君だけに捧ぐメロディ【高校生天才作曲家の俺が夢破れて売り専ボーイになり同じ境遇のイケメンと本気で恋をしちゃう迄の物語】

如月緋衣名

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第三話

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 ベッドの上で俺に服を剥がされる様に脱がされた夏樹は、真っ赤になった顔を懸命に腕で隠している。
 それじゃあ上手くキスなんて出来ないと思った俺は、そのまま身体を少し転がした。
 
 
 後ろから抱え込む様にして首に唇を寄せれば、夏樹が懸命に息を殺す。
 首の後ろに付けたキスマークの痕を更に色濃くしてゆけば、いよいよ夏樹の身体がびくりと跳ねた。
 
 
「んあっ…………!!」
 
 
 久しぶりに聞いた甘い声に思わず心が揺れる。
 腕の隙間から垣間見えた夏樹の表情は、とても愛らしかった。
 
 
「夏樹、随分しおらしいじゃん?」
 
 
 そう囁きながら何時も通りにラテックスグローブを手にして、着けるタイミングを見計らいながら唇を寄せる。
 唇と唇をやっと重ね合わせた時には、夏樹の身体はそれだけで震えているようだった。
 
 
「も……余裕がないの………ずっとドキドキして………!!何処触られてもきもちいい………!!」
 
 
 今にも泣き出しそうな表情を浮かべる夏樹の胸元に、唇を落として舌を這わせる。
 すると夏樹が何時もより激しく息を乱し始めた。
 
 
「あ………んっ………だめ………ぇ!!!」
 
 
 ほんのり肌が上気し始めている事を、横目で見ながら胸の突起への愛撫を繰り返す。
 舌でなぶって甘く噛んで吸い上げる。その隙にラテックスグローブを着け始めた。
 
 
「大好きだろ?コレ感じちゃうくせに」
 
 
 はぁはぁ息を乱した夏樹が、俺をじっと見つめていた。
 頬を赤く染め上げて今にも泣き出しそうな癖に、期待を孕んだ目でみている。
 俺が手袋を着けたのが、どういう事なのかをわかっているからだろう。
 今から夏樹は俺に目茶苦茶イカされる。
 
 
「ゆうや……これぇ……これするの………??」
「するよ?しようよ。やらしくなってる夏樹見たい……」
 
 
 夏樹の脚を開いて潤滑剤を入口に塗れば、すぐに彼は身体を仰け反らせる。
 そのままゆっくりと指を這わせた瞬間、夏樹が小さく囁いた。
 
 
「よゆうなくって、こわれそぉ………」
「壊れようよ。一緒に目茶苦茶になろ………」
 
 
 今にも泣き出しそうな夏樹に食らい付く様にキスをしながら、中に指を這わせていく。
 ぐちゃぐちゃ水音を響かせるような愛撫を、するのがなんだか久しぶりな気がした。
 自分の中に呑み込まれてゆく俺の指を眺めている夏樹が、指が動く度うっとりした表情を浮かべている。
 
 
「はぁ………ん…………あああ………」
 
 
 夏樹の中は何時もする時より少しだけ固く、暫くセックスをして無かったのが手に取る様に解った。
 中の感じが変わってゆくと同時に、声の質も身体のくねりも中の畝りも変わりだす。
 声を殺すように喘いでいた夏樹が、ドロドロに溶けきった表情を浮かべた。
 
 
「ぁんっ………おれいま………ゆうやのギター、みたいに………なれてる………?」
 
 
 素肌に汗を滲ませたまま夏樹が甘く囁く。それを言われた瞬間に愛しさに溢れた。
 
 
「………もっと弾いてあげる……夏樹の声聴かせて……」
 
 
 俺がそう囁いた瞬間に、夏樹の中が膨らみ始める。
 それと同時に彼の足の爪先が跳ねた。
 指の腹で其処を押し上げれば、悲鳴みたいな声を上げる。
 
 
「あああああああ─────!!!だめ!!だめぇ!!!」
 
 
 良い声で啼いたと思いながら、キツく指を締め付けられる。
 夏樹の中を激しく攻め立てれば、ぐちゃぐちゃとイヤらしい音が響き渡った。
 もう何度でもイク身体は出来上がっただろう。
 夏樹はシーツを乱して腰をふるわせながら、涙を流して快楽に溺れている。
 指先をきゅっと絞められる感覚を感じながら、またイク事を察した。
 
