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第八章 Petit à petit l'oiseau fait son nid
第一話
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海外旅行にでも出かけるかのような大荷物を転がしながら、玲央はとあるマンションに入ってゆく。
革製のとても大きなキャリーバッグは、人間が一人入ってもおかしくない大きさだった。
小柄な人間ならきっと、これ位の箱になら入れるだろう。
とある部屋の前に着いてインターフォンを鳴らす。
するとすぐにドアが開いて、部屋の中でも何時も通りに化粧をした真知子が出てきた。
「…………良いわよ、入って」
真知子に促されながら部屋に入り、玲央は真知子に茶封筒を手渡す。
その瞬間真知子の顔色が一瞬にして変わった。
病院と同じ消毒液の匂いが漂う室内で、真知子は茶封筒の中身を見る。
二百万入っているのを確認してから、表情を変えずに生唾を呑みこんだ。
ついこの間迄話していた冗談の会話に、全ての辻褄が繋がってゆく。
この時ばかりは真知子もとても緊張していた。
真知子の家には密やかに病院で使えるような器具が揃い、隠密に何でも出来る様になっている。
もう一つの真知子の稼業は常にこの部屋で行われているのを、すぐに察することが出来た。
本当に様々な人の顔を変えて、時に逃亡の手伝いをしているんだと玲央は思う。
玲央も真知子もこの時、お互いの秘密を見せ合う覚悟を決めていた。
「………貴方本当に何処かに高跳びでもするつもりなの?」
「うん。そのつもり。………でもそれは口止め料。此処からの事は、真知子と俺だけの秘密だよ」
とても大きなキャリーバッグを開けば、紫苑がゆっくりと顔を上げる。
真知子は何時も通りの猛禽類の目をしながら、まじまじと紫苑の顔を見ていた。
紫苑は久しぶりに逢う玲央以外の人間に対して、ほんの少しだけ怯えている。
すると真知子は紫苑の頬に触れて、小さく囁いた。
「…………貴方って、写真で見るより実物の方がずっと綺麗な顔なのね」
玲央は思わず紫苑を真知子から引き離し、慌てて抱きしめる。
真知子はαである。紫苑のフェロモンが効くのだ。
そんな慌てふためく玲央の姿を真知子は初めて見たと思う。そして、ちゃんと彼を愛しているのだと感じた。
ふわふわと漂うフリージアの香りで、先日かいだ香水の正体が解る。
まさかあの玲央がΩの男を匿って高跳びさえ考えているのが、真知子には微笑ましかった。
「………もう、戸籍とかそういうのは手を回したよ。後は紫苑の顔を変えて、僕も顔を少し弄る。
………真知子が応じてくれなかったら、どうしようかと思っちゃった」
玲央が真知子の部屋のソファーに腰かけながら、何時も通りの朗らかな笑みを浮かべる。
けれどこの時に既に、紫苑は何時のもハンティングナイフを隠し持っていた。
最悪殺すと昨日のうちに玲央と話し合っていたのを、紫苑は思い返す。
殺す必要が無くて良かったと思いながら、紫苑は真知子に微笑んだ。
「私の人生なんて、墓場まで持って行かなきゃいけない事しかないんだから。
ちゃんと請け負うわ。1000万で。良く見せて、彼の顔」
真知子が紫苑の顔を触るのを横目に、玲央もほっと胸を撫で下ろす。
少しずつ少しずつ前進しているのがとても嬉しい。
人を殺さないで良い人生は送れそうにないが、これなら逃げる事が出来るだろう。
けれど紫苑の顔をとても好きだった玲央は、ほんの少しだけ寂しいと感じていた。
「幾つか検査したい事もあるから、二人きりにして少し外行ってくれないかしら?」
「………他のαと二人きりにするのは気が気じゃないなぁ………」
真剣な眼差しで紫苑の顔を見る真知子に、玲央は冗談っぽく軽口を漏らす。
すると真知子は呆れた様子で此方を見た。
不安げに此方に視線を送る紫苑に手を伸ばし、玲央は優しく頬を撫でる。
そしてとても甘ったるい声色で囁いた。
「彼女は大丈夫だから、安心して」
そう告げて玲央は真知子の部屋から出て、ふらりと外に出かける。
残された紫苑に真知子は問いかけた。
「………貴方本当は私が応じなかったら、私を殺すつもりだったでしょう?
