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第15話【革命】救国国民統一戦線臨時裁判所は証拠を十分に調査した上で全会一致した最終判決をここに述べる。女王に死刑を宣告する
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砂漠のオアシスを復活させた私達。その直後にダレンが魔王くんを城へ送り返した。
そして、砂漠横断鉄道の終点である小王国の城下町に私達は着いた。魔王国と言うのは小さな国が集まってそのトップに帝王として魔王くんがいるらしい。この小王国では天使教会に対する宗教弾圧があるらしくその調査もある。この国の城で魔王軍の使者と名乗ったら中へすんなり入れてもらえた。私とアズラエルが城へ、ダレンは教会の方へ調査に行った。
「ふーん、マホーショージョと天使ね。マホーショージョ……、魔法少女……。どこかで聞いたような。どこだったかしら」
頬に手を当てて考え込む女王。そんな彼女に天使は言った。
「女王よ。大天使アズラエルの名は聞いたことはないのですか?」
「残念だけど信憑性が不確かな神話のなかでしか聞いたことありませんわ。鳥人さん」
「なるほどそうですか。……ではショックを与えたみたほうが良いですね」
「へ? アズラエル、女王様に何する気?」
「……カグヤ、異界魔法のニトロセルロースを1ポンド分で良いですから女王に向かって唱えてください」
天使は魔法少女たる私に耳うちで王宮爆破を命じた。
「いやいやいや待って。私、魔法少女だから爆弾魔じゃないし、天使って信じてもらえないのが悔しかったからって何もそこまで」
必死になって過激思想を持った友人を止める。
「違います。あの女王は記憶喪失という病気です。カグヤの治癒の魔法で治してください」
「本当? またてきとうに話作っているわけじゃないよね?」
「天使は嘘を言いません。たとえ嘘をついたとしても嘘も方便という教えがあります。人を救うためには天使は嘘をすらつきます」
「一行で矛盾してるんだけど」
疑いの目を天使に向けていると女王も不安げな顔を見せた。
「ね、ねえ? 何か国家転覆を謀る物騒な相談してない?」
「してません。女王よ、あなたは病気です。この天界より力を与えられし爆死の魔法少女カグヤが治します」
「え、衛兵ーっ! 衛兵ーっ!」
「女王様、何を大声を出していらっしゃるのですか。天使様の御前ですよ?」
女騎士の人たちはめんどくさそうに女王を咎めただけだった。
女王を部屋に閉じ込めて爆薬魔法を爆竹スタイルで唱えた。
パンッ! パパンッ! パパッ! パンッ!
激しい破裂音が鳴り響く。数分経ってそれは収まった。
シーン……。
ガチャッ。
「女王様ー。生きてますかー」
「死んだんじゃない?」
部屋の扉を開け女騎士さん達が気遣うもぐったりした女王。まさか、死……?
「うーん……」
良かった生きてた。逮捕、裁判、処刑という単語が浮かんだ。
「私は誰……、ここはどこ……?」
あ、あれ? 間違ったかな? 医療ミスをやらかしてしまったかも知れない。また先程の単語の羅列が蘇る。
「大丈夫です。少し混乱しているだけです」
アズラエルが女王の側による。
「もしや……、死を司る大天使のアズラエル様では……? ああ、お懐かしゅうございます。私です。天使のルシエルです」
「久しぶりですね、ルシエル」
「まさに天に登る気持ちです。これで私は天界に帰れるのですね。今全て思い出しました」
「それは無理です。あなたは戦闘中行方不明扱いで天使隊から除籍されてますよ」
「そんなひどい! 天界はいつからそんな薄情な社会になったんですか。アズラエル様、私はこの通り生きています。天界に帰るためお力を貸してください。ね? ね?」
「通常であれば当然そうします。しかしながら、あなたは天使であるのに人間を迫害し天へ背きました。その罪を償うことを果たさない限り叶いません」
「もー、アズラエル様、悪い冗談はやめてください。私がいつ人間を迫害し天に背いたというのですか? 冗談キツイなー、あははは……、はっ!?」
「そうです。あなたは天使であるのにどういうわけか天使の存在を否定し宗教弾圧を行いました」
「ち、ちが、違うんです! 待ってください! 知らなかっただけなんです! わ、私は悪くありません!」
