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104.happy ending①藤澤視点
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岡田さんの話は、きっと自分自身のことだったのだろう。
※※※
彼女との温泉旅行の行き先に選んだのは関東の某有名温泉地で、日付は予定通り6月の優里の誕生日近く。ただ、土日に俺の休みが取れなくて平日になってしまった。それでも、彼女は喜んで有給休暇を取り、付き合ってくれた。以前は、横浜、鎌倉と長距離ドライブはした事があるが、今日はもっと遠くで温泉なんて、まるで初めての旅行のよう。だから、必然的にその時よりも2人で車に乗っている時間は長くなる。今日の彼女は臆する事なく助手席に座り、走る車の窓の外を嬉しそうに眺めていた。
「ずっと今日は晴れているといいですね」
「どうかな?今は、梅雨だから雨は仕方がないと思うけど」
「もう、藤澤さんはそんな事ばっかり...」
「ごめん、ごめん。今日は晴れて良かったよ。本当、この天気が続くといいなぁ」
そんな他愛のない幸せな会話が車内で続き、車は順調に高速道路を走り抜けてゆく。そして、助手席の彼女はソワソワしだして、トイレかと思い途中のサービスエリアに車を停めた。案の定、彼女はそちらへ。いつも遠慮がちだよなと後ろ姿を見ながら思う。その間、俺は自動販売機で紙コップに入ったコーヒーを調達し、飲み終えた後、道路交通情報で1つ渋滞を確認した。すると、彼女が後ろからそれを覗いてくる。
「お待たせしました。あ、何か飲み物でも買いましょうか?」
先ほどコーヒーを飲んだとは言えず、お茶を頼むと、彼女は2人分のペットボトルのお茶を買ってくれた。それから高速に戻り、しばらく行くと情報通りの渋滞にぶち当たる。そこで飲み物を勧められた。
「うん、頼むよ」
返事をすると、蓋を開けたペットボトルを運転の邪魔にならないように渡してくれる。「ありがとう」と礼を言うと、彼女は嬉しそうにはにかんでいた。どうやら、運転中の俺の役に立てて嬉しかったらしく。俺はその笑顔に渋滞を待っている間癒されていた。
...この時間がずっと続けばいいのに。
車がノロノロ運転の中、彼女の指に自分の空いている手の指を絡ませながら、そんな有りもしない事ばかり願っていた。
「ふ...た、立さん」
今日は話しかけられる時、彼女はずっとこんな感じ。俺の名前を呼んだ後、照れまくるのには理由があった。いつも俺の事をプライベートでは「藤澤さん」と呼び、職場ではそれに役職が乗っかる。こちらが名前呼びしているというのにその余所余所しさが少々気にくわない。きっと男の下の名前を、家族以外殆ど呼んだ事がないんだろうなって分かりきっていたのだが、今日の旅行で名前を呼んで欲しいと頼んでみた。
もう何度も愛し合っているのに、まるでただの知り合いみたいに呼ばれる事が気になってしまうのは、自分の狭量のせいなのだろうか?
いつもは黙ってそれを受け入れていたが、今日は名前で呼ばれたかった。俺もこの非日常的なひとときを、楽しみたかったのかもしれない。そして、彼女が俺の名前を呼ぶのに慣れてくれた頃、ようやく御殿場まで辿り着いた。
「まだ、時間が早いから何処か寄りたい所ある?」
車の中で聞いてみると、彼女は手持ちのバッグから小さな本を取り出した。それは目的地付近のガイドブック。そのガイドブックの付箋のあるところを俺に開いてみせる。
「時間があるなら、ここに行きたいです」
彼女が行きたいと言った所はとある神社。
「こういう所が好きだったんだ...?」
俺は、神社繋がりで鎌倉でも一緒にお参りした事を思い出していた。
「はい、この朱色が」
「朱色?」
聞き間違いかと聞き直すと、大人しい彼女は本を見せながら神社の鳥居の色の事だと力説してくれた。
...朱色ねぇ?
