【完結】だからウサギは恋をした

第五章 うさぎ、天敵に身をすくめる

5-1

「各クラス、前半後半を十八人ずつとする。そのため人数が足りない場合は、前半と後半で複数人の重複を認めるが、クラス全員が必ず参加すること。外野は最初四名ずつ。各試合、五分の間に何人がコートに残っているか、前半後半のトータルで勝敗を決めることにします。引き分けの場合は外野を五名、内野十名で五分間、勝負がつかなければ延長サドンデス。ここまでで、なにか質問はありますか？」

　次の週の生徒会定例会で決めたドッジボールのルールを、翌日放課後の教室で開かれた説明会で各クラス委員たちに説明したのは議長である明日香先輩だ。

「それって、外野は男子だけで固めてもいいんですか？」
「いいですよ、そこは各クラスにお任せです」
「たとえば前半を女子組、後半を男子組にしても」
「かまいません。ですが、女子組だけだと不利になる場合もあるかと思いますので、あまりオススメはしません。半々ぐらいがいいのではないでしょうか？」

　クラス委員の質問に的確に答えてくれるのは、吉居先輩だ。

「勝ち抜き戦になるんでしょうか？」
「そうです。各学年八クラスをトーナメント戦勝ち抜きとします。午後からは決勝戦、総当たりとするため、一番多いクラスだと決勝までに三回、決勝で二回の合計五試合となります」
「あと、救護班である保健委員が試合の場合は、他のクラスや他学年の保健委員がカバーしましょう。我々生徒会役員もサポートしていきますので、クラス委員の皆様より保健委員にお伝えください」