7 / 9
しち
しおりを挟む
俺は橘晶高校二年生。
高校での俺は何故か落ち着いた大人っぽい奴になっている。
友人も普通にいるし、偶にはふざけたりしている筈なのに、女達の最初の変なフィルターにより、変な俺が出来上がっている今現在だ。
入学当時の俺は、自身のことや周りの事より、ある一人の人物の事しか頭に無く、一歩間違えばストーカ並みの事をしていた自覚もある。
だからか、周りの人間には俺は冷淡な、かっこ良くいえばクールに見えたのだろう。
その人物とは、幼稚園・小学校・中学校・高校とずーっと同じだった。クラスも同じ確率が何故か多かった幼馴染みの飯田華だ。
華の事を俺は自然に好きになっていた。
華の見た目や性格も勿論だが、綺麗で落ち着きのある心に響く唄声と、鋭く張り詰めそして悲しみの混じる歌詞を偶然にも聴いた時、俺は華を護りたい。側で元気付けてやりたい。抱き締めてゆっくり安心して休憩させてやりたい。
そんな感情が芽生えたんだ。
頭の良い華と同じ高校へ行けるように必死で勉強したし、人気のある華の横に居て、他の奴等を牽制もしてた。華はきっと何もわかっていないだろう。
あいつの家族関係は薄々気付いていた。唄のことや唄の歌詞同様に心の中の傷にも知っていて知らないフリをした。
華はきっと知られたくないだろうと思ったし、華からいつか話してくれる日を俺は待とうと思ったから。
俺は高校へ進学したら、華に告白しようと決めていた! それなのに、気付いたら華の家は引っ越し居なくなっていた。
色々調べて探したが、華の居場所はわからなかった。けど、きっと高校は一緒の筈だから、そこを頼りにしていた。
俺は入学式のその日、華を見つけた。喜び駆け寄ろうとしたが、独りでたたずみ周りを遮断している様に感じて声を掛けることが出来なかった。
その日から俺は、華の家を調べ状況を調べそして機会を伺った。今、きっと話しかけても華に拒絶されるのは目に見えていた。それ程、華は殻に篭っていた。時期を待つ必要があると思ったんだ。
俺は将来、親を超えるヘアースタイリストになる事を決めていた。
父親の店には、芸能人やモデルも多く来店していて、店は小さいが腕は確かで多くの人が笑顔で帰っていくそんな店なんだ。
俺も父親の元でバイトしながら、腕を磨き将来は不器用な華の髪を綺麗に毎朝セットしてやる事を夢見ているんだ。
あいつの唄も歌詞も良くわからないが、凄い事才能がある事だけは理解できた。俺は華がゆくゆくは外へ飛び出していく人間だと思ってるんだ、俺もあいつと一緒に羽ばたける様にヘアースタイリストの路を突き進んでいく決心をしている。
そんな俺の我慢も一年を過ぎた頃からウズウズしてきて、とうとう華に話しかける事を決めた!
機会を伺い話しかけたそして、今やっと目の前で華の唄を聴ける所まで漕ぎ着けたんだよ。
「俺の将来の為に頑張るぞ!」
高校での俺は何故か落ち着いた大人っぽい奴になっている。
友人も普通にいるし、偶にはふざけたりしている筈なのに、女達の最初の変なフィルターにより、変な俺が出来上がっている今現在だ。
入学当時の俺は、自身のことや周りの事より、ある一人の人物の事しか頭に無く、一歩間違えばストーカ並みの事をしていた自覚もある。
だからか、周りの人間には俺は冷淡な、かっこ良くいえばクールに見えたのだろう。
その人物とは、幼稚園・小学校・中学校・高校とずーっと同じだった。クラスも同じ確率が何故か多かった幼馴染みの飯田華だ。
華の事を俺は自然に好きになっていた。
華の見た目や性格も勿論だが、綺麗で落ち着きのある心に響く唄声と、鋭く張り詰めそして悲しみの混じる歌詞を偶然にも聴いた時、俺は華を護りたい。側で元気付けてやりたい。抱き締めてゆっくり安心して休憩させてやりたい。
そんな感情が芽生えたんだ。
頭の良い華と同じ高校へ行けるように必死で勉強したし、人気のある華の横に居て、他の奴等を牽制もしてた。華はきっと何もわかっていないだろう。
あいつの家族関係は薄々気付いていた。唄のことや唄の歌詞同様に心の中の傷にも知っていて知らないフリをした。
華はきっと知られたくないだろうと思ったし、華からいつか話してくれる日を俺は待とうと思ったから。
俺は高校へ進学したら、華に告白しようと決めていた! それなのに、気付いたら華の家は引っ越し居なくなっていた。
色々調べて探したが、華の居場所はわからなかった。けど、きっと高校は一緒の筈だから、そこを頼りにしていた。
俺は入学式のその日、華を見つけた。喜び駆け寄ろうとしたが、独りでたたずみ周りを遮断している様に感じて声を掛けることが出来なかった。
その日から俺は、華の家を調べ状況を調べそして機会を伺った。今、きっと話しかけても華に拒絶されるのは目に見えていた。それ程、華は殻に篭っていた。時期を待つ必要があると思ったんだ。
俺は将来、親を超えるヘアースタイリストになる事を決めていた。
父親の店には、芸能人やモデルも多く来店していて、店は小さいが腕は確かで多くの人が笑顔で帰っていくそんな店なんだ。
俺も父親の元でバイトしながら、腕を磨き将来は不器用な華の髪を綺麗に毎朝セットしてやる事を夢見ているんだ。
あいつの唄も歌詞も良くわからないが、凄い事才能がある事だけは理解できた。俺は華がゆくゆくは外へ飛び出していく人間だと思ってるんだ、俺もあいつと一緒に羽ばたける様にヘアースタイリストの路を突き進んでいく決心をしている。
そんな俺の我慢も一年を過ぎた頃からウズウズしてきて、とうとう華に話しかける事を決めた!
