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招かれざる者達
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会議が終わり一度レームは宿に戻り白兎の血がついた服を脱ぎシャワーを浴びる。
新品の革鎧をせっせと水拭きし装備の点検をしている所へコミュが振動した。
〖初めての支援依頼は大成功! これから行くね!〗ルナtoレーム
ルナからの連絡に返信をして作業を進めながら待つ事にする。
「それでね! 孤児院の子供達とご飯を食べたんだよ! ほんっとー教会のお掃除は大変だったよ~。レームも部屋のお掃除はこまめにしなきゃだめだよ?」
ルナが楽しそうに支援依頼やトライデントの事を語るのをレームもたまに口を挟みながら相槌を打つが注意をされ頭を掻いた。
「レームは今日何をしてたの?」
「ちょっと【白兎の巣穴】に用があってね。あっそうそう、そういえばヤナがレーラーになったってなんでまた?」
「そうなの! 教習の途中に突然! それでね明日一緒に迷宮に行く約束をしていたんだけどついさっきコミュで急用が出来たって、楽しみだったのに残念だよ~」
一応白級探索者へは急遽かん口令がしかれたもののルナは同じパーティーの一員であり隠し事によって変な誤解を生みたくない。
「えーっとちょっと長くなるんだけど...」
一通り説明を終えたレームは飲み物で喉を潤し一息つくと「そういう訳で明日行く予定だった領主様の招待は一旦お断りする予定かな」と付け加えた。
「むぅ。その人達絶対許せない! 私も付いて行くんだからね!」
プンスコと怒りを露わにするルナに「まぁまぁ落ち着いて」と宥めた上で、今回は危険な為白級探索者は街を出ないように指示がある筈だからと諭した。
「あっちょっと話は変わるんだけどこれルナの分」
少し強引だが話を変えたレームだがルナはおもむろに出してきた彼の魔法鞄に興味の矛先を変えた。
「あっ! レームってば色々買ったでしょ? だってその鎧も新しくなってるし! 私も装備が欲しいなぁ」
ルナは少しだけジト目でみてきたがレームは慌てて「ルナの分もあるから」と話す。
魔法鞄から購入した物を取り出してルナの前に並べるとレームは説明を始め、ルナの眼が嬉しそうに輝いた。
探索者セット(男女兼用)
双眼鏡・ロープ(十メートル)
厚手の手袋・ランタン・簡易テント・寝袋・コンパス・迷宮地図用の製図セット
「これは皆最初に必ず購入する初心者セットって言えば早いかな? 使い方の説明書もついてるから必ず読むんだよ」
採集キッド(男女兼用)
つるはし・工具一式・薬草専用袋百枚・簡易毒識別キッド・エレノア錬金図鑑簡略版
「これも大体必ず用意する物かなぁ。いつもルナの鞄に入れてもらってる俺の荷物あったでしょ? あれってほとんどこれらが入ってるんだよね」
上級傷薬 1 中級傷薬 5 下級傷薬 20
「いいかい? とても大事な事だからしっかり覚えてね。前提として傷薬っていうのは直ぐに完治するわけじゃないのと、時間を置かないと二回目以降の服用はあまり効果がないって事。後説明が難しいんだけど...んーっと階級によって効果は上書きされるっていうのかな? 例えば」
レームはキッチンの果物ナイフで自身の親指を切ると血が垂れ初め、ルナは「えぇっ!」と驚き目を両手で隠す。
その小さな切り傷へレームは下級傷薬の小瓶を開けて振りかけると、傷口はしゅぅと音をたて瞬く間に血が止まり塞がっていった。
指の間からその光景を見ていたルナは「おぉ」と感嘆の声を漏らし「前も見たけどすごいよねぇ」と呟く。