 
「………ねぇ、夏樹……ギターに嫉妬したりした……?」
 
 
 攻め立てながら質問を投げ掛ければ、真っ赤な顔の夏樹が頷く。
 彼のその仕草が愛しくて堪らなかった。
 
 
「……可愛い、夏樹………すげぇ好きだよ…………」
 
 
 困らせると思って言わなかった言葉を囁く。すると夏樹は深く息を吐いて目を伏せた。
 
 
「ゆうやほんと………ほんとやめて………おれ、ゆうやすきすぎてしんじゃう………」
 
 
 好きすぎて死んじゃうなんて、夏樹の口から飛び出してくる日があると思わなかった。
 思わず笑みが溢れて幸せを噛み締める。
 きっと今の俺だったなら、夏樹にだけ捧げられるような甘ったるいラブソングが書ける気がした。
 
 
「…………愛してるって、こういう気持ちなんだな」
 
 
 沁々そう囁きながら夏樹の中を指の腹で押し上げる、彼の身体は休まる暇も与えられずに背中を弓形にする。
 指に粘膜が絡まる感覚と物凄く熱い体温。
 イキっぱなしの夏樹の身体に唇を寄せながら、更に深く迄駆り立ててゆく。
 ふやけきった夏樹を見下ろせば、湿った身体の夏樹が俺のものに手を伸ばした。
 
 
「ゆうやの、いれたい………もう、いれたい………からだもつなげたいの………」
 
 
 イキまくって仔犬みたいにハァハァ息を乱す夏樹が、震えながら俺の身体に顔を近付ける。
 そのまま俺のものに唇を寄せながら、悩ましい吐息を漏らした。
 夏樹の舌が俺のものに絡まり快楽を与える中で、熱に浮かされながらこんな事を思う。
 身体だけ繋げてきた俺たちだけど、心まで繋げて身体も繋げたらどうなるのか知りたい。
 
 
「…………繋げてみようか、身体も」
 
 
 そう囁いてコンドームを口に咥えれば、俺のものを咥えていた夏樹が身体を起こす。
 湿った口元を手で拭いながら、潤んだ目をして微笑んだ。
 ゴムの包装の端を唇で受け取り、何時も通りの仕草で俺のものにそれを付ける。
 そして俺たちはやっと、心も身体も繋げる事が出来たのだ。
 
 
「ん…………!!!は………!!!だめ………ゆうやこれ、きょうおれうごけない……!!こしたたない!!!」
 
 
 入れた段階から夏樹の中が限界な事が解る位に、自棄に畝って絡みつく。
 彼の腹はほんの少しだけ漏れてしまった白濁で濡れている。
 入れただけでこんなになったのかと思うと、高揚感で息が上がった。
 
 
「………いいよ夏樹………今日は俺お前の事、物凄く愛したい気持ちだから………!!」
 
 
 ゆっくりとなじませる様に最奥目掛けて動き出せば、夏樹が身体をくねらせる。
 あの夏樹が口元を押さえながら顔を隠して恥じらうなんて、想像さえもしていなかった。
 段々腰の動きを早くしていけば、夏樹が湿ってグチャグチャになったシーツを掴む。
 乱れて涙を流す夏樹に顔を近付ければ、快楽に戸惑う夏樹が顔を上げる。
 何時もより控えめに唇に唇を重ねられた瞬間、頭を押えて強引に貪った。
 
 
「んっ………!!!うぅ……!!!あっだめ………!!!いく………!!!」
 
 
 激しいキスの合間に夏樹の身体が震える。それと同時に生暖かいものが俺の身体を濡らした。
 何時もより激しい果て方をした夏樹のものに手を伸ばせば、慌てた様子で俺の手を掴む。
 その手を振り払うかの様に鈴口の付近を手のひらで撫でる。すると夏樹のものから飛沫が上がった。
 
 
「や………!!!!やぁあああああ!!!!」
 
 
 夏樹がイク姿は多々見てきたが、潮迄吹かせたのはこれが初めてだ。もう彼は虫の息の状態でベッドの上で震えている。
 夏樹の中が異常な程に俺のものをきつく締めあげて、俺ももう限界近い。
 身動きの一切取れない状態の夏樹に、甘い声色で囁いた。
 
 
「………俺ももう、いくから………」
 
 
 夏樹の身体を抱き寄せて奥を突けば、呆然としていた夏樹の目が開く。
 
 
「えっ!?あっ!?だめ!!だめ!!ねえっ!!!これ!!!ああああああ!!!!!」
 
 
 慌てた夏樹が俺の背中に爪を立て、俺が突きまわす度に腰をガクガク震わせる。
 乱れに乱れた夏樹を眺めながら、これは多分気をやるなと思う。
 すっと腰が冷たくなる感覚と共に熱を吐き出せば、汗だくでドロドロに夏樹の身体から力が抜ける。
 俺がイッたのと同時に夏樹は完全に果てていたようだ。
 
 
「ふ………完全にのびてる」
 
 
 思わずそう言いながら笑い、俺の腕の中で眠る夏樹の瞼にキスをする。
 そして好きすぎて死んじゃうなんて煽り文句を思い出しながら、更に愛しさを噛み締めたのだ。
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