2 / 19
第2話【急募】世界を救ってくれる魔法少女。どうする?応募する?
しおりを挟む
「『†ヘル天使†』とは遊戯における仮の名、私の真の姿は天使のアズラエルです」
鳥人間かと思ったが私の友達は天使だったらしい。
「天使さんって本当にいたんだ! えっと握手しても良いですか?」
「ええ、どうぞ」
天使さんって冷え性かな。手が冷たい。
「そっかー。私天国に行けるんだ。何もしてない人生だったのに」
「何もしてないなんてことはありませんよ、輝夜さん。あなたは病気にめげずいつも笑い、多くの人を笑顔にしました。この私もその一人です」
ヘル天使さん、いや、アズラエルさんはさっきから無表情だけど本当に笑顔になったのかな。天使さんって人間と違って感情が薄いのかも知れない。
「天国ってどういうところなの?」
「苦しみも悲しみもお腹のすくこともないところです」
「スマホは持っていける?」
「残念ながら」
がーんだな。天国って意外と暇そう。
「ん? アズラエルさんは天使なのにどうやってあの着せ替えゲームプレイしてたの?」
「まあ、それは置いといて。輝夜さん何か叶えてほしい願いはありませんか?可能な限り叶えますよ。なので私が輝夜さんと生前会ってたことは二人だけのトップシークレットにしてください」
「い、いや、アズラエルさん。別に脅してるつもりはないから誤解しないで。もし、本当はゲームプレイ禁止なら黙っておくからさ」
「わかってます。遠慮しないでください。限定アイテムを喜捨した聖女の輝夜さんへ個人的にお礼がしたいのです」
それなら気になってた願いについて聞いてみよう。最近の世間の流行りに乗りたい。
「異世界転生がしたいです。世界を救ってみたい志望です」
「異世界転生ですか? はっきり申し上げますが過酷ですよ。あなたの世界に伝わる神話や昔話の勇者に憧れた屈強な男性が意気揚々と異世界へ転生したが、こんなはずではなかったと重いホームシックになり、モンスターがいない平和な故郷へ帰りたいと天へ泣いて懇願するので私達も対応に苦慮してます。悪いことは言いません。考えを改めた方が良いと思います」
期待とは真逆に異世界転生の現実を教えられた。
「そうなんだ……。現実は結構シビアなんだ……」
「他に願いはありませんか?」
「それなら、地球で世界を救ってみたいなーっと。えっと……、ま、魔法少女ってなれます?」
魔法少女だなんて異世界転生より恥ずかしい。だが思い切って言ってしまった。
「魔法少女は生きている方のみがなれます。輝夜さんはすでに死亡されてますので残念ながら。もし生前にお会いできれば魔法少女担当天使を紹介したのですか。至らず申し訳ありません」
うーん残念と心の中でちょっと落ち込む。あっ、魔法少女担当の天使さんもいるんだ。
「大丈夫大丈夫、ちょっと言ってみただけだから。気にしないで。それに不健康な一生だったから激しい運動は無理だったし。アハハ」
「……ではこうしましょうか。異世界で魔法少女に転生するのは許容できますか?」
私に気を使って天使のアズラエルさんは別案を提案してくれた。
「えっ? そういうことできるの?」
「はい。条件に該当する転生先を探しましょう」
「お願いします!」
夢が同時に叶いそう。言ってみるもんだ。
天使さんはどこからか白い電話を取り出した。ボタンが無くて横にハンドルが付いてる珍しいタイプ。それを天使さんが回す。しばらくするとジリリリと鳴り受話器を取った。
「もしもし、大天使のアズラエルですが、転生管理局に繋いでください」
「私です。実は異世界に転生して魔法少女がしたいという聖女の方がいまして。ええ、そうです。聖女です」
私のこと聖女だって。なんかくすぐったい。
「はい、はい、え……、魔法少女だと検索結果0ですか? それであれば、古い用語の魔女っ子で検索してみてください。それでも0?」
検索が難航してるらしい。
「では、女魔法使いor魔女で検索してみてください、向こうの業界用語です。どうですか? ああ、1件ありましたか? 羊皮紙で印刷して送ってください。至急でお願いします」
どうやら見つかったらしい。良かったー。……少し魔法少女から外れている気もしたけど。うん、大丈夫、きっと。
「ありましたよ。魔法少女を求めてる異世界の住人の願いが」
【願No.9001 世界が滅亡の危機。王と教会が異次元の魔女を召喚。アットホームなパーティ。世界を救う簡単なお仕事です】
「へぇー。アルバイトの募集みたい。身体が弱くてアルバイトなんてしたことなかったから貴重な体験になりそう。アズラエルさん、ここで魔法少女やりたいです!」
「そうですか、さっそく手続きをします。よろしいですか? 後悔しませんね?」
「う、うん、でも魔法の使い方とか誰に教われば良いのかな?言葉って通じる?」
「ああ、そういったことは私が責任持って全てサポートしますのでご安心ください。魔法少女には水先案内人であるナビゲーターか必要です」
「アズラエルさんも一緒に来てくれるの?」
「もちろんです。では、これを背負ってください。将来的に飛ぶ魔法も習得できることでしょう」
天使はリュックサックのようなものを私に差し出した。
鳥人間かと思ったが私の友達は天使だったらしい。
「天使さんって本当にいたんだ! えっと握手しても良いですか?」
「ええ、どうぞ」
