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05.暴発
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予防活動の最中に気を失った一件以来、少し活動を休むことにした。
……正確に言えば。
Ωを襲いかけた事が副会長の耳に入り、臨時の生徒会決議を取った上で活動休止を言い渡されてしまったからだ。しかも、やらかした本人以外は満場一致で賛成という情けない状態で。
良家のαはΩのフェロモンを意図的に当てられる、フェロモンレイプという手段の的になりやすい。しかしβはフェロモンが効きにくいとされている。
だからこそ仁科儀冬弥は比較的自由に生徒の間をうろつくことができた。
αではない『β様』にはそれが効かないと認識されていたから。
一件を起こしたΩの生徒と家は藤桜司と仁科儀の家から締め上げられたと聞いているが、一度食らってしまえばその手段が有効だという話はすぐに回るだろう。
最初は平気でも数で来られると危うい。しかし対処用の鎮静剤を持たない自分に対抗する術はない。黙って決議を飲むほかはなかった。
そんな状態で部屋に籠っていても思考がマイナスに振り切るだけだ。気晴らしに食堂へ……と、出てきたのだけれど。
「……何故二人揃ってここにいる」
「アンタが連絡寄越さないからだろ。言うこと聞いて大人しく待ってたのに」
不機嫌そうな顔で睨む春真の横には仁科儀秋都が並んで座っている。春真が来るのは分かるが、何故隣の男まで一緒にいるのか。ハッキリと拒絶してからは大人しくしていたのに。
自分が春真の側に居ない間も共に居たのかと思うと腹の底が不快感を訴えてくる。避けていた手前、そんな資格が無いのは分かっているけれど。
「秋都の方がΩのフェロモン効くし。変なの居たら早い内に分かるだろ」
「俺をカナリアにする気で呼び出したのか、人でなしめ」
カナリア……?と首をかしげる春真だったが、すぐに気を取り直したのか言葉を続ける。
「だって。オレも先輩もαほど敏感じゃないし」
「生憎、俺は普段から予防薬を飲んでいる。他のαよりもフェロモンが効きにくい」
優雅に紅茶をすする横で、えっ、と春真の声がぽつりと響いた。
αを狙ったフェロモンレイプの対策とて、何もないわけではない。
仁科儀の傘下にある製薬部門では第二性別の症状に対する抑制剤や鎮静剤を研究開発している。そこで開発された発情の予防薬を、治験もかねて仁科儀秋都は飲んでいるのだ。
世間的な需要が限りなく低いβ用の鎮静剤を入手できたのも、この製薬部門のお陰だったのだが……耐性を作ってしまったのは本当に勿体ないことをした。
「んだよそれ、役に立たねぇな」
「お前は真っ当な倫理観を持つべきだな」
軽口を叩きながら、親しげに話す二人。
もう隠れるつもりすら無いらしい。わざわざ話をしに春真は来た。そしてその隣には密会を重ねていた相手がいる。
……話の内容など、少し考えれば分かる。
だからずっと逃げてきたのに。こんな所で、こんなに軽い雰囲気で現実を突き付けられるのか。
二人を見ていられなくて少し視線をずらすと、いくつかの鋭い視線に気がついた。睨み付けるようなそれは一様に一点へ、春真に向けられている。
そうだ。この状況は端から見れば一般生徒が仁科儀の後継者候補を並べている状態だ。しかも片方と恋人関係でありながら、もう一人と親しげに話をしている。これでは両方に粉をかけているように映るだろう。それぞれの陣営の取り巻きや、取り入る隙を狙っている連中まで刺激してしまう。
「……春真。あまり仁科儀秋都と一緒に行動するな」
「何だよ急に。何でそんなに秋都を嫌うんだよ」
忠告の意図を理解する気配もなく、春真は不機嫌そうな顔を更にしかめて睨んでくる。早く黙らせなければ。揚げ足を取ろうと伺っている目が光っているというのに。
しかし……どう言えば納得するのだろう。
今の自分があまり冷静な物言いを出来なさそうな事もあって、頑固な春真をどうすれば説き伏せられるのか見当がつかない。焦るほど言葉が出てこない。
「好き嫌いの問題じゃないんだ。そいつは必要以上に目立つ」
「先輩も大概だよ。有名人は親衛隊が居て大変だよな」
ようやく出した言葉を、春真はけらけらと笑い飛ばした。
