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Ⅱ.
第三話
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「今のお前の身体は痛みをまず一切感じないし、舌の感覚も無くなってるみたいだな…………。
痛みを感じなくなっている分、身体を無茶に動かせるけれど…………正直余り良くないな…………」
颯斗がマキナの舌の上に金属製の板の様なものを乗せ、押さえ付けられながら嘆く。
マキナは颯斗の言葉にただ頷いていた。
マキナの目が醒めてから、約一週間の時間が過ぎる。
その間マキナはひたすら、颯斗に出された実験の様なものに付き合わされていた。
ある時はルームランナーの上を走らされ、またある時はダンベルを持ち上げさせられる。
まるでアスリートの様な生活を送っていると、身体を動かす度にマキナは感じていた。
けれどマキナの身体は疲れない。息切れをすることも無いのだ。
ただある瞬間、いきなり身体が動かなくなることがある。
颯斗曰くそれは、人間の身体が耐えられる負荷を超えているからだそうだ。
そういわれてみれば目を醒ました時、身体が異様に軽かった事を思い返す。
あの時は単に痛みを感じなくなっていたんだろうと、マキナは思った。
颯斗はマキナから計測したであろう数値を、パソコンの中にまとめていく。
その時にふと、何かを思い出した様な表情を浮かべた。
「…………………俺と少しテニスしないか??」
颯斗がテニスをしようだなんて言いだしたのは、一体何時ぶりだろうとマキナは思う。
けれどさっき確かに颯斗はマキナに、無茶に身体を動かせるのは良くないと言っていた。
「なんで?」
「いや、跳躍力の計測をしてなくてな。ただ飛んでもらうより、自然な動きで計測をしたい」
颯斗がそう言った時に、マキナはある事を思い返す。
テニスを頻繁に颯斗とおこなっていた時に、とても苦戦した事がある。
颯斗は時折、わざと高い軌道でボールを打ってくるのだ。
マキナはそれを綺麗に打ち返す為に、ジャンプをしながらフォアハンドをする。
確かに跳躍力なら、テニスの方が測り易いとマキナは思った。
研究所の地下室の天井は大体5メートル、ジャンプを測定するのには丁度いい。
絶対に5メートルも人間は飛べない。
「…………わかった。いいよ。それなら先攻颯斗にして」
ビニールテープを床に張り、簡単なテニスコートを作る。
ネットの代わりに壁に紙テープを貼れば、簡易のテニスコートを研究所の地下に作れた。
久しぶりにラケットに触ったマキナは、颯斗に向かって構える。
颯斗は昔と同じ手付きで、マキナに向かってボールを打ってきた。
マキナは颯斗からのボールを打ち返し、簡易のコートの中を走る。
規則的なラリーを繰り返していた時、颯斗のラケットの角度が変わった。
高い軌道のボールが飛んでくると感じた時、マキナの身体は飛び上がる。
その時にマキナが飛んだ高さは天井に近かった。
「……………へ!?!?!?」
マキナは颯斗のボールを打ち返せずに地上に落ちる。
自分の身体が天井近くに飛ぶなんて、全然想像できない事だった。
強張った表情を浮かべれば、颯斗が苦笑いを浮かべる。
「…………こんな勝ち方は想像してなかったな……………」
「…………アタシもこんな負け方、想像してなかった……………」
マキナと颯斗はそう言い合いながら、二人でケラケラと笑っていた。
一般的な建物の一階から二階の高さは、大体3メートルくらいだと聞いた事がある。
そういえば先生の家がマンションの二階だったなあと、マキナは思った。
本気を出せばあの高さ位なら飛べると思うと、自分が人間じゃなくなった様な気持ちだ。
今のマキナの運動能力は優に普通の人間を超えている。
傷みが無い為に、人間の限界の力を振り切ってしまう。それが仕方がないのは、マキナもとうに解っている。
けれど自分の身体がだんだんと、人間離れしていくのが怖かった。
「まだ完全に身体が蘇生出来てない。表面的な傷は治せていても、神経迄治せていなかったのか。
人間ほどに大きな生き物にLepidopteraを打ったのは初めてだから………」
マキナの細胞を光学顕微鏡で詳細まで確認しながら、颯斗は懸命に計算を続けている。
