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学園編一年目
25話 学園編一年目ⅩⅩⅡ
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「スルファニル・アミド・ケミストラ陛下の御成!!」
俺はこうべを垂れる。
「──ロジーク・オルト・グラストーン……面を上げよ!」
「……はっ!」
「……楽にしてよいぞ」
俺は謁見の間に膝まづいて王様の言葉を待っていた。そして、言葉の後に返事をすると“楽にせよ”と仰せられたので軽く背筋の力を抜く。
「さて、流石はグラストーン伯爵の息子といったところか……息子もこれほどとはな……」
──ん?息子もこれほど?父上は何をしたんだ……?
「その顔は何も知らないようだな?」
「……は、はい。お恥ずかしながら……父上が何をされたのかは詳しくは知りません……」
「っ……貴様!陛下に向かって無礼だぞ!」
王国の重鎮達が騒ぎ立っている。言葉遣いには気をつけたつもりなのだが……。何が駄目だったのだろう?
「……よいのだ。余は一度、【鬼砂族】と互角に渡り合ったそなたと話してみたかったのだ。──だから皆も気にするな」
「「「「「……はっ!!」」」」」
あっという間に重鎮達は押し黙った。流石というべきか、国王をやっているだけあってカリスマというものがあるのだろう。
「……話が逸れてしまったな。グラストーン伯爵のことだったな……。グラストーン伯爵──あいつは、元々男爵家の次男でな……家を継ぐことは出来なかったのだ。余と仲良くしてくれた者の一人だったのだが……あいつはそんなことも気にせずに家を出て冒険者となった……。余はそのとき軽く恨みはしたが、今はそれほどでもないな……。そして名を馳せたあいつを……父上は勇者として祭り上げてしまった!!……だから余は父上から王位を奪ったのだ」
──お、おい!?話が逸れてるぞ……王様……。
「……ハッ!よ、余は何を……!す、すまないな……まだ子供のそなたにこのような私情を挟んでしまうなんてな……」
「い、いえ!大丈夫です。へ、陛下もお疲れなのでしょう……。私などに構わずお休みになって下さい……」
俺の言葉遣いがまた駄目だったのか重鎮達の眉間に皺が寄ってしまった。
「では、最後にこれだけ聞いておこう……。そなた、王家に入る気はないか?」
──その言葉を聞いて俺の頭は真っ白になった。
☆☆☆
「ハッハッハ!なんだよそれ!!……っプッ、ハハハハー!!」
──謁見から数日後、学園で俺はブチルと謁見の内容について話していた。ブチルに“王家に入らないか?”と言われたことを伝えると急に笑いだしやがったのだ。
「それで何も答えられないのは不味いだろ!!ヒーッ、面白れぇなおい!」
結局、俺の沈黙を察したスルファニル陛下が引き下がってくれたので何とかなったのだがやはり何も答えないというのは前世同様、褒められたことではないようだ。
「ロジークの正装は青髪だからやっぱ青一色なのか?それじゃあどこからどう見てもコスプレイヤーだな!!」
「グハッ!!」
「……お前、まさか本当に──」
「全ッ然違うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「……なるほど、よぉ~く分かったぞ。つまりお前は名探偵のような格好をしてたという訳か。……せやかて工dぉ──」
「それ以上言うなァァァァァァァァァァァァ!!」
──こいつ、めっちゃ悪い顔してやがる……。やはりブチルは時々性格が悪い!!
俺はこうべを垂れる。
「──ロジーク・オルト・グラストーン……面を上げよ!」
「……はっ!」
「……楽にしてよいぞ」
俺は謁見の間に膝まづいて王様の言葉を待っていた。そして、言葉の後に返事をすると“楽にせよ”と仰せられたので軽く背筋の力を抜く。
「さて、流石はグラストーン伯爵の息子といったところか……息子もこれほどとはな……」
──ん?息子もこれほど?父上は何をしたんだ……?
「その顔は何も知らないようだな?」
「……は、はい。お恥ずかしながら……父上が何をされたのかは詳しくは知りません……」
「っ……貴様!陛下に向かって無礼だぞ!」
王国の重鎮達が騒ぎ立っている。言葉遣いには気をつけたつもりなのだが……。何が駄目だったのだろう?
「……よいのだ。余は一度、【鬼砂族】と互角に渡り合ったそなたと話してみたかったのだ。──だから皆も気にするな」
「「「「「……はっ!!」」」」」
あっという間に重鎮達は押し黙った。流石というべきか、国王をやっているだけあってカリスマというものがあるのだろう。
「……話が逸れてしまったな。グラストーン伯爵のことだったな……。グラストーン伯爵──あいつは、元々男爵家の次男でな……家を継ぐことは出来なかったのだ。余と仲良くしてくれた者の一人だったのだが……あいつはそんなことも気にせずに家を出て冒険者となった……。余はそのとき軽く恨みはしたが、今はそれほどでもないな……。そして名を馳せたあいつを……父上は勇者として祭り上げてしまった!!……だから余は父上から王位を奪ったのだ」
──お、おい!?話が逸れてるぞ……王様……。
「……ハッ!よ、余は何を……!す、すまないな……まだ子供のそなたにこのような私情を挟んでしまうなんてな……」
「い、いえ!大丈夫です。へ、陛下もお疲れなのでしょう……。私などに構わずお休みになって下さい……」
俺の言葉遣いがまた駄目だったのか重鎮達の眉間に皺が寄ってしまった。
「では、最後にこれだけ聞いておこう……。そなた、王家に入る気はないか?」
──その言葉を聞いて俺の頭は真っ白になった。
☆☆☆
「ハッハッハ!なんだよそれ!!……っプッ、ハハハハー!!」
──謁見から数日後、学園で俺はブチルと謁見の内容について話していた。ブチルに“王家に入らないか?”と言われたことを伝えると急に笑いだしやがったのだ。
「それで何も答えられないのは不味いだろ!!ヒーッ、面白れぇなおい!」
結局、俺の沈黙を察したスルファニル陛下が引き下がってくれたので何とかなったのだがやはり何も答えないというのは前世同様、褒められたことではないようだ。
「ロジークの正装は青髪だからやっぱ青一色なのか?それじゃあどこからどう見てもコスプレイヤーだな!!」
「グハッ!!」
「……お前、まさか本当に──」
「全ッ然違うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「……なるほど、よぉ~く分かったぞ。つまりお前は名探偵のような格好をしてたという訳か。……せやかて工dぉ──」
「それ以上言うなァァァァァァァァァァァァ!!」
──こいつ、めっちゃ悪い顔してやがる……。やはりブチルは時々性格が悪い!!
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