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第九章 Je peux aller n'importe où avec toi.
第二話
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悠々と頭上を泳いでいく魚を眺めていると、段々心が落ち着いてくる気がする。
玲央の隣にはルネが歩いていて、ずっとなだらかな話を続けていてくれた。
ルネが行きたいと言いだした場所は、都心から少しだけ離れた水族館。
まるでデートの様に振る舞いながら数々の水槽を覗き込む。
色とりどりの魚や、悠々と泳ぐ大きな鮫。全てが青に包まれた世界でルネが笑った。
「………僕、お金貯めたらフィリピンのセブに島行ってみたいんです………!!ジンベエザメと泳ぎたくて!!
鮫、凄く好きなんです!!」
ニコニコ笑いながら青い光に照らされるルネは、とても無邪気で可愛らしい。
人生を狂わされる事がなかった紫苑はきっと、今のルネの様なんだろうと玲央は改めて思った。
無邪気に笑い恋に恋して、キラキラと感極まった眼差しを魅せる。
幸せそうな表情を浮かべるルネは、とても綺麗に見えた。
「………鮫と泳ぐって、何だかとても怖いなぁ………。ルネ、食べられちゃいそう………」
フィリピンなら逃亡するのにとても適していると玲央は思う。
そう言いながら人工的に作られたサンゴ礁を見て、ピンクと黄色の熱帯魚に水槽越しに指を伸ばす。
ルネの方を見ると、カラフルな海月の水槽の前で微笑んでいた。
「僕、魚とか大好きなんですよね。アクアリウムとか好きで!だから家に水槽いっぱいありますよ!!
玲央さん知ってます?海月って死ぬ時水に溶けて無くなっちゃうの!!」
独特の動きをしながら飛んで回る赤や青の丸い海月を横目に、ルネが小さな知識を教えてくれる。
明るく振る舞うルネに玲央は訊ねた。
「………ねぇルネ、僕も海月みたいに消えたら寂しい?」
ルネが目を大きく見開いて、今にも泣き出しそうな表情を浮かべる。
それから上擦った声で答えた。
「嫌です、そんなの。寂しいです…………」
宥める様にルネの頭を撫でながら、二人で並んで水槽を見上げる。
何時どのタイミングで話すべきなのかを、玲央は一切わからずにいた。
水族館が閉館し、ディナーをしてから夜の海を歩く。この場所は街自体がとても早くに眠る。
東京から少し離れただけの場所なのに、まるで遠い所に旅行に来たみたいだと玲央は思う。
砂浜を通り過ぎれば、公園の様な広場に出る。
海の見えるベンチにルネと並んで座り、話をする腹を括った。
何から話すべきなんだろうかと思いながら、玲央は空を見上げる。
周りに灯りがないせいなのか星空がとても美しい。
まるで宝石箱の中身をひっくり返したみたいだと、ロマンティックな事を思った。
「話したい事が沢山あってって、玲央さん言ってましたけどなんですか?」
遠くで響くさざ波の音に耳を傾けながら、ルネにゆっくりと口を開く。
なるべくルネを傷つけない様に話を進めたいと玲央は思っていた。
「ああ、まず一つは………先日の占い師の人だけど………。
あの人ってどんな知り合いなの?お友達なら申し訳ないんだけど、少し心配になってしまって………」
玲央がそう問いかければ、ルネが少しだけ目を泳がせる。
ルネは自分が占いに迎合している事を、余り玲央には知られたいとは思っていなかった。
一成と玲央を引き合わせて、良くないものを取り払っては貰いたかったが、玲央に占いの趣味がバレるのは嫌だ。
