一緒に異世界転移したチート彼女が逆ハーレムを狙っている様なんだが、戦闘チートなしのボクはどうしたら良いのだろう?

亜々流

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第二章 ボクと彼女と××××!?

9、ボクと彼女と新王国3 亡国のカタストロ

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「王制だと、王によって国の浮き沈みが決まってしまうよね」

『……それを避けるために天使の承認が、ゴニョゴニョゴニョ』

「候補がみんなハズレとか、アリアリだよね、拓真」

「うん、ちゃんとセリアスが仕事をするとしても、すでに腐ってるところが多いだろうね」

『……優秀な人間に継がせれば良いのでは? 血統は、別に問題にしていないですよ』

「天使様、可愛い我が子がいるのに他所の子はないと思うよ」

「ボク達の世界のとある国では文化○革命という大虐殺で、権力の維持の為に優秀な人間から狙って殺してるね。……4000万人以上が死んだと言われているよ」

『4000万人……』

「セリアスが、優秀な人間に継がせると公言すると、選ばれそうな人は予め殺されてしまうかも知れないね」

『ひっ、私のせいでまた……』

「天使様、危なかったね。でも、拓真に任せれば大丈夫だよ」

「うん、だから王制も独裁者を生みやすい共産主義もなしだ。
 選挙制度を作って、三権分立の民主主義を目指す。セリアスも協力をお願いするよ」


 天使セリアスには、呼び出したら直ぐに来る様に言いつけて、帰ってもらった。

「……説明する必要あったの?」

「自分が何のために働いているのか知るのは大切だよ」

「やさしいね、拓真」

「……確かめてみる?」

 ボクは彼女の額に、自分の額をつけて腕を回しながら尋ねた。ボクの優しさが彼女の為にあることを彼女に思い知らせてあげよう……。

 少しだけ休息が長引いてしまい、そのまま夜を過ごした。


 次の日、ボクと彼女は旧カタストロ王国の領地に入った。
 辺境の村ではまだ情報が交錯している様で、エルフの情報の方がましだった。

 そのまま旧王都へ乗り込むことにする。 
 ボク達の武器は、彼女の勇者としての活動による名声と天使セリアスと竜の亡骸。

 そして、圧倒的な武力……。竜の亡骸は、それを証明する。脅しとして充分な筈だ。
 不必要に血を流すつもりはない。

 町の門は開いているが、門番はいなかった。
 パジェロでそのまま乗り入れ、町の中心へ向かった。通り抜けると、流石に何人か気付くが悲鳴を上げて逃げていく。

 城に向かい城門の前まで来る。まだ城には、兵がいるようだ。

「ば、化け物め、ここをカタストロ城としっての狼藉か!」 

 八人ほどの兵士が集まってくる。ちらほらと弓矢が飛んできた。

 彼女が魔法で、空気を震わせて一喝した。

「そちらこそ、こちらを勇者の乗り物と知っての狼藉か!
 勇者明日香と海斗の帰還である。そちらは、何者であるか!」

 何人かには、明らかな恐怖が走った。そして隊長と思われる者が名乗りをあげた。

「わ、わたしは次に、この国の王となるパーペット・カタストロである」

 その男が名乗るうちにも奥から兵士が現れたのだが……。

「パーペット! 何があった?」

 ヨロイについている紋章が、エルフに聞いたところのオクトーバ王国のモノだった。
 しかし他国の兵士に使い走りにされている次期国王って、何なんだろうね。

「は、はい。勇者様です。しばらく前に、行方知れずになっていた勇者様が戻って参られました」

 旧カタストロ王国は、オクトーバ王国の属国として蘇ろうとしていた。属国の民の暮らしは、さぞ苦しく悲惨なものになるだろう。

「占領政策の一つかな……。
 この国の民の心を、徹底的に打ち砕く気だね」

「……ん?」

「民は、あの下っぱ王より更に身分が低いんだよ。夢も希望もなくない?」



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