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学園編一年目
19話 学園編一年目ⅩⅥ
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「「「「「これはいくらなんでも話が馬鹿げてる!!」」」」」
「ロジーク君ってもしかして……“中二病”に罹っているんじゃ……?」
ポリメがとんでもないことを言う。中二病が病気?ハッ、まさか……!
「あのなぁ、ポリメ……。“中二病”っていうのは病気なんかじゃなくてだな……」
「「「「「病気じゃないならどんな症状だよ……“中二病”って……?」」」」」
ポリメ以外の皆がこんなことを言うが、何故“中二病”という言葉がこの世界にあるんだよ。もしかしてまたしても他の“転生者”か?
おそらくそいつも俺と同じような“時代”から転生したんだろう。“中二病”という言葉を知っている時点で。
「しょ、症状じゃなくて……ええと“心の病気”……じゃなくて、“俺には特別な力があるッ!”みたいなことを考えちゃう精神状態といいますか……」
色々と言葉を並べるのに手間取ったが何とか言い訳できたのだが。
「じゃあロジーク君は“中二病”じゃん。さっきのポリメの言葉を否定していなかったし」
「グハッ……!?」
ラジカルに“結局俺は中二病だ”と言われた。
皆もうんうんと頷いている。
ラジカルの言葉で俺のライフはもうゼロなんだよ。
「くっ……、次回……ッ!ロジーク死す!!」
「……?」
「「「「「やっぱり“中二病”じゃないか」」」」」
「っ!?う、うるせーーー!!」
以前の学園の案内でネタが通じないのはなんとなく分かっていたが、悲しいことになんとなくこのネタをやりたかったのだ。
これがカルチャーショックならぬワールドショックか。
ポリメが首を傾げ、皆はもはや汚物を見るような目だ。さっき俺が自分で“病気じゃない”ことを説明したせいでヤバい人を見る目から汚物を見る目にシフトしていた。
──ところでポリメ、君は天然要素でもあるのかな?
「はぁ、話を戻すけど葛の葉は別の世界の人間だ。ここまではいい?」
「いや、流石にそれは信じられないかな……。ロジーク君は“中二病”らしいしね」
グリコールまで俺を疑う始末。
──本当に裏切ったんですか!!
今度は声にも出せなかったじゃないか。
俺は何度も信じてもらえるように説明したが、結論だけ言うと信じてもらえなかった。
☆☆☆
「じゃあ取り敢えず、【鬼砂族】についての資料と葛の葉についての資料があれば可能な限り夏休み明けに持って来てもらえると助かる。……無理そうであれば調べるだけでいいから」
「分かったわ!そういう約束だからね!」
「「「「「分かった(よ)」」」」」
「ありがとう」
ケイトを筆頭に皆が頷いてくれた。
「でもその前に修了式があるよ?」
「あっ!そうだった。すっかり忘れてたわ……」
ポリメの言葉にケイトが反応する。俺も忘れていたのはここだけの秘密だ。
「修了式っていつだっけ?」
俺が皆に聞くと皆は首を傾げわからない素振りを見せる。
「今週のバリの日だよ」
その中でグリコールが答えてくれた。
「“バリの日”という単語の違和感がなぁ……土曜日なんだろうけど」
「どようび?何だいそれは?」
グリコールがこの世界には無い言葉に反応する。
(こういう時、グリコールは鋭いんだよなぁ……)
「まあ、その話はおいといて、今週の、どよ……バリの日に修了式だけど俺はどうなるんだろう?ほら、授業を免除してもらっている身だしな」
「「「「「……」」」」」
皆の笑顔がひきつる。
「「「「「全部あんたのせいでしょ(だろ)!!」」」」」
「どうして!?」
「研究が大切なのかもしれないけど、こればかりはフォローできないよ……」
と、グリコールが。
「全部自業自得だから諦めろよ」
と、フェルニルが。
「……」
と、無言のポリメが。
「……ププッ!」
と、肩を震わせるラジカルが。
「……って誰だよ最後笑ったの!」
「いや……ごめん、ププ……ロジーク君の驚いた顔が面白すぎて……ププッ!」
「失礼な!」
ラジカルが俺の顔が面白いと言う。全く、どいつもこいつも好き勝手言いやがって。
「はぁ……憂鬱だ……」
☆☆☆
「これから修了式を始める」
バリの日、学園内のホールで修了式が行われていた。
「まずは学園長の言葉」
進行の係の言葉で学園長を見たことのない一年生はざわつき始める。
「学園長のロキ・ナトリ・プロフェンじゃ」
一瞬、俺と目があってニヤリと笑い──
「ここにはまともに授業を受けず、ボイコットしている奴もおるかもしれんが、せめて夏休みは規則正しい生活と沢山の挑戦をするべきじゃ。……もしボイコットしているような不真面目な生徒がいればわしのところまで連れてくるように。わしの手自ら鉄拳制裁してやるのじゃ!」
その言葉を聞いて内心汗びっしょりだった。いや、実際に背中を汗がつたっている。
「「「「「……(ぐるり)」」」」」
クラスメイトはこちらに顔を向けて目を光らせている。
「次に表彰授与です」
「表彰……?」
「ロジーク・オルト・グラストーン!前へ!」
「……!?」
「貴方は友人が拉致されたときに真っ先に駆けつけてその友人を救いました。そのことを称え、ここに表彰します」
「え?えっ?」
賞状が渡される。
──そしてその内容は学園長からの用件が記されていた。
すなわち──
『この修了式が終わったら直ちに学園長室まで来い』と。
「ロジーク君ってもしかして……“中二病”に罹っているんじゃ……?」
ポリメがとんでもないことを言う。中二病が病気?ハッ、まさか……!
