上 下
4 / 34
学園編一年目

4話 学園編一年目Ⅰ

しおりを挟む
俺、ロジーク・オルト・グラストーンは10才になり、新学期のシーズンが始まった。
──それによって俺も学園の方へ馬車で向かわなければならなかった。
「では、行って参ります!母上、父上」
「行ってらっしゃいロジーク」
「ああ、成長して帰って来るのを私も楽しみにしていよう」
そう言って別れの挨拶を手短に済ませると、俺は王都へと向かう馬車に乗車した。

──学園の話をしよう。
学園こと王立ニトロ学園は俺の住んでいるグラストーン領から馬車で3日程の距離にあるケミストラ王国の王都ポリマーという都市の郊外にある。王都ポリマーはかつてはバラバラだったいくつかの町が“悪しき種族”に立ち向かうために一つにまとまったことに由来しているらしい。

俺もこの事実を知った時には“ポリマー”の意味合いからしてなるほどなと思ったくらいだ。

生徒達は皆、学年別、男女別で敷地内の学生寮に入りそこから登校することになっているらしい。そして学園を出ると商店街があり、必需品を買ったり娯楽品を買ったりできる。何故こんなシステムがあるのか分からないが学園での成績順位に応じて商店街で使える通貨というよりポイントが貰える。そのポイントで必需品等を買うそうだ。

俺は学園の名前を知った時、物騒だなと思った。なぜならニトロなんて類の物質は危険物の種類が多すぎるからだ。それとこのシステムは恐らく俺以外の転生者が考えたものだろうと思いつつも3日が経過して──
「やっと着いたぁ……」
思ったよりも早かったが俺はやっと王都ポリマーにたどり着いたのだった。

俺は王都に着いた後、到着した時間も午前中だったので急いで郊外へ向い、そして入学手続きを終えてから学生寮に入った。
──ケミストラ王国の教育水準はかなり高く、10才から6年間の無償で教育を受ける権利を認めているため識字率は最高峰であるらしい。

──勿論、俺は6年後も学園に通うつもりだが。具体的には前世においての高校生を卒業した辺りまでだ。その後は婿入りまでの間、魔物と戦う“冒険者”にでもなろうかなと考えていたりする。

因みに、学生寮は学年フロア別、男子寮、女子寮ともに7階建てでワンフロアにつき4人部屋が二十部屋あり、1階だけは食堂や大浴場、休憩室等がある。つまりこの学園は一学年だけでも160名も受け入れが可能ということになる。

──前世の小学校の全校生徒の平均ぐらいだろうか?

俺の部屋は207号室だった。俺以外にもあと3人はこの部屋に来るからしっかり自分の荷物が周りの迷惑にならないようにしないとな。
「いよいよ学園かぁ……輝かしい学園生活が俺を待っているッ!!」
なんだかんだで無事に入学手続きも終えたしな……。
よしっ!荷物も部屋に置いたし、商店街へ遊びに行こう!!
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

リバーサル・コラプション

新渡たかし
ファンタジー
これは、生きる自由を取り戻す物語である。 ――――人は、なんのために生きるのか。  記憶が曖昧な男、クロウ=ディアスは異世界で処刑されそうなところをアルマイーズという謎の男に助けられ暗殺者となる。初任務で暗殺組織を裏切り逃げ出す折、兵士に追われる謎の少女シャルに出会う。国家、教団、軍部、暗躍する刺客との戦いから、やがて世界を操る大いなる意思の存在を知り、世界の命運をかけた戦いへと身を投じていく……。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

お願いだから俺に構わないで下さい

大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。 17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。 高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。 本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。 折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。 それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。 これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。 有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう!〜公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ〜

西園寺わかば🌱
ファンタジー
転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

処理中です...