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兆し
4.予兆
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ひたすらゴロゴロダラダラして二週間、ようやくヒート休みが明けた。
「ヒート休みお疲れっしたー!」
「ありがとうございまーす」
教室に入った瞬間、田野原に取っ捕まってバシバシと背中を叩かれた。久々に顔を見たけど相変わらず賑やかだ。さすが騒がせキャラの田野原って感じ。
「なぁなぁ二週間引きこもりってどんな感じ? どんな感じー!?」
「退屈。ゴロゴロしてられんのはいいけど長い」
田野原は月末からヒート休みが割り当てられてて、期間中の過ごし方について興味津々みたいだ。物知りクラスメイト市瀬が今ヒート休みに当たってるから自力で情報収集を頑張っているらしい。
戻ってきたら質問責め食らうんだろうな、市瀬。
「んんー、ユッキーでもそれかぁ。独房にぶちこまれたダーハラはどんな感じ?」
原田のやつ失敗したのか……いつの間にか後ろに立ってた顔をちらっと見ると少し遠い目をしていた。ムードメーカーらしからぬ無表情具合だ。よっぽど独房生活はキツかったらしい。
「本気で何もなくて発狂するかと思った」
「テレビもねーの?」
「無かった。ベッドと……あー、ローションとか何かアダルティなのはあった」
独房なのにそんなもの置いてどうするんだろうと思いつつ、話を見守る。
ヒートで勝手に性欲が増すΩにはありがたいけどな。他はオカズ無いと無理じゃね。テレビくらいは置いといたらいいのに。
「あらやだ、エロい妄想とか一人遊びとかし放題じゃーん!」
感想それかよ。むっつりだな田野原。
「じゃあお前二週間ずっと妄想と一人遊びだけしてみろ」
「えっ流石にそれは無理、発狂しちゃう」
冷静に答える原田はいつもの原田じゃない。悟りきった仙人みたいになってて田野原もちょっと戸惑った顔をしていた。
しばらくすると沢良木と皆川がやってきて、田野原みたいにヒート休みお疲れーって話しかけてきた。やっぱり期間中の過ごし方の話になって、原田がぶちこまれた独房の話になる。
「独房って確かΩの緊急隔離部屋なんだっけ。当たり前に二週間過ごす仕様じゃないよな」
「普通の奴がそこにぶちこまれるって完全にお仕置きだよね」
なるほど、脱走する悪い生徒には娯楽なぞ与えないってことか。Ωだとありがたい仕様なのは、元々部屋を使う想定が娯楽どころじゃないヒート中のΩだから。
「やっぱ二週間分の漫画借りとくか……ダーハラの二の舞にはなるまい」
「だよね……僕も何か娯楽考えないと」
沢良木と皆川は仲良く同じタイミングで腕を組んで首を傾げた。二人は脱走しない方針らしい。
何か、その内図書館の漫画が根こそぎ消えてそうだな。
「お前らほんと俺を人柱にするよな」
「果敢な勇者には感謝しているぞ」
「お前の犠牲は無駄にしないよ、ダーハラ」
にこにこ笑う二人に、無表情だった原田がムキーッ!と叫びながら悔しそうな顔をした。やっとムードメーカーが戻ってきたらしい。
「くそーっ、次は絶対上手くやってやる!」
さっきまで仙人みたいな顔してたくせに全然懲りてない。また失敗してそうだ。
「いや、痛い目みたんならやめとけよ」
「ぶっははははは、懲りてねぇー!」
思わずツッコミを入れてしまったオレとは反対に田野原は爆笑している。しばらく謎のやる気を燃やす原田を見守ってたけど、チャイムの音に追い立てられて席に着いたのだった。
放課後、食堂に向かって中庭を歩いてると皆川がふと立ち止まった。
「ねぇ、アイツどうしたんだろ」
視線の先には廊下の隅でうずくまってる生徒が一人。何だ何だと近づくと、ふわっと甘ったるい匂いがしてぞわりと変な違和感が走った。
よく見るとそいつは首に肌色に近い茶色のベルトみたいなのをつけている。
――首輪だ。αにうなじを噛まれないようにするための、首輪。
「ちょっ、ちょっと待て、お前らαじゃないよな!?」
