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ろく
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久しぶりの家族団欒の雰囲気と美味しいオムライスを食べた後、おじさんはカットの予約が入ってる為美容室へ向かい。おばちゃんはお友達との約束があると渋々出掛けて行った。
何度も断りたい! って、ただをこねていたおばちゃんは相変わらず可愛いひと。
「おい。後二時間したら鞄取りに行くぞ」
「うん」
「ニッキ水飲むか?」
「要らない」
「美味いのに……んで、何飲む? 母さん勝手に飲んで良いって、出掛けて行ったからよ。わかんねーから冷蔵庫の中見て選べ」
「あんたね。そんなんだから彼女いないのよ……それにしても学校での橘、何であんなに人気なのかわかんないわ」
「そうだろ。俺もわかんねー 女共のテンションはついていけねーし、俺化粧みたいな臭い匂いぷんぷんさしてんの嫌なんだわー あの甘ったるい匂いが苦手だ」
「橘。あんたの方がシナモンの匂い漂わせてるよ」
「それさあ、良くお前言ってるけどわかんねーよ。自分の匂いなんてよ。お前からはいつも石鹸の匂いしてるぞ。固形の石鹸。お前も独特だろう。まあ、何か飲み物もって二階に上がるぞ」
「橘の部屋行くの?」
「おう。よく来てゲームしてたじゃん。新しいの入ってるぞ、やらないのか?」
「やる」
「華は何気にさっと良いとこもっていくからな」
「橘は、細かくて難しい所も簡単そうにクリアするじゃん。ムカつく程」
「性格でてんだろ」
「そうね」
橘の部屋に入ると、相変わらずの多少散らかってるが注意される一歩手前の部屋って感じで、居心地良かった。
時間までの間、ゲームをして普通の友人としての会話を楽しんだ。何か聞かれるかと思っていたのだが、何も聞かれなかった。言われても困るし、安心した。
私達は生徒が帰宅した後、そっと学校へ入って無事に鞄も手に入れた。
ミッション終了後。橘が、今住んでいる場所を知りたいと言うので、近いのもあるし別に不都合も無いからと、案内したの。
「すっげ~ 華。こんな場所に一人暮らしかよ。かっけーな」
「上がる?何も無いけど」
「おっ! 良いのかよ。みて~な。一人暮らしの部屋って憧れるよな」
「何も無いよ」
私は、初めて知り合いを部屋にあげた。本当に私以外の人間は、業者以外入れた事は無い。
両親も入った事ないから。この一年ちょい、人とこんなに話したのは初めてだ。とても新鮮な気分になっている。
「マジで何もねーな。華お前こんな所で一人で……あっ! ギターあんじゃん。
俺さお前の弾き語り好きなんだよ。夜唄いながら弾いてたろ」
「えっ!」
言葉が出ない……………………
だって私は人に聞かせた事など一度もないから。自分の気持ちを紙に書いて、それを発散させるために適当に音に合わせて流してた。全てが自己流。
その私の発散方法をなぜこいつは知ってるのか?
「ねえ!何故知ってるの」
「あっ!やべー あー バレちゃったな。怒るなよ……
俺さ夜の空気が好きで、夜空を見上げながらぶらぶら散歩してたらさ、中一の時期にお前ん家の下通った時、微かに音が聞こえてさ、耳をすませたらお前がギター弾きながら唄ってて……
その音と歌詞が心に響いてよ……あれからは、ビニールシート持ってお前ん家の庭に入り込んで、聴いてたんだよ」
「知らなかった……聴いてたんだ……あんな唄」
「あんな唄ではないから! 俺は好きだお前の唄。俺が生きてきた中で一番好きな大切な唄なんだよ」
「…………」
頭が真っ白になってて、何も考えられない。恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ち、聴いてくれていたという橘の感想を聞いて何故か少し誇らしい感じも……私を、認めて貰えた。大丈夫だって、いいんだって言ってもらえた気がしたの。
何度も断りたい! って、ただをこねていたおばちゃんは相変わらず可愛いひと。
「おい。後二時間したら鞄取りに行くぞ」
「うん」
「ニッキ水飲むか?」
「要らない」
「美味いのに……んで、何飲む? 母さん勝手に飲んで良いって、出掛けて行ったからよ。わかんねーから冷蔵庫の中見て選べ」
「あんたね。そんなんだから彼女いないのよ……それにしても学校での橘、何であんなに人気なのかわかんないわ」
「そうだろ。俺もわかんねー 女共のテンションはついていけねーし、俺化粧みたいな臭い匂いぷんぷんさしてんの嫌なんだわー あの甘ったるい匂いが苦手だ」
「橘。あんたの方がシナモンの匂い漂わせてるよ」
「それさあ、良くお前言ってるけどわかんねーよ。自分の匂いなんてよ。お前からはいつも石鹸の匂いしてるぞ。固形の石鹸。お前も独特だろう。まあ、何か飲み物もって二階に上がるぞ」
「橘の部屋行くの?」
「おう。よく来てゲームしてたじゃん。新しいの入ってるぞ、やらないのか?」
「やる」
「華は何気にさっと良いとこもっていくからな」
「橘は、細かくて難しい所も簡単そうにクリアするじゃん。ムカつく程」
「性格でてんだろ」
「そうね」
橘の部屋に入ると、相変わらずの多少散らかってるが注意される一歩手前の部屋って感じで、居心地良かった。
時間までの間、ゲームをして普通の友人としての会話を楽しんだ。何か聞かれるかと思っていたのだが、何も聞かれなかった。言われても困るし、安心した。
私達は生徒が帰宅した後、そっと学校へ入って無事に鞄も手に入れた。
ミッション終了後。橘が、今住んでいる場所を知りたいと言うので、近いのもあるし別に不都合も無いからと、案内したの。
「すっげ~ 華。こんな場所に一人暮らしかよ。かっけーな」
「上がる?何も無いけど」
「おっ! 良いのかよ。みて~な。一人暮らしの部屋って憧れるよな」
「何も無いよ」
私は、初めて知り合いを部屋にあげた。本当に私以外の人間は、業者以外入れた事は無い。
両親も入った事ないから。この一年ちょい、人とこんなに話したのは初めてだ。とても新鮮な気分になっている。
「マジで何もねーな。華お前こんな所で一人で……あっ! ギターあんじゃん。
俺さお前の弾き語り好きなんだよ。夜唄いながら弾いてたろ」
「えっ!」
言葉が出ない……………………
だって私は人に聞かせた事など一度もないから。自分の気持ちを紙に書いて、それを発散させるために適当に音に合わせて流してた。全てが自己流。
その私の発散方法をなぜこいつは知ってるのか?
「ねえ!何故知ってるの」
「あっ!やべー あー バレちゃったな。怒るなよ……
俺さ夜の空気が好きで、夜空を見上げながらぶらぶら散歩してたらさ、中一の時期にお前ん家の下通った時、微かに音が聞こえてさ、耳をすませたらお前がギター弾きながら唄ってて……
その音と歌詞が心に響いてよ……あれからは、ビニールシート持ってお前ん家の庭に入り込んで、聴いてたんだよ」
「知らなかった……聴いてたんだ……あんな唄」
「あんな唄ではないから! 俺は好きだお前の唄。俺が生きてきた中で一番好きな大切な唄なんだよ」
「…………」
頭が真っ白になってて、何も考えられない。恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ち、聴いてくれていたという橘の感想を聞いて何故か少し誇らしい感じも……私を、認めて貰えた。大丈夫だって、いいんだって言ってもらえた気がしたの。
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