盲目でも異世界転移出来るってよ

十六夜月

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1章 異世界に来たってよ

1話 異世界だってよ

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 気が付いたら知らない場所にいました。

 光が収まったと思ったら知らない場所にいたよ。しかも目の前には金髪青目の姫様っぽい超絶美少女と大勢の騎士っぽい人達がいる。

 …あぁ、あれか。異世界転移ってやつだ。

 ネットでちょっと見た事がある。確か、平凡な学生が異世界に来て最強になるお話だっけ。

 集団拉致の可能性もあるけど、私は気絶したり眠ったりしていないから可能性は低いかな。

 「ようこそ来てくださいました。異世界の勇者様‼︎」
 
 色々と考えていると、姫様っぽい美少女がそう話しかけてきた。

 クラスメイト達は、

 「は?どういう事だ?」
 「貴女は何言っているの?意味不明なんだけど」
 「ウヒョー‼︎リアル姫キターー‼︎」

 と言っていた。

 「私はこのルミアール王国の第一王女、メアリー=ルミアールと申します。詳しい説明は私の父である国王自ら説明しますので、今から国王に会って頂きます」

 姫様は軽くお辞儀をして説明する。
 なんか姫様っぽいと思っていたら、この人本当に姫様だったよ。
 ここでは説明してくれないんだね。 
 まあとりあえず言う事を聞いた方が良さそうだね。そうしないと話が進まないし。

 
 王女様と騎士達に連れられて来たのは、謁見の間と呼ばれるところで、正面の椅子に座ってるのが多分国王。白髪で髭が生えている。

 真ん中にレッドカーペットが敷かれていて、その左右には貴族らしき派手な格好をしている人々がいて、私達を何か期待する様な目で見てくる。

 私達はレッドカーペットの上を進み、国王の前まで行く。

 「ようこそ異世界の勇者よ。儂はこのルミアール王国の国王、エグリクト=ルミアールである」

 そう言って色々な説明をしてくれた。纏めると、

 ・此処は私達がいた世界ではない

 ・此処は魔法や色々な種族が存在する世界

 ・平和だったが、この世界に魔王と名乗る者が現れた

 ・魔王は強力で、魔族や魔物を従えて他の種族を滅ぼそうとしている

 ・過去にも魔王は現れたが、異世界から勇者を召喚し、魔王を倒した

 ・なので今回も異世界から勇者を召喚した

 ・そして召喚されたのが私達

 ・召喚された人は強力な力を持っている

 ・衣食住や武器、防具はこちらで用意するので訓練をして魔王やその配下である魔族と魔物を倒して欲しい

 との事。その後に質問タイムがあった。こちらも纏めると、

 Q戦いたくない人はどうすればいい?

 A城に住んでいても構わない


 Q元の世界に帰れるのか?

 A今は帰れない。帰る為には魔王が知っている帰還の魔方陣を使えば帰れる


 特に元の世界に帰れないと言われた時はクラスメイト達が

 「巫山戯るな!」
 「早く家に帰してよ‼︎」

とか言っていたけど、国王の隣にいた王女が、

 「どうか、魔王を倒してください!このままでは私達は死んでしまいます。魔王を倒せるのは勇者様しかいないのです!どうかお願いします‼︎」

 と、涙を浮かべながら言ってきて、それから天河君が

 「魔王を倒せるのは僕等しかいないんだ!このままではこの世界は魔王に支配されてしまう!それに、魔王を倒さないと元の世界に帰れないんだよ?さっき僕等には強力な力を持っていると言われたんだ!皆んなで魔王を倒そう‼︎」

 というとても長ったらしい演説をしたら、ほとんどの人が「魔王を倒そう!」という気持ちになっていた。

 私は魔王討伐に参加しないからね。だって信用出来ないんだもん。
  何故魔王が帰還の魔方陣を持っているんだ?普通だったら召喚の魔法陣とセットであるだろう。
 後、魔王倒しちゃダメだろ。帰還の魔方陣の事を吐かせられない。
 まあ私は元の世界に親族や親しい人なんかいないし、帰らなくてもいい。というか、もし帰れる様になったとしてもこの世界に留まると思う。


 ただ私が不思議に思ったのは、王女がお願いしている時に王女の目がピンク色になっていた事だ。そして目のところにあの召喚された魔方陣と同じ“モノ”があった。
 魔方陣と違うところは、虹色に輝いていたのではなく、ピンク色に輝いていた。

 これが何だかわからないけど、王女が何かやったって事は明白。
 私の予想だと、これはファンタジーによくある魔力とかそういうものだと思う。多分だけど。

 今どれだけ考えても仕方がないし、気に留めておく事にしよう。

 
 
 
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