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白兎の巣穴
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セシリアは草原を歩きながら徐々に冷静さを取り戻していく、人口魔道具である懐中時計で時間を測るとヤナが出発してそろそろ一時間だ。
因みに迷宮内では外界で使用される時計は時空の歪みのせいか狂ってしまうため使用できない。
(やはり様子がおかしい、何かが起こっているのか?)
魔獣の名を冠する迷宮のほとんどがその象徴する魔獣がひっきりなしに襲ってくるのが常だ。それは【牙鼠の森】も然りでこの【白兎の巣穴】も通常であれば巣穴の丘から遠い入口からでも数体の白兎が襲ってくる筈なのだが、現状セシリア達が迷宮に潜ってから一度も襲われていなかった。
一度入口に戻り仲間と合流する。
「時間だ。レーム、リガルド、頼むぞ。リガル、お前達はここで待ってリリアナと合流次第私達が乗って来た馬車で待機だ」
当初のプランAは先行したヤナが対象を発見して戻り次第全員で討伐へ、一時間で戻らなければ何かあったと見なしレームが一人でヤナの救出に丘を目指す。
『千里眼』持ちからすればリガルドは見えていない為レームが離れた後、本来であればセシリアとリリアナの女性二人を襲いに来る可能性が高く、襲ってきたところをリガルドを含めた三人で迎撃するといった流れを想定していたが、きな臭い今の現状をレーム一人に行かせるのは酷というものだろう。
(ヤナが戻らないという事は迷宮に奴らが潜んでいたのは当たりだな、トライデントの説明から外にいたのはグラッドで間違いだろう。『千里眼』でリリアナの召喚獣も見られたか? ギルドの討伐隊とバレていると想定するべきだろうな)
セシリアの頭の中で様々な考えが浮かびそして消える。
レームとリガルドの背中を見送った後、思い浮かぶのは黒髪の少女の事だ。
「ルナ、頼むから無事でいてくれ」
セシリア自身のスキルを試行錯誤の末に継承出来たとはいえ、相手のグラッドは元黒級探索者で指名手配中の人殺しだ。
セシリアは自身の痛む胸中に服をぎゅっと掴んだ。
---------
「いつ見てもエグイっすねぇ、どうなってんですかその身体」
呆れた顔のダイラバに「むん」とジーニアスが丸太のような腕で力こぶを作る。
ヤナのブブの骨すら断ち切った鋭利な刃を防いだのは、ただ単に『剛力』スキルを併用して硬くなった筋肉という名の鎧だ。
「ボス、マジで気持ち悪いっす」
いつ見てもドン引きするパーティーリーダーへ辛辣な言葉にジーニアスは「がはは」と笑う。
「さてどうするよ?」
ジーニアスの問いにダイラバは目を閉じた。
「その女はいつも通りに人質で、問題は奴らがタクトの追跡かラムドの探索者かにもよりますが、使えない事にそいつ口割らないんですよねぇ」
ダイラバが手足を縛られた上で横たわるヤナの身体を脚で小突く。
煙草を咥えマッチで火を付けると辺りに独特の匂いが漂い始めた。
「タクトの場合は軍か本部の討伐依頼で金か銀が来ると思うんで流石に詰みっすけど、さっきから『千里眼』で見た感じその辺の街の探索者って感じですけどねぇ。そいつの実力もせいぜい黒級中位ってとこでしょ」
ジーニアスは「まあ実際ブブはやられてるしな」と頷く。
「あぁなんか付き人っぽいおっさんが一人で丘の方に歩いて来ますね。取り敢えずあいつから情報聞き出しますか」
「よし、決まりだな」
方針が決まり満足そうなジーニアスは、片手でヤナを持ち上げて肩に担ぐ。
「あん? なんだありゃ」
丘の中腹から見渡す所に「ぎあああぁぁ」と叫びをあげながら数体の白兎に追われている女がいた。
双眼鏡で覗くジーニアスの言葉にダイラバが視線を向けると眉間に皺を寄せる。
「あの女、ありゃぁグラッドとやり合ってた四人組の一人ですよ。なんでここにいるのかは分からんですが、女ですし取り敢えず捕まえますか?」
---------
ルナが飛び込んだ迷宮の先は巣穴の真ん前だった。
晴天快晴の目下に丘から見渡せる広大な草原の景色はとても美しく、迷宮の神秘はルナの瞳に反射して眩しい。
「すっごおおおい!」
両手を大きく広げて深呼吸をして目を細めると、後ろから「ピキュ! ピキュ!」と可愛らしい鳴き声が聞こえて来た。
「ラズリーーーィ?」
