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第6章 共に夢を叶えよう
48.ループを止めるには
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「クロード様、私ずっと考えていたんです。どうやったらループから抜け出せるのかを」
「ん……」
ちょうど紅茶に口をつけていたクロードは、レベッカの言葉に相槌を打ち、ティーカップを置いた。
他にも客がいる人気のカフェだが、窓側の席は少し離れていて、周りにも声は聞こえないだろう。
レベッカは、声をひそめて自分の考えを伝える。
「おそらく、クロード様が心から後悔して、『もう一度やり直したい』と思ったタイミングで過去に戻っている気がするんです。
だから、後悔せず望み通りの道筋を歩めれば、戻ることはないのかなと思いまして」
レベッカが追放令を出されたのを止められなかった。
リリアと無理やり結婚させられた。レベッカが恋敵のユリウスと結婚した。
彼が「やり直したい」と強く感じたから、ループが起こっているのだろうと。
「……俺もそう思う。だが、今後の人生で一度も後悔しない、なんてことはないだろう。
いつまで繰り返すのか、不安でならない」
「そうですわよね…」
レベッカは顎に手を置き、もう一度考える。
「今日のランチはハンバーグじゃなくてラザニアの方が良かったな、みたいな小さな失敗ではループが起きないことを考えると、人生を変える大きな分岐点を間違えなければ良いのかと思いますわ」
陽の光を受け、銀色に輝く髪を耳にかけ、クロードが唇を引き締める。
「そうだな。ここ数ヶ月、舞踏会の前後は、結婚や断罪など大きな分岐点が多かった」
「ええ。でも今回はそれを乗り越えたのですから、一安心しても良いと思うんです」
舞踏会はゲームの中でも大きなイベントなため、さまざまな好感度アップシチュエーションが用意されているから、仕方のないことかもしれない。
「クロード様の、心からの望みはなんなのですか?」
ループを止めるための、大事なことだ。
芯を突く質問をしたからか、クロードは長いまつ毛を揺らし、青い目を細める。
「俺の、望みは……」
何かを考えるかのように視線を宙に向け、クロードは瞬きをしている。
もし……もし、『レベッカと結婚することだ』と言われたらどうしよう。
(彼のループを止める大義名分でもあるし、私も好きになってきているし。もちろんお受けするしかないわよね……!)
膝の上に乗せた手を強く握り、レベッカはクロードの返事を待つ。
しかし、彼が唇を開いて発したのは、予想だにしない言葉だった。
「君が夢を叶えて、毎日笑顔で過ごしていることが、俺の望みだ」
と。
「ん……」
ちょうど紅茶に口をつけていたクロードは、レベッカの言葉に相槌を打ち、ティーカップを置いた。
他にも客がいる人気のカフェだが、窓側の席は少し離れていて、周りにも声は聞こえないだろう。
レベッカは、声をひそめて自分の考えを伝える。
「おそらく、クロード様が心から後悔して、『もう一度やり直したい』と思ったタイミングで過去に戻っている気がするんです。
だから、後悔せず望み通りの道筋を歩めれば、戻ることはないのかなと思いまして」
レベッカが追放令を出されたのを止められなかった。
リリアと無理やり結婚させられた。レベッカが恋敵のユリウスと結婚した。
彼が「やり直したい」と強く感じたから、ループが起こっているのだろうと。
「……俺もそう思う。だが、今後の人生で一度も後悔しない、なんてことはないだろう。
いつまで繰り返すのか、不安でならない」
「そうですわよね…」
レベッカは顎に手を置き、もう一度考える。
「今日のランチはハンバーグじゃなくてラザニアの方が良かったな、みたいな小さな失敗ではループが起きないことを考えると、人生を変える大きな分岐点を間違えなければ良いのかと思いますわ」
陽の光を受け、銀色に輝く髪を耳にかけ、クロードが唇を引き締める。
「そうだな。ここ数ヶ月、舞踏会の前後は、結婚や断罪など大きな分岐点が多かった」
「ええ。でも今回はそれを乗り越えたのですから、一安心しても良いと思うんです」
舞踏会はゲームの中でも大きなイベントなため、さまざまな好感度アップシチュエーションが用意されているから、仕方のないことかもしれない。
「クロード様の、心からの望みはなんなのですか?」
ループを止めるための、大事なことだ。
芯を突く質問をしたからか、クロードは長いまつ毛を揺らし、青い目を細める。
「俺の、望みは……」
何かを考えるかのように視線を宙に向け、クロードは瞬きをしている。
もし……もし、『レベッカと結婚することだ』と言われたらどうしよう。
(彼のループを止める大義名分でもあるし、私も好きになってきているし。もちろんお受けするしかないわよね……!)
膝の上に乗せた手を強く握り、レベッカはクロードの返事を待つ。
しかし、彼が唇を開いて発したのは、予想だにしない言葉だった。
「君が夢を叶えて、毎日笑顔で過ごしていることが、俺の望みだ」
と。
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