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第四章 Si tu ne m’aimes pas, je t’aime
第三話 ★
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マンションのエントランスのオートロックを潜り抜け、苺は玲央の住むマンションに侵入する。
デリバリーサービスの配達員の後ろに付いて忍びこむ手が、こんなにうまくいくとは苺自身も思っていなかった。
玲央は今夜はホストクラブの出勤で、まだ家には絶対に帰らない筈だ。
そう思いながら、玲央の住んでいる部屋を探る。
そして玲央の住んでいるであろう部屋の、電気のメーターを確認した。
メーターの回転数の速さは、絶対に人がいる速さである。
一方その頃紫苑は部屋で、苺のショートケーキの匂いをいち早く察知していた。
ふわふわと鼻を擽る魅惑の匂いに思わず息を飲み込む。
こんなに強く匂いが香るのは、絶対に近くにいるからに違いない。
息を潜めて匂いがする方に歩み寄れば、それは玄関から薫っている。
ドアの向こうに誰かがいて、この部屋を探ろうとしているのだろう。
紫苑はそう思いながら、ほんの少しだけ警戒を強めた。
もしも自分が此処にいるのがバレていて、警察が来ていたとしたら。
最近はケーキの警察官も増えていることを知っている。探りに来ていたとしたら危ないと紫苑は思う。
その時インターフォンが鳴り響いた。
紫苑は思わず身体を強張らせて、息を潜んでモニターの方へ向かう。
紫苑が此処に来て以来、インターフォンが鳴るような事は今迄無かった。
初めてこんなに突き詰められていると思う。
ゆっくりと玄関モニターの画像を見ると、可愛らしい女の子が立っている。
ふわふわとした可愛らしい、今時よく見かけるタイプの女の子。
苺の姿を見てこれは警察ではないなと、確信して紫苑は笑った。
『はい』
モニターから声が響いた瞬間に苺は身体を硬くした。
何故ならその声の主は、女性では無かったからだ。
てっきり此処には女がいる筈だと思っていた苺は、想定外の状態に慌てふためく。
そしておろおろとした様子でモニターに話しかけた。
「あ………え………此処、観音崎さんのおうち、ですよね?」
そう言われた時に紫苑は、その女は玲央に用事があるんだと気付く。
その時に紫苑は考えた。今玲央と一緒に暮らしている家に来れたこの女は、生かしておいて良いのだろうか。
もしかしたら彼女は今、自分の手にある生活を壊してくるかもしれない。
それなら玲央に許可を得る必要もなく、殺してしまっても良いだろう。
ただ、出来たらこんなに珍しいケーキなら、久しぶりに楽しく遊びたい。
『…………はいそうです!兄です!宜しければ中にどうぞ?』
紫苑はそう云いながら微笑み、モニターの電源を切る。そしてゆっくりと玄関の鍵を開けた。
誘うようにドアを開いて、紫苑は苺を招き入れる。
その瞬間に香り立った苺のショートケーキの匂いに、紫苑の瞳孔は開いた。
「………お邪魔します」
ツインテールに赤いリボンの髪飾りを付けた、黒髪の女。
ピンク色のふわふわしたレースワンピースを身に纏い、苺のショートケーキの匂いを漂わせている。
「どうぞ中へ………!!」
紫苑は普段絶対にしない程の笑みを浮かべ、玄関の鍵を厳重に閉める。
彼の背後には苺に致命傷を負わせる為のハンティングナイフが隠されていた。
何も知らない苺は、紫苑に案内されるがままにソファーに腰掛ける。
苺は紫苑の顔を見上げて、綺麗な顔をしていると思った。