名前を呼んで振り返った先に居たのはラズリーのようなモフモフで可愛い兎ではなく、まるでボクサーにしか見えない格闘スタイル全開の顔だけ兎達だった。
「えぇぇっと、お邪魔しましたぁ」
シュシュッ
鋭い風切り音がルナの顔を掠め、数本の黒髪が宙を舞った。
やや涙目になったルナは急いでボーガンに矢をかけ狙いを定めて放つとスキルを解き放つ。
「衝撃!」
連射で数本の矢が刺さった一体の白兎が追撃の衝撃に吹き飛んでいく。
「痛っ、ちょっ、待っ、痛いってば」
あっと言う間に四体の雄に取り囲まてしまい、吹き飛んだ一体はなぜか体中が金色に包まれている。
「なんなのぉ!」
ルナは背中を向けて逃げ出した。
「助けてやろうか?」
煙草を吸った男が剣を片手に走るルナと擦れ違う。
「あ、危ないですよ!」
ずざぁっと急停止をして振り返ると、男は煙草を兎に押し付けて消すと剣技が舞う。
剣を使う前の予備動作だけで兎の拳を躱すと、流れるような身のこなしで次々と白兎を切り捨てた。
「おぉ」
後ろから見ていたルナは感嘆の声を上げその一連の動作を眺める。
「すっすみません! 有難う御座います! 探索者の方ですか?」
チャキっと鞘に剣を納めると煙草に火を付けた男は、振り返って心底面倒臭そうに顎を摩る。
「あぁ君はどこの誰だ? ここは入場制限をされていた筈だが?」
男の言葉にルナが大層慌てる。
「すっすみません。私レアールで最近探索者登録したばかりのルナです。勝手に入ってしまってすみません」
「新人の白級にこの迷宮はまだ早いんじゃないかな、あっちに俺の仲間もいるから一緒に来るかい?」
「あーはい、それじゃあお願いします」
ルナにはどうも目の前の男が信用出来なかったが助けてもらった上に再度魔獣に襲われては堪らないので取り敢えずついて行く事にした。
「よぅ戻ったか、上手くいったみたいだな」
巣穴の前にはルナが受付で見た狼男と同じくらいの大柄の男が座っている。
「おいあんた、取り敢えず作戦の邪魔だからそこの巣穴にでも入ってろ」
ダイラバの素っ気ない言い方にルナは神妙に頷くが、自身の身体をじろじろと見てくるジーニアスの視線にルナの腕には鳥肌が生まれていた。
(この人達、多分悪い人だ)
グラッドに出会った時に感じた絡みつくような黒いオーラがルナに纏わりつくのを感じる。
そしてふと薄暗く僅かにしか届いていない巣穴の中にチラリと見えた見覚えある人影。
徐々に全貌が明らかになったその顔の半分は血だまりで大きく腫れ、身体中に痛めつけられた跡のある自身の教育師匠の姿だった。
(ヤナさん!)
ルナの奥底で何かが切れた。
ばっと外にでるとニヤつく二人を睨みつける。
「あんたら絶対許さない」
ボーガンを構えて連射する。
ジーニアスに真っすぐに飛んだ矢は前に出した腕に刺さらず弾かれる。
「速射!」
通常よりも段違いに早いその矢は、ルナのスキルストックの最後の一つに設定したリガルの『風の加護(小)』による風の矢だ。
せせら笑うジーニアスの手に一瞬刺さったように見えた瞬間『衝撃』の叫び声と共に筋肉の鎧を破り奥深くまで矢じりがめり込む。
「痛ってぇな」
矢を無理矢理引き抜いたジーニアスは怒りに顔を真っ赤に染めると今までの嘲笑は失せる。
「てめぇ何してくれてんだ!」
耳鳴りがするような怒鳴り声にもルナは引かずに冷静に矢を再度構えたが、突進してくるジーニアスにはもう何度連射してもその身体を傷つける事は叶わなかった。
ルナは迫りくる剛腕を間一髪で避けると思いきり鳩尾を切り上げられ巣穴の中まで転がる。
「おいボス、あぁこりゃ止まらねぇな」
ジーニアスは一度切れると何を言っても止まらない事をダイラバはよく知っている。
(まあ人質は一人いればいいか、しかしあの容姿だと娼館に高く売れるのに勿体ねぇ)
ルナはヤナの身体を自身の身体で覆い目を瞑る。
両手をバキボキと鳴らして近付く巨体からは明確な死が近付いてきた。
「レーム!」
死の淵に頼るのは最も信頼する仲間の名前。
そしてスキルを纏ったジーニアスの腕がルナの頭上に振り上げられて落された。
「呼んだかい? 無茶をし過ぎだよ。ルナ」
目を薄っすらと開けたその先に映る背中は見覚えのあるルナにとって頼もしい背中。
間一髪でルナを救ったのはレームその人だった。
因みに迷宮内では外界で使用される時計は時空の歪みのせいか狂ってしまうため使用できない。
(やはり様子がおかしい、何かが起こっているのか?)
