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第九章
第三話
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死んでしまった人だったなら、子供が生まれているのに番契約を結ばなかったり、責任を取れない理由が解る。
責任を取りたくてもこの世に居ないんだったなら、責任の取り様が無いのだ。
嘉生館への帰りのタクシーに乗り込み、車に揺られながら窓の外を見る。
辺りはとっくの昔に真っ暗になってしまっていて、冬の日は陽が落ちるのが早いと思う。
さっき迄泣いていた大女将は、泣き止んで落ち着いた表情に戻っていた。
「死んだ男に何が出来るんやって、何度も操に話したわ………。それでも操は新しい相手は、作らへんって言い放って。
親のうちでさえ死んだって諦めた男を、操はずっと思ってた………。
荒療治って事は解ってたんや。操をあの家で、アンタに抱かせる事は。悪人扱いはうちが一番慣れとる………」
こんなにしおらしい大女将を、俺は初めて見たと思う。
確かに庭の家での事は、手荒で強引な事ではあった。死んでしまった人だと知ると、納得できる自分が居る。
操さんはずっと「彼の帰りを待っている」と言っていた。
あの人は誠治さんの死を、全く受け入れてなんていない。
「ごめんなさい。俺、ずっと生きてると思ってました………」
俺がそう言いながら項垂れると、大女将は呆れた表情を浮かべる。
「操が隠しとったんやろ………相手がいる事にしておけば、変な虫は付かへん。仕向けた男は皆、それで全滅してなぁ………。
……………でも、アンタとは寝たやろ??それに操から関わっとった。アンタは操にとって特別やと思うわ」
特別。その言葉が俺の中に染み渡る。
俺は操さんに突っぱねられた事は無い。呆れた様に笑われても、突き放された事だけは無かったのだ。
愛するのを赦されていた。心を受け入れて貰えていた。俺の存在は、操さんの中に赦されていたのだ。
「操は誠治から、嘉生館の人間にさせられたせいで、重たいもん背負わされる羽目に陥っとる………。
そのうちのお荷物の一つは、うちや…………。血の繋がらない人間を、親の様に慕う………。
嘉生館と一緒に、誠治の血が繋がったもの全部、守ろうと身を粉にし過ぎや………!!
せやからアンタが、無理矢理にでも操を連れて、逃げてくれたら良いと思った…………!!!」
あの気丈な大女将が、自棄に弱弱しい事を口にしている。
それに大女将が操さんへの想いを口に出すと、重たい位の愛が伝わった。
大女将にとって操さんは、本当の子供と同じように、大事な存在なんだと思う。
この人の愛はとてもとても大きい。そして全うな愛情だった。
「操さんは、大女将をお荷物だなんて思ってません。とても優しくて温かい人で、恩があるって言ってました。
操さんは大女将の事を、心から愛していると思います」
俺がそう言い切ると、大女将は俺を見てまた泣き出しそうな顔をする。
この人は思っていたより弱い人だと、この時に気が付いた。
タクシーは嘉生館ではなく、嘉生荘の前に横付けされた。
嘉生荘の前で俺だけ下ろすと、大女将は何にも言わずにタクシーに乗ったまま去ってゆく。
その表情はまるで操さんを託しているかのようで、胸がきつく締め付けられた。
操さんの部屋を見上げると煌々と灯りが付いている。
俺は吸い寄せられるように、錆びた鉄の階段を登っていた。
操さんの部屋の前に着き、ドアをノックする。恐る恐る開いたドアからは、操さんが顔を出す。
操さんは俺を見るなり、猫のように大きな目を輝かせた。
逢いたくて仕方がなかった俺の思い人が、今俺の目の前にいる。
けれど全てを知ってしまった今は、どんな顔で向かい合えばいいか解らなかった。
「あれ!?虎ちゃんどうしたの!?!?」
そういって明るく振る舞う操さんの背後からは、何時もの騒々しい声が聞こえない。
佐京と侑京の姿が、一切其処には見えないのだ。
「あ………その、偶然通りがかって………」
そう言いながら玄関に入り、靴を脱ぎながら靴箱の上に目をやる。
其処には罵声や卑猥な言葉が、沢山書かれた紙が置いてあった。
凍り付いた俺に対して操さんが無理して笑う。八重歯をみせながら、目を細める何時もの笑顔。
気丈に振る舞う操さんは俺にこう言った。
「あっは♡なんかうちにも奴ら来てさぁ………。すっごいよねぇ………これぇ………