過去に自分が接触した時のいざこざの事を言っているのだろうか。協力者のアピールのために何度も人前で接触したとばっちりが、春真に全て行ってしまったあの時の事を。
けれど。
「俺とそいつは違う」
「は?」
「俺はお前のパートナーだ。だがそいつは無関係な人間だろ」
仁科儀冬弥の時は最終的に恋人に収まった。けれど今回は違う。恋人を持ちながら、他の男にちょっかいをかけている状態なのだ。
それがどれだけ印象が悪い事かは、どんな環境の人間でも変わらないはずなのに。
「何でだよ。秋都は先輩の弟だろ。アンタに会うなら一緒に居たっておかしくない」
案の定、目の前にあるのは納得がいかないような顔。
「だから、悪目立ちするんだと言ってるだろう!」
食い下がってくる春真に焦りが募り、思わず力一杯机を叩いてしまった。びくっと驚いて肩を震わせた春真は何か言いかけていた口を閉ざしている。
幸いなことに、その様子に頭へ昇りかけた血が少しだけ下がった。ひとつ深呼吸をして、ゆっくりと言葉を吐き出す。
「……仁科儀秋都は俺の対抗軸だ。俺のパートナーでありながら親しくしていたら何を言われるか」
「別に気にしねぇし」
「お前が気にするかどうかの問題じゃない。関わるなと言っている」
「何でそんなに邪険にすんだよ! 弟相手に冷たすぎるだろ!?」
今度は春真が音を立てて机を叩いた。
それが予想外だったのか、無言で紅茶を啜っていた男は珍しく目を丸くして隣を見ている。周囲は春真の態度に睨む者やら、ひやひやとして様子で状況を見守る者やら、様々な視線が集まってきている。けれど視線を集めている本人はそれを気にする様子もない。
……何故という問いに答えても、きっと理解など出来ない。して貰おうとも思っていない。自分が寛容になるべきだと言われるのが分かっているから。
無言で睨み合っていると、カチャンと陶器が微かにぶつかる音がした。
「行家、もういい。あまり頭に血を昇らせるな」
ずっと黙りこくっていた口が春真の名を呼んだ事に周囲がざわめく。
最悪だ。仁科儀秋都の親衛隊の耳にも恐らく届く。対抗軸のパートナーだからと油断していた奴らはきっと慌て始めるだろう。
「だって! 兄貴の取る態度じゃねぇだろ!?」
「俺達は普通の兄弟とは違う。兄の言うことは間違っていない」
いきり立つ背中を宥める男は物分かりのいいふりをして、絶妙に春真を悪役に仕立てていく。そうやって自分の味方を増やしていくのは昔からの常套手段だ。第三者の目線で見るとその手際は己が知っている以上に鮮やかで、いっそ感心すらしてしまう。
けれどそれを止める気になれないのは、そうやって会話する二人が仲睦まじく見えたから。
「何なんだよお前まで! 昔みたいに仲良くしたいって言ってたじゃねぇか!!」
地団駄を踏みそうな勢いで、仁科儀秋都の為に怒る春真と。
「無理強いするのは、違う」
それを何処か気遣わしげに見える顔で宥める仁科儀秋都と。
二人がそうしているのが、酷く自然に見えたから。
でも、だって、と納得のいかない様子の春真を仁科儀秋都が落ち着いた声で宥める光景が、正解の様に思えてしまったから。
「もう、いい……」
ぷつんと、何とか張り直してきた糸が微かな音を立てて切れてしまった。
「……先輩?」
「お前に言葉が響くのは……そいつなんだな」
耳を貸すのは、仁科儀秋都の声。
選ぶ席は、仁科儀秋都の隣。
Ωの春真が選ぶのは、結局。
「仁科儀先輩……?」
どこか困惑した様子でかけられた声。
差し出された手を反射的に取ろうとして、途中で我に返り弾き飛ばす。
「仁科儀秋都が良いのなら、最初からそう言えば良いじゃないか……尤もらしい言い訳をして! どうして俺がお前達の逢い引きの口実にならなければならないんだ!!」
「なっ、待て冬弥、それは違う!」
「ちょっ、え? 何言ってんだよ、意味が分からな……先輩!!」
食堂から転がり出て、寮へ戻るべく全力で走った。曇っていた空から細かい水の粒が落ちてくる。
……惨めだ。
分かっていたのに。知っていたのに。
Ωの対はαだ。嚙み痕も残せぬβはお呼びじゃない。それでも春真は自分を選んでくれたはずだった。フェロモンに当てられた勢いもあって抱いてしまった経緯ではあるけれど、パートナー申請を出した時には好きだと言ってくれた。なのに。
「結局……こうなるのか」
