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第十一章 うさぎだって怒る
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知らず知らず、ぎゅっと握っていたこぶしが手のひらに食い込んでくる痛みよりも、心が痛くて辛くて、でもそれよりも悔しくて。
「ズルくなんかないよ! 私は、サツキちゃんに、赤ちゃんみたいって言われてからずっと。この学園に来るまで、ずっとずっと。人の目が怖かった。誰かのために何かしたら、また言われちゃうんじゃないかって怖くて。友達なんか、あれから一度もできなかったんだよ! それってどんなに悲しいことかわかる?」
「わかるよ、私だって!!」
言いかけたサツキちゃんは、唇をかみしめて。
「ウイちゃんと同じだった。ウイちゃんがいなくなってから、ずっと」
小さな声でつぶやいたサツキちゃんはプリーツスカートに皺が寄るくらい握りしめてて、その手が震えていた。
同じって、どういうこと?
「言わなきゃ良かったって思った。赤ちゃん、なんて言わなきゃ、ウイちゃんは楽しく学校に来られていたのかな、そう思ってた。あやまらなきゃ、って思うのに、何度も声をかけようとしたのに。ウイちゃん、逃げちゃうんだもん。謝らせてももらえないんだもん、ズルイよ」
確かに逃げたのは、私だけどまさか謝ろうとしてたなんて知らなかったもの……。
生徒会室の中に静寂が広がっていく。
さっきからまだ一〇分も経ってないのに、息苦しさを感じてる。
おたがいに、なにも言い出せず、生徒会室にサツキちゃんのすすり泣く声だけが、しばらく響いていたけれど。
「ウイちゃん、今楽しい?」
沈黙を破ったのは、サツキちゃんだった。小さく頷いたら「そう」ってため息みたいな声が聞こえた。
「ズルくなんかないよ! 私は、サツキちゃんに、赤ちゃんみたいって言われてからずっと。この学園に来るまで、ずっとずっと。人の目が怖かった。誰かのために何かしたら、また言われちゃうんじゃないかって怖くて。友達なんか、あれから一度もできなかったんだよ! それってどんなに悲しいことかわかる?」
「わかるよ、私だって!!」
言いかけたサツキちゃんは、唇をかみしめて。
「ウイちゃんと同じだった。ウイちゃんがいなくなってから、ずっと」
小さな声でつぶやいたサツキちゃんはプリーツスカートに皺が寄るくらい握りしめてて、その手が震えていた。
同じって、どういうこと?
「言わなきゃ良かったって思った。赤ちゃん、なんて言わなきゃ、ウイちゃんは楽しく学校に来られていたのかな、そう思ってた。あやまらなきゃ、って思うのに、何度も声をかけようとしたのに。ウイちゃん、逃げちゃうんだもん。謝らせてももらえないんだもん、ズルイよ」
確かに逃げたのは、私だけどまさか謝ろうとしてたなんて知らなかったもの……。
生徒会室の中に静寂が広がっていく。
さっきからまだ一〇分も経ってないのに、息苦しさを感じてる。
おたがいに、なにも言い出せず、生徒会室にサツキちゃんのすすり泣く声だけが、しばらく響いていたけれど。
「ウイちゃん、今楽しい?」
沈黙を破ったのは、サツキちゃんだった。小さく頷いたら「そう」ってため息みたいな声が聞こえた。
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