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1章 異世界に来たってよ
7話 情報収集は無理だってよ
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私は鍛冶場を出て訓練場に向かう。
因みに作った武器達は鍛治場にあった木箱になるべく綺麗に入れて自分の部屋に隠しておいた。なんかメイドさんに渡すと取られて国の為に使われそうで嫌だった。
リライアス…ライアの話じゃお偉いさんはクズらしいしね。ライアの話が嘘の可能性もあるけど。
さて、訓練場では騎士団らしき人が訓練していた。
他にもちょくちょくクラスメイトも訓練している。
私は人が少なく空いているところで訓練をし始めた。
まずは【刀術】から試してみよう。先ほどメイドから受け取った木刀を振ってみる。
一度木刀を振ってみると、なんと無く刀の使い方が分かった。
それからは、縦、横、斜めに木刀をまるで目に見えない何かを切るかの様に振っていく。
‘もっと綺麗に’
‘もっと素早く’
‘もっとキレがある様に’
その様に自分に課題を出して、ひたすらその課題をクリアしていった。
◇◆◇
《スキル【刀術】がLvアップしました》
《Lvアップに伴い、【チャージ】が使用可能になりました》
《スキル【刀術】がLvアップしました》
《Lvアップに伴い、【飛斬】が使用可能になりました》
《スキル【刀術】がLvアップしました》
《Lvアップに伴い、【居合】が使用可能になりました》
「ふぅ、疲れた~」
あれから1時間もの間、私は木刀をひたすら振っていた。
現在【刀術】のLvは4。新しく増えた能力はこちら!
ーーーーーーーーーー
Lv2 【チャージ】 力を溜めておき、その後強
力な一撃を放つ技。
Lv3 【飛斬】 魔力を消費して斬撃を飛ばす
技。
Lv4 【居合】 居合斬りが可能になる技。鞘に
刀を入れなければ発動しない。
ーーーーーーーーーー
いやぁ【鍛治】と言い、【刀術】と言い、Lvがサクサク上がり過ぎじゃないか?これが称号やら加護やらのおかげなのかな。
もちろん試させて頂きました!【居合】は流石に木刀じゃできなかったけどね。その影響で床や近くの壁には斬撃の跡が…
…ま、まぁそれは置いておいて、現在時刻が五時。夕焼けも見えてくるけど微妙に時間が空いている。
メイドに何か時間が潰せる場所はないか聞いたら、書庫に行ったらどうかと言われ、場所も教えてもらった。
◇◆◇◆◇
はい、書庫に着きました!訓練場から歩いて五分ほど。道中宝物庫がちらっと見えたりした。
書庫には壁一面が本棚になっており、本の整理をしていたメイドに聞くと1万からは数えていないそう。「こんなに本があるんですから、持ち帰ってもOKですよ!」と言われた。警備大丈夫なのかと思うけどヤバい本は別で厳重に保管されているらしい。
書庫で本を読む人は少なく、才賀君くらいしか見当たらない。他の人はスキルを試しているか部屋でガクブルしてるらしい。
さて、なんの本読むかな~
って、文字読めない!なんで!
…そういえば異世界人の詳細説明に『言葉がわかる』としか書かれていなかった様な、あれって文字はわからないのか?
上等じゃねぇか!自力で覚えてやるよ!
◇◆◇◆◇
覚えられるわけないじゃないですかやだー!
ただでさえ日本語もぼんやりとしか文字が認識できず、中学でやっと英語と日本語両方慣れてきたって言うのに、新しい言語だなんて無理じゃないですか!
私は開いていた植物図鑑に突っ伏し、ギブアップしていた。
しかも植物の違いとか、同じくぼんやりとしか認識できないのにどうしろと?
「……………苦労している様だな」
突然、才賀君が私に話しかけてくる。
顔を上げなくてもわかる。そもそも普段から目の前真っ暗だからね!音には敏感な方だよ?