けれど何となく、この顔を何処かで見たことがある気がすると苺は思う。
ただそれが誰なのかを全く思い出せないのだ。
「玲央って………こんなイケメンの弟さんいたんですね………」
苺は紫苑をまじまじと見詰めながら、緊張した面持ちで微笑む。
それに対して、紫苑はわざと控えめに微笑んだ。
「………こんな可愛い人にイケメンって誉められるの、嬉しいな」
玲央の家の冷蔵庫に入っている客人用の飲み物をグラスに移し、苺を紫苑は客人としてもてなす。
紫苑は手懐けてから殺害することも、本当は嫌いではない。
最近は大々的に指名手配をされてしまったが故に、こういう囲い込みをしていなかった。
苺が紫苑から受け取った飲み物を、なんの警戒もせずに口にする。
その様を横目で見ながら、掌で踊らせている様な快感を噛み締めた。
玲央が帰ってくる迄の間に、この子は何処まで自分に心を開いてくれるだろうか。
紫苑はゲームをしているような気持ちで、苺のことを引き出し続けた。
玲央が自宅に辿り着いたその時、嗅ぎ覚えのある匂いを感じて血の気が引いた。
どうして今、苺のショートケーキの匂いがドアの前で仄かに香るのだろうか。
不審に思いドアを開けば、普段なら掛けてない鍵が掛かっていて扉が開かない。
玲央はこの時に嫌な予感を頭の中に巡らせた。
二つの鍵を開けてドア開いて中に入れば、ケラケラ笑う声が聞こえる。その声はリビングから響いていた。
ソファーの上には苺と紫苑が向かい合って座り、紫苑がとても親しげな様子で苺の顔を撫でている。
その光景を見た時、玲央の中で何かが壊れた気がした。
紫苑は玲央を見付けて、まるで煽るように苺の唇に唇を重ねる。
紫苑が苺の唇に舌を這わせたその瞬間、言い知れぬ怒りが沸き上がった。
紫苑はそれに気付いているようで、わざとらしく此方に目配せをしてくる。
玲央は静かにドアに手をかけて、リビングへと入っていった。
「何してるの………?」
思わず声が震えるのを感じながら、玲央は紫苑に向かって嘆く。
すると顔面蒼白の苺が、慌てて玲央に歩み寄ろうとした。
「えっ!?玲央!?ちがうのあのね!?!?」
立ち上がった苺の背中目掛けて、紫苑がハンティングナイフを突き刺す。
紫苑は隙を狙っていた。苺の背中にナイフを効率良く刺す為の隙を。
その瞬間苺の目が見開いて、フローリングの床の上に転がった。
「…………何してるって、遊んでたよ?」
紫苑はそう云いながらケラケラ笑い、苺の身体に更にナイフを突き立てた。
苺の悲鳴が響き渡る中で、紫苑は満足そうな笑みを浮かべる。
「玲央ぉ?これ、殺して良かったでしょう?」
苺の血にまみれながら笑う紫苑が、虫の息の苺の上でケラケラ笑う。
まだ苺の眼球が動いているのを玲央は確認して、紫苑の身体を引き寄せた。
「………殺していいけど、キスは嫉妬した………!!」
玲央は紫苑の唇に唇を重ね合わせて、激しく舌を絡ませる。
仄かに香る苺のショートケーキの匂いは、苺と接触をした証だった。
その瞬間に玲央の思考はショートする。
玲央はハンティングナイフを手にしている紫苑の手に手を重ね、冷たい声で囁いた。
「ねぇ紫苑、それ貸して」
今まで聞いたことのない玲央の声色に驚いた紫苑は、ナイフを握る手を緩ませる。
紫苑の手からハンティングナイフを掠め取り、苺の首元目掛けてそれを振り下ろす。
鋭いナイフは細い苺の首を、いとも簡単に切断した。
薄れゆく意識の中で苺はある事を理解する。
その時に苺は玲央の弟を名乗った男が、指名手配の殺人犯だったことにやっと気が付いた。
そして玲央が夢中になっている何者かが誰なのかも。
それは原田紫苑の首元から見えた、Ω専用の首輪が物語っていた。