信じきれなかった。
苦しくて仕方がなくて、尻尾を巻いて逃げ出して。
無様な負け犬は、帰りついた部屋の玄関でへたり込んでしまったのだった。
……正確に言えば。
Ωを襲いかけた事が副会長の耳に入り、臨時の生徒会決議を取った上で活動休止を言い渡されてしまったからだ。しかも、やらかした本人以外は満場一致で賛成という情けない状態で。
良家のαはΩのフェロモンを意図的に当てられる、フェロモンレイプという手段の的になりやすい。しかしβはフェロモンが効きにくいとされている。
だからこそ仁科儀冬弥は比較的自由に生徒の間をうろつくことができた。
αではない『β様』にはそれが効かないと認識されていたから。
一件を起こしたΩの生徒と家は藤桜司と仁科儀の家から締め上げられたと聞いているが、一度食らってしまえばその手段が有効だという話はすぐに回るだろう。
最初は平気でも数で来られると危うい。しかし対処用の鎮静剤を持たない自分に対抗する術はない。黙って決議を飲むほかはなかった。
そんな状態で部屋に籠っていても思考がマイナスに振り切るだけだ。気晴らしに食堂へ……と、出てきたのだけれど。
「……何故二人揃ってここにいる」
「アンタが連絡寄越さないからだろ。言うこと聞いて大人しく待ってたのに」
不機嫌そうな顔で睨む春真の横には仁科儀秋都が並んで座っている。春真が来るのは分かるが、何故隣の男まで一緒にいるのか。ハッキリと拒絶してからは大人しくしていたのに。
自分が春真の側に居ない間も共に居たのかと思うと腹の底が不快感を訴えてくる。避けていた手前、そんな資格が無いのは分かっているけれど。
「秋都の方がΩのフェロモン効くし。変なの居たら早い内に分かるだろ」
「俺をカナリアにする気で呼び出したのか、人でなしめ」
カナリア……?と首をかしげる春真だったが、すぐに気を取り直したのか言葉を続ける。
「だって。オレも先輩もαほど敏感じゃないし」
「生憎、俺は普段から予防薬を飲んでいる。他のαよりもフェロモンが効きにくい」
優雅に紅茶をすする横で、えっ、と春真の声がぽつりと響いた。
αを狙ったフェロモンレイプの対策とて、何もないわけではない。
仁科儀の傘下にある製薬部門では第二性別の症状に対する抑制剤や鎮静剤を研究開発している。そこで開発された発情の予防薬を、治験もかねて仁科儀秋都は飲んでいるのだ。
世間的な需要が限りなく低いβ用の鎮静剤を入手できたのも、この製薬部門のお陰だったのだが……耐性を作ってしまったのは本当に勿体ないことをした。
「んだよそれ、役に立たねぇな」
「お前は真っ当な倫理観を持つべきだな」
軽口を叩きながら、親しげに話す二人。
もう隠れるつもりすら無いらしい。わざわざ話をしに春真は来た。そしてその隣には密会を重ねていた相手がいる。
……話の内容など、少し考えれば分かる。
だからずっと逃げてきたのに。こんな所で、こんなに軽い雰囲気で現実を突き付けられるのか。
二人を見ていられなくて少し視線をずらすと、いくつかの鋭い視線に気がついた。睨み付けるようなそれは一様に一点へ、春真に向けられている。
そうだ。この状況は端から見れば一般生徒が仁科儀の後継者候補を並べている状態だ。しかも片方と恋人関係でありながら、もう一人と親しげに話をしている。これでは両方に粉をかけているように映るだろう。それぞれの陣営の取り巻きや、取り入る隙を狙っている連中まで刺激してしまう。
「……春真。あまり仁科儀秋都と一緒に行動するな」
「何だよ急に。何でそんなに秋都を嫌うんだよ」
忠告の意図を理解する気配もなく、春真は不機嫌そうな顔を更にしかめて睨んでくる。早く黙らせなければ。揚げ足を取ろうと伺っている目が光っているというのに。
しかし……どう言えば納得するのだろう。
今の自分があまり冷静な物言いを出来なさそうな事もあって、頑固な春真をどうすれば説き伏せられるのか見当がつかない。焦るほど言葉が出てこない。
「好き嫌いの問題じゃないんだ。そいつは必要以上に目立つ」
「先輩も大概だよ。有名人は親衛隊が居て大変だよな」
ようやく出した言葉を、春真はけらけらと笑い飛ばした。
過去に自分が接触した時のいざこざの事を言っているのだろうか。協力者のアピールのために何度も人前で接触したとばっちりが、春真に全て行ってしまったあの時の事を。