まあ流石に顔を上げるけど。
「文字が読めないのか?」
「……はい、言葉はわかりますが文字を読む能力は無い様ですので。そちらは読める様ですが?」
さっきまで才賀君は読書をしていたから、文字が読める事は間違いないだろう。
言い忘れていたが、私は今までぼっちだったからか、接し方が分からずつい丁寧な口調になる。脳内ではこんなにはっちゃけてるのにね。
「このスキルとやらのおかげでな。にわかに信じられんが、実際にある以上受け入れるしかあるまい」
「そうですか。それは羨ましい事で。私はこの通り頭はいい方ではありませんからね」
「…だったら、翻訳書を作ったんだが、使うか?」
おおっと、これは予想外の言葉。
万年ぼっちの私がクラスメイトから物を借りるだなんて、何年ぶりか?
「失礼ながら、私に親しい人はいないと自負しているのですが、どういう風の吹きまわしで?」
「ただ馬鹿な事をして欲しくないだけだ。それでうっかり詐欺に巻き込まれたら目も当てられん。そうなると勇者として活動する俺にも被害が出てしまうかもしれないからな」
…おや?なぜか勇者として活動する気満々な様だが。
「…これから勇者として活動するのですか?」
「するも何も、それしか道はないだろう。あの天河が了承してしまったからな」
「なら、抜け出せばいいじゃないですか」
「そこまでする得が見当たらない」
……何かおかしい。才賀君ならこの王国に搾取される可能性もわかる筈。
ライアも才賀君が出て行くと言っていたし。
もしかして…………ビンゴ。
才賀君にうっすらと召喚された時に姫様の目の辺りにあったピンクの魔力が漂っている。多分魅了とか洗脳とか、そんな感じだろう。
「……翻訳書、有り難くお借りしますね」
「いや、別に返さなくても………」
「では一つ、お礼としてある事を教えましょうか」
「……なんだ?」
「あなた、魔法をかけられていますよ?」
「………は?」
「あとおまけでアドバイスを。早く城…いや、この国を出る事をお勧めします」
……彼ならこれでわかってくれるだろう。私と違って天才だから。
私は言葉を告げるなり手元の図鑑と翻訳書を持って書庫を出て行く。
才賀君の返事は待たなかった。
因みに作った武器達は鍛治場にあった木箱になるべく綺麗に入れて自分の部屋に隠しておいた。なんかメイドさんに渡すと取られて国の為に使われそうで嫌だった。
リライアス…ライアの話じゃお偉いさんはクズらしいしね。ライアの話が嘘の可能性もあるけど。
さて、訓練場では騎士団らしき人が訓練していた。
他にもちょくちょくクラスメイトも訓練している。
私は人が少なく空いているところで訓練をし始めた。
まずは【刀術】から試してみよう。先ほどメイドから受け取った木刀を振ってみる。
一度木刀を振ってみると、なんと無く刀の使い方が分かった。
それからは、縦、横、斜めに木刀をまるで目に見えない何かを切るかの様に振っていく。
‘もっと綺麗に’
‘もっと素早く’
‘もっとキレがある様に’
その様に自分に課題を出して、ひたすらその課題をクリアしていった。
◇◆◇
《スキル【刀術】がLvアップしました》
《Lvアップに伴い、【チャージ】が使用可能になりました》
《スキル【刀術】がLvアップしました》
《Lvアップに伴い、【飛斬】が使用可能になりました》
《スキル【刀術】がLvアップしました》
《Lvアップに伴い、【居合】が使用可能になりました》
「ふぅ、疲れた~」
あれから1時間もの間、私は木刀をひたすら振っていた。
現在【刀術】のLvは4。新しく増えた能力はこちら!
ーーーーーーーーーー
Lv2 【チャージ】 力を溜めておき、その後強
力な一撃を放つ技。
Lv3 【飛斬】 魔力を消費して斬撃を飛ばす
技。
Lv4 【居合】 居合斬りが可能になる技。鞘に
刀を入れなければ発動しない。
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いやぁ【鍛治】と言い、【刀術】と言い、Lvがサクサク上がり過ぎじゃないか?これが称号やら加護やらのおかげなのかな。
もちろん試させて頂きました!【居合】は流石に木刀じゃできなかったけどね。その影響で床や近くの壁には斬撃の跡が…
…ま、まぁそれは置いておいて、現在時刻が五時。夕焼けも見えてくるけど微妙に時間が空いている。
メイドに何か時間が潰せる場所はないか聞いたら、書庫に行ったらどうかと言われ、場所も教えてもらった。
◇◆◇◆◇
はい、書庫に着きました!訓練場から歩いて五分ほど。道中宝物庫がちらっと見えたりした。
書庫には壁一面が本棚になっており、本の整理をしていたメイドに聞くと1万からは数えていないそう。「こんなに本があるんですから、持ち帰ってもOKですよ!」と言われた。警備大丈夫なのかと思うけどヤバい本は別で厳重に保管されているらしい。
書庫で本を読む人は少なく、才賀君くらいしか見当たらない。他の人はスキルを試しているか部屋でガクブルしてるらしい。
さて、なんの本読むかな~
って、文字読めない!なんで!
…そういえば異世界人の詳細説明に『言葉がわかる』としか書かれていなかった様な、あれって文字はわからないのか?
上等じゃねぇか!自力で覚えてやるよ!
◇◆◇◆◇
覚えられるわけないじゃないですかやだー!
ただでさえ日本語もぼんやりとしか文字が認識できず、中学でやっと英語と日本語両方慣れてきたって言うのに、新しい言語だなんて無理じゃないですか!
私は開いていた植物図鑑に突っ伏し、ギブアップしていた。
しかも植物の違いとか、同じくぼんやりとしか認識できないのにどうしろと?
「……………苦労している様だな」
突然、才賀君が私に話しかけてくる。
顔を上げなくてもわかる。そもそも普段から目の前真っ暗だからね!音には敏感な方だよ?
まあ流石に顔を上げるけど。
「文字が読めないのか?」
「……はい、言葉はわかりますが文字を読む能力は無い様ですので。そちらは読める様ですが?」
さっきまで才賀君は読書をしていたから、文字が読める事は間違いないだろう。
言い忘れていたが、私は今までぼっちだったからか、接し方が分からずつい丁寧な口調になる。脳内ではこんなにはっちゃけてるのにね。
「このスキルとやらのおかげでな。にわかに信じられんが、実際にある以上受け入れるしかあるまい」
「そうですか。それは羨ましい事で。私はこの通り頭はいい方ではありませんからね」
「…だったら、翻訳書を作ったんだが、使うか?」
おおっと、これは予想外の言葉。
万年ぼっちの私がクラスメイトから物を借りるだなんて、何年ぶりか?
「失礼ながら、私に親しい人はいないと自負しているのですが、どういう風の吹きまわしで?」
「ただ馬鹿な事をして欲しくないだけだ。それでうっかり詐欺に巻き込まれたら目も当てられん。そうなると勇者として活動する俺にも被害が出てしまうかもしれないからな」
…おや?なぜか勇者として活動する気満々な様だが。
「…これから勇者として活動するのですか?」
「するも何も、それしか道はないだろう。あの天河が了承してしまったからな」
「なら、抜け出せばいいじゃないですか」
「そこまでする得が見当たらない」
……何かおかしい。才賀君ならこの王国に搾取される可能性もわかる筈。
ライアも才賀君が出て行くと言っていたし。
もしかして…………ビンゴ。
才賀君にうっすらと召喚された時に姫様の目の辺りにあったピンクの魔力が漂っている。多分魅了とか洗脳とか、そんな感じだろう。
「……翻訳書、有り難くお借りしますね」
「いや、別に返さなくても………」
「では一つ、お礼としてある事を教えましょうか」
「……なんだ?」
「あなた、魔法をかけられていますよ?」
「………は?」
「あとおまけでアドバイスを。早く城…いや、この国を出る事をお勧めします」
……彼ならこれでわかってくれるだろう。私と違って天才だから。
私は言葉を告げるなり手元の図鑑と翻訳書を持って書庫を出て行く。
才賀君の返事は待たなかった。
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