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《番外》マーシャルの独り言

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俺はヒョウ獣人マーシャル・ハーツ。親は居ない。きっと居たんだろうが、覚えてない頃、施設の前に置いてかれたみたいだ。

 まあそんな事ザラにある事で、気にもしてないからいいんだが、偶に生きづらいなぁーって愚痴りたくなる時はある。

 結構この世界って、身分差別があってさ、なかなかに住みにくいわけだ。俺的には、今の騎士団第三隊長職というのも、本来なら貴族の誰それとかいう感じで、身分も出生も解らない俺なんて本来ならなれないんだが、俺は上司や先輩に恵まれてっから、すいすいここまできちまったってわけだ。

 最近、俺が一番尊敬する上司のキファント団長に、やっと春が来たらしい。周りにモロわかりの初々しいもので、当てられた奴からが何故か俺に文句を言ってくる。

 別に俺がくっつけたわけでも無いし、何かしたわけでも無いのに、そりゃあ多少は、相手であるレティの過去や家族を調べはしたが、それは、俺が個人的に興味を持ったからであって他意はない。

 俺が調べた事が、何故か団長にバレてたらしく、それを理由に、ある日の夕方急に呼び出された。


“マーシャル。今日は空いてただろう。後日、特別休暇やるから今すぐラリーの場所まで来い。お前は、レティの妹知ってるだろう。あれを実家まで連れて行って、二度と獣人国へ来ない様に上手く伝えてくれ。レティの事は後日、私がちゃんとやるから先方には獣人国で暮らしていると、伝えるだけで良い。来れるか”


「来いって言っておいて、来れるか?だもんな。ほんと憎めないっていうかさぁ。もう!行くしか無いじゃん!!マッハで向かうよ!って、ことなんで。お仕事が入っちゃった。ごめんな」

「いいんですよ。別に。貴方が帰るからと言って、私は謝られる様な関係ではございませんから。ただの呑み仲間なのですから。わたくしもそろそろお嬢様の御用事が終了致しますから、帰らないとならないですし。気になさらずに、お迎えに行ってさしあげてください」

「それでは失礼致します」

「また、美味しい酒オススメするよ!楽しみにしてて」

「はい。それは嬉しいことです。ここのお店の最高な品揃えは、未知のお酒の宝庫ですので、是非とも空き時間にまた来たいと思います。貴女のオススメは、わたくしにはとても合うのでどうぞ次回も宜しくお願いします」

「了解!じゃあまた今度ね。俺も近くの空き地にフィン呼んだから、急いで向かわないと」


俺は最近知り合った美人と別れて、フィンの元へ向かった。その後は、団長の指示通りに、あれの相手をして家へ送り届けた。

 あれは本当に厄介な人種だ。あれのどこが良いのか、レティの元婚約者に聞けるなら、聞いてみたいな。絶対レティの方がいいに決まってるのに、人間の価値観はわからない。

 俺は獣人でよかったよ。今の生活に満足だし、獣人関係もなかなか過ごしやすい。

 今まで生きてきて、色々あったけど。この獣人人生なかなか捨てたもんじゃ無いなって今なら思うよ。生きてるって満更でもないな。






the end
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