「これって実は完全に治った訳じゃないんだよ。もちろんすごい薬なのはそうなんだけど要は身体が一生懸命に治さなきゃっていう自己治癒力を増幅させてくれるわけ。この傷ってなにもしなければどうなる?」
「んーっとちょっとしたら血が止まって明日には瘡蓋が出来る? 一日くらい痒くなって段々と傷が消えるって感じ......ってそういう事か!」
「そうそう。それでここからが重要なんだけど、えいっ」
レームは説明を続けながら切った親指の隣の人差し指をナイフで切る。
「いやぁ~」またも嫌そうな顔をするルナに「ごめんごめん」と謝り、人差し指に下級傷薬を振りかけた。
すると、今度はしゅうっと親指と同じ現象は起きるが血が中々止まらない。
数分の後にようやく傷口は塞がるが人差し指は押すとチクっと痛みが刺す。
「見ての通り親指の方はこの小さな傷だと治る行程を一日程度短縮出来たんだけど、おそらく人差し指はもうすこしかかるかな? ちなみに階級は負傷の大きさよりも回復の速度の違いだと覚えておいて。だから下級よりも中級は大きな傷を治せるし上級は致命傷すらも直せるんだ」
ルナは「なるほど」と頷き真剣な表情で耳を傾ける。
そしてレームは金色に輝く小瓶を持ち上げた。
「最後に階級の大きい物を使用すると階級の低い傷薬は効かなくなるから注意してね。この上級傷薬は一度だけ致命的な傷を治すことが出来るけど、その後おそらく二日くらいは全ての傷薬は全く効かない身体になると思う」
「上級なんて使った事ないから正確には分からないんだけど」と傷薬の説明を終え、その後救急セットの鎮痛剤や包帯等に軽く触れた後、側に置いていたルナのコミュが点滅した。
〖遅くなってすまない。どこに向かえばいい?〗セシリアtoルナ
三人は『森の隠れ家』で合流し入口の扉を開ける。
「あら。ルナやほー」
「リアおーっす」
いつの間にか仲の良くなっている二人にレームは驚きつつもいつも座る奥の壁際に着席した。
取り敢えずレームとセシリアはラプア酒を、ルナはエールの入った木製ジョッキをぶつけ合って乾杯した。
~~~
ラプア酒
ラプアと呼ばれる果実を簡単に言うと潰して樽で発行させた発行酒。
赤や白、桃色がある
~~~
「おまたせでーっす。うわっ、めっちゃ綺麗な人。ルナちょっとだれだれ? はっ噓でしょ!? レームさんの!?」
ルナと盛り上がるリアを横目に運ばれて来たビーブルのスペシャリテであるスパイス煮込みや牙鼠のホワイトシチューに舌鼓を打った。
「ルナ。もうレームから聞いたかもしれないが明日は迷宮には近づかないようにね」
「超しあわせ~」と食事を楽しむルナにセシリアが話す。
「えぇ。私も行きたい」
「駄目だ。明日は本当に危ないからね」
「むぅ」
ルナのエールで赤くなった頬が納得いかないと徐々に膨らんでいく。
「これが終わったら一緒に迷宮に潜ろう。なんだったら他の街に探索に行くのも楽しいよ」
「じゃあ私も領主様のいるリスティアナに行きたい!」
レームは困ったように眉を下げセシリアに助けを求める。
「分かった分かった。幸いリスティ伯爵には伝手がある。一緒に行けるように取り計らってみるさ」
「やた!」と喜ぶルナを微笑ましく眺めながら楽しい食事は続くのだった。
~翌早朝~
「わくわく......どきどき...」
朝一の待ち合わせで合流したレームとルナは二人で路地裏を進む。
「これから行く道は覚えておいてね」
木造の扉をノックすると「入れ」と声がした。
「おぅ坊主。早ぇじゃねえか。ん? なんだおめぇ娘っ子がいたのか?」
「ははは、違うよ。俺のパーティーメンバーのルナだ」
レームの背中に隠れて顔だけ出していたルナは恐る恐る自己紹介をした。
