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【spin-off】bittersweet first love
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俺はバレー、田山はバスケット、吉岡は野球とそれぞれ違う部に所属していたが、同じクラスなので時間が合えば3人で連んで帰ることが多かった。今日は田山が帰りに小腹が空いたと騒ぐので学校最寄駅近くのファーストフードに立ち寄る。この駅には俺たちの学校の他にも幾つかの学校があり、平日の夕方のこの時間帯は高校生らでごった返していた。
「お、あそこ空いてる!」
その中で何事にも目ざとい田山が空席を見つけ、俺と吉岡はトレイを持って追従。そして、席に着くなり田山に絡んだ。
「あのさぁ、何で高澤は俺にはいつもあんな態度なんだ?」
「何でって言われても、ねぇ??」
俺の怒りが継続中と察した田山は吉岡に助けを求めると、「さあ?」とそっぽを向かれ困っているが引き下がれない。
「田山の彼女だろう?ちゃんと言っとけよ」
田山と高澤は小学校の時の同窓生で2人が付き合っているのから、当然、俺は邪魔者扱い。その為にあんな態度をいつもとられるのだと常々思っていたのだが。当の本人は「は??」と目を真ん丸くして驚き、吉岡はフライドポテトを口に入れたまま固まった。
2人の様子がおかしいと感じとった俺は一旦クールダウン。
「...違うのか?」
「あったりまえじゃん!!」「ありえねー」
何故か口を揃えて異口同音の嵐を喰らう。
「嘘だろ!?あんなにいつも2人でいるし。小学校からの付き合いで仲がいいって!!?」
慌てて知っている情報を並べ立ても形勢は一気に逆転した。
「俺と高澤は何もないって!!第一俺の好みじゃないし。藤澤はどこ見ていってんだよ、全く」
「それに田山の好みはこういうタイプ」
吉岡はたまたま持っていたグラビア雑誌をリュックから取り出し俺に開いてみせる。そこには某有名アイドルの水着姿が映っていた。そのアイドルはいま田山が夢中になっているのを俺も知っている。彼女は黒髪のロングヘアで田山は常々ロングヘアの女性が好きと公言していた。それに引き換え、高澤はショートヘア。俺が男女と陰口を叩く理由はそこにある。
「なるほど」
吉岡の提示した雑誌の1ページ目で簡単に納得。その俺の手から、田山は雑誌をかっさらってゆく。
「うわー、これまだ買っていなかった!!あ、愛ちゃんが特集じゃん。いつ見ても可愛いわ♡いつかこんな子としたいよな...」
雑誌を見食い入るように見る田山の大きな独り言をコーラを飲みながら疑問に思う。
「何をしたいって?」
この質問に吉岡の方が噴き出した。
「ぶはっ!!藤澤本気で聞いてんの?!だってこいつ彼女なし歴=年齢だぞ?」
田山を指差して笑う吉岡に対し田山は顔を真っ赤にして。
「そ、それを言うなら藤澤だってっ!!」
どういう訳か俺が巻き添えをくらう。それでもどうにも要領の得ない俺に対し吉岡が小声でゆっくりと口を開いた。
「田山、ド、ウ、テ、イだし」
...あぁ、セックス。
頭の中で一発変換。田山は人当たりも良く学校でも人気があったのだが、好きなタイプの女子にはアプローチ下手なのである。そこへ彼女持ちでおそらく経験済みの吉岡がおかしな都市伝説を披露した。
「そうそう、30歳になるまで経験ないと魔法が使えるようになるらしいぞ?(笑)」
「どんな魔法だよ?(笑)」
2人で談笑していると田山だけは青ざめる。
「...も、もしかして、藤澤はもう?」
「あー...」
ハッキリした返事を言いにくくて目を泳がすと、吉岡が俺の代わりに口を挟む。
「ばぁか。藤澤の場合は彼女持ちでなくても入れ食いだろうよ。どんだけモテるか分かってんだろ?」
否定も肯定もしなかった俺に、全てを悟った田山は「裏切り者っ!!」と叫んだ。
入れ食いとは心外なと思ったのだが特定の彼女がいなくとも相手さえいれば経験出来なくはない。田山と違う所はそこだけだ。
俺の場合は単なる好奇心と年相応の性衝動。
実際に女性を抱いて愛とか恋とかそんな余計な感情は派生する事はなかった。