大丈夫よ、そんな心配しないで」
真知子にそう言葉を返された瞬間、紫苑は身体を震わせる。
この人は何十枚も自分より上手だと紫苑は感じた。
まな板に乗せられた魚の如くに大人しくなった紫苑に、真知子は優しい眼差しを向ける。
その目は嘗て宗教画の中で見た、聖母マリアに似ていると思った。
紫苑の前で白衣を羽織りマスクと手袋を付けた真知子は、紫苑の身体に触れてゆく。
紫苑はこの時に本当に、玲央は自分と逃げ出すつもりでいるんだと噛み締める。
紫苑は自分が幸せになれるとは思っていない。
人を殺して血肉を喰らって生きているなんて、明らかに人道を外れている。
そんな人間が幸せになれるなんて願う事こそが、罪そのものなのだ。
紫苑はそう思いながら、とても幸せだと感じる。
人を殺してこんな風に身を隠しながら、幸せを感じられるとは思っていなかった。
幾つかの検査を終わらせてから、紫苑は真知子の部屋で微睡む。
最近の紫苑の身体はとても重たく、何もせずとも眠たくなってしまう。
あまりの眠気に堪えきれずにソファーに横たえた紫苑に、真知子が毛布を掛けてくれる。
紫苑はとても安心した気持ちに包まれて、すぅすぅ寝息を立て始めた。
真知子はその間ただ黙々と機械に向き合っている。その時真知子はとある事に気が付き、思わず声を漏らした。
「…………ねぇ待って貴方………」
真知子の声で紫苑は飛び起きて、慌てて身体を無理矢理起こす。
焦った様子の真知子が紫苑に駆け寄り、紫苑の身体を支えた。
「貴方今、自分の身体に何が起きてるか………解ってる??」
真知子の問い掛けに対して紫苑は何も理解が出来ず、思わず首を傾げる。
けれど真知子から告げられた言葉を聞いて、紫苑は言葉を失った。
人込みから隠れる様にしながら、玲央は何時もの喫茶店にいた。
何時も通りの味のしないブラックコーヒーに口を付けて、見慣れた景色を目に焼き付ける。
もうすぐ見ることの出来なくなるかもしれない景色は、突然特別なものに思われた。
暇つぶしに買った雑誌といえば、ケーキ連続殺人事件の記事の特集本。
玲央はこの時まで、紫苑の事件の事を余り調べないでいた。
前に動画でみた男の一件から、パンドラの箱を開けたい気持ちに駆られている。
自分が知らないでいる方が、紫苑の為には良い事位解っていた。
紫苑は玲央に自分の事を話してくれない。けれど全ての話を紫苑から聞き出さなければ意味が無い。
誰かが言った話の中には、真実なんて無いのだ。
知るべきか知らないべきか悩む玲央の前に、誰かが来たのを感じる。
その人は玲央にとても優しい声色で囁いた。
「………その事件、お好きなんですか?」
独特のイントネーションの声色が響いて、玲央はゆっくりと顔を上げる。
すると其処には一成が立っていた。
そういえばこの男とはこの喫茶店で出会ったのだと思いながら、営業用の作り笑顔を浮かべる。
玲央はなるべくこの男とだけは、関わり合いになりたくなかった。
「………アハハ!!いいえ別に!!こんなの暇つぶしですよ!!」
この男が今日も此処に来るなんて、トンだ誤算だと思いながら心で舌を打つ。
とっととこの男から離れて外に出よう。この男ほど関わり合いになってはいけない男は居ない。
本を鞄にしまおうとした瞬間、一成がとんでもない事を口走った。
一成は一成で玲央に対して、勝負に出ていたのだ。
「この事件、僕はとても関係があるんですよ。
……………この殺人鬼がいた宗教の、現場に居たので………」
宗教。そう言われた瞬間に頭の中で、全てのものが繋がってゆくする。
モザイクの向こうで話していた男の胸元には、薔薇の花のモチーフのバッジが輝いていた。
一成の事を玲央はこの時に、やっとまじまじと姿を見る。
その瞬間に彼の右手の肌の質感が、人間のものではない事に気が付いた。
『ああ………嘘吐き………嘘吐き…………!!!』
ボロボロ涙を流す紫苑が頭の中で蘇り、玲央の心の中が真っ黒に染まってゆく。
玲央はこの男に対して抱いていた嫌悪感が、正しいものだったと確信した。
「………へぇ、そうなんですか?ちょっとだけ面白そうですね??