その間マキナはテレビを流しながら、爪の手入れを繰り返していた。
時折女子高生連続殺人事件のニュースが流れ、マキナの顔が画面に映る。
そのたびにマキナの胸は痛み、ある事を思うのだ。
せめて大切な仲間には、今自分が生きている事を伝えたい。特に一番伝えてあげたい人は先生だ。
「ねー颯斗。アタシ生きてる事、友達とかに伝えちゃダメなの………??」
「おばさんとおじさんには伝えてある。それ以外はまだ厳しい」
マキナの問い掛けに対して颯斗は直ぐに言葉を返し、マキナは不機嫌そうな表情を浮かべる。
けれどマキナはこの時、引き下がりたいと思わなかった。
なんとしてでも颯斗から、自分が生きている事を大事な人に伝える権利を得たい。
「ねぇお願い!!!どうしてもだめ!?!?ちゃんと話して安心させてあげたくて………!!!!」
「まだ駄目だ。せめてお前を襲った犯人が捕まらないと………。お前はまだ、事件の時の事さえ詳しく話していないんだから………」
そう言われてしまえばマキナは口を噤む。連続殺人事件の犯人逮捕の為に、自分が生かされた事も解る。
もしも本当の事を全て話してしまえば、先生とマキナが密会していたのがバレる。
事件解決のためにちゃんと状況を話さなければ、良くないことも解っていた。
だからこそ先生に全てを話して、どう話すべきか考えたい。
それにマキナはこの時に、先生に逢いたくて逢いたくて仕方が無かったのだ。
話せなかったとしても、せめて一目逢いたい。そう思うだけでマキナの唇から言葉が零れた。
「……………どうしても、話してあげたい人がいる……………。颯斗、お願い…………」
今までにない程にマキナは颯斗に懇願し、懸命に頼み込む。
颯斗はそんなマキナのひたむきな表情を見ながら、深く溜め息を吐いた。
「お前の気持ちは痛い程解るんだが……………まだ駄目だ…………」
颯斗の表情もとても感傷的で、マキナはこれ以上の言葉が伝えられなくなる。
マキナは口を噤み、白いベッドの上に突っ伏した。
沈黙が駆け抜けていく中で、何か良い解決策はないだろうかと考える。
テレビ番組の時計は丁度15時を指していた。それに日曜日にやっているバラエティー番組がテレビで流れる。
日曜日という事は、間違いなく先生は今家にいる筈だ。その時にマキナはある事を思いついた。
「……………わかった。もういいや…………。
っていうかさぁ、此処にリムーバーとトップコートある??
マニュキュアも欲しい。アタシ、此処だとやる事なさすぎて超暇だから、せめてネイルやりたいかも。
ジェルネイルとかなら、自分でやったらそれなりに暇潰せるし………UVライト欲しい………」
「………ジェルネイル………??」
女の子の美容に疎い颯斗は、マキナの言葉がまるで呪文の様に聞こえる。
颯斗は懸命にそれが何なのかをパソコンで調べ、通販のサイトを開いた。
「ちょっと待ってろ………今買うから………」
「んー、ていうかリムーバーは今すぐ欲しいかなー。アタシこの事件のあとから爪の手入れファイルだし??」
「ファイル??何それ??」
「ファイルは爪やすり。リムーバーないとやっぱ辛いなーって。直ぐほしいなーって………。
それに今アタシ、美味しいものも食べれないしぃ??運動もしちゃいけないしぃ??やる事なさすぎてマジつまんないんだけど!!友達にだって逢えなくない??超寂しいじゃん???」
面倒くさそうな表情を浮かべる颯斗目掛けて、マキナが畳みかける様に我儘を言う。
すると颯斗は深く溜め息を吐いて白衣を脱いだ。
「ああもう、わかった。俺がそれを買ってくれば良いんだろ??」
「マジサンキュー颯斗!!超アガる!!!」
颯斗が研究所から出て行ったのを見計らい、マキナは浴室からバスタオルを持ってくる。
上手い事人間の形を模し、ご丁寧にブラとパンツも装着させた。
それをベッドの掛け布団の中に隠し窓の方に歩み寄る。部屋の窓の鍵には妙な細工はされていなかった。
全く痛みを感じない身体なら、二階からなら飛び降りる事が出来る。
運動するときの為のフード付きのジャージと、研究所で履く為のスリッパを手にする。
それから顔を隠す為のマスクを顔に装着すれば、マキナは窓から飛び降りた。
植え込みに落ちたマキナは身体を起こし、人目を忍びながら走り出す。