人間は首を切り落とされても、10秒間意識があると聞いたことがある。
苺の最後の記憶は自分の首を手にして、笑いながら唇を寄せる原田紫苑。
苺はこの光景を見ながら地獄にいると思った。彼女の意識は其処で事切れた。
「苺ちゃん、すっごく可愛かったなぁ。チョロくて楽しかった………」
紫苑はベッドサイドに皿を置き、其処に苺の首を置く。時折サロメの如くに深いキスをする。
さっきから生首を愛で続ける紫苑を横目に、玲央は深く溜め息を吐いた。
「それ、生首になっても憎たらしいんだけど…………」
明らかに不機嫌そうな玲央を横目に、紫苑は苺の生首に話しかける。
まるで子供がぬいぐるみを愛でているかの様だ。
「こんなに可愛いのに、玲央はひどいねぇ?ふふふ………。
それに、初めて玲央と一緒に殺したケーキなんだから、ね?」
紫苑はそう云いながら生首の目の前で脚を開く。
噎せ返るような苺のショートケーキの匂いと、紫苑から薫るフェロモンの匂い。
紫苑の入り口はとても物欲しそうに濡れ、玲央を侵入を待っているようだった。
今まで見た事も無いような表情を浮かべた玲央を見て、紫苑は少しやり過ぎたと感じていた。
常に自分に対して甘い玲央が苦言を言うのを初めて見る。
それにナイフを掠め取られたのは、流石に初めての事だった。
「苺ちゃんにキスしたから、玲央怒ってるんでしょ?
…………見せ付けようよ」
紫苑がそう囁いて蠱惑的に誘い、玲央に手を差し伸べる。
玲央は深い溜め息を吐いて紫苑の身体に身体を重ねた。
何時も通りの表情に戻った玲央は、紫苑の胸に顔を埋める。
「もう、ケーキにキスしないで………」
そう囁いていじける玲央を紫苑は鼻で笑う。
まるで子供の様だと思った瞬間、荒々しく深いキスが落ちてきた。
このキスはまるで苺とのキスを上書きされているようだと紫苑は思う。
何時もより強い力で押さえ付けられながら、諦めた様にそれに応える。
そして玲央の背中に脚を絡ませて、快楽に沈む準備を始めた。
デリバリーサービスの配達員の後ろに付いて忍びこむ手が、こんなにうまくいくとは苺自身も思っていなかった。
玲央は今夜はホストクラブの出勤で、まだ家には絶対に帰らない筈だ。
そう思いながら、玲央の住んでいる部屋を探る。
そして玲央の住んでいるであろう部屋の、電気のメーターを確認した。
メーターの回転数の速さは、絶対に人がいる速さである。
一方その頃紫苑は部屋で、苺のショートケーキの匂いをいち早く察知していた。
ふわふわと鼻を擽る魅惑の匂いに思わず息を飲み込む。
こんなに強く匂いが香るのは、絶対に近くにいるからに違いない。
息を潜めて匂いがする方に歩み寄れば、それは玄関から薫っている。
ドアの向こうに誰かがいて、この部屋を探ろうとしているのだろう。
紫苑はそう思いながら、ほんの少しだけ警戒を強めた。
もしも自分が此処にいるのがバレていて、警察が来ていたとしたら。
最近はケーキの警察官も増えていることを知っている。探りに来ていたとしたら危ないと紫苑は思う。
その時インターフォンが鳴り響いた。
紫苑は思わず身体を強張らせて、息を潜んでモニターの方へ向かう。
紫苑が此処に来て以来、インターフォンが鳴るような事は今迄無かった。
初めてこんなに突き詰められていると思う。
ゆっくりと玄関モニターの画像を見ると、可愛らしい女の子が立っている。
ふわふわとした可愛らしい、今時よく見かけるタイプの女の子。
苺の姿を見てこれは警察ではないなと、確信して紫苑は笑った。
『はい』
モニターから声が響いた瞬間に苺は身体を硬くした。
何故ならその声の主は、女性では無かったからだ。
