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22.迷子になった私の気持ち。
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...ダメ、迷惑...。
彼の声と冷たく言い放った言葉がなかなか一致せず、自分としてはその現実が受け止められなくて頭が真っ白になった。
そして、資料をギュッと抱きしめ、その場で立ち竦んでしまうと中から女性が走るように飛び出てきて、目が合ってしまう。
その声の主は鈴木さんだった。
それで我に帰り、彼女が去った後、半開きになったドアの前から慌てて立ち去ろうとすると、今度は室内からドアを閉めようとしていた藤澤さんとかちあう。
「...み、う?」
ドアは閉められるのではなく、彼によりもっと大きく開けられ、私の姿は隠れる場所がなく丸見え状態。
いつもは穏やかで優しげな眼差しを向けてくれる瞳がこれでもかと言うくらい見開き、私に目撃されたことで言葉を失っていた。
こんな場面に出くわしてしまった私にも同じことが言えて。
このどうにもならない現場から逃げたかった私は、辛うじて言葉をかける。
「あ、あの....わ、私、立ち聞きするつもりじゃ...頼まれた資料を届けに...」
何も聞かれてもいないのに、勝手にペラペラと言い訳をしてしまう。
そんな茶番に付き合うかのように、藤澤さんも。
私の顔を見ずに私の胸にある資料を見ながら、手を伸ばしてきた。
「...わざわざ届けてくれてありがとうございます。今、その資料もらいますね」
「は...はい...」
言われたままに資料を渡して、さっきの事から話を逸らされたのが分かってしまう。
そのおかげで、どうしてだか、いたたまれなく、やりきれない想いが募り、彼を見つめてしまっていた。
すると、彼は私の気持ちを見透かしたのか、悲しそうな表情を浮かべる。
「さっきはみっともないところを見せて、ごめん...」
私は何も言葉を返せなかった。それどころか、無言で走り去った。
...大事な気持ちをみっともないなんて言わないでほしい。
歩きながら、目に涙が溜まってくる。
私には、さっきの出来事が自分と重なって見えていた。
もしかしたら、彼も自分に好意を持ってくれているのではと自惚れていた部分もあった。でも、それは大間違い。
彼には「好き」という告白さえ迷惑な話であるという現実。
私はそれを受け止めて、もう、告白なんてバカな気持ちを起こさないようにしなければいけない。
一緒に仕事をできる期間はあとわずか。
その間に彼への気持ちを断ち切ろうと接点をなくし、必死に彼から遠ざかった。
この仕事が終われば、彼に恋い焦がれていた自分をリセットできる。また、こんな辛くて虚しい片想いを知らなかった自分に戻れる。
もともと、私たちに接点は殆どないので、私が彼への気持ちを忘れればいいだけの話だった。
でも、行き場のないこの気持ちは、一体、どこにいくのだろう?
それは自分でもよく分からない。
彼の声と冷たく言い放った言葉がなかなか一致せず、自分としてはその現実が受け止められなくて頭が真っ白になった。
そして、資料をギュッと抱きしめ、その場で立ち竦んでしまうと中から女性が走るように飛び出てきて、目が合ってしまう。
その声の主は鈴木さんだった。
それで我に帰り、彼女が去った後、半開きになったドアの前から慌てて立ち去ろうとすると、今度は室内からドアを閉めようとしていた藤澤さんとかちあう。
「...み、う?」
ドアは閉められるのではなく、彼によりもっと大きく開けられ、私の姿は隠れる場所がなく丸見え状態。
いつもは穏やかで優しげな眼差しを向けてくれる瞳がこれでもかと言うくらい見開き、私に目撃されたことで言葉を失っていた。
こんな場面に出くわしてしまった私にも同じことが言えて。
このどうにもならない現場から逃げたかった私は、辛うじて言葉をかける。
「あ、あの....わ、私、立ち聞きするつもりじゃ...頼まれた資料を届けに...」
何も聞かれてもいないのに、勝手にペラペラと言い訳をしてしまう。
そんな茶番に付き合うかのように、藤澤さんも。
私の顔を見ずに私の胸にある資料を見ながら、手を伸ばしてきた。
「...わざわざ届けてくれてありがとうございます。今、その資料もらいますね」
「は...はい...」
言われたままに資料を渡して、さっきの事から話を逸らされたのが分かってしまう。
そのおかげで、どうしてだか、いたたまれなく、やりきれない想いが募り、彼を見つめてしまっていた。
すると、彼は私の気持ちを見透かしたのか、悲しそうな表情を浮かべる。
「さっきはみっともないところを見せて、ごめん...」
私は何も言葉を返せなかった。それどころか、無言で走り去った。
...大事な気持ちをみっともないなんて言わないでほしい。
歩きながら、目に涙が溜まってくる。
私には、さっきの出来事が自分と重なって見えていた。
もしかしたら、彼も自分に好意を持ってくれているのではと自惚れていた部分もあった。でも、それは大間違い。
彼には「好き」という告白さえ迷惑な話であるという現実。
私はそれを受け止めて、もう、告白なんてバカな気持ちを起こさないようにしなければいけない。
一緒に仕事をできる期間はあとわずか。
その間に彼への気持ちを断ち切ろうと接点をなくし、必死に彼から遠ざかった。
この仕事が終われば、彼に恋い焦がれていた自分をリセットできる。また、こんな辛くて虚しい片想いを知らなかった自分に戻れる。
もともと、私たちに接点は殆どないので、私が彼への気持ちを忘れればいいだけの話だった。
でも、行き場のないこの気持ちは、一体、どこにいくのだろう?
それは自分でもよく分からない。
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