優秀リケジョは化学教師に溺愛される

りり

文字の大きさ
上 下
2 / 16
一年生

間章① 若葉side

しおりを挟む
うー…。借りちゃったよ、服とタオル。アイロンはかけたけどさぁ…。なんかしらお礼のもの持ってかないとだよね。
「いらっしゃいませ」
私は雑貨屋さんへ足を踏み入れていた。男性に渡すものってどうすれば……。
「あ…」
ふと、目に入ったのは黒いハンカチにフラスコや試験管のマークが入ったものだ。これなら先生も喜びそう。私はそのハンカチを手に取り、レジへ向かった。
「瀬田先生が気に入ってくれればいいんだけど…」
少しだけ不安になりつつ、私は袋をバッグにしまった。
「はぁ……どこにいったんだろ」
呟かれたほうを見ると水色の綺麗な髪をサイドテールにした女性が周りを見渡していた。誰か探してるのかな?
「あの、どうかしました?」
「あぁ…彼氏とはぐれちゃって」
そこにいたのは私そんなに歳が変わらなさそうな女の子だった。もしかして、同じ学校かな…?
「スマホは……?」
「充電切れちゃって」
「えぇ…」
困ってそうだし、一緒に探すか。
「あの、一緒に探しましょうか?」
「いいの!?」
「はい。丁度買い物は済ませたので」
「ありがとう~!」
先輩、なのかな?
「私は透雨。あなたは……」
「あ、不宮です」
「よろしくね!もしかして花ヶ丘高校の人?」
「あ、そうです」
「わぁ、一緒だ」
やっぱり同じ高校だったか。
「何の部活なの?」
「すみません。部活などはしてなくて」
「そっか」
「あ、彼氏さんってどんな人ですか?」
「うーんとね……背が高くて、髪の毛ボサボサな少しだらしない人」
いや、彼氏さんのことそんなふうに言っていいのか…?
「年上で成人済みの人なんだ」
「はぁ……?」
パパ活かなんかなのか?いや、失礼な考え方だ。やめよう。
「どこに行ったか心当たりは……?」
「うーん…」
「雫!」
どこからか男性が走ってきた。背が高くて、髪がボサボサで……。
「あ、海斗くん」
「どこいってたの!?近くの雑貨屋にいるって言ったのに中々来ないから探してみたら…」
「え、そうだっけ?」
「やっぱり聞いてなかった…」
とりあえず見つかったらしい。にしてもこの男の人、どこかで見たことあるような…。割と直近で。
「この子は?」
「不宮さん。海斗くんのこと探すの手伝ってくれたの」
「そっか。雫が迷惑をかけてごめんね」
「あ、いえ」
見つかってよかったし。
「なんでオフはこんなに抜けてるかな…」
「学校ではしっかりしてるからいいでしょう?」
「この差って……?」
そろそろお暇しようかな。うん。
「私はこれで」
「あぁ、ありがとう」
「ありがとうね」
私は一人で出口に向かって歩いた。

「あの子だって」
「いい子だったよ」
人が変わったように透雨は顔つきを変える。そこにはバカップルだった面影はなく、どこかを仕切っていたような風格がある。
「瀬田先生には少し悪いことしたし、できる限りサポートするか」
「そうだね」
二人は不宮の後ろ姿を見つめる。
「ま、今はデートだから僕のこと見て欲しいけど」
「海斗くんは黙ってて」
「ひどいっ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

処理中です...