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『一章:ビースト・フロンティア』 探索者
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狭い部屋の中でごくりと唾を飲む音が聞こえる。
二人は目の前の小瓶をジッと見つめていた。
「これって、、、売ったら幾らになるんだろうね?」
「国に無理矢理没収されるか強欲貴族に最悪殺されて奪われるかまあどっちにしろ碌な目には合わんだろうな」
「世知辛いんだねぇ」
「そんなもんだ」と神妙に頷き再度小瓶に視線を移す。
「あぁもう! ただ見てても変わらないでしょ! 飲んで!」
ルナが小瓶の蓋を抜き「ほら」っと渡してきた。
「そうだな。だが、これはそもそも君のアイテムだ。本当にいいのか?」
ルナは呆れたように。
「レームって意外と優柔不断よね?」
そこまで言われたら後は何も言えない。
レームは小瓶をしっかり握りグイっと半分だけ飲み、残りの半分はルナに渡した。
「半々だ。それは譲らない」
レームの真面目な顔を見てきょとんとしたルナはぷっと噴き出して小瓶を受け取り残りを飲み干す。
互いに顔を見合わせると互いに身体の奥から燃えるような熱が湧き上がるのを感じた。
「う゛ぅぅぅああ゛ぁぁ」
呻き声が部屋中に響く。
レームは苦しさから自身の首を掴んだ。
腹の中がぐちくちゃに掻き回されるように蠢き、全身の骨が崩れ落ちるような感覚と激痛が襲う。
それはルナも同様でベットの上でのたうち回っていた。
何時間も経過したように感じたが実際には一時間程だろうか。
ようやく痛みが治まるがレームは押し寄せてくる吐き気と酷い目眩に襲われた。
さらに一時間程身体を丸めて床で身をよじった。
「ふぅぅぅぅぅ。ど、、、どうやら、、、収まったようだ」
ようやく普通に座れるくらいには落ち着きレームはベットの上を見る。
ルナはまだ青い顔で大量の汗を流していたがレームには見守る事しかできなかった。
「あぁぁぁぁ死ぬかと思ったぁ」
今は椅子の上でだらっと体を背もたれに預けているルナが顔を片手で覆い言葉が漏れる。
ようやく本調子に戻った頃には外は暗くなっていた。
「レーム、、、だよね?」
「?、、、どうかしたのか?」
「鏡を見てきて!」
ルナに言われるがままに洗面所の鏡を見に行く。
「!?」 鏡に映った姿はぼさっとした少し茶色がかった髪と顎に生えた無精髭。
目立ってきた白髪が無くなり顔が少し若返った様に感じる。
何よりの変化は毎日見る鏡の高さだろう。
身長が少し伸び骨格が変わり力が溢れるようだ。
「まさか」
いつも感じる右足の鈍い痛みが今は無くなっている。
恐る恐る右足の裾をめくると、脛からふくらはぎにかけ大きくついた傷跡が無くなっていた。
少ししてレームは部屋に戻った。
「泣いてたでしょ?」
部屋に戻ると年甲斐もなく涙組んでしまった事を指摘され少し恥ずかしい。
「足の傷が消えてたんだ」
ルナは自分の事のように喜んでくれた。
「ねぇねぇ。レーム見て!」
笑顔のままレームを呼ぶルナを見ると突然枕が飛んできた。
「おっと」 と呟き反射的に枕を掴む。
「もしかして身体が?」
どうやらルナはエリクサーの効果で身体が実体化したらしく、当の本人は笑顔でピースをしている。
「そうみたい? ほら!」
ルナはレームに近寄るとその手を握る。
その握られた手にはしっかりと体温が感じられた。
「おめでとう...でいいのかな?」
「有り難う!」
丁度その時二人の間に「ぐぅ」と小さな可愛らしい音が響く。
ルナは少し恥ずかしそうに。
「取り敢えずこれ以上の検証は後にしてご飯でも食べに行かない!?」
レームはクスっと笑い「あぁそうだな」と返した。
二人はいつもレームが通っている食堂【森の隠れ家】の扉をくぐる。
「いらっしゃい! レームさんじゃない。今日は遅かったの、、、ね?」
彼女は食堂の店主の娘のリアだ。
彼女の視線はレームの後ろの方に注がれている。
「ははぁ。レームさんも隅におけないのねぇ。でもレームさんには若すぎるんじゃない?」
リアの視線には少し棘があるように感じられその先にはルナがいた。
彼女にはしっかりとルナが見えているようで、どうやらレームが若い子を金で買ったと思われている、とそんなところだろうか。
「この子は故郷から来た親戚の子だ。やましい事は何もない」