宜しければ少しだけ、此処でお茶でも飲んでいかれます?」
玲央はそう言いながら、自分の席に同席するように促す。
玲央の向かいに腰掛けてから、貼り付けた様な笑みを浮かべる。
まるで戦いを挑むかの様な気持ちで笑い返した。
革製のとても大きなキャリーバッグは、人間が一人入ってもおかしくない大きさだった。
小柄な人間ならきっと、これ位の箱になら入れるだろう。
とある部屋の前に着いてインターフォンを鳴らす。
するとすぐにドアが開いて、部屋の中でも何時も通りに化粧をした真知子が出てきた。
「…………良いわよ、入って」
真知子に促されながら部屋に入り、玲央は真知子に茶封筒を手渡す。
その瞬間真知子の顔色が一瞬にして変わった。
病院と同じ消毒液の匂いが漂う室内で、真知子は茶封筒の中身を見る。
二百万入っているのを確認してから、表情を変えずに生唾を呑みこんだ。
ついこの間迄話していた冗談の会話に、全ての辻褄が繋がってゆく。
この時ばかりは真知子もとても緊張していた。
真知子の家には密やかに病院で使えるような器具が揃い、隠密に何でも出来る様になっている。
もう一つの真知子の稼業は常にこの部屋で行われているのを、すぐに察することが出来た。
本当に様々な人の顔を変えて、時に逃亡の手伝いをしているんだと玲央は思う。
玲央も真知子もこの時、お互いの秘密を見せ合う覚悟を決めていた。
「………貴方本当に何処かに高跳びでもするつもりなの?」
「うん。そのつもり。………でもそれは口止め料。此処からの事は、真知子と俺だけの秘密だよ」
とても大きなキャリーバッグを開けば、紫苑がゆっくりと顔を上げる。
真知子は何時も通りの猛禽類の目をしながら、まじまじと紫苑の顔を見ていた。
紫苑は久しぶりに逢う玲央以外の人間に対して、ほんの少しだけ怯えている。
すると真知子は紫苑の頬に触れて、小さく囁いた。
「…………貴方って、写真で見るより実物の方がずっと綺麗な顔なのね」
玲央は思わず紫苑を真知子から引き離し、慌てて抱きしめる。
真知子はαである。紫苑のフェロモンが効くのだ。
そんな慌てふためく玲央の姿を真知子は初めて見たと思う。そして、ちゃんと彼を愛しているのだと感じた。
ふわふわと漂うフリージアの香りで、先日かいだ香水の正体が解る。
まさかあの玲央がΩの男を匿って高跳びさえ考えているのが、真知子には微笑ましかった。
「………もう、戸籍とかそういうのは手を回したよ。後は紫苑の顔を変えて、僕も顔を少し弄る。
………真知子が応じてくれなかったら、どうしようかと思っちゃった」
玲央が真知子の部屋のソファーに腰かけながら、何時も通りの朗らかな笑みを浮かべる。
けれどこの時に既に、紫苑は何時のもハンティングナイフを隠し持っていた。
最悪殺すと昨日のうちに玲央と話し合っていたのを、紫苑は思い返す。
殺す必要が無くて良かったと思いながら、紫苑は真知子に微笑んだ。
「私の人生なんて、墓場まで持って行かなきゃいけない事しかないんだから。
ちゃんと請け負うわ。1000万で。良く見せて、彼の顔」
真知子が紫苑の顔を触るのを横目に、玲央もほっと胸を撫で下ろす。
少しずつ少しずつ前進しているのがとても嬉しい。
人を殺さないで良い人生は送れそうにないが、これなら逃げる事が出来るだろう。
けれど紫苑の顔をとても好きだった玲央は、ほんの少しだけ寂しいと感じていた。
「幾つか検査したい事もあるから、二人きりにして少し外行ってくれないかしら?」
「………他のαと二人きりにするのは気が気じゃないなぁ………」
真剣な眼差しで紫苑の顔を見る真知子に、玲央は冗談っぽく軽口を漏らす。
すると真知子は呆れた様子で此方を見た。
不安げに此方に視線を送る紫苑に手を伸ばし、玲央は優しく頬を撫でる。
そしてとても甘ったるい声色で囁いた。
「彼女は大丈夫だから、安心して」
そう告げて玲央は真知子の部屋から出て、ふらりと外に出かける。
残された紫苑に真知子は問いかけた。
「………貴方本当は私が応じなかったら、私を殺すつもりだったでしょう?