皮肉にも、ここで初めて彼女の観光の好みみたいなものが分かる。そう話していた通り、優里はその神社に着くなり、目を輝かせながらその鳥居に近づいた。
「わ、綺麗な朱色!」
本当にその色に喜んでおり、その嬉々とした姿に目を見張る。もしかしたら、彼女は色覚的に綺麗なものに弱いのかと、頭の中で思い出した風景があった。
「...優里がこういうのが好きなら。もっとすごい所が京都にあるよ」
「え?」
すぐ側の鳥居の真下ですご~いと感心してしまっている彼女が、目を輝かせながらこちらを振り返る。その時、俺はスマホのカメラのボタンを押していた。ただ、盗撮防止なのか思った以上にシャッターの音が大きく、盗撮は不成立。被写体に呆気なく気がつかれた。
「...い、今、撮りました?」
その大きな黒い瞳は瞬かせ、困ったような驚いた表情を作る。
「もちろん。撮ったっていいでしょ?彼女なんだし」
「そ、それはそうなんですけど...」
「考えてみれば、俺たち2人で写真を撮ったことないよね」
そうと決まれば、即、行動の俺は通りがかりの参拝客に彼女が好きな朱い鳥居の前で2人のツーショットを写してもらう。早速頭を付き合わせるようにして画像確認。映し出された俺たち2人の笑顔は初々しくもあり、どこかぎこちなくも見えた。
「あ、こっちも朱い鳥居!立さんも早く...」
いつもなら引っ張られる方なのに、今の優里は俺の手を引っ張って歩いている。
「ほら、見て下さい」
「本当だ」
彼女に言われて見上げるものは確かに朱いのだが、俺の美的感覚には訴えてくるものはなくて困る。
...こんな鳥居ぐらいではしゃぐか、普通?
そのはしゃぐ姿に子供っぽいと思ってしまったが、そんな所すら可愛いとさえ思う。彼女はもうすぐ24で、これが初めての恋愛。ようやく俺に素顔を許してくれるようになった。そんな彼女の笑顔が、今日はとても眩しくて正視できそうにない。
「そういえば、さっきお話ししてくれた京都の鳥居というのは?」
「うん。伏見稲荷っていう神社で、こんな鳥居がずらーって並んでいるんだ。その間を通るのはきっと優里は好きだと思う」
「すごい!行ってみたいです!!」
そんな俺のうろ覚えのそんな情報にさえ、目を輝かせながら聞いてくれる彼女は愛おしい。
「なら、いつか連れて行ってあげる」
「わ、嬉しいです...」
嬉しそうに繋いでいる手をギュッと小さく強く握り返されると、良心がチクリと痛む。
...どうしてだろう?
そんな気持ちをひた隠しに隠し、その神社でお参りをした。相変わらず、隣の優里は何やら真剣にじっくり祈っている。
...毎回、何をそんなに祈っているのだろう?
