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第六章 ユウウツうさぎ
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「なにか、辛いことを思い出すきっかけがあったんだろ? たとえば、コレとか」
ノートパソコンをこちら側に向けてくれた会長。覗き込んだ先にあったメールには。
『Look at me, baby(こっちを見てよ、赤ちゃん)』
「前に来てたイタズラメールの主とおなじだと思う。ブロックされたことに気づいて、新しいアドレスでまた届くようになったんだが」
私が生徒会室に来なかった間に届いていたメールを会長が見せてくれた。
『Smile, baby(笑って、赤ちゃん)』、そして『listen to me(私の話を聞いて)』
「このメールはうさぎ宛なんじゃないか?」
私も、そう思う、とうなずいた。
baby don't cry、最初から、もしかしたらって思ってた。
この学園の中に、あの頃の私を知っている人がいるのかもしれない。
あの頃みたいに、私を校門の前で待ち伏せて、いつか何かを言われるのかもしれない。
うさぎなんて呼ばれて、生徒会に入って、毎日友達と笑ってる私なんて、本当は『泣き虫赤ちゃんのくせに』って笑われるのかもしれない。
誰も私のことを知らないだろう学園に入ったというのに……。
これはやっぱりサツキちゃんなの?
「今は楽しいか? うさぎ」
「今は……、楽しいです。楽しいに決まってます。クラスでも友達がたくさんできました。生徒会活動だって楽しいし、皆いい人ばかりだし」
「そっか、なら良かった」
くしゃりと笑った会長に私も微笑み返す。
「会長がいたからですよ、あの日、入学式の日」
「ん?」
「言ってくれたじゃないですか、ここにおいでって」
会長が誘ってくれたから、私は今、ここで笑えてるんです。
ノートパソコンをこちら側に向けてくれた会長。覗き込んだ先にあったメールには。
『Look at me, baby(こっちを見てよ、赤ちゃん)』
「前に来てたイタズラメールの主とおなじだと思う。ブロックされたことに気づいて、新しいアドレスでまた届くようになったんだが」
私が生徒会室に来なかった間に届いていたメールを会長が見せてくれた。
『Smile, baby(笑って、赤ちゃん)』、そして『listen to me(私の話を聞いて)』
「このメールはうさぎ宛なんじゃないか?」
私も、そう思う、とうなずいた。
baby don't cry、最初から、もしかしたらって思ってた。
この学園の中に、あの頃の私を知っている人がいるのかもしれない。
あの頃みたいに、私を校門の前で待ち伏せて、いつか何かを言われるのかもしれない。
うさぎなんて呼ばれて、生徒会に入って、毎日友達と笑ってる私なんて、本当は『泣き虫赤ちゃんのくせに』って笑われるのかもしれない。
誰も私のことを知らないだろう学園に入ったというのに……。
これはやっぱりサツキちゃんなの?
「今は楽しいか? うさぎ」
「今は……、楽しいです。楽しいに決まってます。クラスでも友達がたくさんできました。生徒会活動だって楽しいし、皆いい人ばかりだし」
「そっか、なら良かった」
くしゃりと笑った会長に私も微笑み返す。
「会長がいたからですよ、あの日、入学式の日」
「ん?」
「言ってくれたじゃないですか、ここにおいでって」
会長が誘ってくれたから、私は今、ここで笑えてるんです。
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