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結婚前夜
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私は明日結婚するのよ。
嫌、結婚する予定だ。
予定であって未定なので、これから逃げたいと思うの。
完璧に政略婚よ。相手は30歳も歳上で愛人を10人以上囲ってる爺よ。去年、奥方が男と逃げたと聞いたわ。
当たり前よね逃げて正解よ! こんな男に嫁がせるのが、親なのかと思うでしょう。親では無いのだから仕方がないわよね。
私の本当の両親は私が幼い頃、馬車の事故で亡くなったのよ。私はお屋敷で留守番だったから、無事だったわ。
事故が気になり色々調べてみたの、不自然な程に何一つ記録が残っていないのよ。変でしょ!
人から聞いた話によると、美男美女でとても優しく誠実な、お似合いの夫婦だったそうなの。流石は私の両親よね。私は幼過ぎて記憶に無いのがとても残念だわ。
それから私は伯父夫婦に引き取られて、御屋敷や両親の資産は全て伯父夫婦に渡ったの。
お父様と伯父は、二人兄弟だったらしいのだけれど、仲はあまり良くなかったと聞いたわ。だから、周りの方々も怪しんだ様なのだけれど、伯父夫婦はよからぬ輩と親しくしており、確定的な証拠も無いことから、誰も何も言えずに今日まで来たの。
伯父夫婦には、男女双子の私より2歳上の子供が居てね。二人共に最悪な性格をしていて、子供の頃から私は陰日向なく虐められてきたのよ。
私は我慢してたわ、暗い狭い場所に一日中閉じ込められようとも、最悪な趣味の従姉妹のお古をずっーと着さされてきた事も、階段からわざと押されて落とされた事もあるわ。
死ぬかと思ったわよ。他にも沢山あるけども、もういいわ。
一番最悪な状況の今現在に比べれば、あんなもの可愛いものよ。だって、こんな婚姻ありえないわよ。きっと私が両親の事件を調べてたのが気に入らなくて、追い出そうとしてるのよね。
私は、いつになるか判らないけれど、両親の事件は絶対に暴いてみせるわ。その前に私は此処から逃げないとね。あんな奴と結婚されられるなんてありえないから。
私は、こんな田舎を出て王都へ行き、隠れてずっーと研究していた、魔法を使って魔術師になるのよ!
憧れの騎士団の魔術師になるの! 内々に連絡を取って先ずは、魔術師団へのテストを受ける事が決まっていたのに、こんな結婚なんて、勝手に決められて!
私が魔法が使えるなんて、伯父夫婦が知ったら何やらされるか判らないから黙ってたのよ。最低限の荷物だけ持って、暗闇に紛れて王都へ行くわよ!
何せ私の得意な魔法は飛ぶ事だもの! 私は少ない荷物を入れた袋を肩から下げて、身体に空気の膜を張って窓から空へ浮き出たの。
見つからない様に私は、高度を上げたわ。家々がかなり小さくなり、月が怖い程大きく見えだしたので、一旦停止し地上を見下ろした。
「お父様お母様を殺した奴は絶対に許しはしない。私が全て取り返すから、それまで待っててね。お父様、お母様それでは行ってまいります」
いざ!王都へ
the end
嫌、結婚する予定だ。
予定であって未定なので、これから逃げたいと思うの。
完璧に政略婚よ。相手は30歳も歳上で愛人を10人以上囲ってる爺よ。去年、奥方が男と逃げたと聞いたわ。
当たり前よね逃げて正解よ! こんな男に嫁がせるのが、親なのかと思うでしょう。親では無いのだから仕方がないわよね。
私の本当の両親は私が幼い頃、馬車の事故で亡くなったのよ。私はお屋敷で留守番だったから、無事だったわ。
事故が気になり色々調べてみたの、不自然な程に何一つ記録が残っていないのよ。変でしょ!
人から聞いた話によると、美男美女でとても優しく誠実な、お似合いの夫婦だったそうなの。流石は私の両親よね。私は幼過ぎて記憶に無いのがとても残念だわ。
それから私は伯父夫婦に引き取られて、御屋敷や両親の資産は全て伯父夫婦に渡ったの。
お父様と伯父は、二人兄弟だったらしいのだけれど、仲はあまり良くなかったと聞いたわ。だから、周りの方々も怪しんだ様なのだけれど、伯父夫婦はよからぬ輩と親しくしており、確定的な証拠も無いことから、誰も何も言えずに今日まで来たの。
伯父夫婦には、男女双子の私より2歳上の子供が居てね。二人共に最悪な性格をしていて、子供の頃から私は陰日向なく虐められてきたのよ。
私は我慢してたわ、暗い狭い場所に一日中閉じ込められようとも、最悪な趣味の従姉妹のお古をずっーと着さされてきた事も、階段からわざと押されて落とされた事もあるわ。
死ぬかと思ったわよ。他にも沢山あるけども、もういいわ。
一番最悪な状況の今現在に比べれば、あんなもの可愛いものよ。だって、こんな婚姻ありえないわよ。きっと私が両親の事件を調べてたのが気に入らなくて、追い出そうとしてるのよね。
私は、いつになるか判らないけれど、両親の事件は絶対に暴いてみせるわ。その前に私は此処から逃げないとね。あんな奴と結婚されられるなんてありえないから。
私は、こんな田舎を出て王都へ行き、隠れてずっーと研究していた、魔法を使って魔術師になるのよ!
憧れの騎士団の魔術師になるの! 内々に連絡を取って先ずは、魔術師団へのテストを受ける事が決まっていたのに、こんな結婚なんて、勝手に決められて!
私が魔法が使えるなんて、伯父夫婦が知ったら何やらされるか判らないから黙ってたのよ。最低限の荷物だけ持って、暗闇に紛れて王都へ行くわよ!
何せ私の得意な魔法は飛ぶ事だもの! 私は少ない荷物を入れた袋を肩から下げて、身体に空気の膜を張って窓から空へ浮き出たの。
見つからない様に私は、高度を上げたわ。家々がかなり小さくなり、月が怖い程大きく見えだしたので、一旦停止し地上を見下ろした。
「お父様お母様を殺した奴は絶対に許しはしない。私が全て取り返すから、それまで待っててね。お父様、お母様それでは行ってまいります」
いざ!王都へ
the end
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