けれど。
「俺とそいつは違う」
「は?」
「俺はお前のパートナーだ。だがそいつは無関係な人間だろ」
仁科儀冬弥の時は最終的に恋人に収まった。けれど今回は違う。恋人を持ちながら、他の男にちょっかいをかけている状態なのだ。
それがどれだけ印象が悪い事かは、どんな環境の人間でも変わらないはずなのに。
「何でだよ。秋都は先輩の弟だろ。アンタに会うなら一緒に居たっておかしくない」
案の定、目の前にあるのは納得がいかないような顔。
「だから、悪目立ちするんだと言ってるだろう!」
食い下がってくる春真に焦りが募り、思わず力一杯机を叩いてしまった。びくっと驚いて肩を震わせた春真は何か言いかけていた口を閉ざしている。
幸いなことに、その様子に頭へ昇りかけた血が少しだけ下がった。ひとつ深呼吸をして、ゆっくりと言葉を吐き出す。
「……仁科儀秋都は俺の対抗軸だ。俺のパートナーでありながら親しくしていたら何を言われるか」
「別に気にしねぇし」
「お前が気にするかどうかの問題じゃない。関わるなと言っている」
「何でそんなに邪険にすんだよ! 弟相手に冷たすぎるだろ!?」
今度は春真が音を立てて机を叩いた。
それが予想外だったのか、無言で紅茶を啜っていた男は珍しく目を丸くして隣を見ている。周囲は春真の態度に睨む者やら、ひやひやとして様子で状況を見守る者やら、様々な視線が集まってきている。けれど視線を集めている本人はそれを気にする様子もない。
……何故という問いに答えても、きっと理解など出来ない。して貰おうとも思っていない。自分が寛容になるべきだと言われるのが分かっているから。
無言で睨み合っていると、カチャンと陶器が微かにぶつかる音がした。
「行家、もういい。あまり頭に血を昇らせるな」
ずっと黙りこくっていた口が春真の名を呼んだ事に周囲がざわめく。
最悪だ。仁科儀秋都の親衛隊の耳にも恐らく届く。対抗軸のパートナーだからと油断していた奴らはきっと慌て始めるだろう。
「だって! 兄貴の取る態度じゃねぇだろ!?」
「俺達は普通の兄弟とは違う。兄の言うことは間違っていない」
いきり立つ背中を宥める男は物分かりのいいふりをして、絶妙に春真を悪役に仕立てていく。そうやって自分の味方を増やしていくのは昔からの常套手段だ。第三者の目線で見るとその手際は己が知っている以上に鮮やかで、いっそ感心すらしてしまう。
けれどそれを止める気になれないのは、そうやって会話する二人が仲睦まじく見えたから。
「何なんだよお前まで! 昔みたいに仲良くしたいって言ってたじゃねぇか!!」
地団駄を踏みそうな勢いで、仁科儀秋都の為に怒る春真と。
「無理強いするのは、違う」
それを何処か気遣わしげに見える顔で宥める仁科儀秋都と。
二人がそうしているのが、酷く自然に見えたから。
でも、だって、と納得のいかない様子の春真を仁科儀秋都が落ち着いた声で宥める光景が、正解の様に思えてしまったから。
「もう、いい……」
ぷつんと、何とか張り直してきた糸が微かな音を立てて切れてしまった。
「……先輩?」
「お前に言葉が響くのは……そいつなんだな」
耳を貸すのは、仁科儀秋都の声。
選ぶ席は、仁科儀秋都の隣。
Ωの春真が選ぶのは、結局。
「仁科儀先輩……?」
どこか困惑した様子でかけられた声。
差し出された手を反射的に取ろうとして、途中で我に返り弾き飛ばす。
「仁科儀秋都が良いのなら、最初からそう言えば良いじゃないか……尤もらしい言い訳をして! どうして俺がお前達の逢い引きの口実にならなければならないんだ!!」
「なっ、待て冬弥、それは違う!」
「ちょっ、え? 何言ってんだよ、意味が分からな……先輩!!」
食堂から転がり出て、寮へ戻るべく全力で走った。曇っていた空から細かい水の粒が落ちてくる。
……惨めだ。
分かっていたのに。知っていたのに。
Ωの対はαだ。嚙み痕も残せぬβはお呼びじゃない。それでも春真は自分を選んでくれたはずだった。フェロモンに当てられた勢いもあって抱いてしまった経緯ではあるけれど、パートナー申請を出した時には好きだと言ってくれた。なのに。
「結局……こうなるのか」
信じきれなかった。
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