一緒に異世界転移したチート彼女が逆ハーレムを狙っている様なんだが、戦闘チートなしのボクはどうしたら良いのだろう?

亜々流

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第二章 ボクと彼女と××××!?

5、ボクと彼女と魔王の森5 時は流れて国ほろび

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 20年前に自らが焼き払ったと言う森の一角へ、北の山のドラゴンが降りてきた。瘴気を含む炎で、未だに草一本すら生えていない。

 こちらに見向きもせずに、いきなりエルフの酒の入った樽へ向かう。……でかい。顔の部分だけで、人の2倍近くの大きさだ。

 酒樽を口にくわえると、上を向き噛み砕いくと、そのままゴクリと喉へ流し込んでいる。飲み終わると、頭を振り壊れた酒樽を吐き出す。
 そこで、やっとこちらに気が付いたのか、頭の中に声が聞こえてきた。

『うん? お前ら、少し毛色の変わったエルフだな。何か用か?』

「こんにちは、ボク達二人は人間ですよ」

『はあ? エルフの森にいる人間は、エルフだろ!』

 こちらが普通に喋っても言葉は通じるようだ。しかし、随分と偉そうな態度のドラゴンである。

「ボク達は、お酒について交渉するために来ました」

『やはり、エルフではないか。言っておくがエルフの都合など知らぬ。こちらの言うとおりの酒を用意すれば良い』

「それが出来ないと、エルフは言っています」

 ぞわり、怒気に体を膨らませドラゴンがこちらを睨みつける。

『出来ないわけがあるか! 他の仕事をやめて酒を造れば良いだけのことだ!』

 分業体制という事か? 食料を他国に頼りすぎるのは危険なのだが、日本も食料の自給率は50%以下だった筈だ。

「……では、エルフの食料その他生活に必要な物。もしくは、それを購う金品を頂ける、という事ですか?」
 
『はあ~っ! そんなものは、我々ドラゴンの知った事ではないわ!』

 そう言うと、ドラゴンはコチラをまったく意に介さないかのように、酒樽を口に咥え噛み砕いて酒を飲み始める。

 ああ、中世にヨーロッパの国々に植民地にされ、サトウキビを強制的に作らされ収奪された東南アジアのことを思い出した。
 その植民地政策で、飢餓で人口を十分の一にまで減らした国もある。

 言葉は通じるが、話が通じない相手だった……。
 うん、ダメだこりゃ。

 ボクは彼女の方を見て聞いてみる。すでに彼女はドラゴンを鑑定しているだろう。

「どうかな?」

「大丈夫みたい。……大したことないかな」

「……じゃあ、ボクがやってみるけど、
 こっちに向かって来ちゃったら失敗だから、あとは任せる」

 自分がやるつもりだった彼女は少し驚き、少し考えると了解した。おそらくは、ボクのステータス数値ではドラゴンに敵わないのだろう。
 それは想定内なので、ボクは直接ドラゴンと殴りあうつもりは無かった。


 酒を飲んでいたドラゴンは、自分におきている異変に気付くのが遅れた。気が付くと、振り向いてこちらを見る。
 
『エルフめ、酒に毒を盛ったな! だが、そんなものは効かぬぞ!』

 こちらを睨み、解毒の魔法だろうか? 
 自分に魔法を掛けている……。

 そして、息絶えて体を地面に沈めた。

 息を長く止められる人でも、いきなりでは、そう長く止めてはいられない。
 ドラゴンは息を止めていた訳ではないのだが、その空気の中に酸素は入っていなかった。

 ボクは物品引き寄せで、ドラゴンの周りの酸素だけを引き寄せ続けていたのだ。
 どんなに強くても呼吸が出来なければ、ドラゴンも死ぬようだ。

 よく見ると、側にいるショタエルフが少しちびっている。
 
 ボクは今、さりげなく彼女にも気付かせて、ショタエルフの好感度をさげる方法を考えている。それは、ドラゴンを倒すより少し難しいかもしれない。


 ボクと彼女は、ドラゴンの亡骸とエルフの酒をアイテムボックスに入れて、エルフの城に帰った。
 
 ドラゴン退治をしている間に、周辺の国で大きな変化があったらしい。
 カタストロ王国が滅びたという。

「カタストロ王国? 知ってる?」

 ボクが聞くと、ショタエルフが信じられないと言う顔をする。
 彼女がそっと呟く。

「……拓真だねぇ」


◇============================◇

応援よろしくお願いします。

前話のエルフ王のロリコンエロじじいの部分を消しました。
主人公の性格が悪くなりすぎ&エルフの成長と年齢的に整合性にかけてくる。
などの理由によります。m(_ _)mスマン
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