他人の第二性別をむやみに聞くなって言われてるけど、今はそんなこと言ってられなかった。たぶんアイツはΩだ。しかもヒート中っぽい、甘ったるい匂いをさせてる。
あれにαを近付けるのはまずい。
だけど皆はきょとんとした顔でオレを見る。誰もあの匂いには気づいてないらしい。
「? 俺はβだけど」
「俺もー」
「僕も」
「皆に同じー! ユッキーどうした?」
皆のけろっとした回答にちょっとホッとした。ここは本人が言わない限り第二性別を聞かないのが基本的なルールだから、改めて聞くのはちょっと勇気が要る。
「えと、そ、いつ……」
でもあそこで苦しんでる奴の事を勝手に伝えていいんだろうか。無闇にΩだって言うなって何度も怒られたから、普通Ωは自分の第二性別をちゃんと言わないのは知ってる。
よかれと思っても、ひょっとしたらアイツにはよくない事かもしれない。
ぐるぐるし始めた頭でどうするべきか悩んでたけど、座り込んでる奴の具合を診始めた沢良木があっと声をこぼした。
「こいつ首輪してる。Ωっぽいぞ」
「なるほどユッキーの視力すげぇな。おーい、大丈夫かー?」
皆Ωだって事を特に気にすることなく近付いていく。
そうだよな、中学のβの友達も皆そうだった。オレがΩだって分かってもβと変わんねぇじゃん!って笑ってた。さすがにヒート休みの時は迷惑かけてたけど、それ以外は普通に過ごしてた。
やけにビクビクして気にしてるのはΩの方だ。βの奴らは優しいのに。
だけど……ここへ来る時に散々注意されたからだろうか。自分がアイツの第二性別をバラさなくて済んだ事にホッとしてしまった。
背中をさすられながら座り込んでるΩらしき生徒はどんどん呼吸が荒くなる。甘ったるい匂いも強くなってきた。
「うーん、かなり具合悪そうだね。保健室に運…………えっ?」
振り返った皆川の動きが固まる。いつも飄々としてるのに珍しく顔がひきつっていた。
何事かとそっちを見ると、何人かの生徒が立っている。皆棒立ちで吐息が荒い。目はぎらぎらとしていて明らかにΩの生徒を見つめていた。
「……Ωだ……」
低い声が響く。
「ちょっ、お前ら目付きが怖いぞ……」
「そいつを寄越せ」
「あっらやだ鼻息荒ーい! 不審者みたいだぞーっ!」
「Ωを寄越せ……っ」
何を言ってもΩを寄越せとしか返ってこない。
まるで何かに操られてるみたいな奴らの中には時々見かける田野原の友達も混ざっていた。いつもはあんなんじゃない。騒がしキャラの田野原にけらけら笑ってる、明るい奴だ。
なのに今目の前に居る奴は別人みたいに不機嫌そうな顔と、威嚇するような鋭い目つき。オレ達だけじゃなくて田野原にもそれは向けられている。
「……いやスルーすんなよ悲しいじゃん……いつも笑ってくれんのにどうしたんだよ~!」
「な、なぁちょっとさぁ……これ……αのヒートなんじゃねぇの……」
ちょっと青い顔した沢良木がぽつりと呟く。皆川も友達を心配し始めた田野原も、そのワードにびしっと固まった。
「え、アイツαだったのか……」
「いや、そこ? でもじゃあ、こいつが具合悪そうなのって……」
「Ωのヒートになってα呼び寄せてるんじゃね……何かあの、頭くらくらすんだけど……」
Ωの出すフェロモンはαに影響するはずだけど、沢良木もちょっと食らってるらしい。確かにコイツ凄い甘い匂いがキッツイし、ひょっとしたら匂いの方が影響してしまうのかもしれない。
そんなことを考えてる内に、いつの間にかオレ達を取り囲んでる生徒が増えていた。
「…………やばいよねこれ」
「ヤバいよな……何かめっちゃハァハァしてる奴ら集まってきたぞ……」
新しく集まってきた奴らも皆総じて獲物を狙うハンターみたいな顔をしてる。αすら見たことなかったオレはヒート中のαの姿に怖さすら覚えてしまって、こみ上がってくる震えを必死に抑えていた。
「坊っちゃん集団の奴が何人か居る……絶対αの群れだろこれ」
「αってこんなに居たんだなぁ……ははは」