なんとなく、聞いてみたかった。
「いつも真剣だよね。そんなにたくさん神頼み?」
境内からの帰り道にさりげなく話題をふると、彼女は慌てふためき。
「や、そんな大した事じゃないです。それに、今日は、た、立さんだって...」
「俺も?」
確かに今回はいつもより神頼みしてしまった自覚はある。
「...俺は、優里の泣き虫が治りますようにってお願いした」
そう冗談めかしに答えると、彼女は「そんな泣きませんっ」って、そっぽを向きながら小さな声で答えた。俺は目を細めながら彼女の頭を撫で、宥める。これはいつものパターンだった。
冗談を言って、彼女の反応を楽しみ、慈しむ。
「さっきのは冗談。本当は大した事祈ってなんかないよ。だから、ほら、機嫌直して?」
「もう...立さんのいじわる」
むくれてはいるけれど、彼女だって本気で怒っているわけではない。栗色の髪を撫でながら、彼女の顔色を伺うことすら俺は楽しくて仕方がなかった。
それに本当に大した事なんか祈っていない。
『優里がこれから泣く事がないように』
「いつか」なんて言葉を軽々しく彼女に口にしてしまう俺が、そんな神頼みをする資格がないのは分かっている。それでも願わずにはいられない俺は、臆病者だ。
※※※
彼女との温泉旅行の行き先に選んだのは関東の某有名温泉地で、日付は予定通り6月の優里の誕生日近く。ただ、土日に俺の休みが取れなくて平日になってしまった。それでも、彼女は喜んで有給休暇を取り、付き合ってくれた。以前は、横浜、鎌倉と長距離ドライブはした事があるが、今日はもっと遠くで温泉なんて、まるで初めての旅行のよう。だから、必然的にその時よりも2人で車に乗っている時間は長くなる。今日の彼女は臆する事なく助手席に座り、走る車の窓の外を嬉しそうに眺めていた。
「ずっと今日は晴れているといいですね」
「どうかな?今は、梅雨だから雨は仕方がないと思うけど」
「もう、藤澤さんはそんな事ばっかり...」
「ごめん、ごめん。今日は晴れて良かったよ。本当、この天気が続くといいなぁ」
そんな他愛のない幸せな会話が車内で続き、車は順調に高速道路を走り抜けてゆく。そして、助手席の彼女はソワソワしだして、トイレかと思い途中のサービスエリアに車を停めた。案の定、彼女はそちらへ。いつも遠慮がちだよなと後ろ姿を見ながら思う。その間、俺は自動販売機で紙コップに入ったコーヒーを調達し、飲み終えた後、道路交通情報で1つ渋滞を確認した。すると、彼女が後ろからそれを覗いてくる。
「お待たせしました。あ、何か飲み物でも買いましょうか?」
先ほどコーヒーを飲んだとは言えず、お茶を頼むと、彼女は2人分のペットボトルのお茶を買ってくれた。それから高速に戻り、しばらく行くと情報通りの渋滞にぶち当たる。そこで飲み物を勧められた。
「うん、頼むよ」
返事をすると、蓋を開けたペットボトルを運転の邪魔にならないように渡してくれる。「ありがとう」と礼を言うと、彼女は嬉しそうにはにかんでいた。どうやら、運転中の俺の役に立てて嬉しかったらしく。俺はその笑顔に渋滞を待っている間癒されていた。
...この時間がずっと続けばいいのに。
車がノロノロ運転の中、彼女の指に自分の空いている手の指を絡ませながら、そんな有りもしない事ばかり願っていた。
「ふ...た、立さん」
今日は話しかけられる時、彼女はずっとこんな感じ。俺の名前を呼んだ後、照れまくるのには理由があった。いつも俺の事をプライベートでは「藤澤さん」と呼び、職場ではそれに役職が乗っかる。こちらが名前呼びしているというのにその余所余所しさが少々気にくわない。きっと男の下の名前を、家族以外殆ど呼んだ事がないんだろうなって分かりきっていたのだが、今日の旅行で名前を呼んで欲しいと頼んでみた。
もう何度も愛し合っているのに、まるでただの知り合いみたいに呼ばれる事が気になってしまうのは、自分の狭量のせいなのだろうか?
いつもは黙ってそれを受け入れていたが、今日は名前で呼ばれたかった。俺もこの非日常的なひとときを、楽しみたかったのかもしれない。そして、彼女が俺の名前を呼ぶのに慣れてくれた頃、ようやく御殿場まで辿り着いた。
「まだ、時間が早いから何処か寄りたい所ある?」
車の中で聞いてみると、彼女は手持ちのバッグから小さな本を取り出した。それは目的地付近のガイドブック。そのガイドブックの付箋のあるところを俺に開いてみせる。
「時間があるなら、ここに行きたいです」
彼女が行きたいと言った所はとある神社。
「こういう所が好きだったんだ...?」
俺は、神社繋がりで鎌倉でも一緒にお参りした事を思い出していた。
「はい、この朱色が」
「朱色?」
聞き間違いかと聞き直すと、大人しい彼女は本を見せながら神社の鳥居の色の事だと力説してくれた。
...朱色ねぇ?
皮肉にも、ここで初めて彼女の観光の好みみたいなものが分かる。そう話していた通り、優里はその神社に着くなり、目を輝かせながらその鳥居に近づいた。
「わ、綺麗な朱色!」
本当にその色に喜んでおり、その嬉々とした姿に目を見張る。もしかしたら、彼女は色覚的に綺麗なものに弱いのかと、頭の中で思い出した風景があった。
「...優里がこういうのが好きなら。もっとすごい所が京都にあるよ」
「え?」
すぐ側の鳥居の真下ですご~いと感心してしまっている彼女が、目を輝かせながらこちらを振り返る。その時、俺はスマホのカメラのボタンを押していた。ただ、盗撮防止なのか思った以上にシャッターの音が大きく、盗撮は不成立。被写体に呆気なく気がつかれた。
「...い、今、撮りました?」
その大きな黒い瞳は瞬かせ、困ったような驚いた表情を作る。
「もちろん。撮ったっていいでしょ?彼女なんだし」
「そ、それはそうなんですけど...」
「考えてみれば、俺たち2人で写真を撮ったことないよね」
そうと決まれば、即、行動の俺は通りがかりの参拝客に彼女が好きな朱い鳥居の前で2人のツーショットを写してもらう。早速頭を付き合わせるようにして画像確認。映し出された俺たち2人の笑顔は初々しくもあり、どこかぎこちなくも見えた。
「あ、こっちも朱い鳥居!立さんも早く...」
いつもなら引っ張られる方なのに、今の優里は俺の手を引っ張って歩いている。
「ほら、見て下さい」
「本当だ」
彼女に言われて見上げるものは確かに朱いのだが、俺の美的感覚には訴えてくるものはなくて困る。
...こんな鳥居ぐらいではしゃぐか、普通?
そのはしゃぐ姿に子供っぽいと思ってしまったが、そんな所すら可愛いとさえ思う。彼女はもうすぐ24で、これが初めての恋愛。ようやく俺に素顔を許してくれるようになった。そんな彼女の笑顔が、今日はとても眩しくて正視できそうにない。
「そういえば、さっきお話ししてくれた京都の鳥居というのは?」
「うん。伏見稲荷っていう神社で、こんな鳥居がずらーって並んでいるんだ。その間を通るのはきっと優里は好きだと思う」
「すごい!行ってみたいです!!」
そんな俺のうろ覚えのそんな情報にさえ、目を輝かせながら聞いてくれる彼女は愛おしい。
「なら、いつか連れて行ってあげる」
「わ、嬉しいです...」
嬉しそうに繋いでいる手をギュッと小さく強く握り返されると、良心がチクリと痛む。
...どうしてだろう?
そんな気持ちをひた隠しに隠し、その神社でお参りをした。相変わらず、隣の優里は何やら真剣にじっくり祈っている。
...毎回、何をそんなに祈っているのだろう?
なんとなく、聞いてみたかった。
「いつも真剣だよね。そんなにたくさん神頼み?」
境内からの帰り道にさりげなく話題をふると、彼女は慌てふためき。
「や、そんな大した事じゃないです。それに、今日は、た、立さんだって...」
「俺も?」
確かに今回はいつもより神頼みしてしまった自覚はある。
「...俺は、優里の泣き虫が治りますようにってお願いした」
そう冗談めかしに答えると、彼女は「そんな泣きませんっ」って、そっぽを向きながら小さな声で答えた。俺は目を細めながら彼女の頭を撫で、宥める。これはいつものパターンだった。
冗談を言って、彼女の反応を楽しみ、慈しむ。
「さっきのは冗談。本当は大した事祈ってなんかないよ。だから、ほら、機嫌直して?」
「もう...立さんのいじわる」
むくれてはいるけれど、彼女だって本気で怒っているわけではない。栗色の髪を撫でながら、彼女の顔色を伺うことすら俺は楽しくて仕方がなかった。
それに本当に大した事なんか祈っていない。
『優里がこれから泣く事がないように』
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