魔獣の名を冠する迷宮のほとんどがその象徴する魔獣がひっきりなしに襲ってくるのが常だ。それは【牙鼠の森】も然りでこの【白兎の巣穴】も通常であれば巣穴の丘から遠い入口からでも数体の白兎が襲ってくる筈なのだが、現状セシリア達が迷宮に潜ってから一度も襲われていなかった。
一度入口に戻り仲間と合流する。
「時間だ。レーム、リガルド、頼むぞ。リガル、お前達はここで待ってリリアナと合流次第私達が乗って来た馬車で待機だ」
当初のプランAは先行したヤナが対象を発見して戻り次第全員で討伐へ、一時間で戻らなければ何かあったと見なしレームが一人でヤナの救出に丘を目指す。
『千里眼』持ちからすればリガルドは見えていない為レームが離れた後、本来であればセシリアとリリアナの女性二人を襲いに来る可能性が高く、襲ってきたところをリガルドを含めた三人で迎撃するといった流れを想定していたが、きな臭い今の現状をレーム一人に行かせるのは酷というものだろう。
(ヤナが戻らないという事は迷宮に奴らが潜んでいたのは当たりだな、トライデントの説明から外にいたのはグラッドで間違いだろう。『千里眼』でリリアナの召喚獣も見られたか? ギルドの討伐隊とバレていると想定するべきだろうな)
セシリアの頭の中で様々な考えが浮かびそして消える。
レームとリガルドの背中を見送った後、思い浮かぶのは黒髪の少女の事だ。
「ルナ、頼むから無事でいてくれ」
セシリア自身のスキルを試行錯誤の末に継承出来たとはいえ、相手のグラッドは元黒級探索者で指名手配中の人殺しだ。
セシリアは自身の痛む胸中に服をぎゅっと掴んだ。
---------
「いつ見てもエグイっすねぇ、どうなってんですかその身体」
呆れた顔のダイラバに「むん」とジーニアスが丸太のような腕で力こぶを作る。
ヤナのブブの骨すら断ち切った鋭利な刃を防いだのは、ただ単に『剛力』スキルを併用して硬くなった筋肉という名の鎧だ。
「ボス、マジで気持ち悪いっす」
いつ見てもドン引きするパーティーリーダーへ辛辣な言葉にジーニアスは「がはは」と笑う。
「さてどうするよ?」
ジーニアスの問いにダイラバは目を閉じた。
「その女はいつも通りに人質で、問題は奴らがタクトの追跡かラムドの探索者かにもよりますが、使えない事にそいつ口割らないんですよねぇ」
ダイラバが手足を縛られた上で横たわるヤナの身体を脚で小突く。
煙草を咥えマッチで火を付けると辺りに独特の匂いが漂い始めた。
「タクトの場合は軍か本部の討伐依頼で金か銀が来ると思うんで流石に詰みっすけど、さっきから『千里眼』で見た感じその辺の街の探索者って感じですけどねぇ。そいつの実力もせいぜい黒級中位ってとこでしょ」
ジーニアスは「まあ実際ブブはやられてるしな」と頷く。
「あぁなんか付き人っぽいおっさんが一人で丘の方に歩いて来ますね。取り敢えずあいつから情報聞き出しますか」
「よし、決まりだな」
方針が決まり満足そうなジーニアスは、片手でヤナを持ち上げて肩に担ぐ。
「あん? なんだありゃ」
丘の中腹から見渡す所に「ぎあああぁぁ」と叫びをあげながら数体の白兎に追われている女がいた。
双眼鏡で覗くジーニアスの言葉にダイラバが視線を向けると眉間に皺を寄せる。
「あの女、ありゃぁグラッドとやり合ってた四人組の一人ですよ。なんでここにいるのかは分からんですが、女ですし取り敢えず捕まえますか?」
---------
ルナが飛び込んだ迷宮の先は巣穴の真ん前だった。
晴天快晴の目下に丘から見渡せる広大な草原の景色はとても美しく、迷宮の神秘はルナの瞳に反射して眩しい。
「すっごおおおい!」
両手を大きく広げて深呼吸をして目を細めると、後ろから「ピキュ! ピキュ!」と可愛らしい鳴き声が聞こえて来た。
「ラズリーーーィ?」
名前を呼んで振り返った先に居たのはラズリーのようなモフモフで可愛い兎ではなく、まるでボクサーにしか見えない格闘スタイル全開の顔だけ兎達だった。
「えぇぇっと、お邪魔しましたぁ」
シュシュッ
鋭い風切り音がルナの顔を掠め、数本の黒髪が宙を舞った。