田野原の言葉を最後に沈黙が落ちる。少しして、さすが全部集めてるってだけあるなぁ、なんて沢良木の乾いた笑いが響く。
そんなことを言ってる内に、αの群れが雪崩れ込むみたいに向かってきた。
「ヒート休みお疲れっしたー!」
「ありがとうございまーす」
教室に入った瞬間、田野原に取っ捕まってバシバシと背中を叩かれた。久々に顔を見たけど相変わらず賑やかだ。さすが騒がせキャラの田野原って感じ。
「なぁなぁ二週間引きこもりってどんな感じ? どんな感じー!?」
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田野原は月末からヒート休みが割り当てられてて、期間中の過ごし方について興味津々みたいだ。物知りクラスメイト市瀬が今ヒート休みに当たってるから自力で情報収集を頑張っているらしい。
戻ってきたら質問責め食らうんだろうな、市瀬。
「んんー、ユッキーでもそれかぁ。独房にぶちこまれたダーハラはどんな感じ?」
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「本気で何もなくて発狂するかと思った」
「テレビもねーの?」
「無かった。ベッドと……あー、ローションとか何かアダルティなのはあった」
独房なのにそんなもの置いてどうするんだろうと思いつつ、話を見守る。
ヒートで勝手に性欲が増すΩにはありがたいけどな。他はオカズ無いと無理じゃね。テレビくらいは置いといたらいいのに。
「あらやだ、エロい妄想とか一人遊びとかし放題じゃーん!」
感想それかよ。むっつりだな田野原。
「じゃあお前二週間ずっと妄想と一人遊びだけしてみろ」
「えっ流石にそれは無理、発狂しちゃう」
冷静に答える原田はいつもの原田じゃない。悟りきった仙人みたいになってて田野原もちょっと戸惑った顔をしていた。
しばらくすると沢良木と皆川がやってきて、田野原みたいにヒート休みお疲れーって話しかけてきた。やっぱり期間中の過ごし方の話になって、原田がぶちこまれた独房の話になる。
「独房って確かΩの緊急隔離部屋なんだっけ。当たり前に二週間過ごす仕様じゃないよな」
「普通の奴がそこにぶちこまれるって完全にお仕置きだよね」
なるほど、脱走する悪い生徒には娯楽なぞ与えないってことか。Ωだとありがたい仕様なのは、元々部屋を使う想定が娯楽どころじゃないヒート中のΩだから。
「やっぱ二週間分の漫画借りとくか……ダーハラの二の舞にはなるまい」
「だよね……僕も何か娯楽考えないと」
沢良木と皆川は仲良く同じタイミングで腕を組んで首を傾げた。二人は脱走しない方針らしい。
何か、その内図書館の漫画が根こそぎ消えてそうだな。
「お前らほんと俺を人柱にするよな」
「果敢な勇者には感謝しているぞ」
「お前の犠牲は無駄にしないよ、ダーハラ」
にこにこ笑う二人に、無表情だった原田がムキーッ!と叫びながら悔しそうな顔をした。やっとムードメーカーが戻ってきたらしい。
「くそーっ、次は絶対上手くやってやる!」
さっきまで仙人みたいな顔してたくせに全然懲りてない。また失敗してそうだ。
「いや、痛い目みたんならやめとけよ」
「ぶっははははは、懲りてねぇー!」
思わずツッコミを入れてしまったオレとは反対に田野原は爆笑している。しばらく謎のやる気を燃やす原田を見守ってたけど、チャイムの音に追い立てられて席に着いたのだった。
放課後、食堂に向かって中庭を歩いてると皆川がふと立ち止まった。
「ねぇ、アイツどうしたんだろ」
視線の先には廊下の隅でうずくまってる生徒が一人。何だ何だと近づくと、ふわっと甘ったるい匂いがしてぞわりと変な違和感が走った。
よく見るとそいつは首に肌色に近い茶色のベルトみたいなのをつけている。
――首輪だ。αにうなじを噛まれないようにするための、首輪。
「ちょっ、ちょっと待て、お前らαじゃないよな!?」
他人の第二性別をむやみに聞くなって言われてるけど、今はそんなこと言ってられなかった。たぶんアイツはΩだ。しかもヒート中っぽい、甘ったるい匂いをさせてる。