ルネは様々な事を頭に巡らせながら、怯えた様に玲央の顔を見た。
弱弱しいルネの眼差しを見ながら、玲央は小さく笑う。
「大丈夫だよ、ルネ。僕は君が好きなものを否定はしない。お世話になってる方でも、占い好きな人がいるから。
ただ彼は、最近流行りのカルト教団の関連を感じたからさ………心配になっちゃって………ルネが………」
カルト教団の話をルネは知らなかった。けれど驚きもしなかった。
何となく直感では、玲央の反応で良くないものだとは察している。
けれどルネは縋るものが無ければ、自分を律する事さえも出来ない。
玲央が心配をしてくれている事はとても嬉しいが、それを手放した後の生き方をルネは解らないのだ。
「………ご心配、ありがとうございます」
ルネは懸命に言葉を濁し、話を流そうとしている。
玲央はそれに気付いて、この話をするのはとても難しいと感じていた。
するとルネが何かを思い立ったかのように玲央に問いかけた。
「ねぇ玲央さん、あの…………最近お仕事のおやすみ、多かったですよね…………。
玲央さんもしかして疲れてるんじゃって、僕ずっと心配で…………。
もしかして辞めたいなんて、思ってたりしないかって………ずっと……………。
苺さんの事とか………聞きました………」
そう言いながら俯くルネを見ていると、玲央の胸はずきずき痛む。
それに苺の事に関しては、本当は殺害に自分も十分に関わっている。
けれど今なら姿を消そうと考えていることを、口に出来るとも思った。
意を決して握り拳を膝の上に起き、深く息を吸って言葉を吐き出す。
「うん………僕、今、そのつもりで動いてる。この国から出ていこうって思ってるよ」
玲央がそう言った瞬間にルネが肩を震わせる。
泣いているのに気付いた瞬間、もう何も言えなくなった。
「ごめんなさい………!!なんか………ちょっと!!すいません…………!!
こんなに泣かれたらびっくりしちゃいますよね………!!」
ルネが泣きじゃくりながら必死に笑う。
玲央は何時も通りにルネの頭を撫でながら、静かに囁いた。
「………ルネは、悲しむと思ったから、直接話したかった…………。
まだ辞めようと考えてること、誰にも言ってない………」
ルネは玲央に対して必死に微笑もうとしながら、涙をボロボロと流している。
それから懸命に絞り出すかの様にこう言った。
「………本当に今日、楽しい思い出いっぱい有難うございました………。
玲央さんとこうして一緒に出掛ける事が出来るなんて、夢みたいだった………!!!」
泣きはらした顔のルネを助手席に乗せて、玲央は真っ白いフェラーリを走らせる。
車の中で玲央とルネは上手く話せない儘で、気が付いたらルネの家の前に着いていた。
大事な話をうまく出来なかったと思う玲央に、ルネが寄り添って玲央に手を伸ばす。
ルネの方を見た瞬間、ルネが玲央の唇に自分の唇を重ね合わせた。
唇をぶつけるだけのキスをして、ルネが玲央の目の前で囁く。
「………僕、玲央さんが好きです………。ずっと前から好きでした………」
精一杯の愛の告白に対して、玲央は痛む胸をひたすらに抑えて言葉を返す。
今日はとても良心が痛むと思っていた。
知っていた。その気持ちは痛い程良く解っていた。
もしも昔の自分だったなら、このままルネを抱いていただろう。
けれど今の玲央の心には、ちゃんと紫苑が居た。
「…………有難う…………ごめんね…………」
うやむやにして気持ちを引っ張る行為ばかりに慣れて、上手い愛の断り方が解らない。
玲央はそう感じながら、ルネにただ思いついた言葉だけを述べた。
