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第四章 心変わりは人の世の常

第三話☆

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 家に帰るのと同時に、真生は玄関先でマリアの身体を抱きしめる。
 背後から抱きしめられたマリアは、静かに真生に自分の身体を預けた。
 マリアが着ていた身体のラインのでるTシャツの下から、手を這わせて胸を鷲掴む。
 激しくも丁寧に胸を揉みしだきながら、時折乳首の先端をなぞる。マリアは小さく息を漏らしながら、膝をガクガクと震わせた。
 
 
 真生の方に振り返ったマリアは、キスを強請る様に目を閉じる。
 真生は後ろからマリアの唇に唇を重ね、口内を激しく舌で貪った。
 体温も唾液の湿り気も、舌先の動きもすべて、人と全く変わらない。
 感じれば感じる程身体を湿らせてゆく肌の質感も、人間そのものとしか思えないのだ。
 真生はマリアの事を、アンドロイドとして割り切って考えられない。キスを繰り返しながら、真生は改めてそれを確信した。
 
 
「…………マリア、此処で抱いても良い?今すぐ君が欲しいなんて言ったら、嫌か??」
 
 
 キスの合間にそう囁くと、マリアは頬を上気させる。そして目を涙で潤ませながら、真生の首の後ろに腕を回した。
 
 
「…………嫌じゃない、です…………!!ご主人様がほしい…………!!!」
 
 
 玄関の前のフローリングの床に、二人で転がり天井を仰ぐ。キスをしながら粗雑にショーツを脱がせると、濡れた性器からさっき飲んだハーブティーの香りが漂った。ジャスミンの華やかな香りと、金木犀の甘い薫り。
 真生はまだ慣らしていないマリアの膣口に、自分の陰茎を宛がう。
 するとマリアがそれを誘い入れるかのように、真生の背中に脚を絡ませた。
 
 
「あ…………!!!」
 
 
 何時もより堅い膣口は狭く、内壁も少しだけ硬い気がする。
 それでもマリアの体内は温かく、真生の陰茎の先端を飲み干した。
 後で優しく抱き直したい。今夜は絶対に寝かさない。自分の中にある不安を全部吹き飛ばすまで、こうしてマリアと身体を重ね合わせたい。
 真生はそう思いながら、マリアと激しくキスを繰り返す。乱れた吐息と共に、ちゅっ、という唇と唇が吸い合う音が響いた。
 
 
 真生が腰を揺らすごとに、くちゅっ、と接合部から響く濡れた音が大きくなってゆく。
 それと共にマリアの喘ぎ声と、内壁のうねりが激しくなった。
 
 
「あ、ああ、あぁ…………!!ごしゅじんさま…………すき…………!!」
 
 
 冷たいフローリングの床は硬く、抱き合うだけで身体が痛い。それでも真生はマリアを抱く手を止められなかった。
 マリアの身体を四つん這いにさせて、更に後ろから突き回す。
 腰を何度も何度も揺らし肌と肌をぶつける。
 ぱんぱん、と肌をぶつける音を響かせていると、マリアの内壁がきつく真生のものに絡まった。
 
 
「あ―――――……!!!だめ、だめです………イッちゃう………!!イッちゃうぅ!!!」
「いいよ………イクところ見せて………!!マリアの感じるところ、沢山………!!」
 
 
 床を這うマリアの身体が、絶頂と共にビクンと大きく跳ね上がる。真生はマリアの身体をきつく抱き寄せ、柔らかいプラチナブロンドの髪に顔を埋めた。
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