大丈夫よ、そんな心配しないで」
真知子にそう言葉を返された瞬間、紫苑は身体を震わせる。
この人は何十枚も自分より上手だと紫苑は感じた。
まな板に乗せられた魚の如くに大人しくなった紫苑に、真知子は優しい眼差しを向ける。
その目は嘗て宗教画の中で見た、聖母マリアに似ていると思った。
紫苑の前で白衣を羽織りマスクと手袋を付けた真知子は、紫苑の身体に触れてゆく。
紫苑はこの時に本当に、玲央は自分と逃げ出すつもりでいるんだと噛み締める。
紫苑は自分が幸せになれるとは思っていない。
人を殺して血肉を喰らって生きているなんて、明らかに人道を外れている。
そんな人間が幸せになれるなんて願う事こそが、罪そのものなのだ。
紫苑はそう思いながら、とても幸せだと感じる。
人を殺してこんな風に身を隠しながら、幸せを感じられるとは思っていなかった。
幾つかの検査を終わらせてから、紫苑は真知子の部屋で微睡む。
最近の紫苑の身体はとても重たく、何もせずとも眠たくなってしまう。
あまりの眠気に堪えきれずにソファーに横たえた紫苑に、真知子が毛布を掛けてくれる。
紫苑はとても安心した気持ちに包まれて、すぅすぅ寝息を立て始めた。
真知子はその間ただ黙々と機械に向き合っている。その時真知子はとある事に気が付き、思わず声を漏らした。
「…………ねぇ待って貴方………」
真知子の声で紫苑は飛び起きて、慌てて身体を無理矢理起こす。
焦った様子の真知子が紫苑に駆け寄り、紫苑の身体を支えた。
「貴方今、自分の身体に何が起きてるか………解ってる??」
真知子の問い掛けに対して紫苑は何も理解が出来ず、思わず首を傾げる。
けれど真知子から告げられた言葉を聞いて、紫苑は言葉を失った。
人込みから隠れる様にしながら、玲央は何時もの喫茶店にいた。
何時も通りの味のしないブラックコーヒーに口を付けて、見慣れた景色を目に焼き付ける。
もうすぐ見ることの出来なくなるかもしれない景色は、突然特別なものに思われた。
暇つぶしに買った雑誌といえば、ケーキ連続殺人事件の記事の特集本。
玲央はこの時まで、紫苑の事件の事を余り調べないでいた。
前に動画でみた男の一件から、パンドラの箱を開けたい気持ちに駆られている。
自分が知らないでいる方が、紫苑の為には良い事位解っていた。
紫苑は玲央に自分の事を話してくれない。けれど全ての話を紫苑から聞き出さなければ意味が無い。
誰かが言った話の中には、真実なんて無いのだ。
知るべきか知らないべきか悩む玲央の前に、誰かが来たのを感じる。
その人は玲央にとても優しい声色で囁いた。
「………その事件、お好きなんですか?」
独特のイントネーションの声色が響いて、玲央はゆっくりと顔を上げる。
すると其処には一成が立っていた。
そういえばこの男とはこの喫茶店で出会ったのだと思いながら、営業用の作り笑顔を浮かべる。
玲央はなるべくこの男とだけは、関わり合いになりたくなかった。
「………アハハ!!いいえ別に!!こんなの暇つぶしですよ!!」
この男が今日も此処に来るなんて、トンだ誤算だと思いながら心で舌を打つ。
とっととこの男から離れて外に出よう。この男ほど関わり合いになってはいけない男は居ない。
本を鞄にしまおうとした瞬間、一成がとんでもない事を口走った。
一成は一成で玲央に対して、勝負に出ていたのだ。
「この事件、僕はとても関係があるんですよ。
……………この殺人鬼がいた宗教の、現場に居たので………」
宗教。そう言われた瞬間に頭の中で、全てのものが繋がってゆくする。
モザイクの向こうで話していた男の胸元には、薔薇の花のモチーフのバッジが輝いていた。
一成の事を玲央はこの時に、やっとまじまじと姿を見る。
その瞬間に彼の右手の肌の質感が、人間のものではない事に気が付いた。
『ああ………嘘吐き………嘘吐き…………!!!』
ボロボロ涙を流す紫苑が頭の中で蘇り、玲央の心の中が真っ黒に染まってゆく。
玲央はこの男に対して抱いていた嫌悪感が、正しいものだったと確信した。
「………へぇ、そうなんですか?ちょっとだけ面白そうですね??
宜しければ少しだけ、此処でお茶でも飲んでいかれます?」
玲央はそう言いながら、自分の席に同席するように促す。
玲央の向かいに腰掛けてから、貼り付けた様な笑みを浮かべる。
まるで戦いを挑むかの様な気持ちで笑い返した。
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