あれにαを近付けるのはまずい。
だけど皆はきょとんとした顔でオレを見る。誰もあの匂いには気づいてないらしい。
「? 俺はβだけど」
「俺もー」
「僕も」
「皆に同じー! ユッキーどうした?」
皆のけろっとした回答にちょっとホッとした。ここは本人が言わない限り第二性別を聞かないのが基本的なルールだから、改めて聞くのはちょっと勇気が要る。
「えと、そ、いつ……」
でもあそこで苦しんでる奴の事を勝手に伝えていいんだろうか。無闇にΩだって言うなって何度も怒られたから、普通Ωは自分の第二性別をちゃんと言わないのは知ってる。
よかれと思っても、ひょっとしたらアイツにはよくない事かもしれない。
ぐるぐるし始めた頭でどうするべきか悩んでたけど、座り込んでる奴の具合を診始めた沢良木があっと声をこぼした。
「こいつ首輪してる。Ωっぽいぞ」
「なるほどユッキーの視力すげぇな。おーい、大丈夫かー?」
皆Ωだって事を特に気にすることなく近付いていく。
そうだよな、中学のβの友達も皆そうだった。オレがΩだって分かってもβと変わんねぇじゃん!って笑ってた。さすがにヒート休みの時は迷惑かけてたけど、それ以外は普通に過ごしてた。
やけにビクビクして気にしてるのはΩの方だ。βの奴らは優しいのに。
だけど……ここへ来る時に散々注意されたからだろうか。自分がアイツの第二性別をバラさなくて済んだ事にホッとしてしまった。
背中をさすられながら座り込んでるΩらしき生徒はどんどん呼吸が荒くなる。甘ったるい匂いも強くなってきた。
「うーん、かなり具合悪そうだね。保健室に運…………えっ?」
振り返った皆川の動きが固まる。いつも飄々としてるのに珍しく顔がひきつっていた。
何事かとそっちを見ると、何人かの生徒が立っている。皆棒立ちで吐息が荒い。目はぎらぎらとしていて明らかにΩの生徒を見つめていた。
「……Ωだ……」
低い声が響く。
「ちょっ、お前ら目付きが怖いぞ……」
「そいつを寄越せ」
「あっらやだ鼻息荒ーい! 不審者みたいだぞーっ!」
「Ωを寄越せ……っ」
何を言ってもΩを寄越せとしか返ってこない。
まるで何かに操られてるみたいな奴らの中には時々見かける田野原の友達も混ざっていた。いつもはあんなんじゃない。騒がしキャラの田野原にけらけら笑ってる、明るい奴だ。
なのに今目の前に居る奴は別人みたいに不機嫌そうな顔と、威嚇するような鋭い目つき。オレ達だけじゃなくて田野原にもそれは向けられている。
「……いやスルーすんなよ悲しいじゃん……いつも笑ってくれんのにどうしたんだよ~!」
「な、なぁちょっとさぁ……これ……αのヒートなんじゃねぇの……」
ちょっと青い顔した沢良木がぽつりと呟く。皆川も友達を心配し始めた田野原も、そのワードにびしっと固まった。
「え、アイツαだったのか……」
「いや、そこ? でもじゃあ、こいつが具合悪そうなのって……」
「Ωのヒートになってα呼び寄せてるんじゃね……何かあの、頭くらくらすんだけど……」
Ωの出すフェロモンはαに影響するはずだけど、沢良木もちょっと食らってるらしい。確かにコイツ凄い甘い匂いがキッツイし、ひょっとしたら匂いの方が影響してしまうのかもしれない。
そんなことを考えてる内に、いつの間にかオレ達を取り囲んでる生徒が増えていた。
「…………やばいよねこれ」
「ヤバいよな……何かめっちゃハァハァしてる奴ら集まってきたぞ……」
新しく集まってきた奴らも皆総じて獲物を狙うハンターみたいな顔をしてる。αすら見たことなかったオレはヒート中のαの姿に怖さすら覚えてしまって、こみ上がってくる震えを必死に抑えていた。
「坊っちゃん集団の奴が何人か居る……絶対αの群れだろこれ」
「αってこんなに居たんだなぁ……ははは」
田野原の言葉を最後に沈黙が落ちる。少しして、さすが全部集めてるってだけあるなぁ、なんて沢良木の乾いた笑いが響く。
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