てっきり此処には女がいる筈だと思っていた苺は、想定外の状態に慌てふためく。
そしておろおろとした様子でモニターに話しかけた。
「あ………え………此処、観音崎さんのおうち、ですよね?」
そう言われた時に紫苑は、その女は玲央に用事があるんだと気付く。
その時に紫苑は考えた。今玲央と一緒に暮らしている家に来れたこの女は、生かしておいて良いのだろうか。
もしかしたら彼女は今、自分の手にある生活を壊してくるかもしれない。
それなら玲央に許可を得る必要もなく、殺してしまっても良いだろう。
ただ、出来たらこんなに珍しいケーキなら、久しぶりに楽しく遊びたい。
『…………はいそうです!兄です!宜しければ中にどうぞ?』
紫苑はそう云いながら微笑み、モニターの電源を切る。そしてゆっくりと玄関の鍵を開けた。
誘うようにドアを開いて、紫苑は苺を招き入れる。
その瞬間に香り立った苺のショートケーキの匂いに、紫苑の瞳孔は開いた。
「………お邪魔します」
ツインテールに赤いリボンの髪飾りを付けた、黒髪の女。
ピンク色のふわふわしたレースワンピースを身に纏い、苺のショートケーキの匂いを漂わせている。
「どうぞ中へ………!!」
紫苑は普段絶対にしない程の笑みを浮かべ、玄関の鍵を厳重に閉める。
彼の背後には苺に致命傷を負わせる為のハンティングナイフが隠されていた。
何も知らない苺は、紫苑に案内されるがままにソファーに腰掛ける。
苺は紫苑の顔を見上げて、綺麗な顔をしていると思った。
けれど何となく、この顔を何処かで見たことがある気がすると苺は思う。
ただそれが誰なのかを全く思い出せないのだ。
「玲央って………こんなイケメンの弟さんいたんですね………」
苺は紫苑をまじまじと見詰めながら、緊張した面持ちで微笑む。
それに対して、紫苑はわざと控えめに微笑んだ。
「………こんな可愛い人にイケメンって誉められるの、嬉しいな」
玲央の家の冷蔵庫に入っている客人用の飲み物をグラスに移し、苺を紫苑は客人としてもてなす。
紫苑は手懐けてから殺害することも、本当は嫌いではない。
最近は大々的に指名手配をされてしまったが故に、こういう囲い込みをしていなかった。
苺が紫苑から受け取った飲み物を、なんの警戒もせずに口にする。
その様を横目で見ながら、掌で踊らせている様な快感を噛み締めた。
玲央が帰ってくる迄の間に、この子は何処まで自分に心を開いてくれるだろうか。
紫苑はゲームをしているような気持ちで、苺のことを引き出し続けた。
玲央が自宅に辿り着いたその時、嗅ぎ覚えのある匂いを感じて血の気が引いた。
どうして今、苺のショートケーキの匂いがドアの前で仄かに香るのだろうか。
不審に思いドアを開けば、普段なら掛けてない鍵が掛かっていて扉が開かない。
玲央はこの時に嫌な予感を頭の中に巡らせた。
二つの鍵を開けてドア開いて中に入れば、ケラケラ笑う声が聞こえる。その声はリビングから響いていた。
ソファーの上には苺と紫苑が向かい合って座り、紫苑がとても親しげな様子で苺の顔を撫でている。
その光景を見た時、玲央の中で何かが壊れた気がした。
紫苑は玲央を見付けて、まるで煽るように苺の唇に唇を重ねる。
紫苑が苺の唇に舌を這わせたその瞬間、言い知れぬ怒りが沸き上がった。
紫苑はそれに気付いているようで、わざとらしく此方に目配せをしてくる。
玲央は静かにドアに手をかけて、リビングへと入っていった。
「何してるの………?」
思わず声が震えるのを感じながら、玲央は紫苑に向かって嘆く。
すると顔面蒼白の苺が、慌てて玲央に歩み寄ろうとした。
