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部屋
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「なんなのよ~あんた。良く逃げて来たわね…私思うんだけどね。お母さんは…選んだのよ…逃げれた筈なのに、そこに居たのよ。
私はね。人間自分の人生、自分で選べると思ってるのよ。
あんたは、逃げて新たなスタートを選んだの。今、未成年のあんたは、見つかった時逃げれなくなるわよ。今のご時世自由なんて言っても、自由では無いのよ。あんたは、未成年なの。色々書類が無いと働けもしないの。保険証や身分証無いでしょう!バイトも出来ないわね」
「……」
俺は何も言えなかった。ピンクのワンピースの人の言っている事が本当だと思うから。
「ねえ!1つ提案ね~当分この部屋に置いてあげるわ。オマケに料理や家事も教えてあげる。その代わり、お給料あげるからオカマバーで働かない?私のお店なんだけどね今、丁度人が足らないのよ。お金貯まったら、近くのアパート探してあげるわ、そこに住めばいいじゃないの、未成年で無くなったら手助けしてあげるから、自分の道を進みなさい。どう?良い案じゃない?」
「本当ですか?俺としては、助かります…お金ももう無くて、どうして良いか判らなかったので」
俺は、不安でお腹がギリギリ締め付ける様に痛かったのが、不思議と無くなくなった。人間は、分かり易いものなのだと、実感した。
「そうと決まれば、あんたの名前教えてくれない?別に偽名でも良いわよ。流石にあんた呼ばわりは嫌でしょ?」
「いつきです。伊藤のい、と月で伊月です。これからお世話になります」
俺は、頭を下げた。
「ふぅ~ん。躾けはキチンとされてるし、善悪は判るのね~。それは生きる上で、1番大事な事よ。
客商売でしょ。やっぱり基本が大事って事ね~それじゃ出掛けましょまうか!」
俺は???
「なんて顔してんのよ。可愛い顔が間抜け面になってるわよ」
間抜けなんて…初めて言われたし…
「ちょっと。買い物に行くから伊月も来なさい。何落ち込んでんのよ。これだから顔が良いと、貶されたことなんてないでしょ!私なんて名前も源五郎だし、この見た目でしょ!もう、最悪よ~!
あっそうだわ。私の事は、ねねって呼ぶのよ。間違っても源五郎なんて呼んだらキスするわよ」
「はい!ねねさん宜しくお願いします!」
ドスの効いた声で凄まれると…怖っ!ねねさんには逆らわないぞ。
「さあさあ!伊月の下着や服買いに行くわよ。私、買い物だーいすきなのよ、こんな可愛い子の服、選ぶのなんて、ウキウキしちゃうわぁ~」
「でも、お金が…」
「働いてもらうんだから、給料から引いてあげるわよ。出しても良いけど、伊月は嫌でしょ。だからちゃんと毎月少しづつ、引くからね。安心して買いなさい」
俺は、ねねさんと買い物に行き、日常で使う物や服を買い込んだ。
疲れた。ねねさんのバイタリティには、着いていけない…
その日から、ご飯の基本的な作り方、洗濯、掃除、ゴミ出し等色々教わった。俺は、何も知らなかった事に落ち込んだ。こんな事簡単に出来るものだと思っていたのに…いざ、やってみると全て上手くできない…
こんなに不器用だったのか?俺は…
「もう!鬱陶しいわよ!伊月、真面目過ぎるのよ!初めてなんてこんなものよ。これから出来るようにしていけば良いじゃないのよ!
明日は夕方から、出勤よ。楽しみにしてなさいよ~今日は寝なさい。おやすみ」
ねねさんは俺に部屋をくれた。荷物置きになっていた空き部屋を、掃除してエアーベッドを膨らまし、なんだか部屋らしくなった。物は無いけどなんだか、ホッとする。色々ありすぎて、訳分からなくなっていた頭が少しはマシになったかもしれない。そんな事を考えていたら、いつの間にか寝ていた。
私はね。人間自分の人生、自分で選べると思ってるのよ。
あんたは、逃げて新たなスタートを選んだの。今、未成年のあんたは、見つかった時逃げれなくなるわよ。今のご時世自由なんて言っても、自由では無いのよ。あんたは、未成年なの。色々書類が無いと働けもしないの。保険証や身分証無いでしょう!バイトも出来ないわね」
「……」
俺は何も言えなかった。ピンクのワンピースの人の言っている事が本当だと思うから。
「ねえ!1つ提案ね~当分この部屋に置いてあげるわ。オマケに料理や家事も教えてあげる。その代わり、お給料あげるからオカマバーで働かない?私のお店なんだけどね今、丁度人が足らないのよ。お金貯まったら、近くのアパート探してあげるわ、そこに住めばいいじゃないの、未成年で無くなったら手助けしてあげるから、自分の道を進みなさい。どう?良い案じゃない?」
「本当ですか?俺としては、助かります…お金ももう無くて、どうして良いか判らなかったので」
俺は、不安でお腹がギリギリ締め付ける様に痛かったのが、不思議と無くなくなった。人間は、分かり易いものなのだと、実感した。
「そうと決まれば、あんたの名前教えてくれない?別に偽名でも良いわよ。流石にあんた呼ばわりは嫌でしょ?」
「いつきです。伊藤のい、と月で伊月です。これからお世話になります」
俺は、頭を下げた。
「ふぅ~ん。躾けはキチンとされてるし、善悪は判るのね~。それは生きる上で、1番大事な事よ。
客商売でしょ。やっぱり基本が大事って事ね~それじゃ出掛けましょまうか!」
俺は???
「なんて顔してんのよ。可愛い顔が間抜け面になってるわよ」
間抜けなんて…初めて言われたし…
「ちょっと。買い物に行くから伊月も来なさい。何落ち込んでんのよ。これだから顔が良いと、貶されたことなんてないでしょ!私なんて名前も源五郎だし、この見た目でしょ!もう、最悪よ~!
あっそうだわ。私の事は、ねねって呼ぶのよ。間違っても源五郎なんて呼んだらキスするわよ」
「はい!ねねさん宜しくお願いします!」
ドスの効いた声で凄まれると…怖っ!ねねさんには逆らわないぞ。
「さあさあ!伊月の下着や服買いに行くわよ。私、買い物だーいすきなのよ、こんな可愛い子の服、選ぶのなんて、ウキウキしちゃうわぁ~」
「でも、お金が…」
「働いてもらうんだから、給料から引いてあげるわよ。出しても良いけど、伊月は嫌でしょ。だからちゃんと毎月少しづつ、引くからね。安心して買いなさい」
俺は、ねねさんと買い物に行き、日常で使う物や服を買い込んだ。
疲れた。ねねさんのバイタリティには、着いていけない…
その日から、ご飯の基本的な作り方、洗濯、掃除、ゴミ出し等色々教わった。俺は、何も知らなかった事に落ち込んだ。こんな事簡単に出来るものだと思っていたのに…いざ、やってみると全て上手くできない…
こんなに不器用だったのか?俺は…
「もう!鬱陶しいわよ!伊月、真面目過ぎるのよ!初めてなんてこんなものよ。これから出来るようにしていけば良いじゃないのよ!
明日は夕方から、出勤よ。楽しみにしてなさいよ~今日は寝なさい。おやすみ」
ねねさんは俺に部屋をくれた。荷物置きになっていた空き部屋を、掃除してエアーベッドを膨らまし、なんだか部屋らしくなった。物は無いけどなんだか、ホッとする。色々ありすぎて、訳分からなくなっていた頭が少しはマシになったかもしれない。そんな事を考えていたら、いつの間にか寝ていた。
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