機会を伺い話しかけたそして、今やっと目の前で華の唄を聴ける所まで漕ぎ着けたんだよ。
「俺の将来の為に頑張るぞ!」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。


逆行死神令嬢の二重生活 ~兄(仮)の甘やかしはシスコンではなく溺愛でした~
猪本夜
恋愛
死神業という特殊な職業の後継者である第三皇妃の紗彩(さあや・サーヤ)は、最愛の夫(皇帝)の他の妻(第一皇妃)に殺され、気づいたら時間が逆行して五歳に戻っていた。
前世の最愛の夫に二度と関わらないことを神に約束した紗彩は、現世では恋を諦め、愛のない結婚をすると決めていた。しかし愛のない婚約者から婚約破棄されてしまう。
現世で伯爵令嬢で勤労学生の紗彩は、日本(東京)と異世界で二重生活を送り、仕事に学生に多忙を極める。
複雑な家庭環境だが、兄や兄(仮)に甘やかされ、弟や妹を甘やかしながら、前世とは違う毎日を過ごす内に、恋をしてしまう。
いつのまにか溺愛に順応させられ苦悩する。また人を愛してもいいのだろうか。
愛した人との幸せを願う紗彩に、色んな思惑が錯綜する中、再び死の危険が迫る。そして逆行前に起きた紗彩の死の真相とは。
――紗彩を最も深く愛したのは誰なのだろうか。
※ラストまで構想済みですので、完結保証します
溺愛 × ブラコンシスコン × 若干サスペンス風 でお送り致します。
東京などの場所は、全て架空の場所です。
基本は紗彩(主人公)視点、主人公以外の視点は記載しております。
※小説家になろう様、カクヨム様でも投稿中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢アンジェリカの最後の悪あがき
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【追放決定の悪役令嬢に転生したので、最後に悪あがきをしてみよう】
乙女ゲームのシナリオライターとして活躍していた私。ハードワークで意識を失い、次に目覚めた場所は自分のシナリオの乙女ゲームの世界の中。しかも悪役令嬢アンジェリカ・デーゼナーとして断罪されている真っ最中だった。そして下された罰は爵位を取られ、へき地への追放。けれど、ここは私の書き上げたシナリオのゲーム世界。なので作者として、最後の悪あがきをしてみることにした――。
※他サイトでも投稿中


絵姿
金峯蓮華
恋愛
お飾りの妻になるなんて思わなかった。貴族の娘なのだから政略結婚は仕方ないと思っていた。でも、きっと、お互いに歩み寄り、母のように幸せになれると信じていた。
それなのに……。
独自の異世界の緩いお話です。
続・上司に恋していいですか?
茜色
恋愛
営業課長、成瀬省吾(なるせ しょうご)が部下の椎名澪(しいな みお)と恋人同士になって早や半年。
会社ではコンビを組んで仕事に励み、休日はふたりきりで甘いひとときを過ごす。そんな充実した日々を送っているのだが、近ごろ澪の様子が少しおかしい。何も話そうとしない恋人の様子が気にかかる省吾だったが、そんな彼にも仕事上で大きな転機が訪れようとしていて・・・。
☆『上司に恋していいですか?』の続編です。全6話です。前作ラストから半年後を描いた後日談となります。今回は男性側、省吾の視点となっています。
「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる