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学園編一年目
10話 学園編一年目Ⅶ
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「じゃあ商店街の案内は今週末の銅の日でいいよね?」
「あ、それでお願いします……。僕もその日は空いているので……」
因みに、銅の日というのはこの世界の曜日で前世での日曜日にあたる。この世界の曜日にはそれぞれ縁起が良いとされる色があり、1週間は7日である。
リチの日、ナトの日、カリの日、ストの日、カルの日、バリの日、銅の日の7日であり、それぞれに赤、黄、赤紫、紅、橙赤、黄緑、青緑となっており見事に前世の高校で習う炎色反応であった。初めてこれを知った時は学園に通う前だったのでそこまで驚きはなかったが。
──とまあ、それはさておき。
「学園の正門で10時丁度に集合でいいかな?私も支度があるし……」
「ではそれでお願いします」
そういえば時間の呼び方は前世と変わらないんだったな。本当にこの世界は何故科学用語がバンバン飛び出てくるんだ!?
「じゃあ銅の日の10時に学園の正門前に集合ね!」
こうして俺は商店街を案内してもらうことになった。
☆☆☆
──銅の日。それは前世の日曜日にあたり、つまりは陽キャがウジャウジャいるような悪夢のような日であった。
(今の俺って陽キャなのか?小4でぇ!?あれ?そういう奴もいるのか……?)
俺は予定の5分程前から正門前で待っていた。小4でこれは何かがおかしいと思うのだが。
「ごめ~~ん!待った!?」
正門まで走ってきたライラ嬢。定番を言葉にして目をキラキラさせているが、この世界でもこの台詞は定番なのか?
「え~っと、僕も今来たところです。(これで合ってるよな……?)って、ぐはぁッ!!?」
何とライラ嬢はこのピチピチの10才ボディにボディブローを炸裂させて言い放つ!
「そこは違うの!こういう時は正直に答えるものでしょ!?」
「へ……?えと、すみません。今なんと……?」
あれ?この世界では違うのか?大抵相手に気をつかうものだと思ってたんだが。
「いい?この場合は気を使わないで正直に言うものなの!これ常識よ!」
(さ、さいですか……)
やはり、カルチャーショックならぬワールドショック(?)だったのか。
──ああ、この先が不安になってきたな。今度常識についてしっかり勉強しよう。
「それじゃあ、行こうか!」
ライラ嬢が手を差し出してくる。
「分かりました!よろしくお願いします」
くっ……。これじゃあはたから見ると姉弟にしか見えないじゃないか。早く身長が欲しいッ!
「……?どうしたの?」
「ライラ先輩、早く身長が欲しいです……。僕ははたから見たら弟にしか見えないと思います。髪の色も似ていますし……」
「そのうち伸びると思うよ?ふふっ……」
──何か笑われた気もするが、そのうちに身長も伸びるだろう。……多分。
しかしそれにしても、早く身長が欲しい、そう思っても俺はまだ前世で言う小4だ。まだ二次成長期まで約1,2年くらいある。恐らく伸びるのだから、青春を楽しんでいればいいと思っている。
(……って、10才で青春は流石にないわ~あと台詞が青すぎぃ……)
馬鹿なことを考えていると、商店街を案内してくれているライラ嬢が俺(まだ身長低い)の服の袖を引っ張る。
「見て!あれがこの商店街の一番の名物、“カルメ焼き”よ!!」
(……この世界にもあるんだ?カルメ焼き……)
カルメ焼きとは、砂糖を炭酸水素ナトリウム──所謂、重曹でふっくら膨らませて焼いたお菓子である。炭酸水素ナトリウムが炭酸ナトリウムに化学変化するときに発生する二酸化炭素で生地を膨らませるのだ。小学校等の“理科”の授業で作ることもあるだろう。
「麦芽糖とグラニュー糖を混ぜたものに練乳を加えて作ると美味しいんだよなぁ……」
前世で俺はカルメ焼きを作るときはこうやって作っていた。
「ばくがとう?れんにゅう?……何それ」
「!?こっちの話です……」
ライラ嬢が首を傾げる。そのおかげで思わず口に出ていたことに気づけたので、まあセーフだ。
「カルメ焼きを買ってくるね!(……ふふっ、きっと驚くだろうなぁ……!)」
ライラ嬢はカルメ焼きのお店へ今にもスキップしそうな勢いで向かった。
「はい、これ!私のおごりで良いから!」
ライラ嬢は買ってきたカルメ焼きを俺に手渡す。
「ありがとうございます!……ええと、いただきます」
ぱくりと一齧り──
(うん、予想していた味だな……)
「どう?美味しい?」
「う~ん、食べ慣れたような……味?」
「えっ!?食べたことあるの!?」
「いえ、僕は食べたことはないですけど、何故か懐かしい感じがします」
「……そう、良かった!」
(あぶね、ライラ嬢がまた何か言い出すのかと思った……ッ!)
俺はカルメ焼きを食べた後、雑貨などを見てまわってからお昼にありついたのだが、そのメニューがまた俺を驚かせた。
何故ならば──
(何でマクド〇ルドがあるんだよ!?)
厳密にはイニシャルの「M」が「W」になっていて強いて言うならばワクド〇ルドと言うべきだろうか?
でも異世界版マ〇クということに変わりは無いのでチェーン店に違いないな。きっと他の転生者の仕業であろう。
「ははっ、ははははは──」
「!?ちょっと、ロジーク君!?」
俺は驚きすぎて乾いた笑いしか出なかったが、それをライラ嬢が引き戻す。
「はっ!?……あっ、すいません。何故か良く知っているチェーン店の面影が見えた気がして……」
「……チェーン店?(また知らない言葉が……)」
──そんなやり取りをしているうちに、気がつけば空は朱く染まっていた。
「あ、それでお願いします……。僕もその日は空いているので……」
因みに、銅の日というのはこの世界の曜日で前世での日曜日にあたる。この世界の曜日にはそれぞれ縁起が良いとされる色があり、1週間は7日である。
リチの日、ナトの日、カリの日、ストの日、カルの日、バリの日、銅の日の7日であり、それぞれに赤、黄、赤紫、紅、橙赤、黄緑、青緑となっており見事に前世の高校で習う炎色反応であった。初めてこれを知った時は学園に通う前だったのでそこまで驚きはなかったが。
──とまあ、それはさておき。
「学園の正門で10時丁度に集合でいいかな?私も支度があるし……」
「ではそれでお願いします」
そういえば時間の呼び方は前世と変わらないんだったな。本当にこの世界は何故科学用語がバンバン飛び出てくるんだ!?
「じゃあ銅の日の10時に学園の正門前に集合ね!」
こうして俺は商店街を案内してもらうことになった。
☆☆☆
──銅の日。それは前世の日曜日にあたり、つまりは陽キャがウジャウジャいるような悪夢のような日であった。
(今の俺って陽キャなのか?小4でぇ!?あれ?そういう奴もいるのか……?)
俺は予定の5分程前から正門前で待っていた。小4でこれは何かがおかしいと思うのだが。
「ごめ~~ん!待った!?」
正門まで走ってきたライラ嬢。定番を言葉にして目をキラキラさせているが、この世界でもこの台詞は定番なのか?
「え~っと、僕も今来たところです。(これで合ってるよな……?)って、ぐはぁッ!!?」
何とライラ嬢はこのピチピチの10才ボディにボディブローを炸裂させて言い放つ!
「そこは違うの!こういう時は正直に答えるものでしょ!?」
「へ……?えと、すみません。今なんと……?」
あれ?この世界では違うのか?大抵相手に気をつかうものだと思ってたんだが。
「いい?この場合は気を使わないで正直に言うものなの!これ常識よ!」
(さ、さいですか……)
やはり、カルチャーショックならぬワールドショック(?)だったのか。
──ああ、この先が不安になってきたな。今度常識についてしっかり勉強しよう。
「それじゃあ、行こうか!」
ライラ嬢が手を差し出してくる。
「分かりました!よろしくお願いします」
くっ……。これじゃあはたから見ると姉弟にしか見えないじゃないか。早く身長が欲しいッ!
「……?どうしたの?」
「ライラ先輩、早く身長が欲しいです……。僕ははたから見たら弟にしか見えないと思います。髪の色も似ていますし……」
「そのうち伸びると思うよ?ふふっ……」
──何か笑われた気もするが、そのうちに身長も伸びるだろう。……多分。
しかしそれにしても、早く身長が欲しい、そう思っても俺はまだ前世で言う小4だ。まだ二次成長期まで約1,2年くらいある。恐らく伸びるのだから、青春を楽しんでいればいいと思っている。
(……って、10才で青春は流石にないわ~あと台詞が青すぎぃ……)
馬鹿なことを考えていると、商店街を案内してくれているライラ嬢が俺(まだ身長低い)の服の袖を引っ張る。
「見て!あれがこの商店街の一番の名物、“カルメ焼き”よ!!」
(……この世界にもあるんだ?カルメ焼き……)
カルメ焼きとは、砂糖を炭酸水素ナトリウム──所謂、重曹でふっくら膨らませて焼いたお菓子である。炭酸水素ナトリウムが炭酸ナトリウムに化学変化するときに発生する二酸化炭素で生地を膨らませるのだ。小学校等の“理科”の授業で作ることもあるだろう。
「麦芽糖とグラニュー糖を混ぜたものに練乳を加えて作ると美味しいんだよなぁ……」
前世で俺はカルメ焼きを作るときはこうやって作っていた。
「ばくがとう?れんにゅう?……何それ」
「!?こっちの話です……」
ライラ嬢が首を傾げる。そのおかげで思わず口に出ていたことに気づけたので、まあセーフだ。
「カルメ焼きを買ってくるね!(……ふふっ、きっと驚くだろうなぁ……!)」
ライラ嬢はカルメ焼きのお店へ今にもスキップしそうな勢いで向かった。
「はい、これ!私のおごりで良いから!」
ライラ嬢は買ってきたカルメ焼きを俺に手渡す。
「ありがとうございます!……ええと、いただきます」
ぱくりと一齧り──
(うん、予想していた味だな……)
「どう?美味しい?」
「う~ん、食べ慣れたような……味?」
「えっ!?食べたことあるの!?」
「いえ、僕は食べたことはないですけど、何故か懐かしい感じがします」
「……そう、良かった!」
(あぶね、ライラ嬢がまた何か言い出すのかと思った……ッ!)
俺はカルメ焼きを食べた後、雑貨などを見てまわってからお昼にありついたのだが、そのメニューがまた俺を驚かせた。
何故ならば──
(何でマクド〇ルドがあるんだよ!?)
厳密にはイニシャルの「M」が「W」になっていて強いて言うならばワクド〇ルドと言うべきだろうか?
でも異世界版マ〇クということに変わりは無いのでチェーン店に違いないな。きっと他の転生者の仕業であろう。
「ははっ、ははははは──」
「!?ちょっと、ロジーク君!?」
俺は驚きすぎて乾いた笑いしか出なかったが、それをライラ嬢が引き戻す。
「はっ!?……あっ、すいません。何故か良く知っているチェーン店の面影が見えた気がして……」
「……チェーン店?(また知らない言葉が……)」
──そんなやり取りをしているうちに、気がつけば空は朱く染まっていた。
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