レームは肩を竦めて弁解してリタは「なんだつまんない」と言い奥へ下がって行った。
「ねぇ。私の事ちゃんと見えてるみたいね」
小声でレームに話しかけ二人はレームがいつも座る片隅の席に着席した。
注文を取りに来たリアが「いつもの?」と聞くが「今日はスペシャル二つで」
と頼むと、リアは一瞬驚いたが笑顔で奥に向かって「父さん! スペシャル二つ!」と叫んだ。
「リア。今日は酒もあるか?」
「レームさん珍しいねぇ。貴方は?」
「私も飲みたい!」
「あいよ」と返しリアが下がり少ししてテーブルの上には料理と酒瓶が乗る。
「ビーブルのスパイス煮込みとラプア酒お待ち」
スパイスの良い香りが店内に漂い空腹を刺激し、久しぶりに飲む酒にレームは浮足だち自然と顔が崩れた。
「いただきます」
ルナも真似をして「いただきます」と手を合わせた。
レームとルナはホロホロになるまで煮込まれたビーブルと言う家畜の肉をスプーンですくい口に運び咀嚼した後、ラプアと呼ばれる果実から作る酒を喉に流し込んだ。
ルナは木製のカップをドンとテーブルに置いて「ぷはぁ!」と息を吐く。
「美味しーい! 最高!」
顔を真っ赤にしたルナの心配をしながらレームも久しぶりの酒を心から楽しんだ。
ルナと出会ってからというもの久しぶりに笑ったなと感じる。
今日の昼までは身体の衰えと足の痛みに耐えながらその日暮らしの生活で鬱々とした毎日を過ごしていた筈だ。
目の前の「お姉さんこれお替り!」と叫ぶ少女を見てふっと微笑んだ。
「ルナ。有難う」
「えっ? どうしたの急にぃ」
完全に酔っているルナに「飲み過ぎだ」と注意しその日は楽しい気分のまま借宿へ戻り長い一日が終わった。
翌朝レームは床に敷いた寝袋の上で目が覚めた。
狭い床に詰めて敷いた寝袋で寝た事で身体が痛い。
ベットの上ではルナが気持ち良さそうに寝ていた。
顔を洗っている最中にルナも起き出してきて二人で朝食をとる。
「今日は何をするの?」
「せっかく足が直ったからなぁ。一度迷宮で身体の調子を確かめたいかな?」
「じゃあ私もついてくね。どうせだったらこの街の事とか迷宮の事とか色々教えてほしんだけど」
「あぁ。いいぞ。ただ幽体の時だったならまだしも今のままじゃ迷宮には入れないから装備を整えないとな、飯を食ったら街を巡ってみるかぁ」
ルナは元気よく返事をしたのだった。
二人は目の前の小瓶をジッと見つめていた。
「これって、、、売ったら幾らになるんだろうね?」
「国に無理矢理没収されるか強欲貴族に最悪殺されて奪われるかまあどっちにしろ碌な目には合わんだろうな」
「世知辛いんだねぇ」
「そんなもんだ」と神妙に頷き再度小瓶に視線を移す。
「あぁもう! ただ見てても変わらないでしょ! 飲んで!」
ルナが小瓶の蓋を抜き「ほら」っと渡してきた。
「そうだな。だが、これはそもそも君のアイテムだ。本当にいいのか?」
ルナは呆れたように。
「レームって意外と優柔不断よね?」
そこまで言われたら後は何も言えない。
レームは小瓶をしっかり握りグイっと半分だけ飲み、残りの半分はルナに渡した。
「半々だ。それは譲らない」
レームの真面目な顔を見てきょとんとしたルナはぷっと噴き出して小瓶を受け取り残りを飲み干す。
互いに顔を見合わせると互いに身体の奥から燃えるような熱が湧き上がるのを感じた。
「う゛ぅぅぅああ゛ぁぁ」
呻き声が部屋中に響く。
レームは苦しさから自身の首を掴んだ。
腹の中がぐちくちゃに掻き回されるように蠢き、全身の骨が崩れ落ちるような感覚と激痛が襲う。
それはルナも同様でベットの上でのたうち回っていた。
何時間も経過したように感じたが実際には一時間程だろうか。
ようやく痛みが治まるがレームは押し寄せてくる吐き気と酷い目眩に襲われた。
さらに一時間程身体を丸めて床で身をよじった。
「ふぅぅぅぅぅ。ど、、、どうやら、、、収まったようだ」
ようやく普通に座れるくらいには落ち着きレームはベットの上を見る。
ルナはまだ青い顔で大量の汗を流していたがレームには見守る事しかできなかった。
「あぁぁぁぁ死ぬかと思ったぁ」
今は椅子の上でだらっと体を背もたれに預けているルナが顔を片手で覆い言葉が漏れる。
ようやく本調子に戻った頃には外は暗くなっていた。
「レーム、、、だよね?」
「?、、、どうかしたのか?」
「鏡を見てきて!」
ルナに言われるがままに洗面所の鏡を見に行く。