涙を流したルネは首を横に振り、静かにフェラーリから降りてゆく。
玲央は深く溜め息を吐いて、静かにアクセルを踏んだ。
玲央の車が走り去るのを見ながら、ルネが静かに携帯電話のカバーを開く。
そして一成に『失恋しました』とだけ、メッセージを入れる。するとすぐに返事は返ってきた。
『大丈夫ですか?今何処にいらっしゃるんですか?お話伺いますよ』
ルネはこの時に、とても虚しい気持ちだった。
玲央に一成と関わる事は止められたが、ルネには一成が必要だ。
ぽっかりと空いてしまった心の隙間には、何かを埋めなければいけない。
『今、とても悲しいので、それはとても助かります。どちらに向かえば良いですか?』
ルネはそう一成にメッセージを送り、夜道を歩きだす。
街灯から照らされる光が、ルネの影を長く長く伸ばしていた。
「へぇ………それでルネ君のフェロモン身体に纏わり付けてきて、あの宗教野郎の話はまともに出来なかったのね?」
呆れた様な表情を浮かべた真知子が、深く溜め息を吐いて玲央を睨む。
玲央は叱られた犬のようにしょんぼりとしていた。
不機嫌そうな真知子の横で、紫苑がタブレットを開いて聖ヴェリテ教団について調べている。
聖ヴェリテ教団の都心への侵略率を見れば、早くこの国を出なければいけない事だけが解った。
前の教祖の時と違い、信者の数が圧倒的に増えている。
何処で誰にどんな風に手を回されているか、正直解らない。今の東京は危険だと紫苑は思った。
「………次にルネに逢った時に、ルネは僕の話を聞いてくれるのかな………」
そう言って落ち込む玲央を横目に、紫苑は少しだけ胸を痛める。
こんなに玲央が自分以外の誰かを気遣っているのを初めて見た。
嫉妬という感情を自分が覚える様になったと思うと、何だか感慨深いものがある。
紫苑は自分の嫉妬心から、目を叛けるようにタブレットを見つめた。
玲央の携帯電話から音が鳴り、携帯のカバーを開く。
メッセージはルネからで画像の添付が確認できた。
水族館で撮った写真かと思い携帯を開けば、想像していなかったものが視界に飛び込む。
其処に映し出されたのは、何処かで目隠しをされて拘束されているルネだった。
玲央の手から滑り落ちた携帯電話は、カツンと音を立ててフローリングの床にぶつかる。
この時の玲央の表情は凍り付いていた。
玲央の隣にはルネが歩いていて、ずっとなだらかな話を続けていてくれた。
ルネが行きたいと言いだした場所は、都心から少しだけ離れた水族館。
まるでデートの様に振る舞いながら数々の水槽を覗き込む。
色とりどりの魚や、悠々と泳ぐ大きな鮫。全てが青に包まれた世界でルネが笑った。
「………僕、お金貯めたらフィリピンのセブに島行ってみたいんです………!!ジンベエザメと泳ぎたくて!!
鮫、凄く好きなんです!!」
ニコニコ笑いながら青い光に照らされるルネは、とても無邪気で可愛らしい。
人生を狂わされる事がなかった紫苑はきっと、今のルネの様なんだろうと玲央は改めて思った。
無邪気に笑い恋に恋して、キラキラと感極まった眼差しを魅せる。
幸せそうな表情を浮かべるルネは、とても綺麗に見えた。
「………鮫と泳ぐって、何だかとても怖いなぁ………。ルネ、食べられちゃいそう………」
フィリピンなら逃亡するのにとても適していると玲央は思う。
そう言いながら人工的に作られたサンゴ礁を見て、ピンクと黄色の熱帯魚に水槽越しに指を伸ばす。
ルネの方を見ると、カラフルな海月の水槽の前で微笑んでいた。
「僕、魚とか大好きなんですよね。アクアリウムとか好きで!だから家に水槽いっぱいありますよ!!
