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国中総てに虐げられてた私は未来の皇后?

妖精の泉(レイファ)

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「大丈夫? レイファちゃん。落ち着いたかしら? わたくしの手作りのハーブティーは如何」


大分落ち着いた私へ、フレア様がハーブティーを自らの手で入れてくれている。


「フレア様がハーブティーを入れるのですか?」

「この離宮に来て、わたくし四年になりますのよ。

 色々な事にチャレンジしてみたいと思いまして、最近はシェフに教えを請い。お菓子作りも始めましたの。レイファちゃんがいただいてくれると嬉しいわ。冷めないうちに召し上がって」

「いただきます。とても良い香りです」

「わたくしの薔薇も入れてみましたのよ」

「だから、ほんのりピンクなのですね。
暖かくてほのかに甘くとても美味しいです」

「嬉しいわ~ ありがとうレイファちゃん」


私は美味しいハーブティーをいただき、心も落ち着きました。


「レオン様フレア様、色々ありがとうございます。私も……今日起こっている出来事は、自分でも信じられない事ばかりで……

 お二人にも信じていただけるか判りません。ですが、真実をありのままお話ししたいと思います。多少おかしな事を言うかも知れませんが聞いて下さい」


私は、お二人を前に出来るだけ落ち着いて冷静にを心がけ、私が産まれ落ちた時からの話をさせていただきました。話終えると。


「レイファちゃん……此処は、サーフウィカ王国ですのよ。

 国民は茶色の髪や瞳等は黒も多いの、貴女の瞳の左右対称は珍しいけれども、とても綺麗ですから羨む方は居るでしょうが、危害を加える方は居ないと思いますわよ。

 漆黒の髪は珍しい物では無いですし、我が国は禁忌の色など無いですわ。

 国によっては様々な掟はあるけれど、嫌ならば出れば宜しいのではなくて? レイファちゃんはもう、サーフウィカ王国にいらっしゃるじゃないの! わたくしは歓迎いたしますわよ。

 昔と違い、今では人が国を移動する等普通の事ですわ。厳しくは無いのよ。それにレイファちゃんは、妖精の泉に選ばれ、此処に運ばれたのではないかしら?」


「妖精の泉ですか?」

「母上、私もそれは初めて聞きます」


レオン様と私は、2人で顔を見合わせて首を傾げます。


「まあ! 仲がよろしいのね~ レオンの気取らない雰囲気と柔らかな表情は、最近珍しいですわね~ 昔はさて置きこの頃又、貴方ピリピリしていましたわよ。

 何か悩んでいて、わたくしで力になれるのなら今度話して貰えると嬉しいですわ、レオン。

 あっごめんなさいね……妖精の泉の事ですわよね。わたくしも見た事は無いのだけれども、本当に存在するのかも定かでは無いお話なのだけれど……

 妖精の泉に選ばれた者は、引き寄せられ、その者に必要なモノを与えられると、言われていますのよ。

 与えられた者は、慎み深い方が多いみたいで誰も言わないので詳しくは、判らないのですが、言い伝えみたいになっているのよ。

 レイファちゃんは、呼ばれて此処に運ばれ、何かを与えられている筈ですわ。レイファちゃんさえ良ろしければ、此処に住めば良いのではなくて? 部屋は余っていますし、わたくしの話し相手をしていただけると嬉しいわ。どうかしら?」



「私が、何か与えられた……」


私は先程の、シリスさんとのやりとりを思い出してしまった。少し考えていると。


「レイファすまないが、私はこれから王宮へ行かないとならなくてな。半月前に、サーフウィカ王国に一年ぶりに帰って来たばかりなので、当分は王宮での仕事をしなければいけないのだよ。

 此処に連れて来たのは私なのに、すまない。

 母上慌ただしくしてしまい申し訳ありませんが、レイファの事宜しくお願いします。仕事が落ち着きましたら又、此方に参ります」


レオン様が、私の為に……こんな価値の無い私の為に……優しい言葉を。私は涙がポロポロポロポロ止まらなくて。レオン様が頭を優しく撫でてくれました。


「レイファ大丈夫だよ。此処は安全だから、美味しい物を食べて大きくなりなさい。先程の話で、レイファが16歳と聞いて驚いたよ。忘れる事は出来ないだろうが前には進めるだろう、なっ」


レオン様は、王宮へシリスさんに乗って行かれた。お見送りした時シリスさんが。


(レイファまたあいましょうね。あなたは、いろいろなことができるわよ。ためしてみなさいな)


どう言う事なのかしら?


「レイファちゃんいらっしゃい、離宮で働いてくれている者達を、紹介いたしますわね。の、前に少し髪が長過ぎて歩くのも大変そうなので、切りましょうね。
セベル誰か、器用な人は居るかしら?」

「はい、フレア様。そうでございますね、メイド頭のメルは良く頼まれて他の者の髪等を、切っております」

「そうなの。それでは、メルを呼んでちょうだい」

「はい。かしこまりました」


なんだが、色々話が進んでいってますが、髪は本当に邪魔なので嬉しいです。

 その後、メイド頭のメルさんに長い髪をお尻の下辺りに揃えて切って貰いました。前髪も自然な感じに整えて貰い助かりました。

 先程のセベルさんは執事さんでした。
後は、メイドさん達と庭師の方。シェフ達と一通りの説明を受けました。

 皆様優しくて、慈愛のこもった瞳で私をみてくれました。本当に妖精の泉があるのなら、感謝しかありません。ありがとう。
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