「アズラエルの知り合い?」
「彼女はルシエルです。天を裏切り地へ墜ちし堕天使」
「堕天使ではありませんよアズラエル様ー。あれ? この方は魔法少女?」
「そうです。人呼んで爆死の魔法少女カグヤです。私は彼女のナビゲーターとしてこの世界へ来たのです」
「う、うん。物騒な二つ名だけど一応治癒魔法の使い手で」
「へぇー、そうなんですか、ご苦労様です。でもどうして? 科学文明が発達した世界で魔法少女された方が世間にアピールできて良かったんじゃないですか? なぜ魔法と奇跡のファンタジー世界で魔法少女なんてやってるんです?」
「えーと、話せば長くなるんだけどね……」
私が複雑な半生を説明しようとしたとき堕天使は何かに気がついた。
「あ!わかりました!ふふふ……。さてはアズラエル様ー、ミスりましたねー? 大天使様でも間違えることがあるのは私にとって心強いです。一緒に女神様へ謝りましょう。大丈夫です。女神様は慈悲深い方なので今回もきっと大目に見てもらえます」
嬉しそうに言うやらかした元天使の女王。
「違います。カグヤは元いた世界で死んだので別世界に転生して魔法少女をやることになっただけです。何も間違っていません」
堕天使と一緒にされるのが嫌なのか反論する大天使。
「でもアズラエル様、この暗黒中世魔法世界では魔法少女というより女魔法使いですよ。爆死の魔女カグヤさんとでも名乗られた方がわかりやすくてファンが多いのでは」
「ルシエル、その話はまた今度にしましょう。人のことよりまずはあなたのことです」
「女王様が天使……?」
「まさか、何かの間違いでは。あの女王様が天使であるはずが……」
うろたえる女騎士さん達。
「まさか!? そんな!? あの弾圧の女王が!? 天使様だと言うのか!?」
一際大きな驚きの声が天井から聞こえてきた。見上げると忍者みたいな人たちがいた。
シュタッ。
天井から床に降り立った3人の忍者っぽい人。
「あら? うちの女王様を亡き者にしようとついに暗殺者が派遣されてきたのね」
「いやーっ! 殺さないでください! 反省してますからーっ! 助けてアズラエル様! 私まだ死にたくない!」
堕天使ルシエルが仲間になった。
そして、砂漠横断鉄道の終点である小王国の城下町に私達は着いた。魔王国と言うのは小さな国が集まってそのトップに帝王として魔王くんがいるらしい。この小王国では天使教会に対する宗教弾圧があるらしくその調査もある。この国の城で魔王軍の使者と名乗ったら中へすんなり入れてもらえた。私とアズラエルが城へ、ダレンは教会の方へ調査に行った。
「ふーん、マホーショージョと天使ね。マホーショージョ……、魔法少女……。どこかで聞いたような。どこだったかしら」
頬に手を当てて考え込む女王。そんな彼女に天使は言った。
「女王よ。大天使アズラエルの名は聞いたことはないのですか?」
「残念だけど信憑性が不確かな神話のなかでしか聞いたことありませんわ。鳥人さん」
「なるほどそうですか。……ではショックを与えたみたほうが良いですね」
「へ? アズラエル、女王様に何する気?」
「……カグヤ、異界魔法のニトロセルロースを1ポンド分で良いですから女王に向かって唱えてください」
天使は魔法少女たる私に耳うちで王宮爆破を命じた。
「いやいやいや待って。私、魔法少女だから爆弾魔じゃないし、天使って信じてもらえないのが悔しかったからって何もそこまで」
必死になって過激思想を持った友人を止める。
「違います。あの女王は記憶喪失という病気です。カグヤの治癒の魔法で治してください」
「本当? またてきとうに話作っているわけじゃないよね?」
「天使は嘘を言いません。たとえ嘘をついたとしても嘘も方便という教えがあります。人を救うためには天使は嘘をすらつきます」
「一行で矛盾してるんだけど」
疑いの目を天使に向けていると女王も不安げな顔を見せた。
「ね、ねえ? 何か国家転覆を謀る物騒な相談してない?」
「してません。女王よ、あなたは病気です。この天界より力を与えられし爆死の魔法少女カグヤが治します」
「え、衛兵ーっ! 衛兵ーっ!」
「女王様、何を大声を出していらっしゃるのですか。天使様の御前ですよ?」
女騎士の人たちはめんどくさそうに女王を咎めただけだった。
女王を部屋に閉じ込めて爆薬魔法を爆竹スタイルで唱えた。
パンッ! パパンッ! パパッ! パンッ!