玲央さん知ってます?海月って死ぬ時水に溶けて無くなっちゃうの!!」
独特の動きをしながら飛んで回る赤や青の丸い海月を横目に、ルネが小さな知識を教えてくれる。
明るく振る舞うルネに玲央は訊ねた。
「………ねぇルネ、僕も海月みたいに消えたら寂しい?」
ルネが目を大きく見開いて、今にも泣き出しそうな表情を浮かべる。
それから上擦った声で答えた。
「嫌です、そんなの。寂しいです…………」
宥める様にルネの頭を撫でながら、二人で並んで水槽を見上げる。
何時どのタイミングで話すべきなのかを、玲央は一切わからずにいた。
水族館が閉館し、ディナーをしてから夜の海を歩く。この場所は街自体がとても早くに眠る。
東京から少し離れただけの場所なのに、まるで遠い所に旅行に来たみたいだと玲央は思う。
砂浜を通り過ぎれば、公園の様な広場に出る。
海の見えるベンチにルネと並んで座り、話をする腹を括った。
何から話すべきなんだろうかと思いながら、玲央は空を見上げる。
周りに灯りがないせいなのか星空がとても美しい。
まるで宝石箱の中身をひっくり返したみたいだと、ロマンティックな事を思った。
「話したい事が沢山あってって、玲央さん言ってましたけどなんですか?」
遠くで響くさざ波の音に耳を傾けながら、ルネにゆっくりと口を開く。
なるべくルネを傷つけない様に話を進めたいと玲央は思っていた。
「ああ、まず一つは………先日の占い師の人だけど………。
あの人ってどんな知り合いなの?お友達なら申し訳ないんだけど、少し心配になってしまって………」
玲央がそう問いかければ、ルネが少しだけ目を泳がせる。
ルネは自分が占いに迎合している事を、余り玲央には知られたいとは思っていなかった。
一成と玲央を引き合わせて、良くないものを取り払っては貰いたかったが、玲央に占いの趣味がバレるのは嫌だ。
ルネは様々な事を頭に巡らせながら、怯えた様に玲央の顔を見た。
弱弱しいルネの眼差しを見ながら、玲央は小さく笑う。
「大丈夫だよ、ルネ。僕は君が好きなものを否定はしない。お世話になってる方でも、占い好きな人がいるから。
ただ彼は、最近流行りのカルト教団の関連を感じたからさ………心配になっちゃって………ルネが………」
カルト教団の話をルネは知らなかった。けれど驚きもしなかった。
何となく直感では、玲央の反応で良くないものだとは察している。
けれどルネは縋るものが無ければ、自分を律する事さえも出来ない。
玲央が心配をしてくれている事はとても嬉しいが、それを手放した後の生き方をルネは解らないのだ。
「………ご心配、ありがとうございます」
ルネは懸命に言葉を濁し、話を流そうとしている。
玲央はそれに気付いて、この話をするのはとても難しいと感じていた。
するとルネが何かを思い立ったかのように玲央に問いかけた。
「ねぇ玲央さん、あの…………最近お仕事のおやすみ、多かったですよね…………。
玲央さんもしかして疲れてるんじゃって、僕ずっと心配で…………。
もしかして辞めたいなんて、思ってたりしないかって………ずっと……………。
苺さんの事とか………聞きました………」
そう言いながら俯くルネを見ていると、玲央の胸はずきずき痛む。
それに苺の事に関しては、本当は殺害に自分も十分に関わっている。
けれど今なら姿を消そうと考えていることを、口に出来るとも思った。
意を決して握り拳を膝の上に起き、深く息を吸って言葉を吐き出す。
「うん………僕、今、そのつもりで動いてる。この国から出ていこうって思ってるよ」
玲央がそう言った瞬間にルネが肩を震わせる。
泣いているのに気付いた瞬間、もう何も言えなくなった。
「ごめんなさい………!!なんか………ちょっと!!すいません…………!!
