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一年目
7点 きっかけ
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私がバスケをするきっかけとなったのは、仲の良かった亜美ちゃんがバスケ部に入ると知ったからである。当時の私は内気な女の子で亜美ちゃんくらいしか友達と呼べる子はいなかった。
「早江も一緒にバスケ部入ろうよ。」
亜美ちゃんのこの一言で私はバスケ部に入部することになった。
私の通っている奈良県上北中学の女子バスケ部は県内でもベスト8に入るほどの強豪校で知られている。もちろん初心者の私が練習についていけるはずもなく、入部したての頃はすぐに体育館の端っこで休憩していた。同じく初心者として一緒に入った亜美ちゃんは持ち前の運動神経の良さで、ぐんぐんと上達していっていた。私も亜美ちゃんに置いていかれまいと、朝練や居残り練習を一生懸命した。お互いに切磋琢磨していくうちに少しづつ試合に出る機会が増えてきた。試合に出る喜びを知ると今まで以上に練習に明け暮れた。
3年生になり最後の総体ではベンチからの出場ではあったけど、チーム一の3Pシュート成功率の結果を収めた。中でも私が一番心を躍らせたことは、亜美ちゃんと一緒のコートで試合に出れるようになったことだ。亜美ちゃんはバスケの才能が開花されチームでも中心的存在になっていた。
結果は奈良県で準優勝と全中には出場出来なかったが、バスケ部に入ったおかげで友達も増え、自分に自信がつき明るい性格になることができた。
高校でもバスケを続けようと思ったので、当時、全国でも強豪校であった、北海道の水川学園高校に進学することに決めた。
入学式早々、自分の席に座りクラスを眺めるとほとんどが女子であることを知った。水川学園は元女子校であることは全く知らず、部活動についてしか調べていなかった。
席に座りカバンの中を整理していると男子の制服を着た人が隣の席に座った。横目でチラッと見ると高身長の人だった。パッと見ると180前後はありそうだ。雰囲気からしてこの人もバスケをしていそうな感じがした。少し彼のことが気になったので声をかけることにした。
「はじめまして。まさか数少ない男の子が隣の席だとは思わなかったよ。てか背高いね!」
声をかけると驚いた様子で立ち尽くしていた。私は慌てて話を続けようとした。
「うちは沖田早江。よろしくね」
「うん、俺は菊川三陽っていいます。よろしくね」
ようやく彼が口を開いてくれた。私は少しホッとしたように息を吐いた。
菊川くんは今どきの女の子が好きそうな塩顔系の男の子だった。肌も白く優しそうな雰囲気がある。
話を聞いていくと菊川くんもバスケをしていて、この学校でもバスケ部に入るつもりらしい。でもこの学校男子バスケ部は無かった気がする。これは教えてあげた方がいいのかな。
「え、この学校男子バスケ部....」
菊川くんに言おうとしたタイミングで担任の横山先生が教室に入ってきた。まあ、また後で教えてあげるかな。
入学式もなんとか無事終わり、クラスの人同士の自己紹介の時間が訪れた。
私の自己紹介は早めに終わり最後の女の子を見たときとっさに声が漏れた。
「あー!柳井栞さんだよね!?」
柳井さんは中学生の頃に亜美ちゃんから凄い人だと言うことを聞いていた。全国でも活躍してたらしく、男子でも彼女のことを知っていたほどだ。私とは別次元の人なんだろう。そんな人と一緒にバスケが出来ることがすごい楽しみになってきた。
私はこの学校でバスケをする姿を想像して満面の笑みがこぼれた。
「早江も一緒にバスケ部入ろうよ。」
亜美ちゃんのこの一言で私はバスケ部に入部することになった。
私の通っている奈良県上北中学の女子バスケ部は県内でもベスト8に入るほどの強豪校で知られている。もちろん初心者の私が練習についていけるはずもなく、入部したての頃はすぐに体育館の端っこで休憩していた。同じく初心者として一緒に入った亜美ちゃんは持ち前の運動神経の良さで、ぐんぐんと上達していっていた。私も亜美ちゃんに置いていかれまいと、朝練や居残り練習を一生懸命した。お互いに切磋琢磨していくうちに少しづつ試合に出る機会が増えてきた。試合に出る喜びを知ると今まで以上に練習に明け暮れた。
3年生になり最後の総体ではベンチからの出場ではあったけど、チーム一の3Pシュート成功率の結果を収めた。中でも私が一番心を躍らせたことは、亜美ちゃんと一緒のコートで試合に出れるようになったことだ。亜美ちゃんはバスケの才能が開花されチームでも中心的存在になっていた。
結果は奈良県で準優勝と全中には出場出来なかったが、バスケ部に入ったおかげで友達も増え、自分に自信がつき明るい性格になることができた。
高校でもバスケを続けようと思ったので、当時、全国でも強豪校であった、北海道の水川学園高校に進学することに決めた。
入学式早々、自分の席に座りクラスを眺めるとほとんどが女子であることを知った。水川学園は元女子校であることは全く知らず、部活動についてしか調べていなかった。
席に座りカバンの中を整理していると男子の制服を着た人が隣の席に座った。横目でチラッと見ると高身長の人だった。パッと見ると180前後はありそうだ。雰囲気からしてこの人もバスケをしていそうな感じがした。少し彼のことが気になったので声をかけることにした。
「はじめまして。まさか数少ない男の子が隣の席だとは思わなかったよ。てか背高いね!」
声をかけると驚いた様子で立ち尽くしていた。私は慌てて話を続けようとした。
「うちは沖田早江。よろしくね」
「うん、俺は菊川三陽っていいます。よろしくね」
ようやく彼が口を開いてくれた。私は少しホッとしたように息を吐いた。
菊川くんは今どきの女の子が好きそうな塩顔系の男の子だった。肌も白く優しそうな雰囲気がある。
話を聞いていくと菊川くんもバスケをしていて、この学校でもバスケ部に入るつもりらしい。でもこの学校男子バスケ部は無かった気がする。これは教えてあげた方がいいのかな。
「え、この学校男子バスケ部....」
菊川くんに言おうとしたタイミングで担任の横山先生が教室に入ってきた。まあ、また後で教えてあげるかな。
入学式もなんとか無事終わり、クラスの人同士の自己紹介の時間が訪れた。
私の自己紹介は早めに終わり最後の女の子を見たときとっさに声が漏れた。
「あー!柳井栞さんだよね!?」
柳井さんは中学生の頃に亜美ちゃんから凄い人だと言うことを聞いていた。全国でも活躍してたらしく、男子でも彼女のことを知っていたほどだ。私とは別次元の人なんだろう。そんな人と一緒にバスケが出来ることがすごい楽しみになってきた。
私はこの学校でバスケをする姿を想像して満面の笑みがこぼれた。
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