《完結》《異世界アイオグリーンライト・ストーリー》でブスですって!女の子は変われますか?変われました!!

皇子(みこ)

文字の大きさ
上 下
7 / 62

紅のドレス

しおりを挟む
「今日は叔母様との約束通り、仕立て屋での待ち合わせですが、此方のお店で良かったの?」


馬車が止まり、ソフィアとラティラが降りると、目の前には少し古ぼけた仕立て屋。


「ラティラお姉様。此処は以前は、あまり噂の良く無いお店でしたが、店主が変わり今じわじわ噂の的になりつつあるお店ですわ」

「へぇー そうなのね。そろそろ時間ですし、ソフィアちゃん中に入りましょう」



,,カランカラン,,



「お邪魔します……うわぁ~ 凄い~ 色々なドレス! それも1つと同じ形が無いわ……」


ラティラは素晴らしい色の洪水に圧倒されていました。奥から入って~~っとの叫び声が、ソフィアとラティラは先に進みました。扉が開いてあり、中に五人の女の人が忙しく働いて居ました。

「お忙しい中来て頂き、申し訳ありません。この店の主人のアンと申しますぅ」

「……ディビーズ辺境伯令嬢ラティラです。今日は宜しくお願い致します」

「いゃあんとってもスタイルいいのねぇ 。バルサ様に採寸貰った時、本当にこれでドレス作成して良いのかぁあぁん不安だったのよぉ~ さぁ自信作なのよぉ~ 来て着てぇ~」


このアンさんは? 男? 女? 身体はデカイ! かなり見上げる感じね。雰囲気は女だわ? と…内心??と、思っているラティラです。奥の小部屋に入ると、1つのドレスが掛けてありました。


「これよん~」

「凄い! 紅だわ! 右腰に巨大な大きな花が華やかに咲いている……花の下は、フンワリふわふわ生地で色々な紅を使っていて。幾重にも重なる薄い薄い色違いの紅い布がふんだんに使われて、ボリュームのあるドレスになっていますわ。とても綺麗だわ!」


「そうなのよぉ~ 胸元はスッキリ開けてヴェラウォンのドレスで。ハートカットにする事で、華やかでお顔をシャープに見せて尚且つ、ぐし縫いする事でお辞儀をしても、布が浮く事なくフィットするのよ。

 お胸もしっかりあるから存在感も出せて、ウエストのシルバーの小花達がアクセントになり、とっても大人可愛い上品なドレスが出来上がったわよぉん! いやぁ~ん私ったらもぉう最高~ 着てみてぇ~ そうそう、背中は編み上げになってるのよぉ」


「はい、とっても着てみたい……」

「じゃあ此処で良いわよぉ~ ホラァ!サラ試着お手伝いしてぇ~」


小柄の可愛いらしい女の人が来て、お手伝いしてくれて、ササッと着れました。


「出来ました」


サラさんは言ってスッと出て行き、入れ違いに叔母様が入って来ました。


「あらぁ! 我ながら良いセンスしてるわねぇラティラに良く似合ってるわ。アンありがとう、サイズはどう? キツイとかある?」

「いえ、無いですとても楽で軽く、苦しく無い!? こんなドレス初めてです………」

「でしょでしょアンは凄い才能の持ち主なのよぉ~」

「じゃあ、あたしがぁチェックするわねぇ……ふぅ~ん、こっち向いてこれ上げて………」


アンはラティラを右へ左へチェックして、腕を上げ下げさせ屈ませたり俯かせたりと色々動かし。


「よし! ジャストサイズね。お直し無しぴったりよぉ~ じゃあ、お屋敷に送っておくわねぇ」

「ありがとうアンさん! とても可愛いドレスです」


「お仕事だからぁ~ でも、次も作るならあたしに言ってね。もっともっと良いのが頭に浮かんでるから、是非形にしてみたいわぁ」


横から叔母様が。


「アンそれ時間がある時、少しづつでいいから作っておいて、ラティラのサイズでね」

「叔母様。私はこの舞踏会終わったら辺境に帰りますから、もう着ませんよドレス」

「良いの良いの。あって腐るもので無し、平気平気。ラティラ本格的なドレス、これだけじゃないの。ラティラぐらいの歳は20着ぐらいは持ってるわよ」

「でも………」

「ハイハイ! さぁ脱いで近くに美味しいパフェのお店があるのよ行きましょう。ソフィアも行くわよね?」


横でラティラを眺めて見惚れていた、ソフィアがハッとして。


「はい! とても素晴らしいドレスです~ ラティラお姉様すっごく女神です!」


ラティラを崇め崇拝する瞳で見てくるソフィアに、皆は少し呆れ顔。


「ソフィア、パフェ行くわよ」


叔母様に手を引かれ、部屋から出て行きました。ラティラは着替え、ドレスを掛けて少し離れて眺め………


「私のドレス、この様なドレスは6歳以来かしら。今の私は沢山努力して、自身は有るわ……でも……恐怖心って消えないわね。

 舞踏会とか本当に行きたくない。6歳から、数年後とかなら平気だったのかしら? 十一年は長すぎたわね。今更華やかな場所は、やっぱりいやだ……」


ラティラは苦しそうな表情を押し隠し、笑顔を浮かべ皆の所へ。美味しいパフェを楽しく叔母様とソフィアと食べて、それぞれの帰路につきました。

 夕食時アルベルトに。


「お兄様今日ドレスを試着しました。とても綺麗なドレスでした。ありがとうございました。

 後、辺境の特産物の説明なのですが、私一通りは大丈夫だと思うのです。けれども、一度だけ打ち合わせをして下さい。

 と、もう一つ。此方が本題です。舞踏会迄、未だ時間ありますよね。王都での準備も終わりそうですし、是非私を王宮の騎士団に連れて行って、見学体験させて下さい。おねがい!」


ラティラはスクッと、立ち上がってアルベルトの前に行き、頭を下げてお願いしました。


「ふぅーん……騎士団ねぇこの前のアイツ居るよ? 大丈夫? それにラティラ騎士団から女神って呼ばれてるんだけど。平気? 確実に崇拝者居るよね~ 私は今忙しいから付いていけないから、1人だよ」

「うっ……それでも行きたいです」

「そう、わかった。連絡しておくから、いつでも時間のある時行きなさい」


さらっと流されて、皆でのワイワイ晩御飯に戻りました。ラティラは心の中で、ウキウキワクワクガッツポーズです。


「王都の騎士団って、どんな訓練してるのかしら? 楽しみね」
しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

義妹が大事だと優先するので私も義兄を優先する事にしました

さこの
恋愛
婚約者のラウロ様は義妹を優先する。 私との約束なんかなかったかのように… それをやんわり注意すると、君は家族を大事にしないのか?冷たい女だな。と言われました。 そうですか…あなたの目にはそのように映るのですね… 分かりました。それでは私も義兄を優先する事にしますね!大事な家族なので!

【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?

との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」 結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。 夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、 えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。 どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに? ーーーーーー 完結、予約投稿済みです。 R15は、今回も念の為

思い出してしまったのです

月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。 妹のルルだけが特別なのはどうして? 婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの? でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。 愛されないのは当然です。 だって私は…。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】彼を幸せにする十の方法

玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。 フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。 婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。 しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。 婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。 婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。

【完結】召喚された2人〜大聖女様はどっち?

咲雪
恋愛
日本の大学生、神代清良(かみしろきよら)は異世界に召喚された。同時に後輩と思われる黒髪黒目の美少女の高校生津島花恋(つしまかれん)も召喚された。花恋が大聖女として扱われた。放置された清良を見放せなかった聖騎士クリスフォード・ランディックは、清良を保護することにした。 ※番外編(後日談)含め、全23話完結、予約投稿済みです。 ※ヒロインとヒーローは純然たる善人ではないです。 ※騎士の上位が聖騎士という設定です。 ※下品かも知れません。 ※甘々(当社比) ※ご都合展開あり。

「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。

木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。 因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。 そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。 彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。 晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。 それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。 幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。 二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。 カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。 こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。

初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。

梅雨の人
恋愛
ハーゲンシュタイン公爵の娘ローズは王命で第二王子サミュエルの婚約者となった。 王命でなければ誰もサミュエルの婚約者になろうとする高位貴族の令嬢が現れなかったからだ。 第一王子ウィリアムの婚約者となったブリアナに一目ぼれしてしまったサミュエルは、駄目だと分かっていても次第に互いの距離を近くしていったためだった。 常識のある周囲の冷ややかな視線にも気が付かない愚鈍なサミュエルと義姉ブリアナ。 ローズへの必要最低限の役目はかろうじて行っていたサミュエルだったが、常にその視線の先にはブリアナがいた。 みじめな婚約者時代を経てサミュエルと結婚し、さらに思いがけず王妃になってしまったローズはただひたすらその不遇の境遇を耐えた。 そんな中でもサミュエルが時折見せる優しさに、ローズは胸を高鳴らせてしまうのだった。 しかし、サミュエルとブリアナの愚かな言動がローズを深く傷つけ続け、遂にサミュエルは己の行動を深く後悔することになる―――。

処理中です...