だから、田山の気持ちは純粋だし、彼女持ちの吉岡は俺とは違う感情を伴い彼女を抱いていると思うと少し羨ましい気持ちもある。
「やらずの20歳にならないよう健闘を祈る!」
田山をからかいながら、ふと、そんな事を思うのだ。
「お、あそこ空いてる!」
その中で何事にも目ざとい田山が空席を見つけ、俺と吉岡はトレイを持って追従。そして、席に着くなり田山に絡んだ。
「あのさぁ、何で高澤は俺にはいつもあんな態度なんだ?」
「何でって言われても、ねぇ??」
俺の怒りが継続中と察した田山は吉岡に助けを求めると、「さあ?」とそっぽを向かれ困っているが引き下がれない。
「田山の彼女だろう?ちゃんと言っとけよ」
田山と高澤は小学校の時の同窓生で2人が付き合っているのから、当然、俺は邪魔者扱い。その為にあんな態度をいつもとられるのだと常々思っていたのだが。当の本人は「は??」と目を真ん丸くして驚き、吉岡はフライドポテトを口に入れたまま固まった。
2人の様子がおかしいと感じとった俺は一旦クールダウン。
「...違うのか?」
「あったりまえじゃん!!」「ありえねー」
何故か口を揃えて異口同音の嵐を喰らう。
「嘘だろ!?あんなにいつも2人でいるし。小学校からの付き合いで仲がいいって!!?」
慌てて知っている情報を並べ立ても形勢は一気に逆転した。
「俺と高澤は何もないって!!第一俺の好みじゃないし。藤澤はどこ見ていってんだよ、全く」
「それに田山の好みはこういうタイプ」
吉岡はたまたま持っていたグラビア雑誌をリュックから取り出し俺に開いてみせる。そこには某有名アイドルの水着姿が映っていた。そのアイドルはいま田山が夢中になっているのを俺も知っている。彼女は黒髪のロングヘアで田山は常々ロングヘアの女性が好きと公言していた。それに引き換え、高澤はショートヘア。俺が男女と陰口を叩く理由はそこにある。
「なるほど」
吉岡の提示した雑誌の1ページ目で簡単に納得。その俺の手から、田山は雑誌をかっさらってゆく。
「うわー、これまだ買っていなかった!!あ、愛ちゃんが特集じゃん。いつ見ても可愛いわ♡いつかこんな子としたいよな...」
雑誌を見食い入るように見る田山の大きな独り言をコーラを飲みながら疑問に思う。
「何をしたいって?」
この質問に吉岡の方が噴き出した。
「ぶはっ!!藤澤本気で聞いてんの?!だってこいつ彼女なし歴=年齢だぞ?」
田山を指差して笑う吉岡に対し田山は顔を真っ赤にして。
「そ、それを言うなら藤澤だってっ!!」
どういう訳か俺が巻き添えをくらう。それでもどうにも要領の得ない俺に対し吉岡が小声でゆっくりと口を開いた。
「田山、ド、ウ、テ、イだし」
...あぁ、セックス。
頭の中で一発変換。田山は人当たりも良く学校でも人気があったのだが、好きなタイプの女子にはアプローチ下手なのである。そこへ彼女持ちでおそらく経験済みの吉岡がおかしな都市伝説を披露した。
「そうそう、30歳になるまで経験ないと魔法が使えるようになるらしいぞ?(笑)」
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「あー...」
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「ばぁか。藤澤の場合は彼女持ちでなくても入れ食いだろうよ。どんだけモテるか分かってんだろ?」
否定も肯定もしなかった俺に、全てを悟った田山は「裏切り者っ!!」と叫んだ。
入れ食いとは心外なと思ったのだが特定の彼女がいなくとも相手さえいれば経験出来なくはない。田山と違う所はそこだけだ。
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だから、田山の気持ちは純粋だし、彼女持ちの吉岡は俺とは違う感情を伴い彼女を抱いていると思うと少し羨ましい気持ちもある。
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田山をからかいながら、ふと、そんな事を思うのだ。
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