颯斗から話す許可が下りないのであれば、こっそり見に行けばいい。
誰にもバレなければきっと問題がない。
兎にも角にも今のマキナは、先生の姿を一目で良いから見たかったのだ。
痛みを感じなくなっている分、身体を無茶に動かせるけれど…………正直余り良くないな…………」
颯斗がマキナの舌の上に金属製の板の様なものを乗せ、押さえ付けられながら嘆く。
マキナは颯斗の言葉にただ頷いていた。
マキナの目が醒めてから、約一週間の時間が過ぎる。
その間マキナはひたすら、颯斗に出された実験の様なものに付き合わされていた。
ある時はルームランナーの上を走らされ、またある時はダンベルを持ち上げさせられる。
まるでアスリートの様な生活を送っていると、身体を動かす度にマキナは感じていた。
けれどマキナの身体は疲れない。息切れをすることも無いのだ。
ただある瞬間、いきなり身体が動かなくなることがある。
颯斗曰くそれは、人間の身体が耐えられる負荷を超えているからだそうだ。
そういわれてみれば目を醒ました時、身体が異様に軽かった事を思い返す。
あの時は単に痛みを感じなくなっていたんだろうと、マキナは思った。
颯斗はマキナから計測したであろう数値を、パソコンの中にまとめていく。
その時にふと、何かを思い出した様な表情を浮かべた。
「…………………俺と少しテニスしないか??」
颯斗がテニスをしようだなんて言いだしたのは、一体何時ぶりだろうとマキナは思う。
けれどさっき確かに颯斗はマキナに、無茶に身体を動かせるのは良くないと言っていた。
「なんで?」
「いや、跳躍力の計測をしてなくてな。ただ飛んでもらうより、自然な動きで計測をしたい」
颯斗がそう言った時に、マキナはある事を思い返す。
テニスを頻繁に颯斗とおこなっていた時に、とても苦戦した事がある。
颯斗は時折、わざと高い軌道でボールを打ってくるのだ。
マキナはそれを綺麗に打ち返す為に、ジャンプをしながらフォアハンドをする。
確かに跳躍力なら、テニスの方が測り易いとマキナは思った。
研究所の地下室の天井は大体5メートル、ジャンプを測定するのには丁度いい。
絶対に5メートルも人間は飛べない。
「…………わかった。いいよ。それなら先攻颯斗にして」
ビニールテープを床に張り、簡単なテニスコートを作る。
ネットの代わりに壁に紙テープを貼れば、簡易のテニスコートを研究所の地下に作れた。
久しぶりにラケットに触ったマキナは、颯斗に向かって構える。
颯斗は昔と同じ手付きで、マキナに向かってボールを打ってきた。
マキナは颯斗からのボールを打ち返し、簡易のコートの中を走る。
規則的なラリーを繰り返していた時、颯斗のラケットの角度が変わった。
高い軌道のボールが飛んでくると感じた時、マキナの身体は飛び上がる。
その時にマキナが飛んだ高さは天井に近かった。
「……………へ!?!?!?」
マキナは颯斗のボールを打ち返せずに地上に落ちる。
自分の身体が天井近くに飛ぶなんて、全然想像できない事だった。
強張った表情を浮かべれば、颯斗が苦笑いを浮かべる。
「…………こんな勝ち方は想像してなかったな……………」
「…………アタシもこんな負け方、想像してなかった……………」
マキナと颯斗はそう言い合いながら、二人でケラケラと笑っていた。
一般的な建物の一階から二階の高さは、大体3メートルくらいだと聞いた事がある。
そういえば先生の家がマンションの二階だったなあと、マキナは思った。
本気を出せばあの高さ位なら飛べると思うと、自分が人間じゃなくなった様な気持ちだ。
今のマキナの運動能力は優に普通の人間を超えている。
傷みが無い為に、人間の限界の力を振り切ってしまう。それが仕方がないのは、マキナもとうに解っている。
けれど自分の身体がだんだんと、人間離れしていくのが怖かった。
「まだ完全に身体が蘇生出来てない。表面的な傷は治せていても、神経迄治せていなかったのか。
人間ほどに大きな生き物にLepidopteraを打ったのは初めてだから………」
マキナの細胞を光学顕微鏡で詳細まで確認しながら、颯斗は懸命に計算を続けている。
その間マキナはテレビを流しながら、爪の手入れを繰り返していた。
時折女子高生連続殺人事件のニュースが流れ、マキナの顔が画面に映る。
そのたびにマキナの胸は痛み、ある事を思うのだ。
