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3話 序章Ⅲ
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「ほう、学園に入学したいとはな……そろそろ入学出来る年齢だからな……そのうちお願いされると思っていたが、まさかこんなにも早く入学したいとはな……」
俺が両親に頼み込んだ後、何故かライラ嬢も一緒になって頼み込んだせいでパパンとママンが困惑している。
(ど う し て こ う な っ た ッ ! ?)
雰囲気が縁談みたいな感じになってるよ!?おのれライラ嬢ォォォォ!!確かに俺は惚れてるのかもしれないが、そんな成り行きでそういうふうになるのもなんか嫌だッ!
「それなら一つ条件がある!」
ん?なんかパパンが何か条件を提示してきたぞ?
「ロジーク、ライラ嬢の婿養子としてマレイン家に婿入りしろ。これが条件だ!……勿論、本人と家の許可は得ている」
「……え?あ、はい。って、はあぁぁぁぁぁぁ!?」
何考えてんだパパン!?さらっと言いのけるから気がつかなかったぞ!?いや、確かにな!嬉しいのかもだけど!
「その様子じゃ満更でもなさそうだな」
「い、いや、本人の許可ってどういうことですか?」
「聞いた通りだよ。それに……おかしいと思わなかったのか?未婚の貴族令嬢がお前と同衾しているなど、あり得ないだろう?」
えっ?じゃあまさか本当に本当のそういう……。というか俺はグラストーン家の跡取りじゃなかったのかよ。
チラッと横目にライラ嬢を見ると──うおっ、なんか顔真っ赤にして俯いている。
「その条件が飲めるのであれば学園へ入学することを認めよう」
まあ別に俺にデメリットはないし、相手がこんな美少女なら尚更だ。
「分かりました、父上。条件を飲みます。そして、喜んでライラ・シス・マレインに婿入りさせていただきます」
──こうして俺の学園生活とその先が決まり、波乱の学園生活が待っているのであった。待ち遠しくもあるのかもしれないが。
翌朝、俺はグラストーン伯爵領を通る街道でライラ嬢を見送っていた。この場にはパパン、ママンとグラストーン家のお抱えのメイドさん達、そしてライラ嬢がいた。
昨日の予想外の出来事のせいで目を合わせることが出来ないかもしれないが、ここはしっかりと見送る場だ。
──もうじきマレイン家の馬車がやって来る頃だろうか。
「先生!十日の間、ありがとうございました!!」
俺は大きな声で叫ぶようにお礼の言葉を述べる。
すると、ライラ嬢がこちらに向かってきて──
「私は公爵家の人間なの。でも昔から色々とグラストーン伯爵と縁があってね、末長くよろしくね!ロジーク君」
──と耳打ちすると頬にキスをして照れ隠しをするようにちょうどやって来たマレイン公爵の紋章が刺繍された幌馬車に乗り込んでいった。
「今度は学園でね!ロジーク君!」
──ぼーっとしているであろう俺をお構いなしに遠くなっていく幌馬車からライラ嬢の声が聞こえた。
俺が両親に頼み込んだ後、何故かライラ嬢も一緒になって頼み込んだせいでパパンとママンが困惑している。
(ど う し て こ う な っ た ッ ! ?)
雰囲気が縁談みたいな感じになってるよ!?おのれライラ嬢ォォォォ!!確かに俺は惚れてるのかもしれないが、そんな成り行きでそういうふうになるのもなんか嫌だッ!
「それなら一つ条件がある!」
ん?なんかパパンが何か条件を提示してきたぞ?
「ロジーク、ライラ嬢の婿養子としてマレイン家に婿入りしろ。これが条件だ!……勿論、本人と家の許可は得ている」
「……え?あ、はい。って、はあぁぁぁぁぁぁ!?」
何考えてんだパパン!?さらっと言いのけるから気がつかなかったぞ!?いや、確かにな!嬉しいのかもだけど!
「その様子じゃ満更でもなさそうだな」
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「聞いた通りだよ。それに……おかしいと思わなかったのか?未婚の貴族令嬢がお前と同衾しているなど、あり得ないだろう?」
えっ?じゃあまさか本当に本当のそういう……。というか俺はグラストーン家の跡取りじゃなかったのかよ。
チラッと横目にライラ嬢を見ると──うおっ、なんか顔真っ赤にして俯いている。
「その条件が飲めるのであれば学園へ入学することを認めよう」
まあ別に俺にデメリットはないし、相手がこんな美少女なら尚更だ。
「分かりました、父上。条件を飲みます。そして、喜んでライラ・シス・マレインに婿入りさせていただきます」
──こうして俺の学園生活とその先が決まり、波乱の学園生活が待っているのであった。待ち遠しくもあるのかもしれないが。
翌朝、俺はグラストーン伯爵領を通る街道でライラ嬢を見送っていた。この場にはパパン、ママンとグラストーン家のお抱えのメイドさん達、そしてライラ嬢がいた。
昨日の予想外の出来事のせいで目を合わせることが出来ないかもしれないが、ここはしっかりと見送る場だ。
──もうじきマレイン家の馬車がやって来る頃だろうか。
「先生!十日の間、ありがとうございました!!」
俺は大きな声で叫ぶようにお礼の言葉を述べる。
すると、ライラ嬢がこちらに向かってきて──
「私は公爵家の人間なの。でも昔から色々とグラストーン伯爵と縁があってね、末長くよろしくね!ロジーク君」
──と耳打ちすると頬にキスをして照れ隠しをするようにちょうどやって来たマレイン公爵の紋章が刺繍された幌馬車に乗り込んでいった。
「今度は学園でね!ロジーク君!」
──ぼーっとしているであろう俺をお構いなしに遠くなっていく幌馬車からライラ嬢の声が聞こえた。
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