8 / 14
参謀 ノア Ⅱ
しおりを挟む
「おい!お前らノア見なかったか?」
騎士団本部の側の、野外に屋根だけ設置された場所に、騎士団本部に居る者全て集まっている。
団長のアイザックが、集まっている皆の前で聞いた。するとディランが手を挙げて。
「ちょっと前に、話しました~その後、外に行ってましたよ」
「ありがとよ、まあすぐ帰ってくるだろうよ。
そいじゃあ今日の予定は、一班長何時も通り王宮壁宜しくな。
二班長王都だ。
三班長エリオットと害獣が多発している、ラックの樹海へ行ってくれ。応援が必要なら直ぐ言えよ。最近隣国がきな臭い動きをしてくれている様だからな、気を引き締めろ。
後の四、五は待機しながら鍛えてろ。サボるんじゃねえぞ!いつ遠方からのお誘いがあるか解んねえからな、しっかり身体温めとけよ。
それとよ!王宮内の近衛の奴らが、苦情言ってきたぞ。身に覚えのある奴…控えろよ!居ない奴等や部下にも言っとけ!あまり酷いと減給すっぞ。以上終了。行け!」
「団長~!質問!」
「なんだディラン」
又も、元気に挙手しながら。
「サミュエルのさっきまで、隣に居た綺麗な人は誰ですか?~」
「それは、後のお楽しみだ。ノアから、話させるから待っとけ!さあ仕事だ仕事!終わった奴は大人しく帰って寝ろよ。昨夜、盗賊大量に仕留めたんだろう!ご褒美に、食堂に特別に美味い飯用意しておいた」
「「「「うおおおー!」」」」
今から帰宅の連中が叫び、いっせいに食堂に駆け込んで行った。
他の者達も、各部署に戻ったり配置に着きに移動していく。その中その場に残っていた三班の隊員達とエリオットは。
「三班行くぞ!何が待っているのか樹海さん~此処からは6日以上かかる場所だろ!竜に乗ってくぞ!!戦力にもなるしな!遅れる奴は置いてくからな!」
三班長と隊員は、普段は優しい茶色の朗らかな瞳の熊さんが、鋭い瞳の野生の凶暴な熊の大将に変化したのに、ピリッと背筋に震えがきたが、行く先がラックの樹海である以上は生半可な気持ちで行くと、無駄死にする事は理解しているから、エリオットの鼓舞に気持ちが勢いづいた。
「竜達は、いつもの場所に待機させてるよ。エリオットちょと来なよ」
いつの間にかノアが現れて、笑顔でエリオットを手招きした。エリオットはビクつきながらも近付いた。
「嫌だなぁノアのその笑顔は、ろくな事考えてないだろ?」
「何ビビってんの?さっきの威厳は何処行ったよ。私はこの試作品を試して欲しいなぁっと思ってね!ホイ!」
ノアが、ポケットから親指程の球体を掌いっぱい取り出してエリオットの掌に気軽に乗せた。
「ノア……何だよこれ?どうするのか?どうなるのか説明しろ!」
「えーとね!言わないよ。楽しくないじゃないか?エリオットや皆んなにも驚いて欲しいじゃない?」
「俺達はそんなビックリは要らない!!頼むから使用方法だけでも教えてくれ」
エリオットが掌の物体を恐る恐る机に置こうとすると。
「もう!駄目だよエリオット、体温に接して居ないと出てきちゃうからね、ポケットに入れてて~それでね、害獣の溜まってる場所に勢い良く君の腕力で投げつけて……寒さと勢いで目が覚めて中からポン!だよー」
エリオットはそれを聞いて直ぐにポケットに震える手で慎重に入れた。
「ノアよ!お前は何処に行ってたんだよ。そんで、エリオットを虐めんじゃねえよ。そんで中から何が出てくんだ?」
騒ぎを聞きつけてアイザックがやってきた。
「団長…うーん。耳かして」
ノアがアイザックの耳に向かって、コショコショ内緒話をしている。だんだんアイザックの顔色が蒼く変化していく。
「お前…こんなもの、何処から手に入れたんだよ?」
真剣にアイザックが聞くと。
「この前、罠にかかった奴が持ってたの、快くくれたよ。でもそんな物、此処では使えないでしょ!ラックの樹海なら使えるかなぁと?渡す為に帰ってきたんだからね。じゃあ私はもう少し用事があるから!後でちゃんとあの子の所に行くから待ってて」
そう言ってノアはササササっと何処かに去って行った。
残された者達は……
「団長これは?どうすれば?」
「使ってこい!害獣が固まってる場所に向けて、投げろ!すると……綺麗になるよ。お前達は距離を取っておけよ、危険だからな。さあ!行ってこい!」
「はぁー???行けるわけないでしょ?中は何ですか?教えてくれたら行きます」
溜息をつきながら、アイザックはエリオットに近付いて耳元で囁くと、去って行った。
エリオットは暫し固まり……動き出した。
「行くぞ!出発だ…今すぐ行くぞ!」
エリオットは竜の待機場所に走って行った。他の隊員も、後をついて行った。
数分後、騎士団本部上空には竜に乗ったエリオットと三班の隊員達が空高く飛び立って行った。
騎士団本部の側の、野外に屋根だけ設置された場所に、騎士団本部に居る者全て集まっている。
団長のアイザックが、集まっている皆の前で聞いた。するとディランが手を挙げて。
「ちょっと前に、話しました~その後、外に行ってましたよ」
「ありがとよ、まあすぐ帰ってくるだろうよ。