せめて大切な仲間には、今自分が生きている事を伝えたい。特に一番伝えてあげたい人は先生だ。
「ねー颯斗。アタシ生きてる事、友達とかに伝えちゃダメなの………??」
「おばさんとおじさんには伝えてある。それ以外はまだ厳しい」
マキナの問い掛けに対して颯斗は直ぐに言葉を返し、マキナは不機嫌そうな表情を浮かべる。
けれどマキナはこの時、引き下がりたいと思わなかった。
なんとしてでも颯斗から、自分が生きている事を大事な人に伝える権利を得たい。
「ねぇお願い!!!どうしてもだめ!?!?ちゃんと話して安心させてあげたくて………!!!!」
「まだ駄目だ。せめてお前を襲った犯人が捕まらないと………。お前はまだ、事件の時の事さえ詳しく話していないんだから………」
そう言われてしまえばマキナは口を噤む。連続殺人事件の犯人逮捕の為に、自分が生かされた事も解る。
もしも本当の事を全て話してしまえば、先生とマキナが密会していたのがバレる。
事件解決のためにちゃんと状況を話さなければ、良くないことも解っていた。
だからこそ先生に全てを話して、どう話すべきか考えたい。
それにマキナはこの時に、先生に逢いたくて逢いたくて仕方が無かったのだ。
話せなかったとしても、せめて一目逢いたい。そう思うだけでマキナの唇から言葉が零れた。
「……………どうしても、話してあげたい人がいる……………。颯斗、お願い…………」
今までにない程にマキナは颯斗に懇願し、懸命に頼み込む。
颯斗はそんなマキナのひたむきな表情を見ながら、深く溜め息を吐いた。
「お前の気持ちは痛い程解るんだが……………まだ駄目だ…………」
颯斗の表情もとても感傷的で、マキナはこれ以上の言葉が伝えられなくなる。
マキナは口を噤み、白いベッドの上に突っ伏した。
沈黙が駆け抜けていく中で、何か良い解決策はないだろうかと考える。
テレビ番組の時計は丁度15時を指していた。それに日曜日にやっているバラエティー番組がテレビで流れる。
日曜日という事は、間違いなく先生は今家にいる筈だ。その時にマキナはある事を思いついた。
「……………わかった。もういいや…………。
っていうかさぁ、此処にリムーバーとトップコートある??
マニュキュアも欲しい。アタシ、此処だとやる事なさすぎて超暇だから、せめてネイルやりたいかも。
ジェルネイルとかなら、自分でやったらそれなりに暇潰せるし………UVライト欲しい………」
「………ジェルネイル………??」
女の子の美容に疎い颯斗は、マキナの言葉がまるで呪文の様に聞こえる。
颯斗は懸命にそれが何なのかをパソコンで調べ、通販のサイトを開いた。
「ちょっと待ってろ………今買うから………」
「んー、ていうかリムーバーは今すぐ欲しいかなー。アタシこの事件のあとから爪の手入れファイルだし??」
「ファイル??何それ??」
「ファイルは爪やすり。リムーバーないとやっぱ辛いなーって。直ぐほしいなーって………。
それに今アタシ、美味しいものも食べれないしぃ??運動もしちゃいけないしぃ??やる事なさすぎてマジつまんないんだけど!!友達にだって逢えなくない??超寂しいじゃん???」
面倒くさそうな表情を浮かべる颯斗目掛けて、マキナが畳みかける様に我儘を言う。
すると颯斗は深く溜め息を吐いて白衣を脱いだ。
「ああもう、わかった。俺がそれを買ってくれば良いんだろ??」
「マジサンキュー颯斗!!超アガる!!!」
颯斗が研究所から出て行ったのを見計らい、マキナは浴室からバスタオルを持ってくる。
上手い事人間の形を模し、ご丁寧にブラとパンツも装着させた。
それをベッドの掛け布団の中に隠し窓の方に歩み寄る。部屋の窓の鍵には妙な細工はされていなかった。
全く痛みを感じない身体なら、二階からなら飛び降りる事が出来る。
運動するときの為のフード付きのジャージと、研究所で履く為のスリッパを手にする。
それから顔を隠す為のマスクを顔に装着すれば、マキナは窓から飛び降りた。
植え込みに落ちたマキナは身体を起こし、人目を忍びながら走り出す。
颯斗から話す許可が下りないのであれば、こっそり見に行けばいい。
誰にもバレなければきっと問題がない。
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