天使さんって冷え性かな。手が冷たい。
「そっかー。私天国に行けるんだ。何もしてない人生だったのに」
「何もしてないなんてことはありませんよ、輝夜さん。あなたは病気にめげずいつも笑い、多くの人を笑顔にしました。この私もその一人です」
ヘル天使さん、いや、アズラエルさんはさっきから無表情だけど本当に笑顔になったのかな。天使さんって人間と違って感情が薄いのかも知れない。
「天国ってどういうところなの?」
「苦しみも悲しみもお腹のすくこともないところです」
「スマホは持っていける?」
「残念ながら」
がーんだな。天国って意外と暇そう。
「ん? アズラエルさんは天使なのにどうやってあの着せ替えゲームプレイしてたの?」
「まあ、それは置いといて。輝夜さん何か叶えてほしい願いはありませんか?可能な限り叶えますよ。なので私が輝夜さんと生前会ってたことは二人だけのトップシークレットにしてください」
「い、いや、アズラエルさん。別に脅してるつもりはないから誤解しないで。もし、本当はゲームプレイ禁止なら黙っておくからさ」
「わかってます。遠慮しないでください。限定アイテムを喜捨した聖女の輝夜さんへ個人的にお礼がしたいのです」
それなら気になってた願いについて聞いてみよう。最近の世間の流行りに乗りたい。
「異世界転生がしたいです。世界を救ってみたい志望です」
「異世界転生ですか? はっきり申し上げますが過酷ですよ。あなたの世界に伝わる神話や昔話の勇者に憧れた屈強な男性が意気揚々と異世界へ転生したが、こんなはずではなかったと重いホームシックになり、モンスターがいない平和な故郷へ帰りたいと天へ泣いて懇願するので私達も対応に苦慮してます。悪いことは言いません。考えを改めた方が良いと思います」
期待とは真逆に異世界転生の現実を教えられた。
「そうなんだ……。現実は結構シビアなんだ……」
「他に願いはありませんか?」
「それなら、地球で世界を救ってみたいなーっと。えっと……、ま、魔法少女ってなれます?」
魔法少女だなんて異世界転生より恥ずかしい。だが思い切って言ってしまった。
「魔法少女は生きている方のみがなれます。輝夜さんはすでに死亡されてますので残念ながら。もし生前にお会いできれば魔法少女担当天使を紹介したのですか。至らず申し訳ありません」
うーん残念と心の中でちょっと落ち込む。あっ、魔法少女担当の天使さんもいるんだ。
「大丈夫大丈夫、ちょっと言ってみただけだから。気にしないで。それに不健康な一生だったから激しい運動は無理だったし。アハハ」
「……ではこうしましょうか。異世界で魔法少女に転生するのは許容できますか?」
私に気を使って天使のアズラエルさんは別案を提案してくれた。
「えっ? そういうことできるの?」
「はい。条件に該当する転生先を探しましょう」
「お願いします!」
夢が同時に叶いそう。言ってみるもんだ。
天使さんはどこからか白い電話を取り出した。ボタンが無くて横にハンドルが付いてる珍しいタイプ。それを天使さんが回す。しばらくするとジリリリと鳴り受話器を取った。
「もしもし、大天使のアズラエルですが、転生管理局に繋いでください」
「私です。実は異世界に転生して魔法少女がしたいという聖女の方がいまして。ええ、そうです。聖女です」
私のこと聖女だって。なんかくすぐったい。
「はい、はい、え……、魔法少女だと検索結果0ですか? それであれば、古い用語の魔女っ子で検索してみてください。それでも0?」
検索が難航してるらしい。
「では、女魔法使いor魔女で検索してみてください、向こうの業界用語です。どうですか? ああ、1件ありましたか? 羊皮紙で印刷して送ってください。至急でお願いします」
どうやら見つかったらしい。良かったー。……少し魔法少女から外れている気もしたけど。うん、大丈夫、きっと。
「ありましたよ。魔法少女を求めてる異世界の住人の願いが」
【願No.9001 世界が滅亡の危機。王と教会が異次元の魔女を召喚。アットホームなパーティ。世界を救う簡単なお仕事です】
「へぇー。アルバイトの募集みたい。身体が弱くてアルバイトなんてしたことなかったから貴重な体験になりそう。アズラエルさん、ここで魔法少女やりたいです!」
「そうですか、さっそく手続きをします。よろしいですか? 後悔しませんね?」
「う、うん、でも魔法の使い方とか誰に教われば良いのかな?言葉って通じる?」
「ああ、そういったことは私が責任持って全てサポートしますのでご安心ください。魔法少女には水先案内人であるナビゲーターか必要です」
「アズラエルさんも一緒に来てくれるの?」
「もちろんです。では、これを背負ってください。将来的に飛ぶ魔法も習得できることでしょう」
天使はリュックサックのようなものを私に差し出した。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説


【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり


【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

〈完結〉毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる