上 下
103 / 109
最終章 病める時も健やかなる時も

第三話☆

しおりを挟む
 今夜はどうしてもマリアの肉体を、ちゃんとこの目で見て全て確かめたい。
 マリアの身体を抱くのは一体、何時ぶりだろうかと考える。最後に抱いた日が、遠い過去の出来事の様だ。
 寝室のライトを明るくしたまま、マリアをベッドの上に寝かせ、眼鏡を外してベッドサイドに置く。
 一糸まとわぬマリアに覆いかぶさると、手で懸命に顔を隠そうとする。
 真生はマリアの手に指を絡ませて、ベッドマットレスに押え付けた。
 
 
「…………なんで隠すの??ダメだよ、マリア…………」
「だって…………!!こんな事するの…………!!大分久しぶりですし…………!!」
「…………久しぶりだから、今日は全部見たいんだ……………。マリアの事、全部…………。
綺麗だよ、マリア。世界で一番、綺麗…………」
 
 
 最近の真生は妙にスキンシップが激しい。それに今までだったら絶対に言うはずの無かった、歯の浮くような褒め言葉さえも口にする。
 マリアは戸惑いつつも、それを嬉しく感じていた。
 
 
「…………ご主人様ったら………私、これ以上そんな事云われたら、照れてショートしちゃいますよ…………??」
 
 
 真生はマリアの首筋に顔を埋め、ちゅっ、と音を立て唇を落としてゆく。
 耳を淡く唇で啄ばむと、吐息交じりの声で囁いた。
 
 
「それは困るな…………もっと君に愛してるって、囁くつもりだったから…………」
「…………ふ、ぁっ!?!?」
 
 
 慌てて真生を見たマリアの唇を、奪うかの様にキスを落とす。
 首の後ろに腕を回すと、マリアが真生の背中に腕を回した。
 舌を絡ませるような激しい口付けの最中に、仄かに薫り立つ薔薇と柘榴とハイビスカスの甘い薫り。
 久しぶりにマリアの性器が濡れて溢れているのを、匂いで感じ取れたと真生は思う。
 唇から唇を離すと、舌と舌が絡まった唾液で糸を引く。
 そのまま胸元を掌で包み込むと、マリアは頬を真っ赤に染め上げて顔を叛けた。
 
 
 円を描く様に揉み上げながら、乳首を仄かに唇で吸い上げる。
 マリアは荒く呼吸を乱し、自分の胸に愛撫を施す真生を、空色の虹彩の中に映し出す。
 上半身の愛撫だけで肌を湿らせたマリアは、サーモンピンクの唇を微かに動かしながら、甘ったるい吐息を漏らした。
 
 
「ん…………ごしゅじんさま…………だめ、いとしすぎてこわれそぉ…………」
「…………俺も」
 
 
 マリアの身体へゆっくりと唇を落としながら、白い太腿に手を掛ける。
 優しく脚を開かせると、愛液が滴る性器が曝け出された。
 膣内の粘膜は仄かに何時もより赤くなり、熱を欲してひくついている。
 久しぶりにマリアの淫らな姿を見ていると、真生は感動を覚えていた。
 
 
「あ………や、です…………そんな、そこ、みないで、ぇ…………」
 
 
 マリアは真生の手を制し、自分の性器を手で隠そうとする。
 けれど濡れた膣に指先を這わせた途端、隠そうとするマリアの動きが大人しくなった。
 恥ずかしいよりも、触れて欲しいが勝っている。マリアの膣は自分の熱が欲しくてたまらないのだろう。
 わざと膣を指先で広げる様に動かすと、また膣からトロリと蜜が溢れる。
 陰核も充血し膨れ上がり、刺激を求めて熱を待っていた。
しおりを挟む

処理中です...