激しい破裂音が鳴り響く。数分経ってそれは収まった。
シーン……。
ガチャッ。
「女王様ー。生きてますかー」
「死んだんじゃない?」
部屋の扉を開け女騎士さん達が気遣うもぐったりした女王。まさか、死……?
「うーん……」
良かった生きてた。逮捕、裁判、処刑という単語が浮かんだ。
「私は誰……、ここはどこ……?」
あ、あれ? 間違ったかな? 医療ミスをやらかしてしまったかも知れない。また先程の単語の羅列が蘇る。
「大丈夫です。少し混乱しているだけです」
アズラエルが女王の側による。
「もしや……、死を司る大天使のアズラエル様では……? ああ、お懐かしゅうございます。私です。天使のルシエルです」
「久しぶりですね、ルシエル」
「まさに天に登る気持ちです。これで私は天界に帰れるのですね。今全て思い出しました」
「それは無理です。あなたは戦闘中行方不明扱いで天使隊から除籍されてますよ」
「そんなひどい! 天界はいつからそんな薄情な社会になったんですか。アズラエル様、私はこの通り生きています。天界に帰るためお力を貸してください。ね? ね?」
「通常であれば当然そうします。しかしながら、あなたは天使であるのに人間を迫害し天へ背きました。その罪を償うことを果たさない限り叶いません」
「もー、アズラエル様、悪い冗談はやめてください。私がいつ人間を迫害し天に背いたというのですか? 冗談キツイなー、あははは……、はっ!?」
「そうです。あなたは天使であるのにどういうわけか天使の存在を否定し宗教弾圧を行いました」
「ち、ちが、違うんです! 待ってください! 知らなかっただけなんです! わ、私は悪くありません!」
「アズラエルの知り合い?」
「彼女はルシエルです。天を裏切り地へ墜ちし堕天使」
「堕天使ではありませんよアズラエル様ー。あれ? この方は魔法少女?」
「そうです。人呼んで爆死の魔法少女カグヤです。私は彼女のナビゲーターとしてこの世界へ来たのです」
「う、うん。物騒な二つ名だけど一応治癒魔法の使い手で」
「へぇー、そうなんですか、ご苦労様です。でもどうして? 科学文明が発達した世界で魔法少女された方が世間にアピールできて良かったんじゃないですか? なぜ魔法と奇跡のファンタジー世界で魔法少女なんてやってるんです?」
「えーと、話せば長くなるんだけどね……」
私が複雑な半生を説明しようとしたとき堕天使は何かに気がついた。
「あ!わかりました!ふふふ……。さてはアズラエル様ー、ミスりましたねー? 大天使様でも間違えることがあるのは私にとって心強いです。一緒に女神様へ謝りましょう。大丈夫です。女神様は慈悲深い方なので今回もきっと大目に見てもらえます」
嬉しそうに言うやらかした元天使の女王。
「違います。カグヤは元いた世界で死んだので別世界に転生して魔法少女をやることになっただけです。何も間違っていません」
堕天使と一緒にされるのが嫌なのか反論する大天使。
「でもアズラエル様、この暗黒中世魔法世界では魔法少女というより女魔法使いですよ。爆死の魔女カグヤさんとでも名乗られた方がわかりやすくてファンが多いのでは」
「ルシエル、その話はまた今度にしましょう。人のことよりまずはあなたのことです」
「女王様が天使……?」
「まさか、何かの間違いでは。あの女王様が天使であるはずが……」
うろたえる女騎士さん達。
「まさか!? そんな!? あの弾圧の女王が!? 天使様だと言うのか!?」
一際大きな驚きの声が天井から聞こえてきた。見上げると忍者みたいな人たちがいた。
シュタッ。
天井から床に降り立った3人の忍者っぽい人。
「あら? うちの女王様を亡き者にしようとついに暗殺者が派遣されてきたのね」
「いやーっ! 殺さないでください! 反省してますからーっ! 助けてアズラエル様! 私まだ死にたくない!」
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