そいじゃあ今日の予定は、一班長何時も通り王宮壁宜しくな。
二班長王都だ。
三班長エリオットと害獣が多発している、ラックの樹海へ行ってくれ。応援が必要なら直ぐ言えよ。最近隣国がきな臭い動きをしてくれている様だからな、気を引き締めろ。
後の四、五は待機しながら鍛えてろ。サボるんじゃねえぞ!いつ遠方からのお誘いがあるか解んねえからな、しっかり身体温めとけよ。
それとよ!王宮内の近衛の奴らが、苦情言ってきたぞ。身に覚えのある奴…控えろよ!居ない奴等や部下にも言っとけ!あまり酷いと減給すっぞ。以上終了。行け!」
「団長~!質問!」
「なんだディラン」
又も、元気に挙手しながら。
「サミュエルのさっきまで、隣に居た綺麗な人は誰ですか?~」
「それは、後のお楽しみだ。ノアから、話させるから待っとけ!さあ仕事だ仕事!終わった奴は大人しく帰って寝ろよ。昨夜、盗賊大量に仕留めたんだろう!ご褒美に、食堂に特別に美味い飯用意しておいた」
「「「「うおおおー!」」」」
今から帰宅の連中が叫び、いっせいに食堂に駆け込んで行った。
他の者達も、各部署に戻ったり配置に着きに移動していく。その中その場に残っていた三班の隊員達とエリオットは。
「三班行くぞ!何が待っているのか樹海さん~此処からは6日以上かかる場所だろ!竜に乗ってくぞ!!戦力にもなるしな!遅れる奴は置いてくからな!」
三班長と隊員は、普段は優しい茶色の朗らかな瞳の熊さんが、鋭い瞳の野生の凶暴な熊の大将に変化したのに、ピリッと背筋に震えがきたが、行く先がラックの樹海である以上は生半可な気持ちで行くと、無駄死にする事は理解しているから、エリオットの鼓舞に気持ちが勢いづいた。
「竜達は、いつもの場所に待機させてるよ。エリオットちょと来なよ」
いつの間にかノアが現れて、笑顔でエリオットを手招きした。エリオットはビクつきながらも近付いた。
「嫌だなぁノアのその笑顔は、ろくな事考えてないだろ?」
「何ビビってんの?さっきの威厳は何処行ったよ。私はこの試作品を試して欲しいなぁっと思ってね!ホイ!」
ノアが、ポケットから親指程の球体を掌いっぱい取り出してエリオットの掌に気軽に乗せた。
「ノア……何だよこれ?どうするのか?どうなるのか説明しろ!」
「えーとね!言わないよ。楽しくないじゃないか?エリオットや皆んなにも驚いて欲しいじゃない?」
「俺達はそんなビックリは要らない!!頼むから使用方法だけでも教えてくれ」
エリオットが掌の物体を恐る恐る机に置こうとすると。
「もう!駄目だよエリオット、体温に接して居ないと出てきちゃうからね、ポケットに入れてて~それでね、害獣の溜まってる場所に勢い良く君の腕力で投げつけて……寒さと勢いで目が覚めて中からポン!だよー」
エリオットはそれを聞いて直ぐにポケットに震える手で慎重に入れた。
「ノアよ!お前は何処に行ってたんだよ。そんで、エリオットを虐めんじゃねえよ。そんで中から何が出てくんだ?」
騒ぎを聞きつけてアイザックがやってきた。
「団長…うーん。耳かして」
ノアがアイザックの耳に向かって、コショコショ内緒話をしている。だんだんアイザックの顔色が蒼く変化していく。
「お前…こんなもの、何処から手に入れたんだよ?」
真剣にアイザックが聞くと。
「この前、罠にかかった奴が持ってたの、快くくれたよ。でもそんな物、此処では使えないでしょ!ラックの樹海なら使えるかなぁと?渡す為に帰ってきたんだからね。じゃあ私はもう少し用事があるから!後でちゃんとあの子の所に行くから待ってて」
そう言ってノアはササササっと何処かに去って行った。
残された者達は……
「団長これは?どうすれば?」
「使ってこい!害獣が固まってる場所に向けて、投げろ!すると……綺麗になるよ。お前達は距離を取っておけよ、危険だからな。さあ!行ってこい!」
「はぁー???行けるわけないでしょ?中は何ですか?教えてくれたら行きます」
溜息をつきながら、アイザックはエリオットに近付いて耳元で囁くと、去って行った。
エリオットは暫し固まり……動き出した。
「行くぞ!出発だ…今すぐ行くぞ!」
エリオットは竜の待機場所に走って行った。他の隊員も、後をついて行った。
数分後、騎士団本部上空には竜に乗ったエリオットと三班の隊員達が空高く飛び立って行った。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。


どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

皇太女の暇つぶし
Ruhuna
恋愛
ウスタリ王国の学園に留学しているルミリア・ターセンは1年間の留学が終わる卒園パーティーの場で見に覚えのない罪でウスタリ王国第2王子のマルク・ウスタリに婚約破棄を言いつけられた。
「貴方とは婚約した覚えはありませんが?」
*よくある婚約破棄ものです
*初投稿なので寛容な気持ちで見ていただけると嬉しいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる