと頭の中で会話しながら生徒の魔力測定をしてたんだって。
でも後任の学長先生は、シルクハットさんと性格が合わなかったらしい。一々頭に被って測定するのが嫌になったため、初代学長の胸像に魔法をかけて喋れるようにして、シルクハットを被せたんだとか。
だから魔力テストに使われるシルクハットおじいちゃん像は、魔道具が二つ組み合わさった代物なのだと、先生に説明された。
実際やってみて「喧しい」と嫌がられた理由がよく分かった。めちゃくちゃ喋るんだよ、シルクハットおじいちゃん像。担当の先生が、暴走しがちなシルクハットおじいちゃん像の質問を軌道修正してくれなかったら、まだ続いていたかもしれない。
そうして最後に胸像と握手をすると、床に描かれた魔法陣から光が伸びて、暗かった壁に色んな模様が浮かび上がった。魔力の性質や保有量なんかが専門用語や図式で記されてるそうで、キラキラ光ってすごく綺麗だった。
それらを担当の先生が記録用紙に書き留めてる間、シルクハットおじいちゃん像が内容を説明してくれた。これまでシルクハットおじいちゃん像が出会った、モルセン子爵家代々の皆様の、色んなお話と共に……。
すごく長くなりそうで、出会いイベントに遅れるんじゃないかってヒヤヒヤしたけれど。記録を書き終えた担当の先生がスッパリキッパリ話を切ってくれた。助かった。
でも……。
(もう結構な時間経ってるけど、全然来ないなぁ。終わってからすぐ来たけど、そんな必要なかった? それとも……まさか場所、間違っていないよね?)
あれこれ考えながら待ち続けてるけど、第一王子は一向に現れない。さっきから遠くに生徒の声が聞こえてるから、下校はすでに始まってるはずなのに。
改めて自分の立ち位置を確認してみるけれど、間違えてはいないと思う。合ってるはず。
(もしかして私が来た時にはもう、第一王子が来た後だったとか? 実はすでに、イベントに遅刻していたとか? もしここで会えなかったら、どうしよう……)
悪い想像ばかりが頭を巡って。嫌な汗がぶわりと滲んだ。
ただでさえ冷えていた身体が、プルプルと震え出す。不安ごと奥歯を噛み締めて、自分の肩をギュウと抱きしめて蹲った、その時。
「そこで何をしている?」
複数の足音と共に、警戒心を露わにしたような低い男性の声が背中に響いた。
0
お気に入りに追加
105
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
悪役令嬢は冷徹な師団長に何故か溺愛される
未知香
恋愛
「運命の出会いがあるのは今後じゃなくて、今じゃないか? お前が俺の顔を気に入っていることはわかったし、この顔を最大限に使ってお前を落とそうと思う」
目の前に居る、黒髪黒目の驚くほど整った顔の男。
冷徹な師団長と噂される彼は、乙女ゲームの攻略対象者だ。
だけど、何故か私には甘いし冷徹じゃないし言葉遣いだって崩れてるし!
大好きだった乙女ゲームの悪役令嬢に転生していた事に気がついたテレサ。
断罪されるような悪事はする予定はないが、万が一が怖すぎて、攻略対象者には近づかない決意をした。
しかし、決意もむなしく攻略対象者の何故か師団長に溺愛されている。
乙女ゲームの舞台がはじまるのはもうすぐ。無事に学園生活を乗り切れるのか……!
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
悪役令嬢っぽい子に転生しました。潔く死のうとしたらなんかみんな優しくなりました。
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢に転生したので自殺したら未遂になって、みんながごめんなさいしてきたお話。
ご都合主義のハッピーエンドのSS。
…ハッピーエンド???
小説家になろう様でも投稿しています。
救われてるのか地獄に突き進んでるのかわからない方向に行くので、読後感は保証できません。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる