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94.布石②
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藤澤さんから連絡がこなくなり、かれこれ1週間近く。もうすぐお付き合いして初めてのホワイトデーがやってくる。この日の朝も連絡がなく、お昼近くに彼からのメールが届いた。
『ホワイトデーには帰国できそうもありません。ですが、埋め合わせは必ずします。ごめんなさい』
そのメールに気がついて読んだのはお昼休みになってからだ。私はランチをしながら人知れず溜息をつく。
藤澤さんがホワイトデーを覚えてくれていたのは嬉しい。
けれども、別に何かお返しが欲しいとかいうわけではなくて、ただ、会いたかっただけなのに。
ホワイトデーだから会えるかもしれないという私のささやかな願いは叶わなかった。
彼が帰国してくるのを私は心待ちにしていた。
片思いの時は顔を見れるだけで充分だったはずなのに、こんなに会いたいってこんなに心から思うのは、初めての事だ。
出張に行ってくると言っていたけれどいつまでとも教えてもらえず、自分から連絡するのはお仕事の邪魔をするみたいで、臆病な私は自分から連絡できなかった。
あれから、私たちは触れ合っていない。
愛し合うようになってまだ間もないからか余計にそう思ってしまう。
もちろん、愛し合う行為自体に恥ずかしさや抵抗はあったけれど、彼は私の身体の中に自分の身体の記憶を植え付けた。
だから、会ったら真っ先に私を愛して欲しいと思うようになっていた。
ほんのすこし前までは、私は片想いに精一杯だった子どもだったはずなのに。
その心境の変化に自分が1番驚いていた。
※※※
金曜日の今日は思ったより早く営業先から戻れて、空けてあった週末の予定はどうしようかと、自分のデスクに座り、スマホの画面を眺める。
カレンダーを見ると明日はホワイトデー。
つい最近までの私は無条件にその日は彼と会えると信じていたけれど、先日のメールでそれはない。まさかと思ってスマホを見たけれど、連絡もない。
...いきなりの帰国は、ないか。
藤澤さんはそういう突飛な行動をする人ではないので、自分で可能性を消してふぅっとため息をつくと、背後から肩をポンと叩かれた。
「優里、帰りにご飯食べていかない?◯◯通りの近くに新しいイタリアンできたから、付き合ってよ」
明日はお休みだからと美波ちゃんがご飯に誘ってくれ、鳴らないスマホを諦めた私はOKサイン。それでも、恋に忙しい美波ちゃんは明日のホワイトデーには予定があるらしく、ご飯を食べて早々に解散した。
...美波ちゃん、彼氏でもできたのかな?
いそいそと帰る彼女の後ろ姿を見送った後、明日は買い物でも行くかなと最寄り駅までトボトボと歩く。その途中、帰りの電車の時刻をスマホでチェックする。
「メールも電話もないや...」
そう呟きながら、なんのお知らせの表示のない携帯を眺めて歩くこと、数分...、いきなり着信音が鳴って驚いた。その着信画面に私は大きく目を見開き、その表示が消えないでと願いながら出る。
「も、もしもし、三浦です...」
「...藤澤です。今、話しても大丈夫ですか?」
「はい!今1人なので大丈夫です!!」
彼の声を聞いたのは1週間以上ぶり。嬉しくて声が弾むのを抑えられなかった。
「久しぶりに優里の声聞いた...」
「わ、私も...です」
「今、何してるの?なんか、周りがガヤガヤしてる」
「あ、ちょうど美波ちゃんとご飯食べてきた所で...。藤澤さんは?」
彼の方も外野がガヤガヤしていて、仕事中、抜け出してきてくれたのかと思いきや。
「こっちは空港。ようやく帰国できて...」
日本に戻ってきてから1番に私にかけてきてくれたらしくて、そんな些細なことで私のテンションはぐっと上がってしまう。ただ、本当に雑音がうるさくて、彼の言葉が聞こえず、妙な間が空いた。向こうも私の声が聞こえていないかと思い、聞き返す。
「...藤澤さん?」
でも、彼の方はそうではなかったみたいで。
「...あー、考え事してた。あのさ、今日はこれから近くの◯◯ってホテルに泊まるんだけど、優里もこない?」
彼の言葉に心臓の鼓動が一気に速くなって、スマホをギュッと握りしめる。
「...は、はい、行きます。じゃ、じゃあ、今からすぐに帰って支度してきます!少し時間がかかってしまうかもしれないですが、必ず。だから...」
「うん。ユリがくるまで待ってるよ。もしかして、化石になっちゃうかもしれないけど、ちゃんと責任とってくれるんでしょ?」
「もう、藤澤さんったら、そんなことばっかり...」
「ははは...ごめん、ごめん。それは冗談だけど。ちゃんと来るまで待ってるから、慌てずにおいで」
高らかに笑う彼の声に安心してスマホを切る。
時間にしたら数分の軽くて短い会話でも、さっきまでの憂鬱な気持ちがあっという間に軽やかな気持ちへと昇華した。
それから超特急でうちに戻り、会社の服装は野暮ったいから、少しでも女性らしく見せるために、デート用に買ってあったフェミニンなワンピースに着替えて。お化粧はいつも大してしていないけれど、少し手直ししてから、彼からもらったお気に入りのピアスをつける。
出かける前にシャワーを浴びていこうかと思ったけれど、それはちょっとやり過ぎると思い直しだけれど、最低限のお泊まりのセットはバッグに入れた。
そして、電車に乗った時に彼からのメールに気がついた。
『ホテルのレストランバーで、待ってるから』
...ホテル、レストランバー。行ったことがないや。
自分の行動範囲の中には絶対ない場所だったけれども、私は何かを期待する。
今夜はいつまで藤澤さんと一緒にいられるのだろう、と。
電車のドア付近の鉄の手すり棒を掴まりながら、窓ガラスに映る自分の顔を眺めた。
本当に平凡でどこにでもありそうな顔だと思う。
それでも、彼の瞳には少しでも可愛く見えるといいなぁって思っていて、彼に会う前は自分がどんな顔をしているか気になって仕方がない。
「綺麗な眺め...」
煌びやかな夜景を見て、うっとり眺めていたのはいいけれど、指定されたホテルのロビーに着くと慣れない場所で、途端に、緊張感が増してきた。教えてもらったレストランバーの場所は探すとすぐに見つかり、勇気がなくてなかなか中へと進めない。お店の入り口付近でひょこっとのぞいてみると時間が遅くて人がいなかったせいか、藤澤さんっぽい人はわりと簡単に見つけられた。
...あの人...かなぁ、多分。
『ホワイトデーには帰国できそうもありません。ですが、埋め合わせは必ずします。ごめんなさい』
そのメールに気がついて読んだのはお昼休みになってからだ。私はランチをしながら人知れず溜息をつく。
藤澤さんがホワイトデーを覚えてくれていたのは嬉しい。
けれども、別に何かお返しが欲しいとかいうわけではなくて、ただ、会いたかっただけなのに。
ホワイトデーだから会えるかもしれないという私のささやかな願いは叶わなかった。
彼が帰国してくるのを私は心待ちにしていた。
片思いの時は顔を見れるだけで充分だったはずなのに、こんなに会いたいってこんなに心から思うのは、初めての事だ。
出張に行ってくると言っていたけれどいつまでとも教えてもらえず、自分から連絡するのはお仕事の邪魔をするみたいで、臆病な私は自分から連絡できなかった。
あれから、私たちは触れ合っていない。
愛し合うようになってまだ間もないからか余計にそう思ってしまう。
もちろん、愛し合う行為自体に恥ずかしさや抵抗はあったけれど、彼は私の身体の中に自分の身体の記憶を植え付けた。
だから、会ったら真っ先に私を愛して欲しいと思うようになっていた。
ほんのすこし前までは、私は片想いに精一杯だった子どもだったはずなのに。
その心境の変化に自分が1番驚いていた。
※※※
金曜日の今日は思ったより早く営業先から戻れて、空けてあった週末の予定はどうしようかと、自分のデスクに座り、スマホの画面を眺める。
カレンダーを見ると明日はホワイトデー。
つい最近までの私は無条件にその日は彼と会えると信じていたけれど、先日のメールでそれはない。まさかと思ってスマホを見たけれど、連絡もない。
...いきなりの帰国は、ないか。
藤澤さんはそういう突飛な行動をする人ではないので、自分で可能性を消してふぅっとため息をつくと、背後から肩をポンと叩かれた。
「優里、帰りにご飯食べていかない?◯◯通りの近くに新しいイタリアンできたから、付き合ってよ」
明日はお休みだからと美波ちゃんがご飯に誘ってくれ、鳴らないスマホを諦めた私はOKサイン。それでも、恋に忙しい美波ちゃんは明日のホワイトデーには予定があるらしく、ご飯を食べて早々に解散した。
...美波ちゃん、彼氏でもできたのかな?
いそいそと帰る彼女の後ろ姿を見送った後、明日は買い物でも行くかなと最寄り駅までトボトボと歩く。その途中、帰りの電車の時刻をスマホでチェックする。
「メールも電話もないや...」
そう呟きながら、なんのお知らせの表示のない携帯を眺めて歩くこと、数分...、いきなり着信音が鳴って驚いた。その着信画面に私は大きく目を見開き、その表示が消えないでと願いながら出る。
「も、もしもし、三浦です...」
「...藤澤です。今、話しても大丈夫ですか?」
「はい!今1人なので大丈夫です!!」
彼の声を聞いたのは1週間以上ぶり。嬉しくて声が弾むのを抑えられなかった。
「久しぶりに優里の声聞いた...」
「わ、私も...です」
「今、何してるの?なんか、周りがガヤガヤしてる」
「あ、ちょうど美波ちゃんとご飯食べてきた所で...。藤澤さんは?」
彼の方も外野がガヤガヤしていて、仕事中、抜け出してきてくれたのかと思いきや。
「こっちは空港。ようやく帰国できて...」
日本に戻ってきてから1番に私にかけてきてくれたらしくて、そんな些細なことで私のテンションはぐっと上がってしまう。ただ、本当に雑音がうるさくて、彼の言葉が聞こえず、妙な間が空いた。向こうも私の声が聞こえていないかと思い、聞き返す。
「...藤澤さん?」
でも、彼の方はそうではなかったみたいで。
「...あー、考え事してた。あのさ、今日はこれから近くの◯◯ってホテルに泊まるんだけど、優里もこない?」
彼の言葉に心臓の鼓動が一気に速くなって、スマホをギュッと握りしめる。
「...は、はい、行きます。じゃ、じゃあ、今からすぐに帰って支度してきます!少し時間がかかってしまうかもしれないですが、必ず。だから...」
「うん。ユリがくるまで待ってるよ。もしかして、化石になっちゃうかもしれないけど、ちゃんと責任とってくれるんでしょ?」
「もう、藤澤さんったら、そんなことばっかり...」
「ははは...ごめん、ごめん。それは冗談だけど。ちゃんと来るまで待ってるから、慌てずにおいで」
高らかに笑う彼の声に安心してスマホを切る。
時間にしたら数分の軽くて短い会話でも、さっきまでの憂鬱な気持ちがあっという間に軽やかな気持ちへと昇華した。
それから超特急でうちに戻り、会社の服装は野暮ったいから、少しでも女性らしく見せるために、デート用に買ってあったフェミニンなワンピースに着替えて。お化粧はいつも大してしていないけれど、少し手直ししてから、彼からもらったお気に入りのピアスをつける。
出かける前にシャワーを浴びていこうかと思ったけれど、それはちょっとやり過ぎると思い直しだけれど、最低限のお泊まりのセットはバッグに入れた。
そして、電車に乗った時に彼からのメールに気がついた。
『ホテルのレストランバーで、待ってるから』
...ホテル、レストランバー。行ったことがないや。
自分の行動範囲の中には絶対ない場所だったけれども、私は何かを期待する。
今夜はいつまで藤澤さんと一緒にいられるのだろう、と。
電車のドア付近の鉄の手すり棒を掴まりながら、窓ガラスに映る自分の顔を眺めた。
本当に平凡でどこにでもありそうな顔だと思う。
それでも、彼の瞳には少しでも可愛く見えるといいなぁって思っていて、彼に会う前は自分がどんな顔をしているか気になって仕方がない。
「綺麗な眺め...」
煌びやかな夜景を見て、うっとり眺めていたのはいいけれど、指定されたホテルのロビーに着くと慣れない場所で、途端に、緊張感が増してきた。教えてもらったレストランバーの場所は探すとすぐに見つかり、勇気がなくてなかなか中へと進めない。お店の入り口付近でひょこっとのぞいてみると時間が遅くて人がいなかったせいか、藤澤さんっぽい人はわりと簡単に見つけられた。
...あの人...かなぁ、多分。
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