だからぁ、佐京と侑京は今、林さんチ♡初めてのお泊まりー♡」
こんな時に、どうして無理して笑うんだよ。
気が付くと俺は操さんの事を抱き寄せて、ボロボロ涙を流していた。
操さんの方が笑っているというのに、俺が代わりに泣いてしまっている状態だ。
操さんは泣く俺を見て、鈴を転がした様に笑う。
俺に電話を掛けた時、操さんは心底辛かったに違いない。
それが靴箱の上に乗った紙だけで、一瞬にして垣間見ることが出来るのだ。
何も出来ない自分が余りにも無力で、情けなくて辛い。
「虎ちゃんってばぁ!!どうして泣くのぉ??ほら、笑って??ね??」
操さんは俺の顔を玩具みたいに弄りながら、啄ばむだけのキスをする。
ちゃんと今のこの人と、話をしなければいけない。でないとこの人は壊れてしまう。
俺がもう全てを知ってしまっている事を、話さなければいけない。
俺はキスの終わりに、操さんの目を真っ直ぐ見つめた。
「…………誠治さんが亡くなっている事を、さっき知りました」
俺がそう言うと、操さんの顔から笑顔が消える。操さんは目を泳がせて俺の身体から離れた。
「………操さんっ!!!」
俺の腕から逃れようとする操さんの、白魚のような手を掴む。
強引に胸に引き寄せれば、操さんの大きな目から、ボロボロ涙が流れ始めた。
「なんで!?どうして!?!?誰からそんな事を聞きだしたの!?!?」
俺に向かって泣きながら操さんは叫ぶ。俺相手に取り乱す操さんを初めて見た。
暴れる操さんを羽交い絞めるかの様に抱き留めて、一緒に床に転がる。
操さんは崩れ落ち、声にならない泣き声を上げた。
慟哭という言葉を俺は今まで使った事がないが、まさにこの状態の事を言うんだと思う。
泣き崩れた操さんは、無理矢理に笑みを浮かべ、懸命に取り繕おうとする。
俺は観念して操さんに告げた。
「大女将から、さっき聞きました………。彼を探し出せば、この騒動が収まると信じてた………」
俺がそう言うと、操さんは項垂れる。
それから涙を流した儘で、桐箪笥の置いてある部屋へフラフラと歩き始めた。
操さんは文机の上にある、扉の付いた箱に歩み寄る。それを器用に指先で開くと、小さな仏壇が現れた。
大女将によく似た男の写真を取り出した時、その人が誠治さんなんだと理解する。
操さんは泣きはらした顔で、俺に向かってこう言った。
「ごめんね虎ちゃん………。俺ね、この人のお陰で今があるの………。
虎ちゃんと過ごした時間はね、楽しかった………。寂しいって気持ち、見ないで済んだよぉ??
佐京と侑京もあんなに大事にしてくれたの、虎ちゃんだけだったぁ……………」
操さんは取り繕うかの様に、俺に対して懸命に笑う。
まるで別れの直前の様な言葉を並べ、俺に対して辛い時にする笑顔を見せる。
操さんは俺との関係性を終わらせるつもりだと、この時に気付いた。
「…………待って下さい操さん………!!それじゃあ別れの挨拶みたいじゃないですか………!!!」
俺が焦って操さんの身体に手を伸ばすと、その手を叩いて振り払う。
操さんが初めて俺を拒否した。
じわじわと手の甲が痛む。けれど痛いのは何よりも心だ。
操さんからの拒否は、俺の自惚れをぶち壊した。
「だって俺、この人の大切にしていたもの、一人で守らなきゃ………。もう匂いも思い出せない………笑顔も段々思い出せなくなってる………。
このままじゃ俺、嘉生館もあの人の想い出も、全部全部失くしてしまうから…………!!!」
この人の感情はもう、愛じゃなくって執着だ。まるで呪いみたいに染みついている。
俺はこの時の操さんから、命の灯が消える様な不安を感じた。
「嘉生館を背負ってくのは、俺一人だけで良いからぁ………。
誠治さんが何時か、あの世から俺の迎えにくる日迄、ずっと此処で待つ。俺は彼の形見の嘉生館を守る………。
………だからね虎ちゃん、俺は虎ちゃんの気持ちに答えられない。そんな余裕なんかない。
こんなに重たくて大きいもの、他の人には背負わせられない。だから………他の人とは生きれない………。
出て行って………!!此処から…………!!お願いだから…………!!!」
この人は嘉生館と共に、死ぬつもりなんだとこの時に察した。
泣きじゃくる操さんに向かって、俺が伝えられる言葉は一つしかない。
けれど今それを言ったところで、まるで捨て台詞みたいだと思った。
俺は何も言わずに背を向けて、操さんの部屋から出てゆく。錆びた鉄の階段を降りながら、俺は小さく囁いた。
「…………世界で一番、愛してる………」