こんなに泣かれたらびっくりしちゃいますよね………!!」
ルネが泣きじゃくりながら必死に笑う。
玲央は何時も通りにルネの頭を撫でながら、静かに囁いた。
「………ルネは、悲しむと思ったから、直接話したかった…………。
まだ辞めようと考えてること、誰にも言ってない………」
ルネは玲央に対して必死に微笑もうとしながら、涙をボロボロと流している。
それから懸命に絞り出すかの様にこう言った。
「………本当に今日、楽しい思い出いっぱい有難うございました………。
玲央さんとこうして一緒に出掛ける事が出来るなんて、夢みたいだった………!!!」
泣きはらした顔のルネを助手席に乗せて、玲央は真っ白いフェラーリを走らせる。
車の中で玲央とルネは上手く話せない儘で、気が付いたらルネの家の前に着いていた。
大事な話をうまく出来なかったと思う玲央に、ルネが寄り添って玲央に手を伸ばす。
ルネの方を見た瞬間、ルネが玲央の唇に自分の唇を重ね合わせた。
唇をぶつけるだけのキスをして、ルネが玲央の目の前で囁く。
「………僕、玲央さんが好きです………。ずっと前から好きでした………」
精一杯の愛の告白に対して、玲央は痛む胸をひたすらに抑えて言葉を返す。
今日はとても良心が痛むと思っていた。
知っていた。その気持ちは痛い程良く解っていた。
もしも昔の自分だったなら、このままルネを抱いていただろう。
けれど今の玲央の心には、ちゃんと紫苑が居た。
「…………有難う…………ごめんね…………」
うやむやにして気持ちを引っ張る行為ばかりに慣れて、上手い愛の断り方が解らない。
玲央はそう感じながら、ルネにただ思いついた言葉だけを述べた。
涙を流したルネは首を横に振り、静かにフェラーリから降りてゆく。
玲央は深く溜め息を吐いて、静かにアクセルを踏んだ。
玲央の車が走り去るのを見ながら、ルネが静かに携帯電話のカバーを開く。
そして一成に『失恋しました』とだけ、メッセージを入れる。するとすぐに返事は返ってきた。
『大丈夫ですか?今何処にいらっしゃるんですか?お話伺いますよ』
ルネはこの時に、とても虚しい気持ちだった。
玲央に一成と関わる事は止められたが、ルネには一成が必要だ。
ぽっかりと空いてしまった心の隙間には、何かを埋めなければいけない。
『今、とても悲しいので、それはとても助かります。どちらに向かえば良いですか?』
ルネはそう一成にメッセージを送り、夜道を歩きだす。
街灯から照らされる光が、ルネの影を長く長く伸ばしていた。
「へぇ………それでルネ君のフェロモン身体に纏わり付けてきて、あの宗教野郎の話はまともに出来なかったのね?」
呆れた様な表情を浮かべた真知子が、深く溜め息を吐いて玲央を睨む。
玲央は叱られた犬のようにしょんぼりとしていた。
不機嫌そうな真知子の横で、紫苑がタブレットを開いて聖ヴェリテ教団について調べている。
聖ヴェリテ教団の都心への侵略率を見れば、早くこの国を出なければいけない事だけが解った。
前の教祖の時と違い、信者の数が圧倒的に増えている。
何処で誰にどんな風に手を回されているか、正直解らない。今の東京は危険だと紫苑は思った。
「………次にルネに逢った時に、ルネは僕の話を聞いてくれるのかな………」
そう言って落ち込む玲央を横目に、紫苑は少しだけ胸を痛める。
こんなに玲央が自分以外の誰かを気遣っているのを初めて見た。
嫉妬という感情を自分が覚える様になったと思うと、何だか感慨深いものがある。
紫苑は自分の嫉妬心から、目を叛けるようにタブレットを見つめた。
玲央の携帯電話から音が鳴り、携帯のカバーを開く。
メッセージはルネからで画像の添付が確認できた。
水族館で撮った写真かと思い携帯を開けば、想像していなかったものが視界に飛び込む。
其処に映し出されたのは、何処かで目隠しをされて拘束されているルネだった。
玲央の手から滑り落ちた携帯電話は、カツンと音を立ててフローリングの床にぶつかる。
この時の玲央の表情は凍り付いていた。
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