《完結》《異世界アイオグリーンライト・ストーリー》でブスですって!女の子は変われますか?変われました!!

皇子(みこ)

文字の大きさ
上 下
38 / 62
国中総てに虐げられてた私は未来の皇后?

抜け出た先は(レイファ)

しおりを挟む
私は先程迄寝ていた場所。池みたいな不思議な水を眺めていた。


「何故か心が休まる感じがするのよね。ムチで打たれてジンジンしていた背中も痛く無いし、数え切れない程あるミミズ腫れや青痣、切り傷も手足だけしか見てないけど消えている? 

    それに……無気力だった心が、やる気に満ち満ちているの。こんな事、幼い頃の未だ何も知らなかった私以来だわ」


私は水に近寄り掌で掬い、口に含んだ。


「美味しい! なんだか勇気が出て来たわ~ 怖いけれど、外を歩いてみましょう。大丈夫、私は頑張れる!!」


水から離れて、木々の方へとゆっくり歩みを進めた。鬱蒼と茂った葉の間を抜けて、外に出ると直ぐに開けた空間に出た。


「えっ此処は? 何処?」

 
さっきの池に戻ろうと、振り返って見て驚いた。全てが無くなっている。


「さっきまで此処には鬱蒼と茂った葉っぱがあったはずなのに、無いわ?」


暫く訳が分からなくてその場に立ち竦んでいたら。


「おい君! どこから来た。此処は一本道なんだ。この先の屋敷からは良く見え、私は観ていたんだ、が……君は突然現れた」


目の前には白馬に乗った男性が居た。今まで人間は、私の事を一目見ると、嫌な目付きになるのにこの人は違う? 不審げには観ているが、嫌悪は無いみたい。なんだか嬉しいです。私は自然と笑顔になり。


「私はレイファと言います。此処には良くわかりませんが……さっきまで木々に囲まれた不思議な池があったのです。消えましたが、あの……あの……」


男性は、ストンと白馬から身軽に降りて私の目の前に歩いて来ました。


「怪しい者ではなさそうだな。私はレオンだ。この先には私の母の屋敷があるんだが、まあ大丈夫だろう。ついて来い」


レオンさんは私に近寄り、腰に手を置きふわりと、白馬に乗せた。


「うわ~ レオンさん、高い高いです。無理です。怖いです。落ちます」

「大丈夫だ、馬に乗った事無いのか? ちょと待てよ」


あたふたしている私を見てレオンさんは、白馬に乗って来た。私が居るのに乗って来た!? あり得ないわ。


「レオンさん近い近い! 近いです! 私降ります! 下ろしてください」


「屋敷迄一本道だか、結構距離あるぞ。馬で行くのが手っ取り早いんだ。落ちないように私に捕まってろよ。じゃ行くぞ」

「うわー 動いたぁー! レオンさん落ちます! 身体が白馬から浮き上がります」

「ゆっくり行こう。シリスゆっくりな」


レオンさんは優しく白馬に語りかけると、白馬……シリスさんはちゃんとゆっくり歩いてくれました。


「シリスさんありがとうございます。賢いですね。シリスさんは」


話しかけると、シリスさんは鳴き声で答えてくれました。動物さん達は大好きです。辛い時も動物さん達は、いつも慰めてくれたから……


(わたしも、あなたがすきよ)

「えっ?」

「どうした?  大丈夫か、しっかり捕まらないと本当に落ちるぞ」

「は、はい!」


今頭の中に、言葉が飛び込んできた……

(それわたしよ。わたし)

「えーーーーーーー!」
しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

つかれやすい殿下のために掃除婦として就くことになりました

樹里
恋愛
社交界デビューの日。 訳も分からずいきなり第一王子、エルベルト・フォンテーヌ殿下に挨拶を拒絶された子爵令嬢のロザンヌ・ダングルベール。 後日、謝罪をしたいとのことで王宮へと出向いたが、そこで知らされた殿下の秘密。 それによって、し・か・た・な・く彼の掃除婦として就いたことから始まるラブファンタジー。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

リアンの白い雪

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
その日の朝、リアンは婚約者のフィンリーと言い合いをした。 いつもの日常の、些細な出来事。 仲直りしていつもの二人に戻れるはずだった。 だがその後、二人の関係は一変してしまう。 辺境の地の砦に立ち魔物の棲む森を見張り、魔物から人を守る兵士リアン。 記憶を失くし一人でいたところをリアンに助けられたフィンリー。 二人の未来は? ※全15話 ※本作は私の頭のストレッチ第二弾のため感想欄は開けておりません。 (全話投稿完了後、開ける予定です) ※1/29 完結しました。 感想欄を開けさせていただきます。 様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。 ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、 いただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。 申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。 もちろん、私は全て読ませていただきます。 ※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。

悪役令嬢は反省しない!

束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢リディス・アマリア・フォンテーヌは18歳の時に婚約者である王太子に婚約破棄を告げられる。その後馬車が事故に遭い、気づいたら神様を名乗る少年に16歳まで時を戻されていた。 性格を変えてまで王太子に気に入られようとは思わない。同じことを繰り返すのも馬鹿らしい。それならいっそ魔界で頂点に君臨し全ての国を支配下に置くというのが、良いかもしれない。リディスは決意する。魔界の皇子を私の美貌で虜にしてやろうと。

義妹が大事だと優先するので私も義兄を優先する事にしました

さこの
恋愛
婚約者のラウロ様は義妹を優先する。 私との約束なんかなかったかのように… それをやんわり注意すると、君は家族を大事にしないのか?冷たい女だな。と言われました。 そうですか…あなたの目にはそのように映るのですね… 分かりました。それでは私も義兄を優先する事にしますね!大事な家族なので!

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

王宮に薬を届けに行ったなら

佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。 カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。 この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。 慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。 弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。 「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」 驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。 「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」

処理中です...