「あのなぁ、ポリメ……。“中二病”っていうのは病気なんかじゃなくてだな……」
「「「「「病気じゃないならどんな症状だよ……“中二病”って……?」」」」」
ポリメ以外の皆がこんなことを言うが、何故“中二病”という言葉がこの世界にあるんだよ。もしかしてまたしても他の“転生者”か?
おそらくそいつも俺と同じような“時代”から転生したんだろう。“中二病”という言葉を知っている時点で。
「しょ、症状じゃなくて……ええと“心の病気”……じゃなくて、“俺には特別な力があるッ!”みたいなことを考えちゃう精神状態といいますか……」
色々と言葉を並べるのに手間取ったが何とか言い訳できたのだが。
「じゃあロジーク君は“中二病”じゃん。さっきのポリメの言葉を否定していなかったし」
「グハッ……!?」
ラジカルに“結局俺は中二病だ”と言われた。
皆もうんうんと頷いている。
ラジカルの言葉で俺のライフはもうゼロなんだよ。
「くっ……、次回……ッ!ロジーク死す!!」
「……?」
「「「「「やっぱり“中二病”じゃないか」」」」」
「っ!?う、うるせーーー!!」
以前の学園の案内でネタが通じないのはなんとなく分かっていたが、悲しいことになんとなくこのネタをやりたかったのだ。
これがカルチャーショックならぬワールドショックか。
ポリメが首を傾げ、皆はもはや汚物を見るような目だ。さっき俺が自分で“病気じゃない”ことを説明したせいでヤバい人を見る目から汚物を見る目にシフトしていた。
──ところでポリメ、君は天然要素でもあるのかな?
「はぁ、話を戻すけど葛の葉は別の世界の人間だ。ここまではいい?」
「いや、流石にそれは信じられないかな……。ロジーク君は“中二病”らしいしね」
グリコールまで俺を疑う始末。
──本当に裏切ったんですか!!
今度は声にも出せなかったじゃないか。
俺は何度も信じてもらえるように説明したが、結論だけ言うと信じてもらえなかった。
☆☆☆
「じゃあ取り敢えず、【鬼砂族】についての資料と葛の葉についての資料があれば可能な限り夏休み明けに持って来てもらえると助かる。……無理そうであれば調べるだけでいいから」
「分かったわ!そういう約束だからね!」
「「「「「分かった(よ)」」」」」
「ありがとう」
ケイトを筆頭に皆が頷いてくれた。
「でもその前に修了式があるよ?」
「あっ!そうだった。すっかり忘れてたわ……」
ポリメの言葉にケイトが反応する。俺も忘れていたのはここだけの秘密だ。
「修了式っていつだっけ?」
俺が皆に聞くと皆は首を傾げわからない素振りを見せる。
「今週のバリの日だよ」
その中でグリコールが答えてくれた。
「“バリの日”という単語の違和感がなぁ……土曜日なんだろうけど」
「どようび?何だいそれは?」
グリコールがこの世界には無い言葉に反応する。
(こういう時、グリコールは鋭いんだよなぁ……)
「まあ、その話はおいといて、今週の、どよ……バリの日に修了式だけど俺はどうなるんだろう?ほら、授業を免除してもらっている身だしな」
「「「「「……」」」」」
皆の笑顔がひきつる。
「「「「「全部あんたのせいでしょ(だろ)!!」」」」」
「どうして!?」
「研究が大切なのかもしれないけど、こればかりはフォローできないよ……」
と、グリコールが。
「全部自業自得だから諦めろよ」
と、フェルニルが。
「……」
と、無言のポリメが。
「……ププッ!」
と、肩を震わせるラジカルが。
「……って誰だよ最後笑ったの!」
「いや……ごめん、ププ……ロジーク君の驚いた顔が面白すぎて……ププッ!」
「失礼な!」
ラジカルが俺の顔が面白いと言う。全く、どいつもこいつも好き勝手言いやがって。
「はぁ……憂鬱だ……」
☆☆☆
「これから修了式を始める」
バリの日、学園内のホールで修了式が行われていた。
「まずは学園長の言葉」
進行の係の言葉で学園長を見たことのない一年生はざわつき始める。
「学園長のロキ・ナトリ・プロフェンじゃ」
一瞬、俺と目があってニヤリと笑い──
「ここにはまともに授業を受けず、ボイコットしている奴もおるかもしれんが、せめて夏休みは規則正しい生活と沢山の挑戦をするべきじゃ。……もしボイコットしているような不真面目な生徒がいればわしのところまで連れてくるように。わしの手自ら鉄拳制裁してやるのじゃ!」
その言葉を聞いて内心汗びっしょりだった。いや、実際に背中を汗がつたっている。
「「「「「……(ぐるり)」」」」」
クラスメイトはこちらに顔を向けて目を光らせている。
「次に表彰授与です」
「表彰……?」
「ロジーク・オルト・グラストーン!前へ!」
「……!?」
「貴方は友人が拉致されたときに真っ先に駆けつけてその友人を救いました。そのことを称え、ここに表彰します」
「え?えっ?」
賞状が渡される。
──そしてその内容は学園長からの用件が記されていた。
すなわち──
『この修了式が終わったら直ちに学園長室まで来い』と。
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