こんなに大好きなのに、俺はちっぽけでとても弱いから、操さんに何かをしてあげる事さえ出来ない。
俺は自分の無力さに、泣き崩れる事しか出来ないでいた。
責任を取りたくてもこの世に居ないんだったなら、責任の取り様が無いのだ。
嘉生館への帰りのタクシーに乗り込み、車に揺られながら窓の外を見る。
辺りはとっくの昔に真っ暗になってしまっていて、冬の日は陽が落ちるのが早いと思う。
さっき迄泣いていた大女将は、泣き止んで落ち着いた表情に戻っていた。
「死んだ男に何が出来るんやって、何度も操に話したわ………。それでも操は新しい相手は、作らへんって言い放って。
親のうちでさえ死んだって諦めた男を、操はずっと思ってた………。
荒療治って事は解ってたんや。操をあの家で、アンタに抱かせる事は。悪人扱いはうちが一番慣れとる………」
こんなにしおらしい大女将を、俺は初めて見たと思う。
確かに庭の家での事は、手荒で強引な事ではあった。死んでしまった人だと知ると、納得できる自分が居る。
操さんはずっと「彼の帰りを待っている」と言っていた。
あの人は誠治さんの死を、全く受け入れてなんていない。
「ごめんなさい。俺、ずっと生きてると思ってました………」
俺がそう言いながら項垂れると、大女将は呆れた表情を浮かべる。
「操が隠しとったんやろ………相手がいる事にしておけば、変な虫は付かへん。仕向けた男は皆、それで全滅してなぁ………。
……………でも、アンタとは寝たやろ??それに操から関わっとった。アンタは操にとって特別やと思うわ」
特別。その言葉が俺の中に染み渡る。
俺は操さんに突っぱねられた事は無い。呆れた様に笑われても、突き放された事だけは無かったのだ。
愛するのを赦されていた。心を受け入れて貰えていた。俺の存在は、操さんの中に赦されていたのだ。
「操は誠治から、嘉生館の人間にさせられたせいで、重たいもん背負わされる羽目に陥っとる………。
そのうちのお荷物の一つは、うちや…………。血の繋がらない人間を、親の様に慕う………。
嘉生館と一緒に、誠治の血が繋がったもの全部、守ろうと身を粉にし過ぎや………!!
せやからアンタが、無理矢理にでも操を連れて、逃げてくれたら良いと思った…………!!!」
あの気丈な大女将が、自棄に弱弱しい事を口にしている。
それに大女将が操さんへの想いを口に出すと、重たい位の愛が伝わった。
大女将にとって操さんは、本当の子供と同じように、大事な存在なんだと思う。
この人の愛はとてもとても大きい。そして全うな愛情だった。
「操さんは、大女将をお荷物だなんて思ってません。とても優しくて温かい人で、恩があるって言ってました。
操さんは大女将の事を、心から愛していると思います」
俺がそう言い切ると、大女将は俺を見てまた泣き出しそうな顔をする。
この人は思っていたより弱い人だと、この時に気が付いた。
タクシーは嘉生館ではなく、嘉生荘の前に横付けされた。
嘉生荘の前で俺だけ下ろすと、大女将は何にも言わずにタクシーに乗ったまま去ってゆく。
その表情はまるで操さんを託しているかのようで、胸がきつく締め付けられた。
操さんの部屋を見上げると煌々と灯りが付いている。
俺は吸い寄せられるように、錆びた鉄の階段を登っていた。
操さんの部屋の前に着き、ドアをノックする。恐る恐る開いたドアからは、操さんが顔を出す。
操さんは俺を見るなり、猫のように大きな目を輝かせた。
逢いたくて仕方がなかった俺の思い人が、今俺の目の前にいる。
けれど全てを知ってしまった今は、どんな顔で向かい合えばいいか解らなかった。
「あれ!?虎ちゃんどうしたの!?!?」
そういって明るく振る舞う操さんの背後からは、何時もの騒々しい声が聞こえない。
佐京と侑京の姿が、一切其処には見えないのだ。
「あ………その、偶然通りがかって………」
そう言いながら玄関に入り、靴を脱ぎながら靴箱の上に目をやる。
其処には罵声や卑猥な言葉が、沢山書かれた紙が置いてあった。
凍り付いた俺に対して操さんが無理して笑う。八重歯をみせながら、目を細める何時もの笑顔。
気丈に振る舞う操さんは俺にこう言った。
「あっは♡なんかうちにも奴ら来てさぁ………。すっごいよねぇ………これぇ………
だからぁ、佐京と侑京は今、林さんチ♡初めてのお泊まりー♡」
こんな時に、どうして無理して笑うんだよ。
気が付くと俺は操さんの事を抱き寄せて、ボロボロ涙を流していた。
操さんの方が笑っているというのに、俺が代わりに泣いてしまっている状態だ。