やや涙目になったルナは急いでボーガンに矢をかけ狙いを定めて放つとスキルを解き放つ。
「衝撃!」
連射で数本の矢が刺さった一体の白兎が追撃の衝撃に吹き飛んでいく。
「痛っ、ちょっ、待っ、痛いってば」
あっと言う間に四体の雄に取り囲まてしまい、吹き飛んだ一体はなぜか体中が金色に包まれている。
「なんなのぉ!」
ルナは背中を向けて逃げ出した。
「助けてやろうか?」
煙草を吸った男が剣を片手に走るルナと擦れ違う。
「あ、危ないですよ!」
ずざぁっと急停止をして振り返ると、男は煙草を兎に押し付けて消すと剣技が舞う。
剣を使う前の予備動作だけで兎の拳を躱すと、流れるような身のこなしで次々と白兎を切り捨てた。
「おぉ」
後ろから見ていたルナは感嘆の声を上げその一連の動作を眺める。
「すっすみません! 有難う御座います! 探索者の方ですか?」
チャキっと鞘に剣を納めると煙草に火を付けた男は、振り返って心底面倒臭そうに顎を摩る。
「あぁ君はどこの誰だ? ここは入場制限をされていた筈だが?」
男の言葉にルナが大層慌てる。
「すっすみません。私レアールで最近探索者登録したばかりのルナです。勝手に入ってしまってすみません」
「新人の白級にこの迷宮はまだ早いんじゃないかな、あっちに俺の仲間もいるから一緒に来るかい?」
「あーはい、それじゃあお願いします」
ルナにはどうも目の前の男が信用出来なかったが助けてもらった上に再度魔獣に襲われては堪らないので取り敢えずついて行く事にした。
「よぅ戻ったか、上手くいったみたいだな」
巣穴の前にはルナが受付で見た狼男と同じくらいの大柄の男が座っている。
「おいあんた、取り敢えず作戦の邪魔だからそこの巣穴にでも入ってろ」
ダイラバの素っ気ない言い方にルナは神妙に頷くが、自身の身体をじろじろと見てくるジーニアスの視線にルナの腕には鳥肌が生まれていた。
(この人達、多分悪い人だ)
グラッドに出会った時に感じた絡みつくような黒いオーラがルナに纏わりつくのを感じる。
そしてふと薄暗く僅かにしか届いていない巣穴の中にチラリと見えた見覚えある人影。
徐々に全貌が明らかになったその顔の半分は血だまりで大きく腫れ、身体中に痛めつけられた跡のある自身の教育師匠の姿だった。
(ヤナさん!)
ルナの奥底で何かが切れた。
ばっと外にでるとニヤつく二人を睨みつける。
「あんたら絶対許さない」
ボーガンを構えて連射する。
ジーニアスに真っすぐに飛んだ矢は前に出した腕に刺さらず弾かれる。
「速射!」
通常よりも段違いに早いその矢は、ルナのスキルストックの最後の一つに設定したリガルの『風の加護(小)』による風の矢だ。
せせら笑うジーニアスの手に一瞬刺さったように見えた瞬間『衝撃』の叫び声と共に筋肉の鎧を破り奥深くまで矢じりがめり込む。
「痛ってぇな」
矢を無理矢理引き抜いたジーニアスは怒りに顔を真っ赤に染めると今までの嘲笑は失せる。
「てめぇ何してくれてんだ!」
耳鳴りがするような怒鳴り声にもルナは引かずに冷静に矢を再度構えたが、突進してくるジーニアスにはもう何度連射してもその身体を傷つける事は叶わなかった。
ルナは迫りくる剛腕を間一髪で避けると思いきり鳩尾を切り上げられ巣穴の中まで転がる。
「おいボス、あぁこりゃ止まらねぇな」
ジーニアスは一度切れると何を言っても止まらない事をダイラバはよく知っている。
(まあ人質は一人いればいいか、しかしあの容姿だと娼館に高く売れるのに勿体ねぇ)
ルナはヤナの身体を自身の身体で覆い目を瞑る。
両手をバキボキと鳴らして近付く巨体からは明確な死が近付いてきた。
「レーム!」
死の淵に頼るのは最も信頼する仲間の名前。
そしてスキルを纏ったジーニアスの腕がルナの頭上に振り上げられて落された。
「呼んだかい? 無茶をし過ぎだよ。ルナ」
目を薄っすらと開けたその先に映る背中は見覚えのあるルナにとって頼もしい背中。
間一髪でルナを救ったのはレームその人だった。
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