「えっ!?玲央!?ちがうのあのね!?!?」
立ち上がった苺の背中目掛けて、紫苑がハンティングナイフを突き刺す。
紫苑は隙を狙っていた。苺の背中にナイフを効率良く刺す為の隙を。
その瞬間苺の目が見開いて、フローリングの床の上に転がった。
「…………何してるって、遊んでたよ?」
紫苑はそう云いながらケラケラ笑い、苺の身体に更にナイフを突き立てた。
苺の悲鳴が響き渡る中で、紫苑は満足そうな笑みを浮かべる。
「玲央ぉ?これ、殺して良かったでしょう?」
苺の血にまみれながら笑う紫苑が、虫の息の苺の上でケラケラ笑う。
まだ苺の眼球が動いているのを玲央は確認して、紫苑の身体を引き寄せた。
「………殺していいけど、キスは嫉妬した………!!」
玲央は紫苑の唇に唇を重ね合わせて、激しく舌を絡ませる。
仄かに香る苺のショートケーキの匂いは、苺と接触をした証だった。
その瞬間に玲央の思考はショートする。
玲央はハンティングナイフを手にしている紫苑の手に手を重ね、冷たい声で囁いた。
「ねぇ紫苑、それ貸して」
今まで聞いたことのない玲央の声色に驚いた紫苑は、ナイフを握る手を緩ませる。
紫苑の手からハンティングナイフを掠め取り、苺の首元目掛けてそれを振り下ろす。
鋭いナイフは細い苺の首を、いとも簡単に切断した。
薄れゆく意識の中で苺はある事を理解する。
その時に苺は玲央の弟を名乗った男が、指名手配の殺人犯だったことにやっと気が付いた。
そして玲央が夢中になっている何者かが誰なのかも。
それは原田紫苑の首元から見えた、Ω専用の首輪が物語っていた。
人間は首を切り落とされても、10秒間意識があると聞いたことがある。
苺の最後の記憶は自分の首を手にして、笑いながら唇を寄せる原田紫苑。
苺はこの光景を見ながら地獄にいると思った。彼女の意識は其処で事切れた。
「苺ちゃん、すっごく可愛かったなぁ。チョロくて楽しかった………」
紫苑はベッドサイドに皿を置き、其処に苺の首を置く。時折サロメの如くに深いキスをする。
さっきから生首を愛で続ける紫苑を横目に、玲央は深く溜め息を吐いた。
「それ、生首になっても憎たらしいんだけど…………」
明らかに不機嫌そうな玲央を横目に、紫苑は苺の生首に話しかける。
まるで子供がぬいぐるみを愛でているかの様だ。
「こんなに可愛いのに、玲央はひどいねぇ?ふふふ………。
それに、初めて玲央と一緒に殺したケーキなんだから、ね?」
紫苑はそう云いながら生首の目の前で脚を開く。
噎せ返るような苺のショートケーキの匂いと、紫苑から薫るフェロモンの匂い。
紫苑の入り口はとても物欲しそうに濡れ、玲央を侵入を待っているようだった。
今まで見た事も無いような表情を浮かべた玲央を見て、紫苑は少しやり過ぎたと感じていた。
常に自分に対して甘い玲央が苦言を言うのを初めて見る。
それにナイフを掠め取られたのは、流石に初めての事だった。
「苺ちゃんにキスしたから、玲央怒ってるんでしょ?
…………見せ付けようよ」
紫苑がそう囁いて蠱惑的に誘い、玲央に手を差し伸べる。
玲央は深い溜め息を吐いて紫苑の身体に身体を重ねた。
何時も通りの表情に戻った玲央は、紫苑の胸に顔を埋める。
「もう、ケーキにキスしないで………」
そう囁いていじける玲央を紫苑は鼻で笑う。
まるで子供の様だと思った瞬間、荒々しく深いキスが落ちてきた。
このキスはまるで苺とのキスを上書きされているようだと紫苑は思う。
何時もより強い力で押さえ付けられながら、諦めた様にそれに応える。
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