「ルナで~す。宜しくね! お爺ちゃん」
「だぁれがお爺ちゃんじゃ! まだ現役の百二十じゃわい」
「たく近頃の若いもんは」と愚痴りながら奥の部屋に下がる。
「うひゃぁ」とビビるルナに「ダズの親父はドワーフの血が混じってるから人間より長生きなんだよ。大丈夫。見た目は怖いけどいい人だよ」
奥から出て来たダズの手には幾つかの装備があった。
「ほれ、嬢ちゃんちょっとこっち来な」
ルナはさっとレームの顔を見るとレームは笑って頷き、完全に怯えながらダズに近づいた。
「わぁ!」
テーブルに並べたのは純白に花の模様がついた女性用の革の胸当てと脛当てなどの防具一式。
「これはいいぞ、嬢ちゃんも戦ったっていう牙鼠の進化種『灰牙鼠』の革をナメして着色した鎧じゃ。丈夫じゃし動きを制限しないほどに軽い。あの迷宮の進化種なんぞもう何十年も見ておらんから久しぶりに腕が鳴ったわい」
着用した後微調整の後ルナは鏡の前に立った。
「有難う! お爺ちゃん! 大好き!」
ばっと抱き着いたルナに「ちょっ、これ」とあたふたするダズの顔は少し照れていた。
ふんふーんと鼻歌前回のルナにダズはもう一つを差し出した。
「これもじゃ」
ダズが差し出したのは細みで二十センチ程のシーフナイフだ。
「これはあれじゃ、坊主が長年使っていたダガーを嬢ちゃん用に作り直してくれとこいつに頼まれてのぅ。大変じゃったわい」
手に持ったそのナイフは、初めての戦闘で使用したレームのダガーと同じ感覚がしてルナの胸に温かい気持ちが込み上げる。
「有難うレーム、大切に使うね」
こうしてルナの装備も整い店を出た二人。
「じゃあ俺は行くよ。終わったら連絡する」
大通りで別れたレームの背中に右手を振るルナ。彼女の背中に回したコミュを持った左手の指が高速で動いていたのをレームは知らない。
〖ミッション開始。一度合流してから後をつけるよ!〗ルナtoトライデント(グループコミュ)
〖了解〗
〖了解〗
〖承知〗
新品の革鎧をせっせと水拭きし装備の点検をしている所へコミュが振動した。
〖初めての支援依頼は大成功! これから行くね!〗ルナtoレーム
ルナからの連絡に返信をして作業を進めながら待つ事にする。
「それでね! 孤児院の子供達とご飯を食べたんだよ! ほんっとー教会のお掃除は大変だったよ~。レームも部屋のお掃除はこまめにしなきゃだめだよ?」
ルナが楽しそうに支援依頼やトライデントの事を語るのをレームもたまに口を挟みながら相槌を打つが注意をされ頭を掻いた。
「レームは今日何をしてたの?」
「ちょっと【白兎の巣穴】に用があってね。あっそうそう、そういえばヤナがレーラーになったってなんでまた?」
「そうなの! 教習の途中に突然! それでね明日一緒に迷宮に行く約束をしていたんだけどついさっきコミュで急用が出来たって、楽しみだったのに残念だよ~」
一応白級探索者へは急遽かん口令がしかれたもののルナは同じパーティーの一員であり隠し事によって変な誤解を生みたくない。
「えーっとちょっと長くなるんだけど...」
一通り説明を終えたレームは飲み物で喉を潤し一息つくと「そういう訳で明日行く予定だった領主様の招待は一旦お断りする予定かな」と付け加えた。
「むぅ。その人達絶対許せない! 私も付いて行くんだからね!」
プンスコと怒りを露わにするルナに「まぁまぁ落ち着いて」と宥めた上で、今回は危険な為白級探索者は街を出ないように指示がある筈だからと諭した。
「あっちょっと話は変わるんだけどこれルナの分」
少し強引だが話を変えたレームだがルナはおもむろに出してきた彼の魔法鞄に興味の矛先を変えた。
「あっ! レームってば色々買ったでしょ? だってその鎧も新しくなってるし! 私も装備が欲しいなぁ」
ルナは少しだけジト目でみてきたがレームは慌てて「ルナの分もあるから」と話す。
魔法鞄から購入した物を取り出してルナの前に並べるとレームは説明を始め、ルナの眼が嬉しそうに輝いた。
探索者セット(男女兼用)
双眼鏡・ロープ(十メートル)
厚手の手袋・ランタン・簡易テント・寝袋・コンパス・迷宮地図用の製図セット
「これは皆最初に必ず購入する初心者セットって言えば早いかな? 使い方の説明書もついてるから必ず読むんだよ」
採集キッド(男女兼用)
つるはし・工具一式・薬草専用袋百枚・簡易毒識別キッド・エレノア錬金図鑑簡略版
「これも大体必ず用意する物かなぁ。いつもルナの鞄に入れてもらってる俺の荷物あったでしょ? あれってほとんどこれらが入ってるんだよね」
上級傷薬 1 中級傷薬 5 下級傷薬 20
「いいかい? とても大事な事だからしっかり覚えてね。前提として傷薬っていうのは直ぐに完治するわけじゃないのと、時間を置かないと二回目以降の服用はあまり効果がないって事。後説明が難しいんだけど...んーっと階級によって効果は上書きされるっていうのかな? 例えば」
レームはキッチンの果物ナイフで自身の親指を切ると血が垂れ初め、ルナは「えぇっ!」と驚き目を両手で隠す。
その小さな切り傷へレームは下級傷薬の小瓶を開けて振りかけると、傷口はしゅぅと音をたて瞬く間に血が止まり塞がっていった。
指の間からその光景を見ていたルナは「おぉ」と感嘆の声を漏らし「前も見たけどすごいよねぇ」と呟く。
「これって実は完全に治った訳じゃないんだよ。もちろんすごい薬なのはそうなんだけど要は身体が一生懸命に治さなきゃっていう自己治癒力を増幅させてくれるわけ。この傷ってなにもしなければどうなる?」
「んーっとちょっとしたら血が止まって明日には瘡蓋が出来る? 一日くらい痒くなって段々と傷が消えるって感じ......ってそういう事か!」
「そうそう。それでここからが重要なんだけど、えいっ」
レームは説明を続けながら切った親指の隣の人差し指をナイフで切る。
「いやぁ~」またも嫌そうな顔をするルナに「ごめんごめん」と謝り、人差し指に下級傷薬を振りかけた。
すると、今度はしゅうっと親指と同じ現象は起きるが血が中々止まらない。
数分の後にようやく傷口は塞がるが人差し指は押すとチクっと痛みが刺す。
「見ての通り親指の方はこの小さな傷だと治る行程を一日程度短縮出来たんだけど、おそらく人差し指はもうすこしかかるかな? ちなみに階級は負傷の大きさよりも回復の速度の違いだと覚えておいて。だから下級よりも中級は大きな傷を治せるし上級は致命傷すらも直せるんだ」
ルナは「なるほど」と頷き真剣な表情で耳を傾ける。
そしてレームは金色に輝く小瓶を持ち上げた。
「最後に階級の大きい物を使用すると階級の低い傷薬は効かなくなるから注意してね。この上級傷薬は一度だけ致命的な傷を治すことが出来るけど、その後おそらく二日くらいは全ての傷薬は全く効かない身体になると思う」
「上級なんて使った事ないから正確には分からないんだけど」と傷薬の説明を終え、その後救急セットの鎮痛剤や包帯等に軽く触れた後、側に置いていたルナのコミュが点滅した。
〖遅くなってすまない。どこに向かえばいい?〗セシリアtoルナ
三人は『森の隠れ家』で合流し入口の扉を開ける。
「あら。ルナやほー」
「リアおーっす」
いつの間にか仲の良くなっている二人にレームは驚きつつもいつも座る奥の壁際に着席した。
取り敢えずレームとセシリアはラプア酒を、ルナはエールの入った木製ジョッキをぶつけ合って乾杯した。
~~~
ラプア酒