操さんは泣く俺を見て、鈴を転がした様に笑う。
俺に電話を掛けた時、操さんは心底辛かったに違いない。
それが靴箱の上に乗った紙だけで、一瞬にして垣間見ることが出来るのだ。
何も出来ない自分が余りにも無力で、情けなくて辛い。
「虎ちゃんってばぁ!!どうして泣くのぉ??ほら、笑って??ね??」
操さんは俺の顔を玩具みたいに弄りながら、啄ばむだけのキスをする。
ちゃんと今のこの人と、話をしなければいけない。でないとこの人は壊れてしまう。
俺がもう全てを知ってしまっている事を、話さなければいけない。
俺はキスの終わりに、操さんの目を真っ直ぐ見つめた。
「…………誠治さんが亡くなっている事を、さっき知りました」
俺がそう言うと、操さんの顔から笑顔が消える。操さんは目を泳がせて俺の身体から離れた。
「………操さんっ!!!」
俺の腕から逃れようとする操さんの、白魚のような手を掴む。
強引に胸に引き寄せれば、操さんの大きな目から、ボロボロ涙が流れ始めた。
「なんで!?どうして!?!?誰からそんな事を聞きだしたの!?!?」
俺に向かって泣きながら操さんは叫ぶ。俺相手に取り乱す操さんを初めて見た。
暴れる操さんを羽交い絞めるかの様に抱き留めて、一緒に床に転がる。
操さんは崩れ落ち、声にならない泣き声を上げた。
慟哭という言葉を俺は今まで使った事がないが、まさにこの状態の事を言うんだと思う。
泣き崩れた操さんは、無理矢理に笑みを浮かべ、懸命に取り繕おうとする。
俺は観念して操さんに告げた。
「大女将から、さっき聞きました………。彼を探し出せば、この騒動が収まると信じてた………」
俺がそう言うと、操さんは項垂れる。
それから涙を流した儘で、桐箪笥の置いてある部屋へフラフラと歩き始めた。
操さんは文机の上にある、扉の付いた箱に歩み寄る。それを器用に指先で開くと、小さな仏壇が現れた。
大女将によく似た男の写真を取り出した時、その人が誠治さんなんだと理解する。
操さんは泣きはらした顔で、俺に向かってこう言った。
「ごめんね虎ちゃん………。俺ね、この人のお陰で今があるの………。
虎ちゃんと過ごした時間はね、楽しかった………。寂しいって気持ち、見ないで済んだよぉ??
佐京と侑京もあんなに大事にしてくれたの、虎ちゃんだけだったぁ……………」
操さんは取り繕うかの様に、俺に対して懸命に笑う。
まるで別れの直前の様な言葉を並べ、俺に対して辛い時にする笑顔を見せる。
操さんは俺との関係性を終わらせるつもりだと、この時に気付いた。
「…………待って下さい操さん………!!それじゃあ別れの挨拶みたいじゃないですか………!!!」
俺が焦って操さんの身体に手を伸ばすと、その手を叩いて振り払う。
操さんが初めて俺を拒否した。
じわじわと手の甲が痛む。けれど痛いのは何よりも心だ。
操さんからの拒否は、俺の自惚れをぶち壊した。
「だって俺、この人の大切にしていたもの、一人で守らなきゃ………。もう匂いも思い出せない………笑顔も段々思い出せなくなってる………。
このままじゃ俺、嘉生館もあの人の想い出も、全部全部失くしてしまうから…………!!!」
この人の感情はもう、愛じゃなくって執着だ。まるで呪いみたいに染みついている。
俺はこの時の操さんから、命の灯が消える様な不安を感じた。
「嘉生館を背負ってくのは、俺一人だけで良いからぁ………。
誠治さんが何時か、あの世から俺の迎えにくる日迄、ずっと此処で待つ。俺は彼の形見の嘉生館を守る………。
………だからね虎ちゃん、俺は虎ちゃんの気持ちに答えられない。そんな余裕なんかない。
こんなに重たくて大きいもの、他の人には背負わせられない。だから………他の人とは生きれない………。
出て行って………!!此処から…………!!お願いだから…………!!!」
この人は嘉生館と共に、死ぬつもりなんだとこの時に察した。
泣きじゃくる操さんに向かって、俺が伝えられる言葉は一つしかない。
けれど今それを言ったところで、まるで捨て台詞みたいだと思った。
俺は何も言わずに背を向けて、操さんの部屋から出てゆく。錆びた鉄の階段を降りながら、俺は小さく囁いた。
「…………世界で一番、愛してる………」
こんなに大好きなのに、俺はちっぽけでとても弱いから、操さんに何かをしてあげる事さえ出来ない。
俺は自分の無力さに、泣き崩れる事しか出来ないでいた。
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