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ルナの探索者日誌① ルナと雛鳥達のカルテット
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とある一室で日記を記帳するルナ。
この数日間であまりにも沢山の事が起こり、いざ執筆となるとどこから書けばよいのか悩ましい。
「んー! 今日も楽しかった! 明日も楽しみぃ」
解放されてからの数日間の冒険は、当たり前ではあるが決して棺に囚われていれば経験の出来ない事の連続だった。
部屋にノック音が響き、扉の外から声が聞える。
「ルナ。今日はレームも一緒に三人で外食に行かないか?」
「やたっ! 行く行く! 直ぐに準備するね」
ふんふ~んと鼻歌混じりで魔法鞄を掴み鏡の前に立ち強くイメージを固めると、あっと言う間に街で流行りの服装に変わる。
髪の毛を整え胸を弾ませて部屋を出た。
一階へと階段で降りるとギルドでは束ねていた長い緋色の髪を解いてセットしたセシリアがルナを待っていた。
「セシリア綺麗! 気合入ってるねぇ」
「にししし」と笑うルナに少し頬を紅に染め「馬鹿言わないの」と言った彼女は、私の住んでいるレアールの街の探索者ギルドのなんとギルドマスターだ。
ちなみに今私は彼女の家にお世話になっている。
~少し時は遡り、ようやく街が通常の街並みに戻った頃~
「それではレームさん。今回の報酬となります。ご確認下さい」
レームとルナはいつも通りの左端の受付に並ぶと、受付のミナによって奥の部屋へと招待された。
レームも初めて入るが上級探索者用の特別応接間らしい。
「これ…何かの間違いじゃなくて?」
この数日間で大陸の金銭感覚や一般常識も大分身に付き始めていたルナも目を丸くする。
そんな二人を前にどこか元気のない様子のミナが淡々と説明を続けた。
「間違いでは御座いません。内訳を説明しますと、先ずは皆さんが持ち帰られた牙鼠四十八体ですがこれは緊急依頼の範疇として一体五十ダリーで買い取りさせて頂きます。
次に牙鼠の進化種ですがこちらは一体の討伐報酬が千ダリー、また‘灰牙鼠’と呼称しますが牙鼠の習性を超えて群れを作る能力、また戦闘の記録がクリフト魔物研究所への提供でもう二千ダリーの追加、合わせて三千ダリーです。
次に迷宮主ドロリスの討伐に関してですが、討伐報酬として五十万ダリー、またこちらも研究所への情報提供により十万ダリーが追加されます。
ここまでが討伐報酬で計六十万五千四百ダリーです。ご確認下さい」
本来大金貨六枚と数枚の硬貨で済むが、大金貨なんて王都にある本部かもっと大きい街の銀行にしかない。
それゆえに銀貨などを交え大布袋いっぱいに詰めて渡す慣例がある。
ミナの細腕では重すぎる報酬をドシンとテーブルの真ん中に置いた。
「ほえぇ」
二人は口をあんぐりとあけて驚く。
そこで部屋にノック音が鳴り一人の女性職員が入って来ると、レーム達に向かい一礼してソファーに腰を掛けた。
いかにも有能そうなオフィスレディといった雰囲気の職員が座ると、ミナは三人に最近流行りのコーヒーなる飲み物をカップに注いで配膳し一礼の後に部屋から退室した。
「お初にお目に掛かります。私はローゼリア・リスティと申します。この度レーム様のギルド専属アシストを拝命頂きました。どうぞお見知りおきを」
レームも専属職員の噂は過去にそういう制度があるらしいと聞いた事がある程度だ。
「ど、どうも初めましてレームです。専属の職員が付くのは確か銀級探索者からではなかったでしたっけ?」
「えぇ、仰る通りで御座います。ですがレーム様の偉業は十分にその功績に値するとギルドは考えております」
レームとルナは二人揃ってずずっとコーヒーを啜り「はぁ」となんとも間抜けな声を出した後、慌てて
緊張したように背筋を伸ばす。
ちなみにルナはコーヒーの苦みが嫌いらしくジュースを頼んだ。