ラプアと呼ばれる果実を簡単に言うと潰して樽で発行させた発行酒。
赤や白、桃色がある
~~~
「おまたせでーっす。うわっ、めっちゃ綺麗な人。ルナちょっとだれだれ? はっ噓でしょ!? レームさんの!?」
ルナと盛り上がるリアを横目に運ばれて来たビーブルのスペシャリテであるスパイス煮込みや牙鼠のホワイトシチューに舌鼓を打った。
「ルナ。もうレームから聞いたかもしれないが明日は迷宮には近づかないようにね」
「超しあわせ~」と食事を楽しむルナにセシリアが話す。
「えぇ。私も行きたい」
「駄目だ。明日は本当に危ないからね」
「むぅ」
ルナのエールで赤くなった頬が納得いかないと徐々に膨らんでいく。
「これが終わったら一緒に迷宮に潜ろう。なんだったら他の街に探索に行くのも楽しいよ」
「じゃあ私も領主様のいるリスティアナに行きたい!」
レームは困ったように眉を下げセシリアに助けを求める。
「分かった分かった。幸いリスティ伯爵には伝手がある。一緒に行けるように取り計らってみるさ」
「やた!」と喜ぶルナを微笑ましく眺めながら楽しい食事は続くのだった。
~翌早朝~
「わくわく......どきどき...」
朝一の待ち合わせで合流したレームとルナは二人で路地裏を進む。
「これから行く道は覚えておいてね」
木造の扉をノックすると「入れ」と声がした。
「おぅ坊主。早ぇじゃねえか。ん? なんだおめぇ娘っ子がいたのか?」
「ははは、違うよ。俺のパーティーメンバーのルナだ」
レームの背中に隠れて顔だけ出していたルナは恐る恐る自己紹介をした。
「ルナで~す。宜しくね! お爺ちゃん」
「だぁれがお爺ちゃんじゃ! まだ現役の百二十じゃわい」
「たく近頃の若いもんは」と愚痴りながら奥の部屋に下がる。
「うひゃぁ」とビビるルナに「ダズの親父はドワーフの血が混じってるから人間より長生きなんだよ。大丈夫。見た目は怖いけどいい人だよ」
奥から出て来たダズの手には幾つかの装備があった。
「ほれ、嬢ちゃんちょっとこっち来な」
ルナはさっとレームの顔を見るとレームは笑って頷き、完全に怯えながらダズに近づいた。
「わぁ!」
テーブルに並べたのは純白に花の模様がついた女性用の革の胸当てと脛当てなどの防具一式。
「これはいいぞ、嬢ちゃんも戦ったっていう牙鼠の進化種『灰牙鼠』の革をナメして着色した鎧じゃ。丈夫じゃし動きを制限しないほどに軽い。あの迷宮の進化種なんぞもう何十年も見ておらんから久しぶりに腕が鳴ったわい」
着用した後微調整の後ルナは鏡の前に立った。
「有難う! お爺ちゃん! 大好き!」
ばっと抱き着いたルナに「ちょっ、これ」とあたふたするダズの顔は少し照れていた。
ふんふーんと鼻歌前回のルナにダズはもう一つを差し出した。
「これもじゃ」
ダズが差し出したのは細みで二十センチ程のシーフナイフだ。
「これはあれじゃ、坊主が長年使っていたダガーを嬢ちゃん用に作り直してくれとこいつに頼まれてのぅ。大変じゃったわい」
手に持ったそのナイフは、初めての戦闘で使用したレームのダガーと同じ感覚がしてルナの胸に温かい気持ちが込み上げる。
「有難うレーム、大切に使うね」
こうしてルナの装備も整い店を出た二人。
「じゃあ俺は行くよ。終わったら連絡する」
大通りで別れたレームの背中に右手を振るルナ。彼女の背中に回したコミュを持った左手の指が高速で動いていたのをレームは知らない。
〖ミッション開始。一度合流してから後をつけるよ!〗ルナtoトライデント(グループコミュ)
〖了解〗
〖了解〗
〖承知〗
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