《完結》えっ?私が男装女子になるなんて!

皇子(みこ)

文字の大きさ
上 下
4 / 16

しおりを挟む
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ~ 惚れちゃった」

「かっこいいわぁ~~~」

「すげ~ ですね。俺……負けたかも」

「ねぇねぇ写真撮っても良いですか?」

「我ながら凄い出来ね。写真よりも格好良いってアリなのかしらね? これは、私の腕ってより素材?」


何だか凄い事になっております。

 ミュージカルを真剣に見ていたら、いつの間にか終わってて、鏡を覗くとそこには……

 キラッキラに輝いている線の細い美男子が居ました。

 すぐに美容師さん達に囲まれて、周りのお客さん達にも遠目にガン見されています。

 うっ私どうしよう……何だか想像の斜め上に突っ走っているのかも知れない今現在の状態……どうしよう。


「えっとお……写真は別に気にしないので撮ってもらっても大丈夫ですよ。

 あの……ありがとうございました。何だか変われそうで嬉しいです」


「私も嬉しいわ。ここまで出来上がると美容師としても言う事なしね。

 良かったらアレンジ方法色々教えてあげるから。何時でもいらっしゃい。

 その代わりと言っては何だけどその後は、写真撮らせてね」


「早瀬さん……ありがとうございます。困った時は宜しくお願いします」

「あゆみちゃん。これは、お世辞でも何でもなく貴女は本当にすこぶる格好良いのよ! 絶対にお店に来てね。私待ってるから」


早瀬さんの両手が私の両手を力一杯握られてる。

 そして、力説されてる……これは絶対に近々来ないといけないのかな。

 少し出費が痛いけど、コンビニバイトの給料出たばかりだから大丈夫……



「あーーどうしょう!!バイトできない」

「どうしたのいきなり叫んで?」

「あっごめんなさい……私コンビニバイトしてるんですが、この髪じゃあ辞めさせられるかも……

 そのお店年配の方がほとんどで、だからきっと嫌がられる。他のバイト探さなきゃ」


「俺ピッタリのバイト知ってる~~」


美容師さんの中でも1番若そうな男性が軽い話し方で、教えてくれた。


「あのさぁこの店から右手に歩いて花屋を左に真っ直ぐ行くと、Andreって店があるんだけどそこなんか良いんじゃない?俺の友達も良く通ってるんだよね

「咲くん、それって男装カフェとかバーみたいなのよね、確か」

「あー知ってる私!可愛い着飾った女の子がフリフリしながら入っていくの見た事ある!」


なんだか、美容師さん達も多数の方が知ってるみたい。

 男装喫茶かぁ……近そうだし寄ってみようかなぁ?

 私はお世話になった皆さんにお別れを告げて、来た時とは真反対の清々しい気分で美容院の扉を開いた。

 すると、夏終わりの少し涼しい風が私の短くなった髪を靡かせた。髪をひとつまみ引っ張ってみて。


「すっごく短くなったなぁー 

 頭を振っても髪が纏わりつかない……

 軽いし洗ってもすぐに乾くんだろうな。楽になっちゃったな……うん。よし、行こう!」


私はAndreに向かって歩き出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

彼女がいなくなった6年後の話

こん
恋愛
今日は、彼女が死んでから6年目である。 彼女は、しがない男爵令嬢だった。薄い桃色でサラサラの髪、端正な顔にある2つのアーモンド色のキラキラと光る瞳には誰もが惹かれ、それは私も例外では無かった。 彼女の墓の前で、一通り遺書を読んで立ち上がる。 「今日で貴方が死んでから6年が経ったの。遺書に何を書いたか忘れたのかもしれないから、読み上げるわ。悪く思わないで」 何回も読んで覚えてしまった遺書の最後を一息で言う。 「「必ず、貴方に会いに帰るから。1人にしないって約束、私は破らない。」」 突然、私の声と共に知らない誰かの声がした。驚いて声の方を振り向く。そこには、見たことのない男性が立っていた。 ※ガールズラブの要素は殆どありませんが、念の為入れています。最終的には男女です! ※なろう様にも掲載

今日は私の結婚式

豆狸
恋愛
ベッドの上には、幼いころからの婚約者だったレーナと同じ色の髪をした女性の腐り爛れた死体があった。 彼女が着ているドレスも、二日前僕とレーナの父が結婚を拒むレーナを屋根裏部屋へ放り込んだときに着ていたものと同じである。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

男装女子はなぜかBLの攻めポジ

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
恋愛
身代わりで全寮制男子校に潜入生活の私は女子。 この学校爛れすぎてるんですけど!僕の男子の貞操の危機じゃない⁉︎なんて思ってた時もありました。 陰で女王様と呼ばれて、僕とのキス待ちのリストに、同級生に襲われる前に襲ったり、苦労が絶えないんだけど! 女なのに男としてモテる僕、セメの僕⁉︎ 文化祭では男の娘として張り切ってるのに、なぜか仲間がうるさい!自覚って何の自覚⁉︎ #どこまで男で頑張れるか  #なぜかBLっぽい #キスしまくりな僕

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

処理中です...