一緒に異世界転移したチート彼女が逆ハーレムを狙っている様なんだが、戦闘チートなしのボクはどうしたら良いのだろう?

亜々流

文字の大きさ
上 下
19 / 37
第二章 ボクと彼女と××××!?

1、ボクと彼女と魔王の森1 助けたエルフに連れられて

しおりを挟む
 合法ショタエルフが土下座している。

「だますつもりは、ありませんでした~」

 エルフだと正体バレた後、車を出て数分後の事である。どうやら、正体がバレた緊張感に耐え切れなくなったらしい……。
 先ほどの彼女の怒気にも当てられて、勝手に恐怖で暴走し出したのだ。

 彼女としては、ショタエルフが18歳の合法ショタエルフだった。それだけの話だろう。
 ボクとしてもエルフと言うだけで犯罪者扱いするつもりは無い。現在、敵対もしていなければボク達に対して犯罪行為も行っていない。

 ……ただ、見かけを欺いて、それを黙っていただけだ。
「虐められるのが嫌で変装してたんじゃなくて、だますために変装してたんだ?」

「そ、そんなことは、ありません。勇者様達をだますつもりなど、ありませんでした」

 地面におでこを付けたまま、声を震わせて話すショタエルフ。
 見かけだけとは言え7,8歳の少年にこんな風に謝られていたら、いかにも居心地が悪い。
 分かってやってるんじゃないかとも邪推してしまうよ。彼女は、もう完全に情にほだされている。ある意味ボクにとって敵対的だ……。

「とにかく、立って立って。そんな風にしてたら、ちゃんと話も出来ないよ」

 彼女からの言葉を貰いショタエルフが遠慮がちに起き上がる。幻影の魔法だろうか? 人間の子供の変装も解けている。

 耳がエルフのモノになり、髪も少しほわほわな柔らかい感じになる。肌もますます白く、透けるような……ぐふっ、コイツは危ない。

 変装を解いた少年は、ますます危険な存在になっていた。
 断固として、彼女の側においておくわけには行かない。

 話を聞いていると、どうやら少年は魔王の森から王国に送られたスパイだったらしい。つまり魔王の森って、エルフの森だったんだね。
 で、勇者の噂で警戒して送り出した。、と……。

 少し前まで、王国所属だった勇者……つまり僕らをスパイしに来たんじゃあないか?
 まあ、今となっては、どうでも良いことだが。

「じゃあ、もう森に帰っても良いですよ」

 間もなく夜になるであろう薄暗い荒野でボクは、ショタエルフに優しく許しを与える。

「拓真、もう暗くなるよ? 一緒に野営してあげた方がよくない?」

 ちっ、ショタエルフめ。速攻で荒野に逃げ出せば良いものを……。

「ああ、そうだったね。……気付かなかったよ」

 諦めてボクは、今夜の宿となるトレーラーハウスを取り出す。三部屋あり外観もおしゃれな、もはや小さめの家と言えるタイプの物である。……隣で彼女が呆れてる。

「拓真、私よりずっとチートだと思うよ」

 食事を終えると、ボクの部屋にショタエルフ、彼女の部屋にボクと彼女に分かれる。
 部屋にロックの魔法で結界を張ると、これで音が漏れないことを彼女に伝えて、久しぶりに二人でイチャイチャする……。

 翌日は、大らかな気持ちで朝を迎えられた。
 朝食を終えると、またもやショタエルフが土下座を始めた。さてはコイツ、味を占めやがったのか。そうそう甘い顔は見せられないよ?

「民を苦しめるモンスターを勇者様が退治していると聞いております。
 お願いでございます。どうか一緒にエルフの森においでください。エルフの民を苦しめるモンスターの退治をお願いいたします」

 どうやって断ろうかと思案すること数秒……。ショタエルフの言葉が終わると、同時に。
「よし、私たちが退治してやるよ。大丈夫だよね、拓真?」

 彼女が答えていた。

「……ああ、良いんじゃないかな」

 ボクと彼女は、彼女が助けたショタエルフの案内で魔王の森に向かう事になる。
 彼女の瞳がまだ見ぬ美麗なエルフ達への期待に輝いている……ようにボクには見えた。

◇============================◇

応援よろしくお願いします。
感想でスパイ? と聞かれて、違うと言ってましたが、……頂きました。
その方が、エルフ村の迷子より、身分を上に出来て付きまとわせる事ができそうなので。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

何故か超絶美少女に嫌われる日常

やまたけ
青春
K市内一と言われる超絶美少女の高校三年生柊美久。そして同じ高校三年生の武智悠斗は、何故か彼女に絡まれ疎まれる。何をしたのか覚えがないが、とにかく何かと文句を言われる毎日。だが、それでも彼女に歯向かえない事情があるようで……。疋田美里という、主人公がバイト先で知り合った可愛い女子高生。彼女の存在がより一層、この物語を複雑化させていくようで。 しょっぱなヒロインから嫌われるという、ちょっとひねくれた恋愛小説。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

二度目の勇者の美醜逆転世界ハーレムルート

猫丸
恋愛
全人類の悲願である魔王討伐を果たした地球の勇者。 彼を待っていたのは富でも名誉でもなく、ただ使い捨てられたという現実と別の次元への強制転移だった。 地球でもなく、勇者として召喚された世界でもない世界。 そこは美醜の価値観が逆転した歪な世界だった。 そうして少年と少女は出会い―――物語は始まる。 他のサイトでも投稿しているものに手を加えたものになります。

処理中です...