好きと言えない症候群

興梠司

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好きって言えばいいじゃん!!

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僕は小学生の時「たかし君なんできみえにすきって言わないの?」とクラスのみんなから言われていた。
多分両思いだと二人共思っていたから、どっちかが「すき」という二文字を言えれば付き合う事は出来た。
高校生になっても、大学生になっても「好き」という言葉がお互いから出ることはなく、きみえは違う男性と
結婚をし、僕は東京に仕事で行くことになった。

きみえは二年後離婚したことを風の噂で聞いた。僕の気持ちはまだ変わっていなかったので
すぐにでも飛んで行きたかったが、相手からしたら迷惑だろうと思い地元に帰ることはしなかった。
同窓会で帰ろうと思えば帰れたが気まずく帰るのを辞めていた。
同窓会から2ヶ月、僕のポストにめずらしく手紙が入っていた。きみえからだった。

【11月24日東京に行きます。できれば会えませんか?17:00にヒルトンホテルでまってます。】
僕は慌てて時計を見ると17:30でヒルトンホテルまでは30分以上かかる、これがなにかのドラマであれば
エントランスで待ってるのかもしれないがこれはドラマでもなんでもない。
僕はヒルトンホテルまで走り途中でタクシーに乗った。

「まだいてくれ」という気持ちで一杯だった。
タクシーから降りるときみえがタクシーにのる所だった。
「きみえ!!!」
きみえは気づきタクシーを乗るのを辞め僕の方に走り抱きついた。

二人はカフェに入り、2年間の話になり「たかし君のこと忘れられなくて離婚したのよ」ときみえが真面目な顔で
言ったときはコーヒーを吹き出しそうになった。僕達は一回も付き合ったことがないと言ったら嘘にはなる。
3日だけ付き合って「やっぱり友達でいましょう」ときみえが言った。

「私やっぱりたかし君のことが好きみたい」
「今更じゃ遅いかな?」
「遅くなんかないよ」とたかしがキスをした。

初恋が何十年ぶりにかなった瞬間だった。
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