「!?」 鏡に映った姿はぼさっとした少し茶色がかった髪と顎に生えた無精髭。
目立ってきた白髪が無くなり顔が少し若返った様に感じる。
何よりの変化は毎日見る鏡の高さだろう。
身長が少し伸び骨格が変わり力が溢れるようだ。
「まさか」
いつも感じる右足の鈍い痛みが今は無くなっている。
恐る恐る右足の裾をめくると、脛からふくらはぎにかけ大きくついた傷跡が無くなっていた。
少ししてレームは部屋に戻った。
「泣いてたでしょ?」
部屋に戻ると年甲斐もなく涙組んでしまった事を指摘され少し恥ずかしい。
「足の傷が消えてたんだ」
ルナは自分の事のように喜んでくれた。
「ねぇねぇ。レーム見て!」
笑顔のままレームを呼ぶルナを見ると突然枕が飛んできた。
「おっと」 と呟き反射的に枕を掴む。
「もしかして身体が?」
どうやらルナはエリクサーの効果で身体が実体化したらしく、当の本人は笑顔でピースをしている。
「そうみたい? ほら!」
ルナはレームに近寄るとその手を握る。
その握られた手にはしっかりと体温が感じられた。
「おめでとう...でいいのかな?」
「有り難う!」
丁度その時二人の間に「ぐぅ」と小さな可愛らしい音が響く。
ルナは少し恥ずかしそうに。
「取り敢えずこれ以上の検証は後にしてご飯でも食べに行かない!?」
レームはクスっと笑い「あぁそうだな」と返した。
二人はいつもレームが通っている食堂【森の隠れ家】の扉をくぐる。
「いらっしゃい! レームさんじゃない。今日は遅かったの、、、ね?」
彼女は食堂の店主の娘のリアだ。
彼女の視線はレームの後ろの方に注がれている。
「ははぁ。レームさんも隅におけないのねぇ。でもレームさんには若すぎるんじゃない?」
リアの視線には少し棘があるように感じられその先にはルナがいた。
彼女にはしっかりとルナが見えているようで、どうやらレームが若い子を金で買ったと思われている、とそんなところだろうか。
「この子は故郷から来た親戚の子だ。やましい事は何もない」
レームは肩を竦めて弁解してリタは「なんだつまんない」と言い奥へ下がって行った。
「ねぇ。私の事ちゃんと見えてるみたいね」
小声でレームに話しかけ二人はレームがいつも座る片隅の席に着席した。
注文を取りに来たリアが「いつもの?」と聞くが「今日はスペシャル二つで」
と頼むと、リアは一瞬驚いたが笑顔で奥に向かって「父さん! スペシャル二つ!」と叫んだ。
「リア。今日は酒もあるか?」
「レームさん珍しいねぇ。貴方は?」
「私も飲みたい!」
「あいよ」と返しリアが下がり少ししてテーブルの上には料理と酒瓶が乗る。
「ビーブルのスパイス煮込みとラプア酒お待ち」
スパイスの良い香りが店内に漂い空腹を刺激し、久しぶりに飲む酒にレームは浮足だち自然と顔が崩れた。
「いただきます」
ルナも真似をして「いただきます」と手を合わせた。
レームとルナはホロホロになるまで煮込まれたビーブルと言う家畜の肉をスプーンですくい口に運び咀嚼した後、ラプアと呼ばれる果実から作る酒を喉に流し込んだ。
ルナは木製のカップをドンとテーブルに置いて「ぷはぁ!」と息を吐く。
「美味しーい! 最高!」
顔を真っ赤にしたルナの心配をしながらレームも久しぶりの酒を心から楽しんだ。
ルナと出会ってからというもの久しぶりに笑ったなと感じる。
今日の昼までは身体の衰えと足の痛みに耐えながらその日暮らしの生活で鬱々とした毎日を過ごしていた筈だ。
目の前の「お姉さんこれお替り!」と叫ぶ少女を見てふっと微笑んだ。
「ルナ。有難う」
「えっ? どうしたの急にぃ」
完全に酔っているルナに「飲み過ぎだ」と注意しその日は楽しい気分のまま借宿へ戻り長い一日が終わった。
翌朝レームは床に敷いた寝袋の上で目が覚めた。
狭い床に詰めて敷いた寝袋で寝た事で身体が痛い。
ベットの上ではルナが気持ち良さそうに寝ていた。
顔を洗っている最中にルナも起き出してきて二人で朝食をとる。
「今日は何をするの?」
「せっかく足が直ったからなぁ。一度迷宮で身体の調子を確かめたいかな?」
「じゃあ私もついてくね。どうせだったらこの街の事とか迷宮の事とか色々教えてほしんだけど」
「あぁ。いいぞ。ただ幽体の時だったならまだしも今のままじゃ迷宮には入れないから装備を整えないとな、飯を食ったら街を巡ってみるかぁ」
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