「説明に戻りますが、こちらが【牙鼠の森】の迷宮攻略報酬で御座います。ご確認下さいませ」
ローゼリアがテーブルの上に提示したのは一枚の紙だった。
ルナは驚愕で飲み物を噴き出さんとするのを耐え、レームに至っては膝ががくがくと震えた。
そこに置かれたのはギルドの紋章が刻まれた所謂小切手だが、問題はその紙面の文字だ。
「流石に冗談...だよね?」
「いいえ、決して冗談ではありません。こちらが攻略報酬の一千万ダリーで御座います。どうぞお収め下さい。ちなみにですがこちらの報酬は領主アルバーナ伯爵様からの分配金も含まれておりますね」
恐る恐る受け取るレームの手が身震いする。
そんなレームにローゼリアは気遣うように声を掛けた。
「レーム様、僭越ながら申し上げますが、あまり馴染みがないのはこちらとしても理解できますが、本来迷宮主の討伐と女神の祝福というのはそれほどの偉業なのですよ。今回レーム様が成し遂げた事でのガレア領の経済効果はすでに数億ダリーと言われております。伯爵様に限ってはこれでも少なすぎるのではないか? と仰せと伺っておりますのでどうぞ気にせずお受け取り下さいませ」
二人はごくりと唾を飲み込み小切手を受け取る。
「あの...こんな大金他の方々はどうしてるんですか?」
「それでしたらギルドの口座にお預けするのは如何でしょうか? 各地の銀行とも連携しておりますしギルドカードさえ提示しえ頂ければ大陸中どこの支部でもお手続き出来ます。ですがあまりにも額が大きい場合の引き落としは支部では対応できない場合も御座いますのでご留意下さい。また紛失の際は申請して頂くだけで口座の凍結も出来ますのでご安心を」
「な、なる程」そう言ってコーヒーを飲むレームと、その隣で借りてきた猫の如く大人しくお菓子をつまむルナ。
「あの、それではお願いしたい事があるのですが」
先ずはレームとルナの口座の開設、そして報酬はレーム、ルナ、セシリアの三等分に分ける事を提示したのだが、セシリアが受取の拒否を固辞した為、二等分となった。
またルナに関しては身元保証人にセシリアがサインした為、一定のまとまった金額の取り扱いにはセシリアの同意が必要となる。
手続きは滞りなく終わり渡したギルドカードが返却された。
「それではこちらを」
ローゼリアが差し出したレームのカードは黒のカードに変わっていた。
「レームさんは元々黒級探索者でしたが長い間成績不振が続いた事と、更新の講習も受けていなかった為に資格を剥奪されていた状態でしたが、今回の功績によりギルド本部から昇格の許しが出ました。今後は必ず更新に来て下さいね」
都合の悪さに頭を掻くレーム。
「いいなぁ」とレームのカードを覗くルナだが、ルナのカードの裏面にも黒い星が一つ刻まれていた。
「おおっ! 私にも星が付いたよ!」
嬉しそうなルナにローゼリアが続ける。
「詳しくはこの場では割愛しますが、白級迷宮とは言え初回攻略ともなれば黒級の一般攻略と同じ功績となります。よってお二人には黒級攻略の星が一つ授与されました。それでは長くなってしまいましたがこれで手続きは終わりで御座います。これからもどうぞ宜しくお願い致します」
レームとルナは其々握手を重ねて立ち上がった。
部屋を出る際に「こちらは私の連絡先です。御用の際はいつでも大丈夫ですよ」とローゼリアのコミュのIDを受け取り、ロビーに戻った二人はどっと疲れたように待合の椅子に座った。
「なんかすごい一日だったね」
「うん」
少し遠い目をする二人だが何やらロビーが騒がしかった。
人だかりの出来ていた受付にはセシリアと共にルナの見た事のない獣人の探索者パーティー、そして探索者の一人に縋りついて泣き叫ぶ年配女性。
険しい雰囲気にルナはレームの顔を見るがレームは残念そうに首を左右に振るだけで説明は避けた。
少しして俯く女性を探索者の一人が肩を抱きギルドを出ていく。
その場は解散となり、こちらに気付いたセシリアが義手を挙げてこちらに来た。
「ここにいたのか。良ければ昼食を共にしないか?」
無理をして笑う疲労の見えるセシリアに二人は頷く事しか出来なかった。
この数日間であまりにも沢山の事が起こり、いざ執筆となるとどこから書けばよいのか悩ましい。
「んー! 今日も楽しかった! 明日も楽しみぃ」
解放されてからの数日間の冒険は、当たり前ではあるが決して棺に囚われていれば経験の出来ない事の連続だった。
部屋にノック音が響き、扉の外から声が聞える。
「ルナ。今日はレームも一緒に三人で外食に行かないか?」
「やたっ! 行く行く! 直ぐに準備するね」
ふんふ~んと鼻歌混じりで魔法鞄を掴み鏡の前に立ち強くイメージを固めると、あっと言う間に街で流行りの服装に変わる。
髪の毛を整え胸を弾ませて部屋を出た。
一階へと階段で降りるとギルドでは束ねていた長い緋色の髪を解いてセットしたセシリアがルナを待っていた。
「セシリア綺麗! 気合入ってるねぇ」
「にししし」と笑うルナに少し頬を紅に染め「馬鹿言わないの」と言った彼女は、私の住んでいるレアールの街の探索者ギルドのなんとギルドマスターだ。
ちなみに今私は彼女の家にお世話になっている。
~少し時は遡り、ようやく街が通常の街並みに戻った頃~
「それではレームさん。今回の報酬となります。ご確認下さい」
レームとルナはいつも通りの左端の受付に並ぶと、受付のミナによって奥の部屋へと招待された。
レームも初めて入るが上級探索者用の特別応接間らしい。
「これ…何かの間違いじゃなくて?」
この数日間で大陸の金銭感覚や一般常識も大分身に付き始めていたルナも目を丸くする。
そんな二人を前にどこか元気のない様子のミナが淡々と説明を続けた。
「間違いでは御座いません。内訳を説明しますと、先ずは皆さんが持ち帰られた牙鼠四十八体ですがこれは緊急依頼の範疇として一体五十ダリーで買い取りさせて頂きます。
次に牙鼠の進化種ですがこちらは一体の討伐報酬が千ダリー、また‘灰牙鼠’と呼称しますが牙鼠の習性を超えて群れを作る能力、また戦闘の記録がクリフト魔物研究所への提供でもう二千ダリーの追加、合わせて三千ダリーです。
次に迷宮主ドロリスの討伐に関してですが、討伐報酬として五十万ダリー、またこちらも研究所への情報提供により十万ダリーが追加されます。
ここまでが討伐報酬で計六十万五千四百ダリーです。ご確認下さい」
本来大金貨六枚と数枚の硬貨で済むが、大金貨なんて王都にある本部かもっと大きい街の銀行にしかない。
それゆえに銀貨などを交え大布袋いっぱいに詰めて渡す慣例がある。
ミナの細腕では重すぎる報酬をドシンとテーブルの真ん中に置いた。
「ほえぇ」
二人は口をあんぐりとあけて驚く。
そこで部屋にノック音が鳴り一人の女性職員が入って来ると、レーム達に向かい一礼してソファーに腰を掛けた。
いかにも有能そうなオフィスレディといった雰囲気の職員が座ると、ミナは三人に最近流行りのコーヒーなる飲み物をカップに注いで配膳し一礼の後に部屋から退室した。
「お初にお目に掛かります。私はローゼリア・リスティと申します。この度レーム様のギルド専属アシストを拝命頂きました。どうぞお見知りおきを」
レームも専属職員の噂は過去にそういう制度があるらしいと聞いた事がある程度だ。
「ど、どうも初めましてレームです。専属の職員が付くのは確か銀級探索者からではなかったでしたっけ?」
「えぇ、仰る通りで御座います。ですがレーム様の偉業は十分にその功績に値するとギルドは考えております」
レームとルナは二人揃ってずずっとコーヒーを啜り「はぁ」となんとも間抜けな声を出した後、慌てて
緊張したように背筋を伸ばす。
ちなみにルナはコーヒーの苦みが嫌いらしくジュースを頼んだ。
「説明に戻りますが、こちらが【牙鼠の森】の迷宮攻略報酬で御座います。ご確認下さいませ」
ローゼリアがテーブルの上に提示したのは一枚の紙だった。
ルナは驚愕で飲み物を噴き出さんとするのを耐え、レームに至っては膝ががくがくと震えた。
そこに置かれたのはギルドの紋章が刻まれた所謂小切手だが、問題はその紙面の文字だ。
「流石に冗談...だよね?」
「いいえ、決して冗談ではありません。こちらが攻略報酬の一千万ダリーで御座います。どうぞお収め下さい。ちなみにですがこちらの報酬は領主アルバーナ伯爵様からの分配金も含まれておりますね」
恐る恐る受け取るレームの手が身震いする。
そんなレームにローゼリアは気遣うように声を掛けた。
「レーム様、僭越ながら申し上げますが、あまり馴染みがないのはこちらとしても理解できますが、本来迷宮主の討伐と女神の祝福というのはそれほどの偉業なのですよ。今回レーム様が成し遂げた事でのガレア領の経済効果はすでに数億ダリーと言われております。伯爵様に限ってはこれでも少なすぎるのではないか? と仰せと伺っておりますのでどうぞ気にせずお受け取り下さいませ」
二人はごくりと唾を飲み込み小切手を受け取る。
「あの...こんな大金他の方々はどうしてるんですか?」
「それでしたらギルドの口座にお預けするのは如何でしょうか? 各地の銀行とも連携しておりますしギルドカードさえ提示しえ頂ければ大陸中どこの支部でもお手続き出来ます。ですがあまりにも額が大きい場合の引き落としは支部では対応できない場合も御座いますのでご留意下さい。また紛失の際は申請して頂くだけで口座の凍結も出来ますのでご安心を」
「な、なる程」そう言ってコーヒーを飲むレームと、その隣で借りてきた猫の如く大人しくお菓子をつまむルナ。
「あの、それではお願いしたい事があるのですが」
先ずはレームとルナの口座の開設、そして報酬はレーム、ルナ、セシリアの三等分に分ける事を提示したのだが、セシリアが受取の拒否を固辞した為、二等分となった。
またルナに関しては身元保証人にセシリアがサインした為、一定のまとまった金額の取り扱いにはセシリアの同意が必要となる。
手続きは滞りなく終わり渡したギルドカードが返却された。
「それではこちらを」
ローゼリアが差し出したレームのカードは黒のカードに変わっていた。
「レームさんは元々黒級探索者でしたが長い間成績不振が続いた事と、更新の講習も受けていなかった為に資格を剥奪されていた状態でしたが、今回の功績によりギルド本部から昇格の許しが出ました。今後は必ず更新に来て下さいね」
都合の悪さに頭を掻くレーム。
「いいなぁ」とレームのカードを覗くルナだが、ルナのカードの裏面にも黒い星が一つ刻まれていた。
「おおっ! 私にも星が付いたよ!」
嬉しそうなルナにローゼリアが続ける。
「詳しくはこの場では割愛しますが、白級迷宮とは言え初回攻略ともなれば黒級の一般攻略と同じ功績となります。よってお二人には黒級攻略の星が一つ授与されました。それでは長くなってしまいましたがこれで手続きは終わりで御座います。これからもどうぞ宜しくお願い致します」
レームとルナは其々握手を重ねて立ち上がった。
部屋を出る際に「こちらは私の連絡先です。御用の際はいつでも大丈夫ですよ」とローゼリアのコミュのIDを受け取り、ロビーに戻った二人はどっと疲れたように待合の椅子に座った。
「なんかすごい一日だったね」
「うん」
少し遠い目をする二人だが何やらロビーが騒がしかった。
人だかりの出来ていた受付にはセシリアと共にルナの見た事のない獣人の探索者パーティー、そして探索者の一人に縋りついて泣き叫ぶ年配女性。
険しい雰囲気にルナはレームの顔を見るがレームは残念そうに首を左右に振るだけで説明は避けた。
少しして俯く女性を探索者の一人が肩を抱きギルドを出ていく。
その場は解散となり、こちらに気付いたセシリアが義手を挙げてこちらに来た。
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